リンクビルディングに関するQ&A

公開日:2012/10/01

最終更新日:2012/10/01

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単純なサテライトサイト構築やツール配布、有料リンク購入では順位向上ができないどころか、ペナルティの危険性の方が高くなってしまう最近のGoogle SEO。リンク構築の方向性に対する記事はSEO Japanでも多数配信してきましたが、今回はあのSEO Bookがリンク構築に関する読者の質問に対して返答したQ&A形式の記事をご紹介。SEOの基本&今後も重要な概念をうまく答えにまとめた、それなりに読み応えのある内容になっています。 — SEO Japan

先日、このサイトSEOブックでリンク構築に関する記事を読んでいた女性からeメールが送られてきた。この読者はこのコミュニティおよびSEO全般に関して初心者であり、フォーラムで質問するのは気後れしたようだ。私は直接質問に答えたものの、良い質問であり、また、よく尋ねられることがあるため、他の人達が恩恵を受けられるようにここで皆さんと分かち合うことにした。

質問してくれた人のファーストネームは知っているが、所属している業界も、運営しているサイトの名前も知らないため、一般的な答えを提供する。それでは、さっそく1問目から見ていこう:

質問: 私はリンク構築に関して勉強しようとしており、記事コンテンツの作成ツールを試してみるつもりです。その際、どこに記事を掲載すればいいのでしょうか – 複数の記事を一つのブログに掲載した場合、それぞれの記事はリンクとして作用するのでしょうか、それとも1つのブログにつきリンクとしてカウントされる記事は1本だけなのでしょうか?

この質問に答える前に、この質問およびリンク構築全般に関連する幾つかの重要なコンセプトに関する基礎的な情報を提供したいと思う。

記事の作成は一般的な取り組みであり、基本的なリンク構築の方法である。大半の記事は400 – 700ワードの長さであり、複数のキーワードを本文の中で利用している。自動コンテンツツールによって作られた記事は、ピューリッツァー賞を獲得することが出来るわけではなく、またそのような意図を持っているわけでもない。リンクポピュラリティまたは「リンクジュース」をもたらすことを期待して、多くのリンクを確保するための手段として作成し、サイトに落としているのだ。 この戦略は効果的だが、「質の高い」ページに落とすと最高の効果が表れる。

質の高いページとは、基本的には特定のキーワードフレーズで上位にランクインしているページであり、ある程度作られてから年月が経過したページであり、アクティブなソーシャルプロフィールを持つページを指す。様々な理由でページは上位に格付けされているが、上位にランクインしているなら、その事実自体が適切な取り組みを行っている証拠であり、リンクを得る場所として優れていると言って問題ない。アルゴリズムのインパクトを与えるソーシャルの面を理解するのは難しいが、ソーシャルは、一般的に評価されているよりも重要視されている気がする。とにかく証明するのが非常に難しいのだ。また、トラフィックおよび見てもらう機会を増やす点においてもソーシャルには大きな力がある。積極的にツイッター/フェイスブックを活用しているサイト/ブログは貴重な存在であり、自分の有利になるように活用することが出来るだろう。

記事マーケティングツールやコンテンツ作成ツールをリンクを集める手段として利用しているなら、質の高いサイトが投稿を望むようなタイプのコンテンツを構築することは出来ないだろう。この手のツールが作るコンテンツは、質の低いブログやアーティクルディレクトリに行き着く運命であり、どちらもアルゴリズムに軽視されるため、求めているリンクポピュラリティやコンテンツの言及は望めない。 この質問の裏側にある“なぜ”を理解するためには、リンクポピュラリティが何か、そして、ページランクに影響を与えるためにどのように活用すればいいかを理解する必要がある。

リンクポピュラリティ

リンクポピュラリティとは、基本的に、- リンクの量、リンクの質、関連性、そして、アンカーテキストの3つの要素と1つの影響を与える要因によって構成される。

  • リンクの量 – 特定のウェブページに向かうリンクの本数。多ければ多いほど良い。 🙂
  • リンクの質 – リンクの質は、ホストするページ/サイト、そして、当該のページ/サイトにリンクを張るページ/サイトのオーソリティによって決まる。質はリンクを介してあるページから次のページへと流れていく。この要因はページンランクとして大勢の人達に知られている(Yahoo!の場合はトラストランク、Bingは何と呼んでいるのか不明)。
  • アンカーテキスト – アンカーテキストはリンクのクリック可能な部分であり、クエリのランキングの指標であり承認の証である。また、人間およびボットにリンク先の内容を伝える役目を持つ。キーワードフレーズを利用するアンカーテキストは、“重み”が加えられ、セマンティックな価値をもたらす。グーグルはランキングの影響力の重要性に関してはあまり情報を明かしてくれないものの、アンカーテキストに関する情報は豊富に用意している:

