数学の問題で面接を開始する取り組みを説明した、先月のコラムの冒頭の部分に対して、否定的な反応が多く見られ、私は衝撃を受けた。その典型的な例がEricMのコメントである:
訳: と言うことは、面接で応募者にインターネットを使わせて、このツールを使わせるのかな?最悪だよ。CTRを基にBを選ぶ方法がやっぱり正しい答えなんじゃないかな。
記事の全体的なポイントを見逃していたものの(シンプルな無料のツールを使って、A/Bスプリットテストの信頼区間を計算することが出来る)、EricMは一つ興味深い問題を提起していた。つまり「面接で応募者にインターネットを使わせて、ツールを使わせてもいいのか」と言う点だ。
答えは、YESだ。何か不都合な点があるのだろうか?
ウェブにアクセスせずに仕事が出来るとは私は思っていない。従って、コンピュータとウェブの利用を認めずに面接を行うなど、私には到底考えられない。それではまるで馬を走らせる姿を確かめずにジョッキーを雇う、もしくは、医学部適性試験の結果を基に心臓外科医を雇うようなものだ。
候補者の仕事ぶりを本気で評価したいなら、面接中にラップトップとプロジェクタを接続し、適切だと思う時点で自由にウェブを利用してもらうべきである。そうすることで、エクセルの習熟度や第三者のツールの知識が分かり、また、考え方がすぐに見えてくるはずだ。理論と実践を分けたいなら、実際の仕事を見るのが一番である。
検索業界で7年間働いてきた中で、私は面接のプロセスを2ページのカンニングペーパーにまとめた。その結果、私は非常に有能な人達を同僚に迎えることに成功した。私よりも賢く、詳しく、経験が深く、そして、クリエイティブな人材である。
雇用される側、または雇用する側によって、検索業界の面接を成功させるにはどうすればいいのか、そして、優れた検索の達人を雇用するにはどうすればいいのかのいずれかを考えることになる。忠告しておくが、確かに積極的な中規模の会社の人事による先入観が存在することは否めない – そもそもフリーサイズの便利な手法は存在しない。
1問目は毎回数学の問題だ。この問題により、人材を募集している職種には高度な分析力が必要とされることが伝わり、ブランドが木だったら、どんな木なのかを語ろうとするタイプのマーケッターを退けることが出来る。
また、この問題の答えで、手短で丁寧な20分間の会話になるのか、あるいは、1時間を要する徹底した議論になるのかを私は判断することが出来る。実は私は1問目に対する応募者の身体的なリアクション – 分析に対してアレルギーがあるかどうか – を見ている。「数学はあまり得意ではない」点を示唆する答えは、20分間の面接となり、握手で終わる。
以下に私が候補者に投げ掛ける質問を幾つか挙げていく:
「2つの広告クリエイティブにA/Bテストを行っています . . . これがインプレッション数とクリック数です。初日に50点のキーワードのキャンペーンを最適化を命じられたと想像して下さい。あなたなら何をしますか?」
いっそのこと、小規模なアドワーズのアカウントからデータを提供し、単純に「あなたならどうしますか?」と尋ねる手もある。
これは自然な検索に限定しているわけではないが、容易に理解することが可能な単純なプレ代数の問題である。CTRを計算して、勝者を宣言する答えは、(不十分な)数学オンリーの答えだと言える。
長年学校に通ったことで、数学の問題を特定し、計算し、答えを出し、次の問題に進む癖がついている。これは誤ったアプローチであり、誤った答えを導いてしまう。.
私が求めているのは、総合的で、ビジネスを考慮し、技術者の経験に基づいた自由な発想である。
以下に正しい答えの例を挙げていく(答えは複数ある):
「上の例で、広告AのROIを計算して下さい。」
これは、明らかにビジネス志向だが、優れた質問である。この質問を理解することが出来るエンジニアは非常に稀であり、とても貴重である。基本的な公式すら思い浮かばない“マーケッター”は行き詰る。
また、この時点までに候補者に提供するデータには、収益やコストは含まれていない。私はこれらの欠けている要素をすぐに特定し、まとめあげる候補者を探している。
「アーバンスプーン(註:レストラン検索サイト)で行われた予約を追跡するには、分析パッケージをどのように利用すればいいですか?」
コンバージョンの追跡の仕組み – 理想的にはグーグルアナリティクスやオムニチュア等の大きな分析パッケージで – を理解している候補者を求めている。
「コムスコアによると、会社XXXXは過去1年間でわが社よりも早いペースで検索で成長しているようです。その理由は何だと思いますか?
