今回は、既に私が3本のエントリで指摘した「ありがちな誤り」のふりをした“作り話”のことを言っているのではない。
このエントリでは、多くのSEO業者が行っている故意ではない誤りを挙げていく。その中には業界の最高峰にいる人々でさえうっかり犯している誤りもある…
1. Google AdWordsのキーワードツールをブロードマッチングに設定
グーグルアドワーズのキーワードツールはデフォルトで「Broad」マッチモードに設定されている。この状態では、SEOの観点で言うと、無意味なデータが生成されてしまう。データが大幅に膨らみ、指定した検索用語を含む無数のフレーズを対象にしてしまうのだ。例えば、キーワードツールは、「shoes」に対して3040万のクエリを報告しているが、その中には「dress shoes」、「leather shoes」、「high heeled shoes」、さらには、「hours shoes」、「snow shoes」、そして、「brake shoes」等の複数の単語で構成されるフレーズも含まれている。
「Exact」モードでは、「shoes」の検索クエリの量は36万8,000に減少する。この2つの違いは大きい。そのため、SEO目的でアドワーズのキーワードツールを使ってキーワードをリサーチするなら、Broadマッチの隣のボックスのチェックを外し、Exactの隣のボックスにチェックを入れよう。
2. インデックスさせたくないときに無効にする
グーグルのSERP(検索エンジンの結果ページ)にタイトルやスニペットのないリスティングがある点に気付いたことはあるだろうか?これは、robots.txtファイルが、グーグルボットによるURLの訪問を無効にしている場合に発生する。しかし、そのサイトに向かうリンクが見つかったため、グーグルはURLの存在を把握している。このURLは、無効にされたページへ向かうリンク内のアンカーテキストに関連する用語に対してランキングの対象となる。robots.txtのDisallowはページのコンテンツをスパイダーさせない命令であり、インデックスからURLを撤回するためではない。
メタのrobotsのnoindexメタタグをページに配置すると、メタタグを見ることが出来るように、スパイダーにページにアクセスさせる必要がある。また、シンプルにページを「noindexing」する代わりに、グーグルウェブマスターツールのURLリムーバルツールを利用する誤りも見受けられる。リムーバルツールを利用することはめったにない。また、グーグルが(非公式に)従うREP(ロボット・エクスクルージョン・プロトコル)には「Noindex」の命令がある点も注目してもらいたい。disallowおよびnoindexの詳細はここで確認してもらいたい。
3. URL SERPのパラメータ & グーグルのインスタント
先日、グーグルのSERPのURLに加えることが可能なパラメータに関するエントリを投稿したばかりだ。 グーグルインスタントが登場して以来、&num=100 or &pws=0等のパラメータをグーグルのSERPのURLの最後に加えることが出来なくなったと主張する人がいる。しかし、恐れることなかれ。グーグルインスタントを無効にすれば、URLのパラメータは再び利用することが出来るようになる。
4. 顧客のボキャブラリーを使わない
顧客は業界用語を使わない。文章の中で「電化厨房」と言う言葉は使わない。たとえこの用語が小型のキッチン電化製品に対して、業界では認められていてもだ。顧客は自分が理にかなっていると思うような方法で検索しているとは限らない。例えば、複数形「digital cameras」は単数形「digital camera」よりもクエリの量は多いと思ったが、各種のグーグルのツールを参考にすると、結果は反対であった。
弁護士が用語にこだわり、障害になっていることがある。例えば、銀行の弁護士が、「mortgage」ではなく、「home loan」と言う用語を使うべきだと言う立場に固執している(なぜなら前者は銀行が提供していない“法律文書”を指すためだ)。大抵の場合、正しい選択肢は明白だが、内部の問題や習慣によって人気のない用語を使ってしまうことがある(例えば、人々が「パーカー」を検索しているときに、「フード付きトレーナー」と言う用語を使ってしまう)。
5. キーワードをブレインストームする段階をとばす
キーワードのブレイストームによって、サイトのコンテンツ計画を決めていると言う声はめったに聞こえてこない。キーワードのブレインストームは、単純な作業であり、グーグル・サジェスト(入力していくと、自動的にオートコンプリートする機能であり、Google.comに搭載されている)、または、Soovle(グーグル、ビング、ヤフー!、ユーチューブ、ウィキペディア、アマゾン、そして、アンサー.comで同時にオートコンプリートする)を使えばよい。視点を変えることが重要だ。
例えば、幼児用の家具メーカーが「baby」で始まる人気の高い用語を確認して「baby names」の人気が高い点に気づいたなら、関連する用語に特化するセクションをサイトに構築する(「trends in baby names」「baby name meanings」「most overused baby names」など)。
