データドリブンな未来のSEOを実践するための11の指標

公開日:2013/04/07

最終更新日:2024/02/16

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パンダ・ペンギンアップデートに代表されるGoogleの進化とソーシャルメディアの普及に伴うユーザーの変化のダブルパンチで、SEOもこれまでのもう一段階、いや二段階位の進化を求められています。SEOにもコンテンツマーケティングを活用すべきとの話もありますが(コンテンツマーケティングに注力してSEOはそっちに取り込んでいくべき、でも別にいいです)、今回は最近IT業界でバズワード化しているビッグデータのSEO、ならびに検索マーケティングに活用する可能性について考えた記事を。 — SEO Japan

マーケティング業界に参入するには、今が最高のタイミングであり、スリルを味わえる。顧客のデータを集める、新しいデータ主導型のアプローチとインフラは、マーケティングの戦局を大幅に変えており、データがもたらす新たな見解を基に行動を起こすことが出来る人達にとって、大きなチャンスが到来している – マーク・ジェフリー ケイログ経営大学院

ジェフリー氏の指摘は正しいと私は思う – マーケティング業界に参入するには、今が最高のタイミングであり、スリルを味わうことが出来る。

現在、マーケティングのパフォーマンスを計測するコストは低く抑えることが可能であり、また、容易に計測することが出来るため、マーケティングの機会を見つけ、つかみ取るべきである。適切なデータを集めて、分析することが出来れば、より秀でた決断を下し、成功の確率を高められるだろう。

グーグルが、強引な手法を使ってシステムの操作を難しくしているため、次世代のマーケティングは、顧客維持、チャーン、収益性、顧客生涯価値等の従来のマーケティングの計測基準と緊密に統合させるべきである。ビジターの獲得に高額なコストがかかる場合、当該のビジターが、獲得する価値があるビジターである点、そして、ビジターのポストクリックを引き込めば引き込むほど、グーグルに対して、より適切なサイトであるように見える点を確認しなければならない。

それでは、測定し、行動を起こす上で重要なメトリクスを幾つか見ていく。

しかし、その前に….

データドリブンの現状

たとえ一部の検索マーケッターが異なるアプローチを選んでいたとしても、全ての検索マーケッターが、データドリブン(註:データ志向・データ重視的意味ですが、ニュアンスを無くさないよう本記事ではデータドリブンで通します)の考え方を把握しておくべき理由はもう一つある。

それは、グーグルがデータを基に動く企業だからだ。

グーグルの次の一手を読むには、グーグルのように考える必要がある。
グーグルの従業員は、- データ – を考慮し、- データ – に基づいて行動を取る。

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グーグルの元デザイナー、ダグラス・バウマン氏は、ビジュアルデザインの決定において、直観よりもデータにあまりにも頼り過ぎていると感じたため、グーグルを去った。

グーグルのチームは、2本の青い線のどちらが良いのか決めることが出来ない。そのため、2種類の青の間の41の色調を試し、どの青のパフォーマンスが高いのか確認する。最近は、ボーダーの幅は3ピクセルがいいのか、4ピクセルがいいのか、あるいは、5ピクセルがいいのかで意見が割れ、また、自分の主張の正しさを証明しろと言われた。これでは仕事にならない。このような些細なデザインの決定について議論することに嫌気が差した。もっと刺激的なデザインの問題がこの世の中にはあるはずだ。

データを基に行動を取るのであれ、直観に頼るのであれ、データドリブンの考え方、そして、その考え方がもたらす会社のカルチャーを関連付けることが出来るなら、グーグルをより深く理解することが出来るようになる。検索エンジンのユーザーの満足度は、グーグルのレーダーにハッキリ現れ、グーグルは時間の経過とともにさらに改善し、さらに精度を増していく。

パンダアップデートは、ユーザーエンゲージメントの問題を重要視していた。ユーザーを引き込むことが出来ないサイトが、上位にランク付けされる確率は低い。

インターネットマーケッターのジム・ボイキン氏は、グーグルは「ロングクリック」に興味を持っていると指摘している:

最も基本的なレベルにおいて、グーグルはユーザーの満足度を把握することが出来る。トルストイの言葉を借りるなら、「幸せなユーザーは同じ反応を示す」と言うことだ。ユーザーの幸福感を最も顕著に示すのが、「ロングクリック」である。これはユーザーが検索結果に向かい、理想的には上位の結果をクリックし、戻ってこないケースである。つまり、グーグルはクエリを全うしたことになる。一方、不満を持つユーザーは異なる反応を示す。最も分かりやすいのは、「ショートクリック」であり、リンクに従ったものの、すぐに検索をやり直す行動である。「ユーザーが何かを入力して、すぐにクエリを変更する場合、満足することが出来なかったことを意味する。結果の次のページに進んだ場合も、不満の表れである。グーグルのサービスに対するユーザーの不満を意味する、このような兆候を活用して、調査を行うことで、検索を改善することが出来る。」と(アミット)パテル氏は指摘している。

