11月1日で、私がコンテンツPR/リンク構築を始めてから19年が経過した。19年だ。だからと言って、2本の棒を擦って、煙でシグナルを送ることでリンクを求めていた時代の話をして、皆さんを退屈させるつもりはない。ちなみに狼煙のスパムはたいして大きな問題ではなかった。
いきなり自分を笑いのネタにしたが、長くこの業界に身を置くことで得をすることが幾つかある。まず、あらゆるリンクスキームを目にすることが出来た。クライアントが私の意見を得るために考案したものもあれば、被リンク分析で現れたものもあれば、宣伝を試みるスパムメールの中で用いられているものもあった。
時間の経過とともにリアリタイムでツールや戦略の変化を見ることが出来た点も、得をしたことの1つに挙げられる。また、 検索エンジンが、スパムと闘うため、そして、結果の信頼性を改善するために行った変更も見ることが出来た。
リンクに関連するニッチの業界全体が急成長する場面にも立ち会うことが出来た。その多くはこのサービスのように質が高いが、中には非常に質の低いサービスもある(あまりにも多いのでリンクは張らない)。
このような背景があるものの、今月、私は今まで見たことがない新たなリンク関連のスパムに出会った。リンクが人質に取られるスパムである。
私はリンクに関しては何でも知っている自信がある。明白なものだけでなく、難解なもの、そして、知る人ぞ知るリンクの詳細を隅から隅まで知り尽くし、クライアントの成功に貢献している。
しかし、このコラムの残りの部分では、既に皆さんが犠牲になっている可能性もある詐欺について警告するつもりだ。
グーグルの方針により、ウェブマスター達は明らかにスパムなリンクを削除する行動(日本語)に出るようになったものの(特に不自然なリンクの警告メッセージを受けた場合)、リンクスパムネットワークを作り、サイトへのリンクをネットワークに掲載し、その後、サイトのウェブマスター達にeメールで接触する方法を教え、スパムリンクを削除する要請が行われるのを待つ会社が現れている。
このようなサービスの問題点は、リンクの削除に金銭を要求していることだ。もともと自分で張ったわけではないリンクに対してである。
要するに、新手のリンクネットワークが登場し、知らないうちに勝手にネットワークの住民として登録され、ネットワークから脱出するためには、この会社にお金を払わなければならないのだ。
リンクが人質に取られている状況はこの例えで分かってもらえたのではないだろうか。リンク恐喝と言った方がいいのかもしれない。
いずれにせよ、SEOやリンク構築に関連する行動、そして、スパマーを特定するための検索エンジンの取り組みが、意図していない結果をもたらすことはよくある。この「リンクを削除してもらいたいなら身代金を払え」と言う要求もその一つである。他にもあるが、ここまで賢くないだけである。
「無効化先制措置」と言う表現がピッタリ当てはまるシナリオも考えられる。無効化先制措置とは何だろうか?サイトにリンクが実際には向けられていなくても、自分のサイトへ向かうリンクの無効化をグーグルに求める行為である。これは、万が一リンクが向けられていることを想定した、防御策である。ナンセンスだと思えるかもしれないが、皆さんが想像する以上に私はこの質問をよく受けている。
この行動のロジックは理に適っているように思える。スパムサイトが同じニッチの別のサイトにリンクを張っていることを知り、自分のサイトにもリンクが張られ、削除のための身代金を要求されるのではないかと心配になり、それならば、人質を取られる前にこのサイトを無効化してしまおうと言う考えである。確かに筋は通っているように感じるかもしれない。個人的にはそれほど効果があるとは思っていない。
私はサイトのコンテンツを改善するのではなく、実在するかどうかも分からない質の低いリンクを一掃するために時間を費やすのは、無駄だと思う。
と言っても、例えば、リンクブローカーから150本の全く同じアンカーテキストを買った場合など、自分で作り出した劣悪なリンクを一掃しようとする試み(日本語)を私は否定しているのではない。これは明らかに問題であり、一掃するべきである。少なくとも、試す必要はある。
このようなサイトが削除する費用を要求し、「管理削除料金」などと呼ぼうなら、それは明らかにふざけた行為だが、そうする権利があることは否めない。 しかし、私なら料金は払わない。削除してもらうために1セントも支払うことなく、リンクを無効化する。恐喝と呼ぼうが、身代金と呼ぼうが、または、リンクの人質と呼ぼうが、そんなことは絶対に認められないからだ。
確かにリンクを買った判断自体が間違えていた可能性はあるが、リンクを売った業者が削除する際に再び金銭的に見返りを得るような状況を作り出すべきではない。そうではなく無効化すればよい。無効化のファイル(日本語)のコメント欄で、リンク恐喝詐欺をグーグルに教えてあげよう。
最後に、倫理を重んじる全てリンク構築業者にお願いがある。リンクの恐喝業者を成功させないでもらいたい。皆で力を合わせれば、浸透して防ぎようがなくなる前に、そして、世間知らずな中小企業や経験の浅いウェブマスターが騙される前に、息の根を止められるはずだ。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Link Building Scam Alert: When Links Are Held Hostage」を翻訳した内容です。
しかしこの手法、いわれた方も「過去に頼んだSEO業者や辞めた担当者がやっていたかもしれない」という不安も残るわけですし、費用が安ければやりかねないですよね。実際にこのメールを受け取って有料で削除依頼をするウェブマスターも少ないと思いますし、リンクネットワーク構築からサイト登録、それなりに大量のメール送信など、詐欺行為としての費用対効果はどうなんだろう?と思わなくもないですが、現状作ったはよいものの既に全く効果のないリンクネットワークも多数存在するのでしょうし、二次利用的に使われているのかもしれません。
流石に日本では流行らなそうな詐欺手法ですが、こんな話もあるということで紹介していますが、よく考えると、詐欺話と一蹴しても不自然なリンクネットワークからリンクを受けているのは事実なので、無視した場合の悪影響もあったりしそうなのが微妙に怖いですね。。。まだごく一部の話とは思いますが、仮に今後広がりを見せるようでしたら、もう少し騒動になるかもしれません。 — SEO Japan [G+]
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