誰もそれが簡単だとは言わなかった。
年月が過ぎ、自分のビジネスや業界や同僚から物事を見通す力や洞察力を身に付けると、あなたがすぐに気が付くことがこれだ:簡単なことは何もない…単純なことは何もない。すばやい得点さえ(Facebookから10億ドル近くをひったくったInstagramのように)、たやすいことではなかった。全ての企業(および、そこで働く人達)はその難しさを理解する。ただ目を閉じて、かかとを素早く3回鳴らし、子供を公園に連れて行くのと同じくらいにビジネスが楽しくて簡単であって欲しいと、心のどこかで願っている私がいる…しかし、お金が物事を複雑にする。
古い皮を捨てるということ。
JC PenneyがCEOのRon Johnsonをたったの17か月で解雇するというニュースは、様々な意味で私の心を打ち砕いた。第一に、私はこの小売店の大ファンであり、この業界には目がない。私の存在はデジタルかもしれないが、私は完全にアーバニストで、大きなショッピングモールを歩く機会を大いに楽しむ。私は、朝の商業施設の匂いが好きだ(映画Mallratsより引用)。私は小売りのランドスケープを変えることに興味をそそられ、さらには、私たちの文化におけるショッピングモールの立場に大変興味がある(それについて詳しいことはこちら:Do Shopping Centers Have A Future?)。Johnson(以前、Appleの小売部門を率いていて、その前にはTargetのいくつかの成功に関与していた)は、窮地に立ったデパートチェーンを改革するために選ばれたのであり、私は彼の行動がデパート全体のモデルを改革するかもしれないと高い望みを持っていた。
自己中心的な話。
自己中心的な水準において、私は、もうすぐ発売する自分のビジネス本CTRL ALT Delete(5月21日発売)の中で、Ron JohnsonとJC Pennyについて話すことにいくつかの段落を費やした。このニュースが流れるとすぐに、私の本を更新、編集、または変更してJohnsonの仕事に関する話を入れる時間はあるかどうか尋ねるメールをJoseph Jaffeから受け取ったのだ。私の本能的反応は、エージェントとエディタに電話をして彼らの指導を求めることだった。この本の特定の部分を見直すことによって、私はとても重要なことに気が付いた。伝えられているストーリーは、本当は、JC Pennyについてでも、Ron Johnsonについてでも、彼らがどれくらい成功したのかについてでもないのだ。ますます複雑になり、膨れ上がって、買い物客にとってなぜか面白くないものになっていたビジネスに、Johnsonがたくさんの単純さをもたらそうとした、というのが本当のストーリーなのだ。JC Pennyのストーリーは、私がそれを最初に書いた時の状態と今日も全く同じだ。もしかすると、Johnsonが出ていけと言われた今はもっとそうかもしれない。ビジネスのもつれを解いて製品をできる限りシンプルで喜ばしいものにすることを試みるのは、とても、とても大変な仕事なのだ。それはあなたが大きくなればなるほど難しくなり、会社がビジネスに長く携わっていればいるほど難しくなる。私たちは皆、複雑さの極限にある単純さについてのアインシュタインの言葉を聞いたことがあるが、Johnsonの離脱のニュースは正にそれを強固にする。
物事はどれくらい単純なのか?
もしあなたがAppleの従業員に調査をしたなら(そして、もし彼らがあなたに率直に真実を言う意思があれば)、恐らくあなたは、Appleが全くシンプルな企業ではないということを発見するだろう。それほどの秘密主義や階層などがあるため、全ての個人はオープンで協力的な環境で働いているというよりは、いくつもの欠片や部分がどのようにして大きな製品やサービスを支えるのかの完全な理解なしにそれらがマスターされ最適化されている複雑な場所で働いているのだ。しばしば、これが情報が漏れる可能性を減らすという言い訳がされるが、その玉ねぎの皮をはがせば、あなたが中心に見つけるものは、人々にとっては簡単に使用できる製品をもたらすとても複雑なモデルなのだ。
ビジネスはシンプルではない。
ビジネスの過度な単純化は、間違っているかもしれない。結局のところ、私たちはみんな(B2CだろうとB2Bだろうと)、使うのにシンプルで直感的な製品やサービスを作ろうとしている。その道のりは、たくさんの複雑なことが起こることを要求する。Johnson離脱のニュースが流れた時、興味深いことが起きた。Timeの記事によると、JC PenneyはCEOのRon Johnsonを追い出し、Ullmanが戻ってくる:“Penneyの月曜夜の株価は、Johnsonに対する投資家の苛立ちとPenneyの未来に関する疑念を示していた。マーケットがクローズした後にPenneyがJohnsonを追い出すというニュースが流れ始めた時、通常は15.87ドルでクローズしていた株が、時間外取引で13パーセント近く上がって17.88ドルにまでなった。しかし、投資家はJohnsonの追放に満足したのと同じくらいに、その後任に感銘を受けたようには見えなかった。PenneyがUllmanが引き継ぐことを発表した後、株価は通常の終値から11パーセントまで落ちて14.10ドルに逆戻りした。それは、時間外の株価からは21パーセントの下落だ。”
もう一つの見解…
恐らく、Johnsonは合わなかったのだろう。恐らく、彼の戦術は既存顧客ベースからの摩擦に遭遇したのだろう。彼のマーケティング戦術は外れていたのかもしれない。でもこれだけは言える:JC PennyはJohnsonを必要としていた(もしくは、少なくとも、改革を必要としていた)。彼を見限ってもそれは変わらない。単にそれを強調するだけだ。これが最終的にどうなるのかは誰にも分からないが、誰がJC Penneyで統治を手にしようと、今日の消費者と一致した店舗内体験を作ることに焦点が合わせられることは確実だと思う。そして、ヘビーユーザーやブランド支持者になる消費者というのは、見事にシンプルな製品やサービスを手にしている人達であることは確実だと思う。いや、私は、元へ戻って0からコンテンツを変えるつもりはない。実際、このストーリーは、ビジネスが自分の能力を知る煉獄の瞬間を美化していると思うのだ(そして、それがこの本の中心となるメッセージだ)。あなたは17か月もしくはそれ以下でそのような規模の組織を上向きにすることができるだろうか?それは簡単なタスクではない。それは、私たちが今日ビジネスで目にするスピードと変遷の新しい現実だ。私は、人々は、自分の周りにいる人々の左を見てそれから右を見る必要あると言うことからこの本をスタートする。なぜなら、あなた達のうちの1人は次の5年で同じ職業にいない可能性が高いからだ。たぶん、この本の本当に編集すべき場所は、タイムフレームに関することであるべきかもしれない。17か月が標準にならないことを願っている。
JC Penneyは今も再起動を必要としている。私の推測では、あなたのビジネスやあなた自身のキャリアの一部もそれを必要としている。
筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Complexity Of Simplicity」を翻訳した内容です。
私も日々できるだけ全てを単純化して生きるように心がけていますが、仕事にプライベートに様々な邪念?が入るのもまた事実。この記事を読んで改めてシンプル・ライフの実践に励もうと思った私でしたが、そもそもそんな理解でこの記事を読んでいいのかとも思ったり。人によって印象や感想が変わる記事かもしれませんね。 — SEO Japan [G+]
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