ブランドに関しては、知名度が高ければ高いほど、トラフィックの一部が事前に認められるようになる。ブランドアウェアネスは、直帰率を下げ、その結果、エンゲージメントのシグナルは改善される

あらゆるサイトが、意図的なブランド関連のトラフィック、そして、一般的な検索のトラフィックを得る。サイトが多くのブランド関連の検索を得ている場合、このタイプの検索は前向きなエンゲージメントの目安となり、サイト全体を押し上げる効果がある。次の表はあくまでも概念を表したものだが、要点を理解する上で役に立つはずだ。ブランドトラフィックが増えるに従い、総合的なエンゲージメントのレベルは上がっていく。

サイトおよび企業のメトリクスが、ビジターの満足度において良好なら – つまり、ビジターが製品を買う/記事を読んでいる/友達に薦めている – グーグルが、関連性のシグナルを高く評価している可能性は高い。ユーザーはサイトに到達し、戻るをクリックしているのではない。サイトに没頭し、時間を割き、サイトについて語り、そして、再びサイトを訪問している。

サイトへの繰り返しの訪問、とりわけ、グーグルにログインしたクレジットカードを登録しているユーザーの訪問もまた、ユーザーが製品を気に入り、求め、そして、高く評価しているシグナルとして、グーグルは注目している。

パンダアップデート以降、SEOでは、ビジターのポストクリックの行動が最も重要視されるようになった。ビジターの満足度を最適化するためには、ポストクリックの行動を計測し、オファーを調整しなければならない。パンダアップデート以降の環境下で、私がうまくいくことに気づいたモデルがデータドリブンのアプローチであり、このアプローチはPPCで主に利用されている。現在もリンクを構築し、有益なページを配信する必要はあるものの、ビジターがサイトにアクセスした後の行動に焦点を絞る必要がある。そのため、私達は行動のデータを集めて、分析し、配信戦略に反映させるようにしている。ビジターが求めるものを確実に提供するためだ。

データドリブンマーケティングとは?

データドリブンマーケティングとは、文字通りデータを集めて、分析を行い、マーケティング戦略に明晰な見解をもたらす取り組みである。

ビジターにとってどれだけ適切なのかを計測する手段であり、適切であればあるほど、エンゲージメントのメトリクスは上向きになる。過去のビジターの行動を基にサイトを常に調整し、さらに適切なサイトに変えていくことが出来る。

そうすれば、誰でも成功することが出来る。

データドリブンマーケティングは、3つの段階を経て行われる。ビジターの行動を計測し、分析するフレームワークを設定し、ビジターのデータを使って仮定をテストし、そして、コンテンツ、チャンネル、および、オファーを最適化し、最大限の見返りを得る。このプロセスは、PPCで多用されている。

ウェブが登場する以前は、このタイプのデータを得るには多額の投資が必要であった。大企業は、調査の実施、フォーカスグループの決定、そして、フィールドワークの実行をマーケットの市場調査員に任せていた。

最近では、消費者からデータを集め、キャンペーンを調整する取り組みは、分析ソフトを起動させ、行動を観察するプロセスを作って、結果を基にアプローチを修正するだけで済む。貴重なデータの分析およびマーケティングが、少ない予算で実施することが出来るようになったのだ。

にも関わらず、多くの企業がデータドリブンマーケティングをいまだに実施していない。

また、実際に実施ている企業の多くは、適切なデータを計測しているとは言い難い。適切なデータを獲得し、分析することで、競合者の大半よりも優位な状況に身を置くことが出来る。

マーク・ジェフリー氏は著書「データドリブンマーケティング」の中で、フォーチュン 500でパフォーマンスが低い企業は、平均的で予算の4%をマーケティングに割り当て、一方、パフォーマンスの高い企業は、平均で20%以上をマーケティングに割り当てていると指摘している。パフォーマンスの低い企業は、需要の生成 – セールス、クーポン、イベント – 等に力を入れ、一方のパフォーマンスの優れた企業は、ブランドおよびマーケティングのインフラに焦点を絞っている。インフラには、マーケティングのデータを手に入れ、分析する上で必要なプロセスとソフトウェアが含まれる。

そのため、より大きな成功を収めている会社は、パフォーマンスの低調な企業よりも、ツールとプロセスに資金を投じているのだ。

中小企業に関しては、必要なツールの多くは既に揃っている。適切なデータの取得および分析においては、プロセス、そして、適切な質問を尋ねる取り組みが鍵を握る。

適切な問いとは?

