SEOは、米国のデジタルマーケッターの間で、引き続き最高のリード獲得ツールとして親しまれているが、その一方で、リードを獲得する手段としてのPPCの効果は大幅に低下している。さらに追い打ちをかけるように、B2Bのマーケッター達は、PPCよりも、ソーシャルメディアマーケティングの方がリード獲得チャンネルとして効果が高いとまで主張している。
これはカリフォルニア州を拠点に活動するオンラインサービスのウェブマーケティング 123が毎年実施する「第2回デジタルマーケティングの現状調査」によって判明した情報である。
一年前に行われた前回の調査と同じように、ウェブマーケティング 123は、GE、ソニー、シスコ、オリンパス、ボーズ、そして、フェデックスを含む企業に所属する500名の米国のマーケッターを対象に調査を行った。そのうちの65%はB2Bのマーケッターであることを明かしていた。調査の参加者は、会社の規模においてバランス良く分かれており、32%は1000名以上の従業員を抱える企業、そして、23%は従業員が50人以下の企業に所属すると申告していた。
今年の調査では、B2Bマーケッターの59%、そして、B2Cマーケッターの49%は、リード獲得においてSEOの効果が最も高いと答えていた – どちらもPPCとソーシャルメディアよりも大幅に高かった。下のイメージが示す通り、B2Bのマーケッター達は、ソーシャルメディア(21%)はPPC(20%)よりもリード獲得においてインパクトが強いと指摘している。
B2Bのマーケッターも、そして、B2Cのマーケッターも今年は昨年よりもSEOの功績を認めているが、その一方でPPCの効果が弱まったと示唆している。私達は今年と去年の調査結果を取り上げ、リード獲得チャンネルの効果に関するマーケッターの意見の変化を示すチャートを独自に作成した。
B2Bでは、PPCは昨年から5ポイント落とし(25%から20%へ)、B2Cにおいては、8ポイント落としていた(34%から26%へ)。
大半のマーケッターはSEOこそが最高のリード獲得チャンネルだと指摘しているものの、自然な検索のROIの計測はいまだに難易度が高いと答えていた。調査参加者の約半数が、ウェブマーケティング 123が「ベーシック」な計測と分類したトラフィックおよびランキングに関連する計測に頼り、リードの数および売り上げの数でSEOを計測していると答えたのは、たった3分の1程度であった。
上の表には表示されていないが、30%以上の調査参加者が、SEOにおいて最もフラストレーションが溜まるのは「結果を計測する難しさ」だと指摘している。また、約70%はリードや売り上げの功績を正確に自然な結果に割り当てることが出来ないと答えている。後者は、SEOが最も効果的なリード獲得チャンネルだと指摘した上のデータとは矛盾しており、リードや売り上げの功績を自然な結果に結びつけることに苦戦している中で、SEOの効果を実際に理解しているのかどうか気になる。また、正確に計測することが出来たら、SEOはさらに効果が高いと評価されるようになるのだろうか?
レポートの全文はウェブマーケティング 123のウェブサイトに掲載されており(ダウンロードするには連絡先の情報を伝える必要がある)、興味があるなら皆さん自身で結論を導いてもらいたい。
また、姉妹サイトのマーケティングランドに投稿した、このレポートの調査結果を基に様々なソーシャルメディアチャンネルのリードおよび売り上げの効果をさらに詳しく検証した「調査: B2Cのリードと売り上げはフェイスブック & B2Bはリンクトインに軍配」にも目を通してもらいたい。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Industry Survey: PPC Is Losing Ability To Generate Leads」を翻訳した内容です。
それとは別にPPCとソーシャルメディアの評価が「リード獲得」の指標でも同レベルになっているのも興味深いですね。ちょっと前までは「ソーシャルメディアはコンバージョンやリード獲得につながらない!」なんて話が横行していたと思うのですが。ソーシャルメディアがより拡大しているというのもあると思いますが、ウェブマーケッターもその場のコンバージョンのみ追求する短絡的思考から個客行動をより幅広く考えることができるようになってきたということでしょうか。インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングが叫ばれる時代です。
さて皆さんはこの調査報告、どう思われたでしょうか? — SEO Japan [G+]
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