どこからともなく姿を現したSmartNewsは、あっと言う間に、アメリカのニュースアグリゲーションアプリのマーケットを席巻した。それもそのはず、数多あるニュースアグリゲーションアプリの中でも、このアプリの利便性は群を抜いている(Google Newsよりも遥かに優れている)。
今週始め、SmartNewsは、TIME、USA Today、MSNBC、NBC News、AP、CNET、Quartz、LA Times、Atlantic、Reutersを含む多数の既存のコンテンツのソースにローカルニュースのチャンネルを加えた。ローカルニュースは、手始めにサンフランシスコ、ニューヨーク市、ロサンゼルス、シカゴ、ワシントン D.C、アトランタ、シアトル、ボストンで提供される。
2012年に設立され、基礎的な検索/ウェブクロールテクノロジー & 機械学習を土台に構築されたSmartNewsは、昨年の10月にアメリカに進出した。それ以来、あまり話題にはならなかったが、急速なペースでユーザーベースを増やしていった。
ここ数年の間、無数のニュースアグリゲーションサイトが生まれては消えていった。その多くは方針を転換したか、買収された後に姿を消している。その典型的な例が、Taptu、Pulse、そして、Ziteの3つだ。
Flipboardは生き残りに成功したが、バラ色の未来が待っているとは言い難い。Yahoo! News Digestは便利だが、完成度は低い。そして、Facebook Paperは現時点では使えない。
個人的な意見だが、現存するニュースアグリゲーションツールの中には、SmartNewsに対抗できるアプリは見当たらない気がする。実を言うと、このアプリがリリースされた際、ニュースアグリゲーションアプリがまた一つ増えただけだと私は考え、サイトで取り上げようとは思わなかった。
しかし、10月以来毎日のようにこのアプリを使うようになり(NY Timesの次に利用頻度が高い)、UI、ユーザビリティ、そして、カスタマイゼーションのレベルの高さを実感するようになった。SmartNewsは現在約40名のスタッフを抱え、そのうちの多くは日本人のエンジニアであり、エディター、「キュレーター」、デザイナーはほんの一握りしかいない。
昨年のアメリカでのリリースの直後、同社はリッチ・ジャロスロフスキーをコンテンツ担当のヴァイスプレジデントとして採用した。ジャロスロフスキーはオンライン版ウォールストリートジャーナルの初代の編集長であり、Online News Associationの創設者でもある。また、Bloombergでも編集部門を統括した実績を持つ。
SmartNewsは現在まで3600万ドルの資金を調達している。目下、日本とアメリカでサービスを提供し、ヨーロッパのマーケットに参入する準備を進めている。コンテンツパートナーの大半と明確な契約を結んでいる点においては、Google Newsとは一線を画していると言える。その意味では、アンチGoogle Newsとも呼べるかもしれない。
日本では、SmartNewsは広告を掲載している。パートナーが完全に広告を管理するか、それ以外の場合は収益をシェアする仕組みが取られているようだ。今のところアメリカでは広告を掲載していないものの、今後掲載される予定だ。
新聞社の収益と発行部数は減少しているものの、Pew Research Centerのデータを参考にする限り、消費者はニュースを求めているようだ。ただし、デジタル形式での提供を望む消費者が増えつつある。事実、PR会社のEdelmanが実施した世界的な調査によって、信頼に関して、デジタルメディアが従来のニュースのソースを追い抜いていることが明らかになっている。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「News Aggregator SmartNews Shows Rapid Growth, Adds Local Channels」を翻訳した内容です。
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