判断は皆さんに委ねたい ? 私の2011年および2012年の予測は当たっただろうか?答えが「YES」だと仮定して、今年も正解率33%を目指して予想していく。この推測では広範なマーケティングのトレンドを取り上げているものの、全て、皆さん、つまりソーシャルメディアマーケッター(またはデジタルマーケッター)が検討する必要があると私が思った大事なポイントである。
コンテンツに焦点を絞ったトレンドから見ていこう。 2012年は、コンテンツマーケティングが最も重要視されていた。2013年も同じ傾向が続くものの、若干、状況が複雑化すると私は考えている。ブログで優れたコンテンツを配信するだけでは不十分になる。ブランド(そして、個人レベルのブロガー)はこの取り組みを強化し、さらにブログ、動画、ツイッター、そして、再びブログ、動画、ツイッターのように複数のプラットフォームでストーリーを紹介することが求められるようになる
(註:このような複数メディアを並行活用、メディアを横断することを「トランスメディア」と呼び、各種ソーシャルメディアやスマホ等、最新のデジタル技術を活用したトランスメディア形式のコンテンツ&メッセージ配信が最近のトレンド用語になりつつあるようです)。
現在、映像の製作者およびゲームの開発者の間で話題を集める、トランスメディアのストーリーテリングが2013年のマーケティングにおいてメジャー化するのではないだろうか。一つのキャンペーンまたは目標を支えるため、ブランドが複数のプラットフォームおよびサイトを同時に活用する取り組みを始めているからだ。厳密に言うと、トランスメディアのストーリーテリングとは、ブランドにとって、インスタグラム等のビジュアルプラットフォームや動画をキャンペーンに統合する取り組みである。広義においては、ブランドはゲームおよび拡張現実についても検討するべきだと言えるだろう(詳しくは次のトレンドのセクションで説明する)。
トランスメディアの登場は、大勢のデジタルマーケッターにとって大きな変化である。その多くは、ブランドのメッセージをブログ、eブック、ツイッター、そして、フェイスブックで伝えると言うアイデアにようやく(仕方なく)慣れ始めた人達である。これに写真、動画、そして、場合によってはゲームが加わり、デジタルマーケッターの仕事の範囲は大幅に変わるだろう。
原始的な生活をしているわけではないなら、グーグルがプロジェクトグラスを立ち上げ、Augmented Reality(拡張現実: AR)の世界に参入したことは把握しているはずだ。グーグルは、注釈を入れる、または、ゲーム化するメガネをユーザーにかけてもらおうとしているのだ。事実、グーグルは既にアプリを開発している。
スタートレックや未来的な発想だが、これはブランドにとって役に立つのだろうか?当然役に立つ。特に – お店での製品の購入、レストランの選択、映画鑑賞等 – 現実世界での行動を促す必要がある企業においては、来年、経営陣の間で、拡張現実(そして付随するモバイルアプリ)が何度も話題に上がるだろう。そのため、賢い選択をマーケッターには行ってもらいたい。重役が既に知っているなら、マーケッターも当然情報を仕入れておくべきである。既に多くのラグジュアリブランドがARを利用しており、そして、ラグジュアリブランドの後をその他の消費者も追う傾向が見られるため、経営陣はARに注目しているのだ。
大半のデジタルマーケッターにとって、ARはモバイルアプリの開発、新しい広告キャンペーンの作成、あるいは、トランスメディアキャンペーンでのブランドの拡大において、検討するべき議題である。優れた、賢いARアプリは、2013年、ブランドを飛躍させる原動力になる可能性がある。
ソーシャルメディアの影響力については2012年のトレンド予測で取り上げてたが、私の予測は当たっていた。クラウトのアルゴリズムの変更から、ピアインデックスとKredによるクラウトへの挑戦、そして、マーク・シェーファー氏によるReturn on Influenceの出版に至るまで、影響力は間違いなく今年注目を集めていた。
しかし、私が昨年も推測したように、影響力はソーシャルを超え、オフラインの要素を網羅しなければならない。完全とは言い難いが、アピニオンズ(情報公開: 私達の顧客)、そして、理論上はクラウト等、一部のプラットフォームは、ソーシャルメディアのメトリクスに、例えば、意見がメジャーな文献で取り上げられているかどうか、または、ウィキペディアでページが作られているかどうかを含む、その他の要素を組み合わせることに成功している。
