スピーカー:Gary Illyes(Webmaster Trends Analyst,Google)
Googleに入社するとき、”無制限でコーヒーを飲む”、というオプションを契約書に追加してほしいと申し出た。もちろん、担当者は困惑した。一応、約束は取り付けたが、契約書に追加することはできなかった。さて、プレゼンテーションを始めよう。
3時間前までPRチームとこのセッションで何を話すかを相談していた。彼らは、モバイルを提案した。みなさんもそう思っただろうか?しかし、今日はモバイルについては話さない。ユーザーについて話す。
Y世代
Y世代についての事実をまとめよう。
また、彼らの特徴は以下の通りだ。
彼らは自身の意見を過度に評価しているかもしれない。ソーシャルネットワークで様々なトピックに対し、自身の見解を散布している。
46%が自分で小さなビジネスを起こしたい考えている。また、雇用者でも35%が自分で何かのビジネスを始めている。
Y世代の3分の2が、自身のローカルな世界の中で良い影響を与えることができると考えている。また、40%がグローバルでもインパクトを残せると答えている。
彼らについての情報はInstagramやFacebookで全て手に入る。また、自撮りが大好きだ。
彼らの興味が持続する時間は、2000年には12秒だったが、2013年には8秒になっている。ちなみに、金魚の場合は9秒だ。
Z世代について
Z世代についての事実をまとめよう。
彼らの特徴についてもまとめてみよう。
自己中心的でいつも自撮りをしている。高校生の72%が起業する意思がある。Wifiとバッテリーは重要。ノモフォビア(Nomofobia:モバイル依存症)という言葉をご存知だろうか?そして、彼らの関心が持続する時間は2.8秒だ。
上記の通り、Y世代とZ世代は非常に似ている。彼らに対し、どのようにアプローチすればよいのか?
Y世代とZ世代へのアプローチ
彼らは特に深く考えずに、あなたのサイトから去ってしまう。彼らは自分が探しているものを正確に把握しており、彼らが探している情報をあなたが提供していない場合は、すぐにサイトを離れてしまう。また、彼らのユニークな個性に注意を払わなければ、すぐに別のサイトに行く。そして、あなたのサイトの読み込み速度が遅くても、彼らは去ってしまう。
Googleは常にユーザーの期待に応えようとしている。その結果多くの進化をしてきた。
最近の取り組み
ユーザーの期待に応えるために、Googleが行っている取り組みを挙げよう。
Now on Tapとコンテクスト
Now on TapはAndroidで使用できる。アプリを使用している際、ホームボタンを長押しすることで、アプリを使用しながら(Googleがコンテクストを理解し)、欲しい情報が手に入る。
音声検索では、連続した質問を投げれば、前回の質問のコンテクストを理解し、回答してくれる。例えば、”エンパイアステートビルの場所は?”、”その写真がみたい。”、”高さはどれくらい?”、”誰が建てたの?”、”いつ?”と質問した場合、全て望み通りの結果が得られるだろう。(注1)
*注1:言語設定を英語に変更すれば日本からでも可能ですが、日本語のままだと未対応のようです。
位置情報の理解
例えば、あなたがあるレストランの前に立っていた場合、”開店時間は何時?”と尋ねれば、Googleは答えてくれる。Googleは、あなたがどの店の前にいるのかをわかっているのだ。Googleの目標は、パーソナルなアシスタントを構築することなのだ。
Z世代のユーザーを満足させるために
彼らが望む情報を記載している箇所は、ハイライトなどで目立たせるようにしよう。また、ユーザーは記事の全てを読むわけではない。そのため、ユーザーのニーズのみを満たす箇所を記載した、素早く読める短めの情報を記載しておこう。ユーザー一人一人を特別に扱い、自動入力機能などを実装し、彼らが快適にあなたのサイトで過ごせるようにしよう。
すべきこと
コミュニティについて、コメントやフォーラムやUGCは削除しないでおく。しかし、調整役はすべきである。UGCはスパムでない限り、あなたのサイトにとって良い影響を与えるだろう。上記の内容を行わなければ、Googleではなく、ユーザーからペナルティを受ける(サイトから去ってしまう)だろう。
すべきではないこと
自身に問う
一日の終わりに自身に問いかける質問は、”どれだけの人が自分のサイトを訪れたのか?”ではない。”何人の訪問客を、私は助けることができたのか?”である。
Q1:パンダアップデートのペナルティ対策に、内容の薄いコンテンツを削除するべきか?
まず、パンダはペナルティではない。また、内容の薄いコンテンツを削除すれば、ランキングはさらに下がる恐れがある。全てのコンテンツを内容のあるものにするべきだ。もちろん、スパムなコンテンツであれば、削除しなければならない。内容が薄いかどうかに悩むのではなく、高品質なコンテンツを作成するために時間を使おう。
Q2:ローカルパックは頻繁に変更しているが、なぜか?
対応しているチームは、色々と実験をしている。ユーザーがあまり使わない表示は削除する、といったように。
Q3:Googleは、NAP(名前、住所、電話番号)の理解が未熟だと思う。コンテクストの理解は進んでいるはずなのに。ローカルSEOにとっては重要な要素だ。
非常に良い指摘だ。フィードバックとして持ち帰り、調べてみる。
Q4:ネガティブSEOは有効なのか?
多くのネガティブSEOと思われる状況を見てきた。しかし、実際に効き目のあることはなかった。もちろん、おかしいリンクが張られていれば、否認したほうがよい。
Q5:Search Consoleについて何か情報はあるか?
より便利に、タイムリーになるように取り組んでいる。インデックス数をより正確なものにし、より多くの例を表示しようとしている。
Q6:盗用コンテンツについては?
Googleはオリジナルのコンテンツとそうでないコンテンツを正しく理解していると考えている。しかし、うまくいかない場合もある。もし盗用されたコンテンツのページがあなたのページよりも上位に表示されていれば、時間があれば修正されるはずだ。もしくは、あなたのサイトに致命的な問題があるかもしれない。
Q7.マンスリー・ウェブマスター・アップデートはもうやらないのか?
多くの人が、我々の言葉一つ一つを分析し、そこから推論を立て、ランキングへの影響などを考えたりする。本当は全く影響もないのに。不要なことに時間を割いてしまうのだ。本来、検索はそれほど複雑なものではない。簡単なルールさえ守っていれば、ランキングはよくなるだろう。我々が情報を更新するとそうしたことが起こる。SEO担当者であれば、コンテンツのプロモーションに集中するべきだ。
今回のレポートを持ちまして、Pubcon 2015のセッションレポートは最後となります。個人的には、キーノートを中心に、これからの施策への”気づき”が多くありましたので、参加する価値は高かったと感じました。今後もSEO Japanでは海外のカンファレンスのレポートを行っていく予定ですので、引き続き、よろしくお願いいたします!
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