Danny Sullivan(Founding Editor, Search Engine Land, @dannysullivan)
Juan Felipe Rincon(Webmaster Outreach, Google)
*下記、ダニー・サリバン氏を”ダニー”、ホアン・フェリペ・リンコン氏を”ホアン”と表記しています。
ダニー:手動による対策は、どうやって決定しているのですか?
ホアン:相談して決定している。ソースを見ているチームがある。アンチ・アビューズ(anti abuse:反悪用)というチーム。100%ガイドラインに違反しているという感じではない。レポートによる報告もあるし、サイトの巡回で気づくことも。
ダニー:何人くらいのチームですか?
ホアン:人数は言えない。でも、大きい数。彼らは問題となっているデータソースを見ている。トラスト・アンド・セーフティに貢献している。
ダニー:そのチームメンバーには、どういった能力が必要でしょうか?
ホアン:データマイニングや、パターン認識の能力や、分析など。
ダニー:今までで最も大きな手動による対策の例は?
ホアン:サイトの大部分がハッキングされており、オーナーが投稿していないコンテンツがあり、それらがペナルティの対象となっていたことがあった。
ダニー:手動による対策を受けたサイトに共通していることは?
ホアン:サイト内の多くの場所でガイドラインに違反していること。手動による対策の多くは、見ればはっきりとスパムだとわかるようなもの。しかし、そうしたサイトの全てが再審査リクエストを送るわけではない。スパムの理由を推測することを、Googleはしない。
ダニー:手動による対策を受けたサイトは、SEO会社が(行ったことが)原因なのでしょうか?
ホアン:それは、サイトとSEO会社の話だろう。Googleは、ユーザーが見ているもの、を考えている。
ダニー:ペナルティの対象範囲はどうですか?
ホアン:ページ単位とサイト単位の場合で違う。ページ単位では、順位の下降(調整)が行われる。また、インデックスを止めることもある。これはサイト単位でも起こりうる。サイト単位の場合はより(そのサイトのビジネスへの)影響が大きいため、注意して行う。
ダニー:ペナルティを受けてもまだインデックスがある、といった場合もありますが?
ホアン:ランキングについては別問題で、別チームが担当している。我々はペナルティのチーム。特定のキーワードに対して、どのくらい順位を下げるか、といったことは我々にはわからない。
ダニー:ペナルティを受ける期間はどのくらいですか?
ホアン:Googleは良いページをランク外にはしたくない。手動ペナルティの期間がある。数日・数週間の場合もあれば、それ以上も。永遠ではない。また、期間が来る前に再審査リクエストが送られたら精査する。ペナルティの期間が終わってサイトを確認しても、まだ改善されていない場合は、再度ペナルティが適用される。
ダニー:スパムレポートがあっても何もおきない、ということがありますか?
ホアン:非常に多くのフィードバックをユーザーからもらっている。月に35,000ほど。そのうちの65%しかアクションを起こせていないかもしれない。アクションを起こした内の80%はスパムだ。全てのレポートが有益であるわけではない。URLが明記されていないレポートもあったりする。良いレポートをする人からのレポートは、次回から優先的に処理する。また、スパムでないけれどレポートがくる。それは、全体の20%ほどだと思う。
ダニー:再審査リクエストが頻繁に送られることは?
ホアン:4回も5回も送ってくる人がいる。そういった人たちは、原因が何かをわかっていないためだ。その場合、彼らとコミュニケーションをとれば改善される。意図的に複数回送ってくる人には出会ったことはない。
ダニー:自動アクションの対象は?
ホアン:アルゴリズムの処理は非常に公平。全体に対して処理をしている。
ダニー:ペナルティからの、一番最適な復活の方法とはどういったものでしょう?
ホアン:警告文が来たら、その内容に従うこと。ハッキングされているのであれば、それらを処理する。リンクの場合はリンクプロフィールをすべて見る。低品質のコンテンツは価値を追加する。
ダニー:再審査リクエストの頻度は?
ホアン:再審査リクエストは受け取った順で処理している。
ダニー:”不自然なリンク”のメッセージに、”-影響のあるリンク”という文句がついている場合とついていない場合がありますが?
ホアン:特に違いはないと思う。
ダニー:メッセージがある場合とない場合がありますが?
ホアン:メッセージがなければ手動による対策は起こらない。
ダニー:Dofollowとnofollowを設定しているサイトに違いはありますか?
ホアン:リンクはWebの仕組みにとって重要。ただ、全てのリンクがページランクに関係しているわけではない。
ダニー:手動による対策はそのドメインにずっと残るのですか?
ホアン:中古ドメインを買った場合は、サーチコンソールで確認すること。もし、そのドメインがペナルティを受けている場合は、ここで確認できる。
ダニー:かつてスパマーだった人を雇ったりしますか?
ホアン:SEO業界にいた人を雇うことはある。しかし、彼らをスパマーとは呼ばない。
ダニー:悪質なリンクがサンプルとして表示された場合は?
ホアン:リンクプロフィールで変更がなければ再審査には通らない。
ダニー:部分一致のペナルティへの対処方法は?
ホアン:なんらかのペナルティを受けたページがあれば、そのページは特に有益なものでないということ。どのような情報を載せれば有益となるか考えるべき。
ダニー:あるページがペナルティを受けた場合、それが原因でサイト全体がペナルティを受けますか?
ホアン:いくつかのページがペナルティを受けていれば、そのサイトは違った見方で見られるかもしれない。あまり詳しいことは言えない。(ペナルティを受けたページが)ルートに近ければ近いほど、注意すべきだろう。
ダニー:ページ単位か、サイト単位か、どうやって判断すればいいでしょうか?
ホアン:最初のメッセージに例が載っている。しかし、一般的に言って、メッセージを受けたらサイト全体を確認すべき。
ダニー:ペナルティを与えたサイトのサーチコンソールを確認し、他のサイトも見ていますか?
ホアン:手動による対策の場合は、サイトを個別(単体)で見ている。しかし、パターンを見たり、システマチックに確認はする。特定のサイトのみにスパム行為を行っている、とは考えていないだろう。
ダニー:ペナルティを受けた場合、どのくらいランキングが下降しますか?
ホアン:沢山だ。(笑)ハッキングが原因であれば、手動による対策が解除されれば、トラフィックは回復するだろう。しかし、リンクが原因の場合、価値のあるリンクを削除してしまえば、手動による対策が解除されても、元のランキングよりも低くなってしまうだろう。
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