2014年版 SEOの計画書 – リンクビルディング編

公開日:2014/01/14

最終更新日:2024/02/20

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2014年版 SEOの計画書、内部最適化編に続いていよいよ外部リンク構築編を。これまでの意図的な被リンク施策が全く通じなくなったといわれる今日のGoogleですが、それでもやっぱり無視はできない外部リンク対策。2014年にあるべき被リンク構築の姿を探ります。 — SEO Japan

2014-seo-playbookAre you ready for 2014?

今回は、毎年恒例のSEOの計画書の最終章となる、パート 3をお届けする。パート 1(日本語)では、2014年に、ハミングバードがマーケッターに与える影響、とりわけコンテンツおよびオーソリティに関連する影響を主に取り上げた。パート 2では、コンテンツ、HTML、そして、アーキテクチャを含む、オンページのSEOの要素を最新の情報を交えて、振り返った。

そして、ラストを飾るパート 3では、SEOの関係者が、2014年を迎えるにあたって、考慮する必要のあるオフページの要素を取り上げていく。最後まで楽しんで読んでもらえると嬉しい。

リンク: 品質

リンクに関して、伝えておきたいことはたくさんある。グーグルは、2014年も引き続き、識別する取り組み、そして、ペナルティーを与える取り組みを積極的に行うはずだ。忌憚のない意見を言わせてもらうならば、リンク分析は、さらに精度を増し、検索およびスパム対策チームが持つ「不当に無実のウェブサイトをターゲットにしない」と言う自信は、さらに深まるだろう。

2013年は、「リンク構築が滅亡したと言う主張が、繰り返した行われた1年であった。言い過ぎだと私は思う。人為的な手段や要望に訴えることなく、リンクを促す取り組みは数多く存在する。リンク構築プログラムは、インフルエンサーマーケティングプログラムに組み入れられ、ネットワーキングを重視する動きが見られる。私個人は、リンクを張るかどうかの判断が、完全に相手に委ねられているなら、新しいコンテンツに関するネットワークを通知するeメールを送信すること自体は、問題はないと考えている。

多様性 — つまり各種のソースからリンクが寄せられる — もまた重要である。すべてのリンクが自分のネットワークから向けられているなら、あるいは、同じウェブサイトから何度も何度も寄せられているなら、注意が必要だ。コンテンツを自動化し、編集カレンダーのチェックボックスにチェックを入れるだけの方針は認められない。実際にオーディエンスを増やすことが出来るくらい、積極的にコンテンツを宣伝しなければならない。すると、リンクの多様性は、自ずと実現する傾向が見られる。

既に大量の質の低いリンクを獲得しているウェブサイト(リンク構築サービスを利用したことがあるなら、絶対に調査を行うべきである)を運営し、まだペンギンによるペナルティーを課されていないなら、今後、難しい選択を迫られることになる。今後のアルゴリズムのアップデートにより、サイトが狙われることを恐れ、リンク一掃プログラムを必死に実施すればいいのか、もしくは、何もせずに待てばいいのだろうか?

これは難しい判断であり、プロに相談するべきである。リンクの40%以上が質が低いなら、特に悪質なリンクを削除し、より広範なキャンペーンに従事することを私なら勧める。ただし、40%は科学的な裏付けがあるわけではなく、あくまでも推測である。ウェブサイトを見て、被リンクの40%以上が、質が低いと判断した場合、むしずが走る。

ペナルティーを受けていなくても、リンクを整理する取り組みを積極的に記録するべきである。手動ペナルティーを今後受けた場合、この記録が、既にリハビリに務めている証となり、再審査のプロセスをスピードアップすることが出来るかもしれないからだ。

また、多数の外部のリンクが、同じアンカーテキストを用いているケースも注意する必要がある。これは、他のサイトが、記事のタイトルやタイトルタグを使ってリンクを張ることで、割と自然に発生する。この事例に関しては、基本的に心配する必要はない。危険なのは、個別のキーワードやキーフレーズが不自然に繰り返されているケースだ。これまで、グーグルは、古いリンクを除外する意思は見せていないため、アンカーテキストをリンクスパム分析の一環に盛り込んでもらいたい。

グーグルのリンク否認ツールに関しては、確実にペナルティーを課されている場合を除き、私なら利用を控える。予防策として、オフサイトのリンクのリハビリを行っているなら、必要になった際にすぐに否認ツールに情報を加えることが出来るように、やはり記録を取っておくことを薦める。

リンク: 量

リンクの本数、ドメインのオーソリティ、あるいは、ページのオーソリティについては、昔から「質と量」を重視する傾向がある。この傾向は今後も続く。キーワードにおける競合者よりも、新しく、優れたリンクを早いペースで獲得することが出来ないなら、多くのランキングのバトルで負けを見ることになるだろう。

