モデレーターはサーチエンジンランドのバネッサ・フォックス。スピーカーはアウトドアブランドREIのマーケティングマネージャー、ジョナサン・コールマン、アドビのプロダクトマネージャー、キャメロン・コーワン、eBayのSEOマネージャー、デニス・ゴーデグビュールー(Goedegebuure)、そしてエイトフォールド・ロジック(旧エンクイジット)のCEO、リチャード・ズウィッキー。
まずはエイトフォールド・ロジックのリチャード・ズウィッキーから。
ファインダビリティとは、顧客とあなた(サイト)との間にあるパスを分析することで何かが見つかること。サイトにアクセスしてくる訪問元の情報は、紹介に過ぎない。エンゲージメントではない。多くの検索経由のリファーラルがあれば、多くの紹介がある。幾つかの紹介が、対話に進化し、エンゲージメントになる。
インターネットは全てのデータを計測することができる。計測しない限り、アトリビューションは分からないまま。
基本はログデータ。どこから来たか?クッキーを使えば、過去の行動履歴までトラッキングできる。誰がどこからいつ来たか、何回来たかまで測定できる。クッキーを利用してユーザーの行動履歴を過去にさかのぼって時間軸で測定することが重要。
アカマイを使うとかなり正確なユーザーのセッションデータを取ることができる。複数のセッションや複数のサイト経由でもネットワークレベルでクッキーを使って情報共有することでユーザーの特定がより正確にできる。
複数ドメインやサブドメインでもネットワークレベルのクッキーを使うことでトラッキングできる。ここまでは以前はできなかった。
例えば一回目にGoogleから来訪。二回目はFacebookから。三回目はソーシャルサイトから。そこでニュースレターに登録。その後、直接訪問も含めて数回サイトに訪れた後、商品購入。という細かいレベルまでユーザーの行動履歴を測定できる。
ここまで測定して初めてアトリビューション分析が可能になる。
検索マーケッターにとって、顧客獲得の費用対効果を最大限高めるためには必要な指標。
アドビのプロダクトマネージャー、キャメロン・コーワン。なんでアドビかと思ったらオムニチュアを代表してなんですね。
■マルチチャンネル広告とセールス
オンライン広告チャンネル(オンライン広告)
オンライン対話チャンネル(サイト、ソーシャルメディアなど)
オフライン広告チャンネル(テレビCMなど)
オフライン対話チャンネル(お店、通販など)
オンライン vs オフライン
広告 vs 対話
■アロケーション
1. アロケーションモデル
a. ラストクリックアロケーション
“ラストクリック”アロケーション。コンバージョンの前に利用された媒体だけトラッキングする。会場でラストクリックアロケーションを使ってない人は何人いるか?(200人程度の会場で7人程度)。数年前からラストクリックアロケーションは終わったといわれているが現状はまだまだ主流なのが実態。
b. Uモデルアロケーション
最初のクリックと最後のクリックの媒体だけ重要視する手法。
2. 対象時間
どこまで過去にさかのぼって測定するか?
3. 時間軸
最初のクリック 2日前:30日前
↓
途中のクリック 10日前:25日前
↓
最後のクリック 今日:21日前
↓
コンバージョン
各アクションの時間をどこまで測定するか?
3. マーケティングミックス
PPC、SEO、ソーシャルメディア、メール、バナー、、、
どこまで対象に測定するか?
4. エンゲージメントの深度
ページ内でコンバージョンに至るまでの遷移を追い、エンゲージメントのレベルを測定する。
”アトリビューションモデルは複雑でチャレンジング。しかしシンプルに初めて少しずつ進化させていくことはできる”
■その他色々
最初の訪問時に発生する注文数と、複数の訪問後に発生する注文数はどちらが多いか?
例えば下記のようなケースでどの媒体をどこまで評価するべきか?
1回目 ソーシャルメディアサイト経由で訪問して帰る
2回目 バナー広告経由で訪問してメルマガ登録
3回目 PPC経由で訪問してブックマーク
4回目 ブックマーク経由で訪問して商品ページを閲覧
5回目 メール経由で訪問して商品購入
ラストクリックだけで効果測定してはいけない。ユーザーの履歴を過去までトラッキングしてアトリビューション分析することが重要、という話でした。オムニチャーならできるのかな?