そして、個人の影響力(Kred、ピアインデックス、クラウト)vs コンテクスチュアルな影響力(アピニオンズとTraackr)の構図も忘れてはならない。前者は影響力のレベルを示すと思われるスコアを割り当てる – しかし、私自身は、架空のキャラクターにスコアを割り当てるシステムを信じることは出来ない。特定のトピックでインフルエンサーの格付けを行う(そして、通常はランキングの仕組みを明らかにしない)後者の方が信憑性が持てる気がする。いずれにせよ、影響力のマーケティングの分野にはまだまだ改善の余地がある。
インフルエンサーとの協力を望むデジタルマーケッターは、ブランドまたはキャンペーンにおいて最も適切な人物を特定するために用いるプラットフォームを把握する必要がある。また、友人のポール・ヤング氏が指摘していたよう(ここでは、アリソン・カピン氏による引用を掲載): 最強の分析ツールは人間の脳である。
分析およびデータを信頼するデジタルマーケッターにとっては、ビッグデータに企業が力を入れるようになったことは、想定の範囲内であったはずだ。SEO業界およびマーケティング業界のアナリスト達は、長年に渡って内部および外部のデータを使って、マーケティングおよびブランドのメッセージを伝え、そして、データから有益な見解を得てきた。それ以外の“勘”または創造力に頼るマーケッター達にとって、ビッグデータは仕事に対するアプローチを大幅に変えるポテンシャルを秘めている。
売り上げのデータ、顧客のデータ、さらにはツイッターのデータを抽出し、パターンおよびセグメントに変える力は、ビッグデータそのものであり、最も重要な能力である。このデータが企業のシステムの奥深くに閉じ込められることはなくなる。そのため、今後はマーケティングの取り組みに対してどのデータを取り出せばいいのかを把握する必要がある。
ビッグデータを掻き分けて必要な情報を探す上で欠かせないのが、優秀なデータアナリスト、または、データサイエンティストの存在である。今すぐに採用するべきである。あるいは、自分が転身するべきである。客観的で、信頼できるデータで勘の正しさを証明することが出来るようになれば、創造的なアイデアのみで構成されたデジタルマーケティングでは、上司に認めてもらえなくなる可能性がある。
今回の予測で、私が「ソーシャルメディア」を「デジタルマーケティング」と呼んでいることに気づいた人もいるのではないだろうか。 私は意図的に用語を変えており、これは過去2年間において私が取り上げてきたトピックの多くに関連している:
数年前、形式化されたソーシャルメディアマーケティングが登場した頃は、「ソーシャルメディアマネージャー」と言う肩書きは理に適っていた。しかし、今後は肩書きとして、相応しくなくなると私は考えている。すべてのマーケッターに対して、ソーシャルメディアを少なくとも理解することが求められるようになる。その一方で、スペシャリストがソーシャルメディアの日常的な重労働に励む構図は、今後も続くと思われる(SEOにおいても同じことが言える)。
また、同僚のニコール・ケリーが先日話していたように、スタッフが仕事をする仕組み、チームが組まれる仕組み、管理される仕組み、そして、スタッフが働く場所と時間にも大きな変化が現れている。そのため、間もなくチームは異なる時間および場所に割り振られるようになるだろう。この変化を迎える準備を今のうちに進めておくことを私は薦める。
これで私の2013年の推測を締めさせてもらう。今回の推測が当たっているかどうか、1年を通じて私は確認していく。皆さんにも同じことをしてもらいたい。また、いつものことだが、私が勘違いをしている点があるなら、または見過ごしている点があるなら、コメント欄で教えてもらいたい。2013年が皆さんにとって最高の年になることを願っている。
この記事は、social media explorerに掲載された「What your business should think about in the coming year」を翻訳した内容です。
そしてなんだかんだ新たなトレンドを予想しても最後にあるマーケティングチーム・担当者自身が大きく進化していかなければいけない時代なのは間違いなさそうです。「オフラインとオンラインの区別がなくなる」のは既にそうなりつつある気もしますし、「縦割り構造が姿を消す」必要もこの時代に適応していくために必然的にあるでしょう。「広告に予算の大半がつぎ込まれる時代は終わる」のが2013年に起こるとはまだまだ思えませんが、中長期的には完全にこの方向性なんだろうな、とも感じます。
ソーシャルメディアやスマホで益々変化するコミュニケーションの形に対応すべく企業のマーケティング担当者はその取り組みを適応・変化させていく必要があるのでしょうし、これまで広告販売に依存しすぎてきた広告代理店もマーケティング会社として進化していく必要もあるのでしょう。時代の流れは速いですね。 — SEO Japan [G+]
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