リンク: 有料

ランキングを上げることを願って、リンクを買う行為は慎んでもらいたい。昨年SEOのカンファレンスに足を運んだなら、リンクの販売業者が、展示フロアから姿を消していた点に気づいたのではないだろうか。この現象には理由がある。グーグルは、トリックを完全に理解している。リンクを買うべきではない。

信頼性: オーソリティ

信頼性は、検索エンジンのランキングの要素、または、一連の要素として、進化し始めている。ドメインエイジ等の昔のシグナルの重要性は、もともと有意義ではなかったため、そして、検索エンジンが、新しく、より質の高いアルゴリズム主体のシグナルを今まで以上に信頼することが出来るようになったため、低下している。

現在、whitehouse.govやadobe.com等の信頼されているサイトからリンクに加え、信頼は、ブランドの知名度や作者の知名度以上の価値を持つようになっている。グーグルとビングは、ブランドのデータベース、そして、このデータベースに新たなにブランドを加える自動的な手段を持っている。ブランドは重要だが、知名度の高さではない。ブランドの強みは、インターネットユーザーが話題に上げ、リンクを張るため、ランキングで上位を獲得することが出来る点である。

ライターに本格的にソーシャルネットワークを駆使するよう指示し、オーサーやパブリッシャーのタグを採用する戦略は、信頼を確立する上で有効である。また、私自身は、信頼されているインフルエンサーを招く、または、雇用して、会社のブログに寄稿してもらう手法を好んでいる。 有料のコンテンツに関して、賛否両論があることは理解している。一つハッキリさせておく。私は、ウェブサイトのスペースを埋めるために、有料のコンテンツを求めることには反対する。しかし、有名なエキスパートに優れたコンテンツを作ってもらい、作品に見合った報酬を与える方針は支持する。

会社のブログの見解として、核となるライターを用意することで、信頼を確立する手もある。一名のスタッフに時間を割いてもらい、優れたコンテンツを作り、ソーシャルメディアで宣伝させると、大勢の寄稿者に順番にコンテンツを投稿してもらうよりも、遥かに効果は高い。オーサー(作者)の信頼は、育てるものであり、信頼が高まると、過去の記事にもこの信頼が反映されるようになる。

信頼: 著作権侵害

そのコンテンツ管理システムは、最新の状態に保たれているだろうか?大半のCMSのアップデートには、乗っ取りと著作権侵害を予防するセキュリティパッチが盛り込まれている。そのため、後れを取ることがないよう注意してもらいたい。

サーバー、または、ウェブサイトがハッキングされた場合、もしくは、マルウェアに感染した場合、すぐにオフラインの状態にして、503ページを提示しよう。こうすることで、サイトが一時的にオフラインの状態であり、間もなく復帰する点を、検索エンジンに伝えることが出来る。万が一、このような状況に遭遇し、ユーザーを守るために、検索エンジンにサイトをブロックされた場合は、問題を解決し、再審査請求を提出するまで、サイトをオンラインの状態に戻すべきではない。無料の検索に関する支援を、グーグルやビングの有料広告の担当者に求めてはいけない、と言うのが鉄則である。ただし、うまくいくかどうかは別として、ウェブサイトの問題を修正し、再びSERPに掲載するプロセスをスピードアップすることが出来るなら、どんなことにも手を出す価値はあり、このルールの例外に該当すると私は考えている。有料検索を用いており、マルウェアを理由にSERPから外されたなら、ウェブサイトを修正した後、広告にも再び仕事をしてもらいたいはずだ。

ソーシャル: つながり & 交流

検索エンジンのランキングの要素としてのソーシャルメディアは、検索エンジンや最適化のエキスパートが大々的にアピールするほどの実力には達していない。ソーシャルメディアは、確かにランキングの要素の一つであり、今後、重要度は高くなるだろう。しかし、近いうちに、ソーシャルがリンクのオーソリティに取って代わることはない。また、この切り換えは、予想していたよりも遅いペースで進んでいると見られている。

フェイスブックのいいね!やシェアの数、ツイッターの言及やリツイート等のソーシャルメディアのスタッツは、上位のランキングと相関関係がある。それでも、検索エンジンの代表者が強調するように、相関関係は、因果関係にはならない。現時点では、人気の高いウェブサイトやインフルエンサーは、ソーシャルの票として、リンクを獲得しており、やはり因果関係には該当しない。

検索エンジンとソーシャルメディアサイトの関係を理解し、この類のサイトで積極的に活動することが肝要である。例えば、グーグルは、グーグル+を運営している。ビングは、ツイッターとフェイスブックと提携している。パーソナライズの結果は、今後もソーシャルネットワークのつながりの影響を受けるはずだ。ユーザーが個人やブランドとつながりを持っている場合、検索エンジンは、ソーシャルメディアのつながりを使って、適切なコンテンツを表示するようになるだろう。