6. URLをキーワードにマッピングするものの、その反対を忘れる
すべてのサイトのコンテンツをキーワードのテーマ(プライマリーキーワード、明白な検索用語、あるいはゴールドワードと呼ばれる)にマッピングするプロセスは標準的な手順である。一方、ターゲット(最も好まれる)のキーワードのリストから始め、それぞれのキーワードを最も適切なページにマッピングして、そのキーワードに対するランクを獲得させ、最後にキーワードからURLのペアでサイトを最適化していくプロセスはあまり知られていない。
例えば、「vegan restaurants in phoenix」は5つの異なるページに関連している可能性があるが、最も適する候補を選ぶことが出来る。そして、その最適の候補に対して内部のリンク構造を最適化する。つまり、このアンカーテキストを含む内部リンクを5つすべてに広げるのではなく、候補に向けるのだ。自分と競合して、全滅するよりも理にかなっているはずだ。
7. 無料のホスティングタイプのブログを立ち上げる
ワードプレスドットコムやブロガードットコムのような無料でホスティングしてくれるブログプラットフォームは有益なサービスを提供する。1800万サイト以上のブログが、ワードプレスドットコムでホスティングされている。ただし、SEOや収益化を重要視するなら、避けておきたい。これらのブログプラットフォームは柔軟性に欠けており、好きなプラグインやテーマ/フレームワークをインストールすることが出来ないだけでなく、SEOにも向いていない。また、間違えてもサブドメインをwordpress.comに設定してはならない。1年に$10で、有料のワードプレスドットコムのアカウントを利用し、ドメイン名を自分で選ぶことが出来るのだ。
アドセンスの広告ユニットをワードプレスドットコムのブログに掲載すると、利用規約に違反する点をご存知だろうか?ウェブホストを手に入れ、セルフホスティング版のワードプレスのブログを運営して、自分の思い通りに管理しよう。
8. グーグルのパーソナライズド機能を適切に無効にしていない
以前からグーグルはログインしていないユーザーの検索アクティビティを基に検索結果を個人に特化させる取り組みを始めている。パーソナライズド機能をオフにするためには、グーグルからログアウトすれば十分だと思っていた人に良いことを教えてあげよう。それだけでは不十分なのだ。グーグルのSERPで「ウェブ履歴」、次に「検索内容に基づくカスタマイズを無効にします。」を順番にクリックするか、もしくは、個別のクエリにおいてグーグルのSERPのURLの最後に&pws=0を加えよう(ただしグーグルインスタントが無効になっている場合のみ。詳しくは上記を参照)。
9. 無料のツールにログインしていない
グーグル・トレンド等、定期的に利用するウェブベースのツールのなかには、ログインしていない場合、機能が制限されるか、もしくは不完全なデータ(または精度に欠いたデータ)を提供するツールもある。グーグル・アドワーズのキーワードツールはこの点を強調している: 「アドワーズのログイン情報を用いてサインインすると、この検索のアイデアの完全なリストを見ることが出来ます」。指示に従った方が賢明だ。
10. ホームページで上位の用語を使って上位のページにリンクしない
SEOの観点から言わせてもらうと、ホームページに表示するカテゴリーを決める際にはじっくり考えてもらいたい。同じことがタグクラウドにも言える。そして、「人気の高い製品」にも言える。「人気の高い製品」を「最もグーグルで上位にランクインさせたい製品」と考えてみよう。
11. ステータスコード 404を必要時に返さない
以前触れたように、リクエストされたURLが明らかに偽物/存在しない際には、404 ステータスコード(200や301よりも)を返すことが重要だ。さもなければ、グーグルのサイトに対する信用度は落ちてしまう。そう、グーグルはこの点をチェックしているのだ。
12. 自分のサイトにリンクを張るページへのリンクを構築しない
多くのアマチュアレベルのSEOは自分のサイトにリンクを張っているページへのリンク構築の重要性を軽視している。営利目的のサイトにおいては、自分のサイトへ直接向かうリンクを手に入れるのは難しい。しかし、質の高いリンクを手に入れたら、そのリンクを張るページに対してリンクを構築するのは遥かに容易になり、間接的なメリットがもたらされる。
13. 限度を超えてコピーやスパイダー向けのリンクを多用する
ページの一番下で、フッターの下に「SEOコピー」と私が呼ぶパラグラフを持つホームページが多すぎる(例えば著作権の警告や法律関係の案内文の下)。大抵の場合、このコピーに多くのキーワードが豊富に詰まったテキストを埋め込んでいる。それぞれのリンクを太字にしたり、strongタグを付けている場合もある。これ以上目立たせてどうするのだろうか?「SEOを考慮したスパイダー用のエサ」と記したHTMLのコメントを直前に記す手もある(“グーグル用のキーワードスパムをここに挿入”と記した方が適切かもしれない)。
14. カノニカルタグを利用しない
カノニカルタグ(リンクの要素)は常に役に立つわけではないが、害をもたらすことはない。そのため、怖がらずに使ってみよう。eコマースサイトを運営しているなら尚更だ。例えば、複数のカテゴリーにある製品をマッピングした結果、複数のURLが生じたなら、カノニカルタグを使えば簡単に修正可能だ。
