以前、私はSEO業者を心から信頼していた。私は業界で上位の業者を雇い、大金を支払った。しかし、その結果はひどいものだった。しかも、最低限の取り組みしか行われていなかった。
eコマースサイトの管理者なら、SEOの作業の一部、もしくは全体を社内に移すことで、SEOの“適当な作業”に投資する資金を驚くほど節約することが出来る。
今回は、社内に移すSEOの5つの大きな要素を紹介し、2万ドル~12万ドル/年を節約してもらおうと思う。
SEO業者を採用した際、私はキーワード分析に200ドル~500ドル/月の料金を要求された。今振り返ってみると、私は無駄遣いをしていたように思える。とりわけオンラインには、グーグルのキーワードツールのように、最適のキーワードフレーズのリストを選ぶ上で役に立つ無料、もしくは安価なリソースが数多く存在するからだ。このグーグルのツールはアドワーズスイートの一部だが、SEOにもとても役に立つ。
不動産を売る事業を実施していると仮定しよう。[real estate](不動産)をグーグルのキーワードツールに入力すると、莫大なトラフィックが存在することが分かる。デフォルトの状態では、キーワードを入力すると、ブロードマッチ(広範なマッチ)が行われる。「エグザクトマッチ」(完全一致)と記載された左側のサイドバーの上のボックスをクリックする。
この調節を終えると、「ローカルマンスリーサーチ」(ユーザーの国で行われた検索の回数)と記されたカラムには「real estate」のエグザクトフレーズに対して、30万1,000回の検索が月に行われていると表示される。
「Philadelphia Real Estate」(フィラデルフィアの不動産)等のより具体的なフレーズを試しているなら、月間の検索数が3,600に激減する。さらに慣れるまでツールを試し、キーワードを徐々に拡大していこう。
競合者のウェブサイトを視察して、キーワードを拡大する手も有効だ。メタキーワードはSEO業界から価値がないと見られることが多いものの、メタキーワードを手に入れるプロセスはいまもなお行われている。競合者はそれぞれのページでターゲットに選んだキーワードをHTMLコードの中で公開している可能性が高く、絶対にチェックするべきである。
ページを右クリックして、コンテキストメニューからソースの表示を選択すると、ブラウザがページのHTMLコードをローディングしてくれる。HTMLが表示されたら、キーボードのctrl+Fを押してテキストを検索する機能を有効にする。次に: “meta name=”keywords”” を検索する。競合者がキーワードのメタタグを利用しているなら、検索ツールが見つけてくれるはずだ。
HTMLを開いたら、競合者のタイトルタグ(“meta name=”title”)にも目を通しておこう。同じタグを使わないように注意してもらいたい。分析しているキーワードでトップ3にランクインしているサイトを調査しているなら、恐らく同じ(もしくは酷似した)タイトルタグが使われている点に気づくだろう。
キーワードのリストが出来上がったら、99ドルで購入可能なツール、マーケットサムライを利用してもらいたい。このツールを使うと、それぞれのキーワードフレーズに対する競争の激しさを特定し、トラフィックが多いものの、競争の少ないキーワードを選択することが出来る。出来るだけ顧客の気持ちになって、製品をどのようなアプローチで探すのか考えよう。
競合者分析は、大半のSEO業者が提供するサービスであり(私の場合、毎月約100ドルの料金を要求された)、自分が狙っているキーワードに対する競合者のランキングについて報告してもらえる。同様のレポーティングサービスを提供する有料と無料のツールが存在する。SEOMozとSEO クエイクである。
競合者分析に私が支払っていた料金とほぼ同じ価格で、SEOMoz(約$90/月)は、3つの競合者と調査したいキーワードのリストを入力することが可能だ(その他のツールのホストを用意しており、この点は後ほど少し紹介する)。比較を行う際は、SEOMozは競合者に対して、自分のサイトの各キーワードに対するランキングを表示してくれる。
SEO クエイク等のツールを使って、比較を無料で調査するアプローチもある。SEO クエイクはファイヤーフォックスのプラグインであり、一連のスタッツをすぐに閲覧することが出来る。このプラグインは、ウェブサイトのグーグルのページランク、主要な検索エンジンでインデクッスされたページの数、被リンクの本数、さらにはウェブサイトの年齢まで把握することが出来る。
また、自分のウェブサイトと競合者のウェブサイトにコンピート.comを適応して、毎月獲得している大体のトラフィックの量を把握する取り組みを私は勧める(これはあくまでも推測値である点に留意してもらいたい)。ターゲットのキーワードを調査する際は、よりニュートラルな結果を得るため、グーグルをログアウトして、クッキーを全て削除することを忘れないでほしい。
個人的にはウェブCEOを使って継続的にランキングを追跡する戦略を好むが、マーケットサムライも十分役に立つ。ウェブ CEOは、ランキングの上下を表示するレポートを毎月提供する。競合者の動向に関する基本的な概要が欲しいなら、websitegrader.comとwoorank.comを試してみよう。この2つのサイトもまた、SEOの改善における有効なヒントを与えてくれるだろう。
優れたSEO戦略において最も重要視されているのは、コンテンツの作成である。大半のSEO業者は1つのコンテンツに対して約100ドルを要求する。しかも勝手にアウトソースしていることも多い。この場合、コンテンツとは、ウェブサイト、ニュースレター、そして、ブログのために生成された特定のキーワードを狙った記事を意味する。