ビジターの満足度を計測し、最適化する上で役に立つ一連のメトリクスが必要である。

ジェフリー氏は、マーケッターの15のデータ分析の領域を特定している。この領域の一部は、検索マーケティングに直接関係しているが、関係していない領域もある。しかし、関係がなくても、少なくとも認識しておく価値はあるだろう。なぜなら、従来のマーケティングマネージャーは、このタイプのメトリクスを利用しているため、検索マーケティングと従来のマーケティングが交差する場所について考える上でインスピレーションを得られるかのもしれないからだ。データドリブンマーケティングを短期で集中的に学び、マーケティング担当者の考えを深く理解したいなら、データドリブンマーケティングを読むことを薦める。

  • ブランドアウェアネス
  • テストドライブ
  • チャーン
  • 顧客満足度
  • テイク率(興味を示したものの、実際には行動を起こさなかったビジターの割合)
  • 収益
  • 正味現在価値
  • 内部収益率
  • 資本回収
  • 顧客の生涯価値
  • コスト・パー・クリック
  • トランザクションコンバージョン率
  • 広告利益
  • 直帰率
  • 口コミ(ソーシャルメディアの接触範囲)

このリストを再定義し、ビジターのエンゲージメントおよび満足度に関して、サイトおよびオファーを最適化する取り組みにおいて、現実的に利用することが可能な一部のメトリクスに絞って、話を進めていく。この取り組みを実行に移すことで、おまけとして、グーグルが求めており、上位にランクインする際に役立つ、適切な関連性(相応しさ)のシグナルも得られる。因みに、メトリクスの大半は、PPCをベースとしている。

まずは、…ダッシュボードが必要である。ダッシュボードとは、一目で、時間の経過とともに計測された進捗状況を見ることが出来る場所を指す。第三者のツールから選ぶことも、あるいは、自分で作ることも出来るが、重要なのは、ダッシュボードを手に入れ、利用することである。ビジターのエンゲージメントに関して、現状、そして、今後の方向性を計測する手段が必要である。

1. トラフィック Vs リード

トラフィックは、ディスプレイおよびブランディングにおいては、有効である。サイトが、サイトのビューの数に応じて収益を上げている場合、トラフィックを計測することになる。

その他のサイトにおいては、トラフィックとリードを組み合わせることで、重要な情報を得ることが出来る。トラフィックが増加しているものの、リード – もしくは理想的な行動の測定値(ここでは総称してリードと呼ぶ)が変化していないなら、そのトラフィックは価値があると言えるだろうか?リードが完了した数を記録すると、トラフィックの価値を把握することが出来る。トラフィックが高いものの、エンゲージメントが低いなら、ビジターは戻るをクリックしている。これはグーグルにとって望ましいシグナルとは言えない。

また、このデータは、オファーおよびコピーの調整とテストのベースとなる。エンゲージメントは、コピー/オファーを調整した後、増加/減少しただろうか?

2. 検索チャンネル Vs その他のチャンネル

検索トラフィックは、例えば、ソーシャルメディアのトラフィックよりも、より多くのリードをもたらしているだろうか?その他のチャンネルよりも多くのリードを与えているだろうか?多くのリードをもたらしているなら、その他のチャンネルよりも検索マーケティングへの予算を増やす正当な理由になる。

比較/対比することが出来るように、マーケティングチャンネルを分離しよう。

3. チャンネルの成長

SEMのチャンネルは成長しているだろうか、変わっていないだろうか、それとも、その他のチャンネルと比べ、衰退しているだろうか?