「アンカーテキストは、検索結果内でのサイトが格付けされているクエリに影響を与える。」

上のコメントは2007年に作られており、また、最近の出来事によってアンカーテキストがもはや重要なランキングの要素とは思えなくなっているかもしれないが、それは事実とは異なる。アンカーテキスト自体は問題ではなく、アグレッシブなウェブマスターが問題視されている。同じアンカーを何度も何度も利用するのは賢い判断とは言えず、実際に今までも受け入れられていなかった。マーケティングおよびSEOの観点で考えると、様々なアンカーテキストを控えめに利用する方法が最善の判断だと言える。 キーワードフレーズをコンテンツの中でハイパーリンクさせるのが不自然なら、- 回避するべきである。同じページや関係のないページに導くキーワードにハイパーリンクを張ったアンカーを複数使う意味はない。

コンテンツとアンカーを文章の流れに合わせ、リンクを張るのが妥当ならリンクを張るべきである。「ここをクリックする」や「詳細はここから」をハイパーリンクしても何の問題もない。それどころか情報が流れるようになり、また、アンカーを混合する効果も見込める。

関連性

前後関係またはテーマが関連しているサイト/ページ(へ)からのリンクは、オーソリティを高めると言われており、また、関連性はトピックまたはロケーションにおいて属する場所を確立する上で役に立つ。キーワードの分野のページからリンクを獲得しなければいけないわけではないが、効果はある。なぜかと言うと、編集上の観点で考えると、同じ/付属する分野のウェブマスターは、自分のコンテンツを支持するウェブマスターやページにリンクを張る可能性が高いためだ。似た者同士が集まるのと同じコンセプトである。

関連性の要素は、「ネガティブ SEO」と呼ばれる現象で鍵を握る可能性がある。この問題をよく知らないなら、この記事を読んでもらいたい。また、熟知しているなら、容易に自分の身に起きる可能性があることを理解しているはずだ。常に自分のトピックおよび/または場所の分野でリンクを張っている状態なら、誰かが全く関係のないトピックのページへ向かう大量のリンクを張ってきても、反撃/防御は容易になる。ユーザーが頻繁にアクセスするページからリンクを集め、過去のパターンを繰り返すことにこだわってもらいたい。

それでは、リンクポピュラリティの説明を終え、若干脱線してしまったので、もともとの質問に戻ろう:

質問: どこに記事を掲載すればいいのでしょうか – 複数の記事を一つのブログに掲載した場合、それぞれの記事はリンクとして作用するのでしょうか、それとも1つのブログにつきリンクとしてカウントされる記事は1本だけなのでしょうか?

リンク構築は何をするかよりも、どこでするかが重要である。 次のようなページを見つけたいところだ:

  • 上位にランクインするトピックまたは場所に関連し(関連性)
  • アンカーでキーワードを利用する(アンカーテキスト)
  • ページランクの高い(リンクの質)
  • 多くのページ(リンクの量)

どこかで聞いたことがあるのではないだろうか?問題は、ベテランのリンク構築のプロであっても、4つの条件をすべてクリアするのが難しいことである。品質の高いブログは、基本的な/再利用された/ツールで作られたコンテンツを採用しない可能性が高い。このタイプのブログは評判を維持する必要があり、また、読者を満足させなければならないためだ。従って、若干心が広く、コンテンツを掲載してもらえるブログを探す必要がある。当該のブログおよび自分のコンテンツがインデックスされれば、ある程度のリンクポピュラリティを獲得することが出来るが、ランキングの高い同じトピックのブログよりもその効果は落ちる。 リンク構築の世界では、どんな用語をターゲットにしているのであれ、ランキングの高いページにリンクを掲載してもらうことが最終的な目標である。単純な理論だが、現実的に難しいため、最高の成果を得るために先程紹介した4つの条件を出来るだけ多くクリアするように努めてもらいたい。

複数の記事を同じサイトやブログに掲載すること自体には問題はないが、1箇所にあまりに多くのリンクを預ける行為は危険である。出来れば自分のニッチの範囲内で、平等に分配するべきである。すると、オーディエンスの幅が広がり、また、リンクグラフおよびソーシャルグラフが拡大するため、アルゴリズムの面でプラスに働くだろう。

次に質問に移る:

2) 作成した記事をブログウェブサイトに展開するにはどうすればいいですか? – 記事の重複した利用は良くないと言う考えは正しいのでしょうか? – 固有の記事を配信するべきなのでしょうか?

