グーグルが新たに「リンクを否認する」ツールをリリースした。これは誰もが予想していたことだ。このツールの告知は、本日行われたパブコンカンファレンスでの講演中に、グーグルのウェブスパムチームを統括するマット・カッツ氏によって行われた。
このツールは既に公開されており、ここをクリックするとこのツールのページに飛ぶ。過去数週間に渡って、選ばれた一部のSEO業者を対象としたベータテストが実施されていた。カッツ氏の発表の約45分後、グーグルは正式にウェブマスターセントラルブログでこのツールの告知を行った。
ちなみに今年のはじめ、ビングは既にリンクを否認するツールを立ち上げていた。
マット・カッツ氏は、慎重にこのツールを利用するべきだと警告していた。また、パブリッシャー達に対して、まずはリンクを掲載しているサイトのオーナー、または当該のサイトのオーナーがリンクを購入した会社に連絡を取り、自分のサイトに向けられている問題のリンクを削除するべきだと指摘していた。
このフォーマットでは、テキストファイルでURLを個別にリストアップするか、次のようなドメインフォーマットを利用して特定のサイトからの全てのリンクを除外することが出来る:
domain:google.com
domain:yahoo.com
domain:facebook.com
どちらのフォーマットも、このツールに関するグーグルのブログの投稿に記載されている下の例に記されているように、単一のファイルにまとめることが出来る:
以下に投稿の抜粋を掲載する:
この例にある # 記号で始まる行は、参考コメントとしてリンクの否認の処理上では無視されます。
”domain:” という表記をすることで、そのドメイン(この例の場合の spamdomain1.com )からのすべてのリンクの否認を指定できます。
また、特定のページからのリンクを指定して否認することも可能です(この例の場合、spamdomain2.com 上の 3 つのページが指定されています)。
ファイルを作成したら、次にグーグルウェブマスターセントラルを介してリンクの否認ツールにアクセスし(この記事の冒頭にスクリーンショットを掲載した)、警告を読み、その後、ファイルを選択して投稿する:
サイトへのリンクの価値を無効にするためのプロセスの結果は、すぐには現れない。カッツ氏は「影響が出るまでは数週間かかる可能性がある」と述べていた。また、同氏は信頼することが出来ない理由がある際には投稿されたファイルを処理しない権限をグーグルが持っていることも指摘している。ウェブマスターセントラルブログにもこの情報は反映されている:
グーグルは、例えば特殊なケースに対して、グーグル自身の判断を尊重する権利を持っています – しかし、リンクを評価する際には、通常はみなさんからの指摘を採用することになるでしょう。
また、一度投稿した後、投稿したファイルをダウンロードして、変更を加えた後、再び投稿するオプションが用意されている。ファイルのサイズは最大で2MBである(否認する必要のあるリンクが2MBを超えるようなら、新たにウェブサイトを立ち上げた方が得策である)。
ファイルの処理が遅れている場合、投稿者がミスをした可能性がある。また、リンクを「再び認める」までには数週間を要することもあるようだ。そのため、慎重にこのツールを利用した方が良いだろう。ブログの投稿もこの点を強調している:
否認したいリンクを修正するためには、否認するリンクの既存のファイルをダウンロードして、無視したいリンクのみを掲載し、再びファイルをアップロードして下さい。新しいファイルをクローリング/インデックスのシステムに伝えるまでには時間がかかります。数週間を要することもあります。
質疑応答の中で、カッツ氏は、このツールの利用は、ランキングクレジットを渡すことなくサイトにリンクを張ることが可能な「nofollow」属性の利用と同じだと主張していた。
この新しいツールは誰が利用するのだろうか?とりわけリンクを購入したサイトやスパムを介してリンクを獲得したサイトをターゲットにしたペンギンアップデートの影響を受けた人達に向けて、このツールは開発されている。
ペンギンが行われると、一部のSEO業者やパブリッシャー達の間でパニックが発生した。劣悪なリンクを無効にして、やり直すことが出来る手段を求める人達もいれば、「ネガティブ SEO」を通してサイトに害を与えるために質の低いリンクが向けられることを恐れる人達もいた。また、リンクの削除に料金を課す新手のビジネスまで登場した。
さらに、パブリッシャーが解決するべき問題を抱えているかどうか – 問題を解決することが出来るのかどうかを明示しないリンク警告をグーグルが夏に新たにリリース(日本語)すると事態は悪化の一途を辿った。
当然ながら、グーグルが、もし、過去数ヶ月の間に劣悪なリンクをサイトに対するネガティブな票と考慮する方針に切り換えていなかったら、このツールを作る必要はなかった。過去、グーグルはただ単に質の低いリンクを無視していた。
しかし、低品質なリンクをネガティブな票としてカウントすることで、ネガティブSEOに対する懸念が一部現実のものになったため、グーグルはこの新しいツールを介して事態の収拾を図ろうとしている。再び投稿の一部を掲載する:
グーグルはその他のウェブマスターによるランキングに害を与える行為を阻止するべく努力しています。しかし、一部の被リンクがサイトの評判に影響を与えている可能性があるとして心配しているなら、リンクの否認ツールを使って、当該のリンクをグーグルに無視するよう伝えることが出来ます。繰り返しますが、私達はネガティブSEOを阻止することを考慮してアルゴリズムを構築しているため、ほとんどのウェブマスターはネガティブSEOについて心配する必要はありません。
私は、「なぜグーグルが劣悪なリンクの一部をネガティブな票としてカウントするのではなく、シンプルに無視しないのか?」と言う疑問をマット・カッツ氏にぶつけた。このツールの存在は確かに心強いが、なくても良い状態が理想的である。
今年のはじめにグーグルとビングが依存する老朽化が進むリンクのカウントシステムを取り上げた際に私は次のように指摘した:
リンクは最悪だ。良質なリンクを獲得するのは難しくなる一方(日本語)であり、獲得したとしても、カウントしてもらえない。その一方で、リンクを“否認”することに時間を割きたい人などいるのだろうか?もっと他に良い方法があるはずだ。
私の質問に答える代わりにカッツ氏は、新しいツールがもたらすメリット、とりわけ質の低いリンクが向けられている可能性のあるウェブサイトを“潔白”にする力を強調していた。
カッツ氏はこのツールに関する10分近い動画を用意している。この動画を以下に掲載しておく:
グーグルは新しいツールに関するヘルプページも用意している。また、有益なFAQのセクションやその他の詳細な情報が掲載された公式の投稿にも目を通しておこう。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Launches Disavow Links Tool」を翻訳した内容です。
使い方自体はシンプルそのものですが、それだけに間違いのないようにしたいところです。現状、再申請を繰り返しつつも中々Googleに承認されないペナルティを受けたサイトも多いですし、このツールを利用したサイトの今後の再申請承認/否認の動向が気になる所ですね。今回のツール提供自体は喜ばしいことですが、結果的にさらなる混乱やスパマーを生み出さないことを願います。。。 — SEO Japan [G+]
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