次はアウトドアブランドREIのマーケティングマネージャー、ジョナサン・コールマン。REIの本社はシアトルなんですね。
■サーチマーケティングの進化を妨げる障害
1. 個別に運用されるマーケティングプログラム
2. ラストクリック評価
3. 広告コスト
■トータルサーチオプティマイゼーションとは?
サーチマーケティングプログラムを集約化することで、
・トラフィックとセールを増やす
・顧客の行動をより理解する
・広告コストを削減する
■有料検索とオルガニック検索の関係
有料検索広告の費用をを時間軸で調整してみた。いわゆるビッグワードを中心にコントロールしてみた。
ビッグワードの出稿を増やす程、オルガニック検索経由のトラフィックも増えた。広告の露出によりブランド認知度が高まってオルガニックのクリック率も高まったのではないか?と考えている。
■検索結果のドミナント戦略
特定の商品キーワードで、PPCとSEO、商品検索で1ページ目の上位半分程度の検索結果を自社サイトで独占した(PPC1位、SEOで1&2位、商品写真5つ中2つ)。
見た目のインパクトは凄かったが、トラフィクとセールスは期待した程ではなく、費用対効果は悪かった。
■オルガニック検索へのPPC出稿の効果
PPCで1位になり最上位に表示されるとトラフィックとセールスはある。ただし費用対効果は評価できない。
しかし、PPCで上位にいることで、オルガニック検索のクリック率も上がった。そこまで加味して考えると、PPCにトップ出稿する価値はより高くなった。検索結果1ページ目に自社サイトが表示されていることが前提だが。
■トータルサーチテスティング
・PPCとSEOは連動して運用すべき。
・全てのケースをテストすべき。
・一回のテストで全てを判断せず、様々なパターンをテストすべき。
・改善したら、上司を説得してキャンプに行こう!
流石に本格的なテストをしていますね。商品数が多くPPCの予算も相当なものと思いますし、SEOもかなり本格的に取り組んでいるようですが、だからこそサーチマーケティングとして共に連動させることで、全体の予算を改善させる努力をしているのでしょうね。
最後はeBayのSEOマネージャー、デニス・ゴーデグビュールー(Goedegebuure)。
eBayは22カ国で展開されるグローバルプラットフォーム。
セラーのロケーションでレベニューは決まる。バイヤーは様々なロケーションから来る。
例えばiPadがアメリカからeBayを通じて世界中に輸出されている(クールなインフォグラフィックで紹介)。
例えばアメリカのセラーがiPadを販売。アメリカのバイヤーがビッドして購入。バイヤーが最後にバナー広告を見ていたらバナー広告にアトリビューションを与える。最後に広告リンクをクリックしたら広告リンクにアトリビューションを与える。
そこに他のバイヤーが別の媒体経由で来訪し、入札競争が発生した場合、どう評価すべきか?
最初の広告で$900で販売されていたモノが、オークションを通じて$1,035で売られたとする。さらに2人のバイヤーのソースが違う。この$135をどう評価すべきか?媒体毎に一定の評価を与える必要がある。
このようにオークションの場合はアトリビューションの評価が非常に難しい。複雑すぎるので現状はラストクリックアトリビューションのみを対象にしているが、それでも特に複数のバイヤーが参加した結果、価格が上がった場合などどのようにアトリビューション評価すべきかは細かな分析が必要となる。
なかなか複雑な話でしたね。。ただ確かにオークションなどのモデルの場合は、効果測定により複雑な要素がからむのは理解できました。フラッシュマーケティングなどもそういう要素が入ってくるかもですね。
Q: ブラウザーが多様化していくことはアトリビューション分析の障害になるか?
A: ブラウザーというよりクッキーが取れるかの方が重要だ(eBay)。
A: クッキーの問題はある。サイトにユーザーが一度ログインしてくれればクッキーがなくともデータは取れるのだが(エイトフォールド)。
Q: ブランド検索とPPCの関係はあるか?
A: PPCで広告を見た人が後でブランド検索をしてオルガニック検索経由でサイトにアクセスすることはあると思う。我々のテストではPPC広告を出稿するとしないではブランド検索経由のトラフィックに影響があると考えている。
Q: ペイ・パー・コールはどう測定しているのか?
A: 1つの媒体として当然測定している。コール以外にもダウンロードできるクーポンなど色々ある(eBay)。
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