15. 近所をチェックしないまま定住する
家を買おうとしているなら、地域の学校や犯罪率等をチェックするはずだ。新しいIPの地域に引っ越した際にも同じことをするべきである。Majestic SEOは、IPの近隣チェッカー機能を持っている。これは三流のサイトにとっては重要である。多数の怪しいバイアグラ系のサイトとIPを共にはしたくないはずだ(共有ホスティング)。
16. 内部リンクを必要以上に実施する
それぞれのページへ向かう僅かなトラフィックのためにリンクジュースを薄めるべきではない。 記事のページならページランクをすべてのページに流すのではなく(数百本規模のリンクを用いて)、関連するトピックにのみもたらそう。
17. グーグル・ウェブマスター・ツールのデータを鵜呑みにする
グーグル・ウェブマスター・ツールのデータがアナリティクスのデータと一致しなかったことはないだろうか?そんな時は、ウェブマスター・ツールのデータよりも、アナリティクスのデータを信用するべきである。
18. グーグルのエンジニアが参加しているカンファレンスで公にサイトを評価してもらう
これは致命的だ!サイト内部または近隣とのリンクの関係で100%やましいことがないなら話は別だが、自殺行為と言っても過言ではない。次のようなケースが考えられる: マット・カッツ氏にカンファレンスで身元を隠すことなく話しかけてしまう。この過ちは私達が「Leon」と呼ぶ人物の体験談を基にしている(誰の事を言っているのか分かるだろう、Leonさん)。
19. オーガニック検索をPPCを用いて共食いする
無料で手に入るトラフィックをお金を出して獲得しているなら、もったいない。この件に関しては以前「オーガニック検索 & 有料検索: 相乗効果それとも共食い?」で説明した。
20. 因果関係と相互関係を混同する
H1タグをサイトに加えたらグーグルのランキングが上がったと誰かが言ったら、まずは“ヘッドラインのテキストを前から用意していて、フォントタグをH1タグに変えたのか、もしくはキーワードが豊富に詰まったヘッドラインを新たに加えたのか”私は尋ねる。通常返ってくる答えは後者である。ページの上部にキーワードが豊富に詰まったテキストを配置すると、キーワードを目立たせることが出来る(因果関係)。H1タグは目立った変化をもたらすわけではない相関関係である。
21. グーグルによる(仮想の)“逮捕記録”を考慮しない
覚えている方もいるかもしれないが、この件に関しては、既に、説明済みだ。グーグルがネットワーク全体での違反を“記録”しているかどうかは不明だが、記録していないとしたら浅はかだと言わざるを得ない。3日間で大量のスパムディレクトリにサイトを投稿する行為は愚行としか言いようがない。Majestic SEOでリンクの急増が分かるようなら、確実にグーグルに突き止められるはずだ。
22. アンカーテキストのパターンを変えない
これでは不自然に見えてしまう。リンクに多様性を持たせよう。
23. Yahoo Site Explorerに表示される全てのリンクを「followed」扱いする
ヤフー!サイト・エクスプローラがレポートにnofollowのリンクを含める理由を私に訊かれても困るが、実際にそうなのだから仕方ない。多くのサイト・エクスプローラのユーザーは誤って「Inlink」タブで報告されるすべてのリンクがリンクジュースをもたらすfollowedのリンクだと仮定している。
24. 処理を完全に終える前に再審査リクエストを投稿する
大半のSEO業者は“再審査リクエスト”を投稿しないため、そこまで一般的な誤りではない。しかし、投稿するつもりなら、何もかも、余すところなく、整理を済ませてから投稿しよう。
25. パワーユーザーではないユーザーのアカウントからソーシャルサイトに投稿する
歴史もなければ、ファンも、そして、知名度もない無名のユーザーが投稿しても、何も変化は期待できない。ディグがサイトを改良してもしなくても、パワーユーザーが今でも権力を握っている。
おまけのアドバイス: 価値の低い(またはゼロの)アクティビティを重要視するのはもうやめよう
ご察しの通り、私はまたまたメタキータードタグのことを言っている。グーグルは対応していない。競合者にただで情報を与えるようなものだ。皆さんのSEOの対策リストにも、このような実施する価値のないアイテムが幾つかリストアップされているはずだ。アクティビティを起こすことが重要なのではない。結果を重視しよう。重要な点に焦点を絞るのだ。
当然だが、このリストはすべてを網羅しているわけではない。他にもたくさんある。3本のシリーズ記事にすることも可能だが、出来るだけ誘惑に負けないようにする 😉
皆さんの同僚、クライアント、そして、競合者はどのような過ちを犯しているだろうか?コメント欄で紹介してもらえると有難い。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「25 Super Common SEO Mistakes」を翻訳した内容です。
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