他の人にお金を払い、その人がさらに他の人を雇って自分の仕事に関する記事を綴っているのだ。この点を考えると、そもそも、仕事を最も熟知する社内のチームよりも、優れた記事を作れる人などいるのだろうか?記事やエントリを作成する際はキーワードに焦点を絞るように心掛けよう。ターゲットのキーワードを記事内で3、4回利用し、ウェブサイトの適切なページへ向かうハイパーリンクを設定しよう。
ウェブサイトおよび製品のためのコンテンツを作成する取り組みはそれほど難しいわけでも、時間を消費するわけでもないため、出来るだけコンテンツ作成を社内で行うことを私は勧める。それが不可能なら、コンテンツネットワーク等のサービスを利用しよう。このウェブサイトでは、ワードごとにコピーライティングを要請することが出来る。因みに、1ワードを5セントで請け負ってくれるミシガン大学の英語系科目で修士課程を取得した人物を私は発見した。
コーディングの標準に従い、マークアップをセマンティックに利用しよう。つまり、1つのページに‘H1′タグを1つだけ利用し、適切なマークアップをコンテンツに対して用いる必要がある。ウェブにはHTMLマークアップの基礎に関する無料のリソースが無数に存在する。私が好んで利用しているのは、W3CとW3Schoolsのリソースである。
マークアップとSEOはどのような関係なのだろうか?スパイダーはマークアップを使って、見つけたキーワードの重要度を特定する。例えば、‘H1′タグは「これはページ上で最も重要なコンテンツであり、ページの全てが詰まっている」と判断されるのだ。
SEOMozによると: 「ターゲットに選んだキーワードをH1タグで囲っても、上位にランクインするとは限らないが、若干の価値を与えることは出来る。また、この手法はアクセシビリティのベストプラクティスだと考えられている。そして、ページの内容を説明するため、推薦にもなる」。これは一つに例に過ぎないが、それぞれのコードが検索エンジンにページのコンテンツの重要性を伝える役目を背負っているため、マークアップを適切に利用したいところだ。
SEOに関して、私は2つの要素が最も重要だと言うことに気づいた: 強力なコンテンツと優れたリンクだ。
先程も書いた通り、コンテンツは、コンテンツの作成および適切なマークアップを通じて、社内でとても効率的に処理することが可能だ。
リンク構築が2つ目の要素だ。SEO業者が現在用いているリンク構築メソッドの重要な要素は、グーグルに冷ややかな目で見られている。例えば、疑わしいメソッドとして、ブログのコメントセクションをスパムしたり、リンクファームを介してリンクを買ったり、ウェブサイトを1000個のディレクトリーに提出したりする行為が挙げられる。このようなメソッドはリスキーであり、ランキングが下がる、または最悪の場合はブラックリスト扱いされてしまうこともある。
意外にも多くのSEO業者がクライアントに対して短期的な結果を得るための昔ながらの方法を採用している。SEO ブックは、リンク構築戦略の基礎に関する素晴らしいエントリを投稿している。予算が少ないなら、このエントリは参考になるだろう。
しかし、リンク構築は複雑であり、常に進化する分野であり、時間と地道な努力が必要である。私はほぼコストをかけることなく質の高いリンクを獲得する方法を多数見つけた。その中でも最高の部類に入るのが、製品をブロガーに無償で提供し、関連するウェブサイトでレビューを書いてもらう手法だ。レビューの代わりに、レビュー用のテキストリンクを手に入れることが出来る。
リンクが手に入るまで待つのは、ストレスが溜まり、また、面倒でもある。しかし、「待つ」行為こそ最も安価で最も簡単な方法なのだ。また、この業界の一流のリンク構築業者の数名に確認を取ったが、やはり最初は待った方がいいようだ。
SEOの取り組みを社内で行うつもりでも、一人で全てを行う必要はない。オンラインにはリソースがあり、そして、現実の世界では、地元にサポートをしてもらい、問題点について話し合える人達がいる。
私が得たアドバイスの中で最も役に立ったアドバイスの幾つかは、SEO関連のMeetup.comの集まり、および、ハイランキングズフォーラム、シアインタラクティブブログ、そして、SEOMozのプロ Q&Aフォーラム等、SEOのブログやフォーラムで得たものである。しかも全て無料であった。彼らのアドバイスだけでも、$20,000~$30,000/月の節約効果がある。
また、一度に全てを実行する必要もない。まずはコンテンツの作成とマークアップの最適化に焦点を絞り、ゆっくりとしたペースで始め、リンク構築業者に継続的に仕事を依頼しよう。全ての準備が整ったら、最終的にリンク構築も行おう。
結局、自分の事業、顧客、そして、キーワードのことを一番良く知っているのは自分である。そのため、SEOの取り組みを出来る範囲で社内で行ってみよう。資金を節約することが出来るだけでなく、さらに質の高いコンテンツを手に入れ、そして、ウェブサイトおよび顧客について学ぶことが出来るはずだ。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、「Search Engine Landに掲載された「Think You Have To Outsource SEO To An Expensive Firm? 5 Things You Can Do In House」を翻訳した内容です。
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