日本では知名度が無いかもしれませんが英語圏を代表するオンラインマーケッターの一人が今回から新登場のミッチ・ジョエルです。自らもマーケティング会社の代表を務める彼ですが、「Six Pixels of Separation」というブログと著書でカリスマ的存在として有名になり、あのGoogleが世界の有名ブランドにデジタル広告の魅力をアピールする目的でミッチ・ジョエルを本社に呼んで講演をしてもらった程の人です。今回幸運にも彼のブログの翻訳許可が下りましたので、今後日本人にも参考になると思われる記事をピックアップして紹介していきたいと思います。第一回目は2012年、これからブログを書くことについて考えた彼のアドバイスを。インバウンドだコンテンツマーケティングだとブログの価値が見直されている最近、今更書き始める意味があるのか?と悩んでいるあなたは是非。 — SEO Japan
ブログを始めるのは簡単だ。しかし、2012年にブログを始めることは、ほんの少し難しいかもしれない。
今日、世の中にはありとあらゆることに関するブログが存在する。ブログを検討している人にとって、新しい切り口もしくは異なる切り口を思いつくことは難しい。トピックが曖昧だったり、すでに存在しているものと全く同じトピックを取り扱うブログになるだろう。さらに言うと、今日では、ブログとは正確に何であるかを定義するのさえ難しかったりする。結局のところ、あなたは自分のFacebookページ上でブログを書くこともできれば、Twitterを使ってマイクロブログをしたり、YouTube上でビデオブログをしたりすることもできる。さらには、tumblr―ハイブリッドなオンラインソーシャルネットワークおよびブログプラットフォーム―を使ってブログを書くことだってできるし、The Huffington Postのような既存のオンラインパブリッシャー向けにブログを書くこともできる。この記事では、ブログを「自分のサーバー上で提供するもしくはブログプラットフォームのサーバーを介して提供されるオンライン・ジャーナル」として定義する。最近、たくさんの新しいブログへのリンクが私に送られてきている。そして、この曖昧な道のりを進むのに役立つかもしれないいくつかの“ベストプラクティス”をここで紹介する。
2012年にブログを始めるには:
- 適切なプラットフォームを選択する。優れたブログプラットフォームのデフォルトの選択肢は、WordPressだ。私のお薦めは、まずはそれをやってみることだ(実を言うと、このブログはMovableTypeを使っている。WordPressに切り替えるには遅すぎるが、もし途切れなくできるのならそうする。)ホスト型ソリューションが自分に合っているかどうかを探ることに一生懸命に取り組むこと。私の一般的なお勧めは、コミュニティに受け入れられるのを見始めるまでは無料版を使用することだ。あなたが読者を獲得していなかったり、それを続けるつもりがないなら、お金を費やすのは無意味だ。
- デザインが重要。私たちは、Facebook、LinkedIn、Twitterを介して投げられるRSSフィードとリンクの世界に生きているが、最高のブログは上手にデザインされている。それらは、見た目も良くて読みやすい。WordPressでは、テーマを購入してカスタマイズすることができるため、これが簡単にできる。もしあなたがブログを書くことに真剣ならば、その見た目を素晴らしいものにすることにも真剣になることだ。何の変哲もないブログに対して人々をワクワクさせるのは難しい。デザインが重要なのだ。いつだって。
- 素晴らしい名前。それは、面白おかしいものでも、奇抜なものでも、既存ミームをもじったものでもいいが、自分のブログにとって関連性があり、クールでタイムリーな名前を考え出すことだ。人々は、“Mitch’s Blog”よりも“Six Pixels of Separation”と口に出すことが好きだと思う。名前を見つけるのは決して簡単ではないが、うまくできればブログをより共有可能なものにする。人々は、かっこよいだけでなく賢く見えるものを共有するのが好きだ。数字が入った名前(“is it ‘2’ or ‘two’?”は紛らわしい)は避け、複数の語を組み合わせたタイトルでは、1つ目の言葉の最後の文字が次の言葉の最初の文字と同じになる(例えば、mikesstand)ことに気を付けること。あなたは名前を簡単にしたいのであって、あなたを見つけるのに人々を混乱させたくはない。
- 自分のドメインを手に入れる。ドメイン名を見つけるのが高価で苛立たしい試みとなり得る世界では、あなたを導く光として1つ前の項目に注意を向けよう:よりユニークで、奇妙で、ファンキーなタイトルほど、そのURLを手に入れることができる可能性は高くなる。1つの技は、より評判の良いドメイン名のウェブサイトの1つを使って、選ぶ前に自分の選択肢が利用可能かどうかを見ることだ。(もし利用可能だったなら、その場でそれを獲得するようにすること。1週間後に戻ってきたら、他の誰かがすでにそれを手に入れていたなんてことにはなりたくない。)
- 完全なプロフィールを書く。 私は、空白のままになっているWordPressのプロフィールページを数えきれないほど見てきた。完全な略歴を書いて、できる限りそれを充実させるのだ。人々は、書いている人が誰なのか知りたいのだ。簡潔明瞭に、賢くまとめること。優れたプロフィールは、決定的に重要な意味を持つ。