有料もしくは無料のツールを利用した答えを私は求めている。マジェスティック、SEOMoz、レイブン、はたまたブレッコ等の無料ツールを使った、リンクの比較評価を推薦してもらいたいのだ。
この質問は、実際に候補者にツールにログオンしてもらい、どのように利用するのかを説明してもらう絶好のタイミングである。マジェスティックのアカウントを持っている人と、使うことが出来る人の間には大きな差がある。私のようにジムの会員証を持っているものの、お腹が出るプロセスを止められないようなものだ。
「カフェインやメーデーについて知っていることを教えてください。」
大好きなコーヒーや若い女の子達がリボンを使って踊る催しについて説明してもらいたいのではない。カフェインとメーデーは2009/2010年に行われたアルゴリズムアップデートの名称であり、よく知っているなら、検索に関わった経験の期間が見えてくる。ベテランを探しているなら、グーグルダンスについて訊いてみよう。
「米国内の60万店のレストランに関するアーバンスプーンのエクセルファイルのデータがあります。このファイルを1000店以上が存在する街のリストに変えて下さい。」
答えを出すにはピボットテーブルを利用する必要があり、1-3分で答えを導き出してもらいたい。
「レストランのeメールのリストを購入し、これらのeメールを追加します。あなたならどのように追加しますか?」
細心の注意が必要で、骨の折れる作業が要求されるVLookupが必要である – この答えを知っているなら、実際の作業に耐えられると推測することが出来る。
「テレビ広告をテストして、私達のブランドをディレクトリーから予約サイトに拡大する能力を評価します。あなたならこの取り組みのROIをどのように評価しますか?」
この質問には、とても複雑な答えが求められ、私は以下のニュアンスを求めている:
「“レッドモンドのロマンチックなイタリアンレストラン”でランキングを上げるために、あなたなら何をしますか? – これが当該のページです。現在、この用語で2ページ目に掲載されています。」 (通常のオンページ最適化が行われていると仮定)
これはひっかけ問題である – 私が本当に知りたいのは、次のポイントを指摘してくれる人である:
ある時点で、私は候補者が知識を持っていないであろう、私自分の得意分野を深く掘り下げる(ローカルやニュース検索)。
このケースでは、「分かりません」問いう答えが正解である。検索では多くの変更が行われており、全てを把握することは不可能である。面接官(または上司)に「分かりません」と言えることは非常に重要である。検索業界には余計な戯言ばかりを並べる人が多過ぎる。このタイプの人材は私は求めていない。
反対に、私に知識を与えてくれる候補者も求めている。優れた候補者は私を導いてくれるはずだ。
それでもダメなら、「検索について私が知らないことを教えてください。」を試す。次の「私に何か教えて下さい」タイプの質問は、前向きである: 「私達が考えるべき次の目玉は何ですか?」もしくは「CEOはツイッターでピンタレストのことばかり投稿しています。検索戦略でどのような役割を持たせるべきでしょうか?」
「私について知っていることを教えて下さい。」
これは私のナルシスト的な調査ではないが、候補者がa) 準備をしてきたかどうか b) 候補者が社交的かどうかを把握するための質問である。ソーシャルの検索への統合によって、この質問の重要性は増している。とりわけ、「ソーシャル」部門または専用の役職が存在しない小さなスタートアップ企業には欠かせない要素である。
賢明な候補者は、面接中に面接官の経歴に関する次のようなヒントを与えることで: 「ラグビーをしていたみたいですね」、「アイルランド出身のようですね」、「お子さんがいるようですね」面接官にリサーチをしてきたことを伝え、この質問を巧みに避ける。また、「先週、ニューヨークタイムズにアーバンスプーンに関する記事が出ていましたね」と言って先手を取ることも可能である。
面接で最も優れた質問は、やはり「なぜ?」の連続攻撃である。私は繰り返し「なぜ」を訊くために候補者の答えを中断する。
それはなぜか?なぜ?は発言に異議を唱えている。それはなぜか?なぜなら一部の候補者はなぜ?を予測して難しい質問を逃れようとする。それはなぜか?推測を説明させると、関係のない話題で素晴らしい議論を導くことがよくある。それはなぜか?候補者の経験は私とは大きく異なり、私は彼らが何をもたらしてくれるのか知りたいのだ。
厄介な面接だろうか?落ち着かない面接だろうか?そう感じるかもしれない。しかし、会社にフィットしない人と数ヶ月または半年間過ごすよりは、厳しい1時間を私は過ごしたい。そもそも、給与に値する人物は、毎週のようにこのような厳しく、すぐに答えを求められる問題に遭遇することになる。
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この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Recruiting: 12 Questions For Uncomfortably Hands-On SEO Interviews」を翻訳した内容です。
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