ターゲットおよび段階的な目標を定めるべきである。コピーとオファーを調節し、成果を計測するプロセスを作ろう。求める行動へのコンバージョンが高くなればなるほど、関連性のシグナルも高まる可能性があり、より多くの見返りを得られるようになるだろう。

このメトリクスをさらに細かく設定することも出来る。特定のページが、キーワードのクリックの結果として、他のページよりも多くのリードを生成しているなら、チャンネル全体のパフォーマンスを改善するため、どのキーワードの領域を拡大し、活用すればいいのか分かる。ビジターがページからページへとスキップしているかどうかを区別するのは難しいが、サイトのパフォーマンスに貢献しているエントリのページおよびキーワードの目安を得る効果はある。

4. 有料 Vs 自然

検索キャンペーンがPPCとSEOの双方を用いているなら、2つのソースを分ける必要がある。SEOがより多くのリードをもたらしているなら、ブログの投稿、記事、リンク戦略等への投資を増やす方針を正当化することが出来る。

PPCの方が多くのリードを獲得しているなら、PPCのトラフィックに投じる資金を増やし、オファーとランディングページを最適化し、A/Bテストを実施した方が無難である。当然だが、ここで得られた情報をSEOに反映させることが可能である。PPCでコンテンツがうまくいっているなら、少なくとも、エンゲージメントに関しては、SEOでもうまくいく。

5. コール・トゥ・アクション

どうすれば、コール・トゥ・アクションが効果を上げているかどうかを把握することが出来るのだろうか?コール・トゥ・アクションの文言を変えるべきだろうか?どのコール・トゥ・アクションが、最も望ましい成果を上げるのだろうか?どの位置が良いのだろうか?リンクの色は結果に影響を与えるだろうか?

このタイプのテストはPPCでは浸透しているが、SEOではあまり行われていない。SEOのページがこのような方針で最適化されているなら、エンゲージメントのレベルを高めつつ、クリックバックを減らすことが出来るだろう。

6. 再訪

ビジター全員が初めてサイトを訪問し、二度と戻って来てくれないなら、関連性のシグナルは低い。

だからと言って、サイトが妥当であるとグーグルに見なしてもらうために、必ずしも全てのサイトが多くのリターンビジターを必要としているわけではない – 単発の販売サイトはリターンビジターが少なく、ブログは多い。しかし、当該のサイトが、リターンビジターを得ているサイトのグループに属している場合、比較されてしまう可能性がある。

リターンビジターと初めてのビジターを計測しよう。とりわけ競合者のリターンビジターの比率が高いと思われる場合、ビジターに戻って来てもらえる方法を考えるべきである。

7. コスト・パー・クリック/トランザクションコンバージョン率/広告利益

PPCのマーケッターはこの手のメトリクスには慣れている。クリックごとに料金を支払い(CPC)、ビジターが理想の行動にコンバートすることを祈る。この測定基準とトランザクションコンバージョン率(TCR)および広告利益(Return on Ado Dollars Spent:ROA)とを組み合わせることで、キーワードマーケティングの効果を把握することが可能になる。TCR = トランザクションコンバージョン率とは、ウェブサイトにクリックしてアクセスした後、購入した顧客の確率であり、ROAとは支払った広告投資に対する利益を意味する。

この3つの測定基準は、とりわけSEOへの投資がその他のチャンネルに関連している場合、SEOにとっても、貴重な情報を得る上で役に立つ。コスト・パー・クリックに関しては、キーワードの価値を実証したいなら、アドワーズの相場を用いて、自然のキーワードに割り当てることを薦める。遥かに低いクリック単価でビジターを獲得しているなら、SEOのチャンネルは効果的である。SEOにおけるコスト・パー・クリックは、また、クリック数で分割されたSEOキャンペーンのコストの総額とも言える。

8. 直帰率

パンダ以降、直帰率は、重要な測定領域になると推測する人達が多い。パンダに関係なく、明らかに直帰率を低く抑えておきたいところだ。

上位にランク付けされているものの、直帰率が高い場合、ページのコンテンツが適切ではない可能性がある。アルゴリズムが見る限り、適切なのかもしれないが、ビジターの意図とは一致していないと思われる。このようなページは、時間の経過とともにランキングを徐々に下げる可能性があり、ビジネスにとってプラスに働くことはない。

9. 口コミ(ソーシャルメディアの接触範囲/ブランド)

他の人達の話題に上がっているだろうか?会社名を繰り返し取り上げてもらっているだろうか?頻繁に話題にしてもらっているだろうか?企業名をベースに大勢の人にグーグルで検索してもらうことが出来れば、そのワードを“自分のもの”にすることが出来る。すると、グーグルは当該のサイトを結果で返さなければならなくなる。さもなければ、ユーザーから不十分と見なされてしまうためだ。

以前、口コミを計測する取り組みは難しかったが、最近は、ソーシャルメディア、そして、様々な情報収集ツールのおかげで、遥かに容易に計測することが可能になった。アーロン・ウォールは、SEOにおけるブランドの影響について多くの記事を投稿しているので、この分野に明るくないなら、ブランドの台頭ビッグブランド、そして、パンダを考慮した潜在的なブランドシグナルに目を通しておくことを薦める。

