最近は、ほとんどのWeb企業にとって、モバイルに焦点を合わせるのは当たり前のことだ。Facebook、Twitter、Google、ありとあらゆるものが、Webおよびエンターテイメントデバイスとしてのモバイルの成長に乗じて、自らのポジションとユーザー体験をより良いものにするためにスマートフォン(およびフューチャーフォン)向けのサービスを築いている。
Facebookやその類のものが、モバイルメッセージング体験の中心になることに焦点を合わせている中、もしくは、少なくともデバイスで最もよく使用されるチャンネルなっている中、他のジャンルのコミュニケーションアプリが、スピードを増して、急速に携帯電話からのメッセージに代わるものになっている:モバイルメッセージングアプリだ。
Skypeは革命的なPC上での長距離電話の先頭に立ったが、WhatsAppやアジアを拠点とする多くのメッセージングサービスは、無料のテキストメッセージと音声通話で人々をコネクトする専用のスマートフォンアプリを使って、その原則をモバイルに取り入れてきた。
RIMのBlackBerry Messenger(BBM)サービスの成功を基礎としているモバイルメッセージングアプリは、クロスプラットフォームだが、主にAndroidとiOSに集中していて、その分野にはSamsungやChatONやその他の携帯メーカーからのサービスが含まれる。
そして、その種のアプリは実際に人気もある。日本に本部を置くLineは、1年経たないうちに4500万ユーザーを突破し、韓国のカカオトークは世界中に4000万ユーザーを持つ。台湾を拠点とするCubieは、まだ3か月しか経たないニッチアプリであるにも関わらず200万ダウンロードを獲得して、その専属市場の規模を実証している。
WhatsAppは恐らく最も知られているサービスで、2月時点では、1日に20億メッセージがそのプラットフォームを介して伝えられていた。ちなみに、カカオトークは1日13億メッセージ、Lineは数字を公開していない。
無料メッセンジャーがオペレータのSMS収益を‘殺す’かもしれないという第一印象にもかかわらず、アジアの多くの通信事業者―特に韓国と日本―は、より高いスマートフォンとデータ料金を契約者に売るチャンスとしてアプリを喜んで受け入れてきた。
通信事業者はFacebookやTwitterなどと手を結んできたが、その一体化は、メッセージングアプリの高品質な魅力とは全く異なる方向にあるFacebook ZeroのようなFacebookの無料モバイルプラットフォームを低価格志向のプリペイドユーザーが楽しむことを可能にし、正反対のことを目的としてきた。
しかしながら、それらのアプリの多くが無料通話サービスを導入―カカオトークやLineのように―したことによって、カカオトークが韓国で被っている抑制に示されるように、オペレータは手を引き、より敵意を持つようになる事例が見られている。
その戒めは、これらのアプリが今後Facebookに匹敵する可能性がある(世界の一部の地域ではすでに匹敵している)からなのだ。これらのアプリは、簡単にユーザーが友達と無料でテキスト送信をしたり通話をしたりすることができるプラットフォームを提供し、何よりもモバイルのためにデザインされているため、欠けている機能もアプリのパフォーマンスの問題もない。
1つの特定のコミュニケーションメディアがモバイルで勝利すると言うのは浅はかかもしれないが、TechCrunchのJosh Constineが書いているように(これまでに1つのメディアがプラットフォームを‘勝ち取った’ケースはなかったが)、モバイルメッセージングアプリが今後の主戦場にいなる可能性はある。
これらのアプリは、Facebookが成長したいと考えているアジアやその他の新興市場で勢いを増しているだけでなく、Facebookなどと同じ前後関係がないにもかかわらず、オペレータとの関係を持ち、ソーシャルネットワークよりも多くの機能を提供する。
Facebookのモバイル‘メッセンジャー’は、本来、そのアプリのプライベートメッセージの余分な装備を取り除いたバージョンである。専用のメッセージングアプリと比べると、Facebookが提供するものは、重くて、読み込みに時間がかかり、必要以上の情報を含んでいるように感じる。
多くの人が古いメッセージを見せるという点に価値を置いているかもしれないが、それらは矢継ぎ早のインスタントメッセージとは関係がないし、そのアプリには、WhatsAppなどのモバイル中心のチャット風アプローチが欠けている。
Facebookと対照的に、日本のLineは、開発者のためのAPIとプラットフォームの差し迫ったローンチおよびに画像共有とプロフィールページでアプリとコンテンツのホスティングに進出している(以下のように)ため、過程の中にちょっとした交差がある。その遷移が成功するかどうかはまだ見えていないが、このアプリは大きく成長していて、すでに収益を達成している―たった2か月の間にプレミアスタンプの販売で約440万ドルを稼いでいるのだ。
しかしながら、マネタイゼーションは難しい問題だ。バーチャル商品を販売することはアジアでは可能性があるものの、欧米市場では収益を生むためのより強固なアプローチが必要かもしれない。
ビジネスモデルのその他のアイディアには、ゲームサイトへのリンク、ロケーションベースのサービス、eコマース、プレミアコンテンツ(有名人やブランドからの画像や動画など)がある。興味深いことに、WhatsAppは断固として広告に反対し、最初の1年が過ぎた後には有料アプリとして収益化している―それが、このアプリの勢いを増すのを手伝っている。
確かに、ソーシャルネットワークは、広告以外のモバイル収益の多様化にますます焦点を合わせるようになっていて―限られたスペースとより個人的なウェブ体験を考えると、それはモバイルでうまくやるには難しいアプローチである―、これらの代替アプローチは面白い理論だ。
Instagramがソーシャルネットワークユーザーのたまり場になったこと、そして、この会社がモバイルメッセージングアプリの買収を検討するかもしれない可能性がないわけではないことに気付くと、FacebookはすぐにInstagramに飛び付いた。
カカオトーク(中国のTencent)とLine(韓国のNHN)は、すでに大手Web企業を押しのけたが、今もたくさんの競合相手が出現しているため、この成長と影響力がシリコンバレー企業の戦略とモバイルにおけるその可能性に及ぶのかはまだ分からない。
画像クレジット:Shutterstock / Tanewpix
この記事は、The Next Webに掲載された「Mobile messaging apps: The threat to Facebook and other social networks」を翻訳した内容です。
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