パーソナライゼーション: 国 & 地域

数年前から、世界の検索結果と地域の検索結果に対する注目が高まっている。サブドメインやカントリーコードのトップレベルのドメインを適切に利用する、言語コードを使ってページをタグ付けする、グーグルウェブマスターツールで地域のターゲットを設定する、あるいは、グーグル+とビングの会社向けプレイスに登録する等、世界の結果および地域の結果に対する、様々な最適化の取り組みが存在する。このような取り組みを無視するのは危険である。

ここで再びリンクの話をする。ターゲットにしている地域に関連するサイトからリンクを獲得しているなら、その地域の結果で上位に食い込む可能性が高い。検索エンジンは、ユーザー中心のシグナルを計測する精度を上げており、IPアドレスやサーバーの位置等の要素は、今後さらに影響力を高めていくと見られる。

これは、ソーシャルメディアが、やがて、重要な役割を担うようになる領域だと私は考えている。例えば、ポルトガルで大勢のユーザーが、グーグル+のサークル内に企業 Aを登録しているなら、企業 Aはポルトガル国内の検索結果で登場する可能性は高い。このタイプのシグナルは、サーバーがポルトガル国内に置かれているか、または、ポルトガル語(複数の国が利用している)がウェブサイトで用いられているかどうかよりも、遥かに大きな意味を持つ。

パーソナライゼーション: 履歴

ソーシャルメディアと同様に、過去の履歴は、ランキングの要素として、徐々に頭角を現しつつある。現在、グーグルにログインしている状態で、または、クロームを利用している状態で、ウェブのドキュメントにアクセスすると、そのページ、または、サイトは、今後の検索結果に登場する確率が高くなる。ソーシャルメディアの友達が、あるページを訪問したなら、そのページ、または、サイトは、今後の結果に盛り込まれる可能性は高い。個人の体験に左右されるため、非常に流動的だが、検索エンジンは、この領域において、常に進化を続けていると言えるだろう。

そのため、今後、大勢の人々が訪問するウェブページを信頼するのは、検索エンジンにとって、理に叶った方針だと言えるだろう。データベースに集めた検索の履歴データを使って、容易に評価することが出来るはずだ。

結論

結局、すべてのランキングの要素は、品質、オーソリティ、そして、信頼に行き着く。検索エンジンが、データを集める新たな方法を編み出し、既に持っているデータを評価する能力をレベルアップするにつれ、アルゴリズムが、容易に計測することが可能ではあるものの、あまり役に立たないシグナル(ドメインエイジやサーバーの場所)から、計測するのは難しいものの、より有効なシグナル(ユーザーの場所やオーサーの信頼度)に切り換えるのは、当然の成り行きである。

事実、過去2年間、パンダ、そして、ペンギンをきっかけに、この傾向は既に現れており、検索エンジンが、ポリシーやガイドラインを強制することが出来る環境が整いつつある。 もはや、SEOは、技術的なトリックを用いて、グーグルとビングを出し抜く取り組みではない。オーディエンスを増やし、信頼を獲得し、求められている有益な情報を提供することが、SEOに相当する。

新たなSEOの時代の幕開けだと指摘する人もいれば、SEOの終わりであり、インバウンドマーケティングの黄金期の始まりだと主張する人もいる。いずれにせよ、現在のテクノロジーにより、うまくいく取り組みと失敗する取り組みに関するデータを、今まで以上に得ることが出来る点は、確かである。最終的に、新しい現実を受け入れ、この現実に対して、行動を起こすウェブサイトと企業が成功する。

キーワードのランキングから、リンクの獲得、そして、インフルエンサーの招待に至るまで、何もかもがコンテンツをベースとしているため、私はコンテンツの利用を大々的に支持している。ただし、万能型の戦略など存在しないことを理解してもらいたい。目標と目的を踏まえて、ビジネスにとって最高の取り組みを理解し、実施する必要がある。優れたオンラインマーケティングプログラムのおかげで、SERPで上位にランクインすることが出来るのであり、SEO自体は、優れたオンラインマーケティングを作り上げるわけではないことを肝に銘じておいてもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014 SEO Playbook: Off-Page Factors」を翻訳した内容です。

今ある外部リンク構築の姿をキレイにまとめてくれた記事でした。結局はコンテンツが重要という話に行きつきそうですが、具体的な手法や日々の取り組みとしてコンテンツ以外にも色々できることはあるのでしょう。特効薬はほぼ皆無、SEOも地道に努力を続けた者だけが勝てる世界になりつつありますね。 — SEO Japan [G+]
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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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