10. 収益

収益が全てである。

収益にプラスの影響を与える点を証明することが出来れば、その検索マーケッターは、慰留され、予算を増額してもらえる可能性は高くなる。これは、ビジネスの収益が増えれば、ビジターが満足している確率が高くなる点を除いて、パンダの最適化とは、直接関係があるわけではない。

利益 = 収入 – 経費。検索マーケティングキャンペーンは、経費よりも多くの収入を得ているだろうか?どのようにこの点を計測し、証明することが出来るのだろうか?検索マーケティングキャンペーンが焦点を絞っているのは、収益性の高い製品だろうか、それとも、低い製品だろうか?どの製品が会社にとって最も利益をもたらすのか理解しているだろうか?顧客は製品にどのような価値を見出しているのだろうか?

このような領域をまとめて計測する手段はない。そのため、測定基準を考慮し、測定する方法を考案し、ダッシュボードに加えていく必要がある。

11. 顧客の生涯価値

重要度の高い顧客もいれば、低い顧客もいる。一部の顧客は、利益につながらない製品やサービスを購入し、二度と戻ってこない。その一方で、最も収益性の高い製品やサービスを買い、何度も何度も戻って来る顧客もいる。

その検索キャンペーンがサイトに迎えているのは前者のタイプだろうか、それとも後者のタイプだろうか?顧客の生涯価値を計算するのは困難であり、検索マーケッターがアクセスすることが出来ない社内のシステムが必要になる可能性がある。しかし、既に会社がこの情報を得ているなら、検索マーケティングキャンペーンのコストの妥当性を検証し、最も見返りの多いキーワードの領域にキャンペーンを絞る上で役に立つ。

一部のメトリクスは、ランキングとは関係なく、マーケティングの価値に着目している。しかし、従来のマーケティングの測定対象、そして、検索マーケティングの測定対象の説明には、共通する点が幾つかある。今回紹介したメトリクスは、利用可能な多くのメトリクスの一部に過ぎない。そこで、皆さんが利用している他のメトリクス、そして、その利用方法を、是非、教えてもらいたい。

ビジターの経験を考慮した最適化

上述した測定基準をテストし、コンテンツおよびオファーを分析 & 最適化すると、収益が増えるだけでなく、ビジターに対する“相応しさ”に関して、ビジターが取るクリック後の行動のおかげで、グーグルの目に、好ましく映るだろう。

この取り組みを適切に行っていれば、ビジターはサイトに没頭する。戻るボタンをクリックするのではなく、サイト上のリンクをクリックし、その他のページに目を通し、フォームに記入し、ページをブックマークし、ソーシャルメディアで他の人達に伝えてくれるだろう。これは全てエンゲージメントのシグナリであり、エンゲージメントのレベルが高ければ高いほど、通常は、より相応しいページだと考えられる。

これは、たとえ検索チャンネルにこだわり、SEOを前面に押し出していたとしても、SEO主導のマーケティングのアプローチよりも深い領域に達する(SEO主体のアプローチは、最近までは確かに有効であった)。データドリブンのマーケティングでは、新しいユーザーおよび初めての訪問だけでなく、リターニングビジターおよびその後のエンゲージメントのレベルを重要視している。検索エンジン経由のビジターは、初めてのクリックおよび閲覧を遥かに超える価値を持っている。

データドリブンのコンテンツおよびオファーの最適化は、今後のSEOのあるべき姿と言えるだろう。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Post Panda: Data Driven Search Marketing」を翻訳した内容です。


しかしこの記事を読んでいると、ますますSEOの範疇がわからなくなってきますね 汗 Googleがクリック後のユーザー行動をある程度監視しており検索結果にも影響を与えているであろうことは以前からいわれていましたが(どれ位はともかく)、これこそ正にビッグデータの本格活用。ウェブマスターとしては少なくとも自身のサイトのユーザー行動をきちんと分析して、それをサイト改善・ユーザー行動のさらなる喚起に活かしていくことがウェブサイト成功の王道でもあり、そしてSEOの成功にもつながるようです。

これはこれで真実と思いますが、しかしこういう記事を読んでいると私も意見しておいてなんですが、最近色々いわれている***マーケティングとかどうでもいいというか全部まとめてもう一回ウェブマーケティング一言でリセットしなおしても良いんじゃないかという気もしてくる私でした。なんて、最近はオフラインマーケとかも増えているので面倒ですが。。。ま、言葉の定義考える暇があれば戦略立案と実行、後は改善サイクルの繰り返しに時間をかけたい私です。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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