固有の記事を作る時間およびリソースを持っているなら、それに越したことはない。持っていないなら、記事を再利用することも可能だが、そのまま利用していることが分からない程度まで変化をつけることが前提である。検索エンジンは、上位にランクインするために記事を拡散する行為を嫌っており、実際にグーグルはこの件に関するページを用意している。安全を期するためにも、記事を掲載する度に新たなアイテムを加えたり、新しいイメージや動画を加えたり、アンカー、そして、リンク先のページを変えることで、コンテンツを更新するべきである。

3) (宣伝用のウェブサイトではなく、ブログ上の)記事/ブログのテキストを介したキーワードは、リンク構築に影響を与えますか?あるいは、投稿に加えたキーワードのみが重要なのでしょうか?

正直に言わせてもらうと、この質問が何を問おうとしているのかが100%分かっているわけではないため、他の人が運営するページに掲載されている際にキーワードアンカーがもたらすインパクトに関して説明させてもらう。

ブログ/サイト上のワードは、ハンパーリンクされている状態でもコンテンツと考えられる。キーワードアンカーは、掲載されているページにとってコンテンツであり、リンク先のページに対するクエリの指標でもある。リンク先のページはより大きなランキングの影響が現れる。なぜなら、クエリの指標は、格付けのプロセスにとって重要視されているためだ。キーワードが豊かに散りばめられたフレーズではなく「ここをクリック」をハイパーリンクすると、キーワードに対する影響力を失う。しかし、検索エンジンは、ハイパーリンクを辿り、ページ間のつながりを見出す。「ここをクリック」が取るに足らないコンテンツと見られ、関連性の要素にはプラスに働かない可能性は高い。

アンカーテキストの価値は下がっていると考えている人達は多いが、私の意見は異なる。私はアンカーが利用される回数、そして、利用される仕組みは好転していると考えている。以前よりも遥かに良くなっているのではないだろうか。

全ての用語、そして、そのバリエーションを企業名や姓名と併せて使い、動詞およびコール・トゥ・アクションのフレーズをハイパーリンクさせて、読者にクリックしてもらおう。理に適っている場合には文中のワードにハイパーリンク化し、その後、自分の主張を後押しするコンテンツにリンクを張ることが重要である。関係のないコンテンツに何度もリンクを張っていると、クリックしてもらえなくなり、読んでもらえなくなる。

検索エンジンが利用するランキングシグナルはアンカーとオンページのコンテンツだけではなく、検索エンジンはそれぞれソーシャルやユーザーインタラクションを含む複数の要素を持っている。そのため、リンク構築を行う際は様々な戦略を利用し、戦略を実施する上で例の4つのポイントを肝に銘じておくことを薦める。トピックおよび場所に関連するページ同士でリンクを張るのが理想的だが、関連しないページへのリンクがマイナスに働くわけではない。ただ単に効果がそれほど見込めないだけである。

最後にローラさん、質問を投稿してくれて有難う。この記事が役に立つことを願っている 🙂


デブラ・マスタラーはリンク構築のベテラン & パブリシティのエキスパートであり、Alliance-Linkでクライアントを10年以上トレーニングしている。また、SEO コミュニティのリンク構築の管理人であり、ツイッター@DebraMastalerで連絡を取ることが出来る。


この記事は、SEO Bookに掲載された「The Why’s Behind Some Aspects of Link Building」を翻訳した内容です。

アンカーテキストやコンテンツの配信方法など皆が皆100%賛同する答えではないかもしれませんが、基本的な考え方としては大体正しいのではと思いました。記事の最後にもあるように、今日の検索エンジンはかってのリンク数やアンカーテキストに依存しすぎたアルゴリズムからはるかに進化していますし、さらにはスパム的行為を取り締まるためのペナルティアルゴリズムも兼ね揃えています。特定の手法に依存しすぎることなく、多面的なリンク構築を行っていけるかがペナルティを回避しつつ、順位を上げ維持していくには重要なのでしょうね。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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