- 初めは読む。 多くの人が、あなたに書き始めるように言うだろう。私は、2012年にブログを始めたいのなら、まずは読むことから始めるように言いたい。ブログ、本、新聞、雑誌、ツイートなど。ブログで書こうとしている業界について感触をつかんで、視点を形成するのだ。その視点に従って、自分のブログを書き始める前に他のオンラインスペースでコメントをし始めるのだ。他のスペース(よりトラフィックの多い)でコメントをすることが、あなたの考え方に対して人々がどう感じるか(特に、あなたのコメントによって他の人がコメントをしたりその会話に参加したりすることにワクワクするかどうか)の見解を与えてくれる。
- 書く、書く、書く。ブログで成功したいなら、書くことだ。たくさん書き、頻繁に投稿する。ブログにコンテンツを無理に詰め込むためではなく、書く頻度と習慣によってのみあなたは上達するという理由から、これをしなければならないのだ。書く頻度と習慣によってのみ、あなたは声を見つけ始める。書く頻度と習慣によってのみ、あなたはオーディエンスを築き始める。自分の声は時間とともに見つかるものではない、というのが真実だ。私は、ライターが“声”と呼ばれるこの場所に到達するとは思わない。強い声は時間をかけて進化するのだと思うが、書かずしてそれが起きることはない。あなたは書くことを目的として書いているのではない。批判的思考能力を訓練するために書いているのだ。それを十分に頻繁にする時、優れたライティングが流れ始めるだろう。
- 自分が書いたものを見る。 綴りや文法もカウントされる。最近私は、弁護士が始めた(略歴にそう書いてあったのだ)新しいブログに遭遇した。そこには綴りと文法の間違いがいくつもあった。私は、早くタイプして間違いをする(そして、私にはコメントをくれるたくさんの人がいるため、自分の間違いを直すことができる)が、全体としてのライティングの流れは読むことが出来るものでなければならない。時折起こる綴りの間違いや文法的なミスについて言っているのではない。読解不可能でばかばかしいテキストのことを言っているのだ。下手な綴りと粗悪な文法は、あなたのコンテンツと批判的思考を台無しにする。自分の文章を校正するための時間を設けるか、それをしてくれる誰かを見つけることだ。綴りと文法の間違いは、あなたの信頼性に直接影響する。これについては私の言葉を信じるのだ。
- 厚かましく自己宣伝しない。 自己宣伝をする時が来るときはいつも、私はみぞおち辺りにある気持ちを覚える。私はブログを書くのが好きだし、共有することが好きだが、自分の胸をたたくのが嫌いだ。自分がどのように自己宣伝するかを選択し、それをする前に、“もしもこのメッセージが自分のストリームの1つに登場したら、自分はそれについてどう思うだろうか?”と自分に問うのだ。自己宣伝になり過ぎない方法として、私は、ある種の反応を引き起こすことを期待して1つの質問をすることによって、自己宣伝のために他のソーシャルメディアスペースを使用する。これは、“私を見て!私を見て!”とならずに他の誰かのストリームに価値を追加しているように感じる。
- アナリティクスを恐れない。 大部分のブログプラットフォームが何らかのアナリティクスを提供している。同時にGoogle Analyticsも実施すべきだろう。もしウェブアナリティクスの考えがあなたを怖がらせるのなら、GoogleのAvinash Kaushikの仕事をチェックしに行こう(彼のブログ、Occam’s Razorは優れた見識の宝庫だ。2冊の著書、Web Analytics – An Hour A DayとWeb Analytics 2.0も。)読者からの全てのこととキーワードからのトラフィックを測定すべきだ。私は特にキーワード分析を好む。なぜなら、これが人々があなたのコンテンツを探すために使用する言葉に関する迅速な見解を与えてくれるからだ。それらのキーワードを頭に入れて書こう。
慎重に進めよう
ブログを作るのは、手早く無料で簡単だが、オーディエンスを築いて捉えどころのない声を見つけることは長く困難でとても孤独な旅だ。自分がその覚悟ができていることを確認しよう。誰かが自分のブログを読んでいるのか、誰かが気にかけているのか疑問に思う時が来るだろう。もし、あなたが、自分は共有する価値のあるものを持っていると信じているなら、あなたのような他の人が世の名に存在する可能性は高い。私がブログを書いて10年になるが、今でも私は、誰かが本当に気にかけているのか疑問に思う(私が明日ブログを書くのを止めたらどうなるのだろう、のように)。そういった感情を持つことは普通のことだが、あきらめずに続けることだ。なぜかって?あなたがブログに十分な注意を払うなら、それはあなたには何か言うべきことがあるということを意味する。もしあなたに言うべきことがあって、それをブログに書いているのなら、あなたが共有したり繋がりたいと思っていることを意味する。最終的に、世界はそういった人を必要としているのだ。
筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。
この記事は、Six Pixels of Seperationに掲載された「How To Start A Blog In 2012」を翻訳した内容です。
私もブログをそこそこ運営してきているので実感しますが、表面的なトリックや上辺だけの言葉ではない、シンプルながら的を得たアドバイスだったと思います。ミッチ・ジョエルの文章はこの記事に代表されるように小難しい言葉や理論は出てきませんが、読みやすく物事の本質を突いた文章が多く、初心者からベテランまで気づきになる発見が多い内容です。今後彼の記事にご期待ください! — SEO Japan [
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