世界中の情報を整理することを目指した、グーグルによる終わることのない取り組みの中で、今年、最も刺激的だったのは、何と言ってもコンテンツ(ナレッジグラフ経由)とクエリ(アルゴリズム「ハミングバード」経由)の「意味」を理解することが出来るようになった点である。
以前だと、グーグルは、ページ上のワードをユーザーが検索したワードとマッチさせることに依存せざるを得なかった。現在、クエリの意図を、意図に合うページの適性と一致させる革命が起ころうとしている。
これはSEO業界に大きな影響をもたらす。この変化について、優秀なSEOのエキスパートと話し合ったところ、セマンティックSEOを新たな視点で評価し、焦点を絞る取り組みが、何度も話題に上がった。
賢明なマーケッター達は、2012年と2013年の戦略において、構造化データマークアップが重要な鍵を握ると考えていた。構造化データのマークアップのトレンド、そして、このトレンドを推す動きは大幅に高まり — 調査の参加者の3人に2人が、構造化データマークアップを2014年にさらに実装する、もしくは、最優先課題に格上げすると答えていたほどだ(2013年9月に行われたClarity Global SEOカンファレンスにて)。
しかし、企業が、セマンティックマークアップの実装または拡大に時間と労力を投じるべきかどうか考えるようになると、次の疑問が浮かび、なかなか前に進めないケースが多い。
これは誤った疑問であり、マーケッターとしてSEOにアプローチする考え方としても誤っている。
1位になるよりも、2位につける方が、トラフィックは2倍多いと言ったら、1位になることに固執するだろうか?
マーケッターとしての私の最終的な目標は、ランキングで1位に輝くことではない。トラフィック、コンバージョン、そして、収益を最大限まで高めることである(ビジネスに対する「成功」の定義は会社によって異なる)。
この点は意外と忘れられることが多い。なぜなら、過去の検索エンジンの限界によって、ランキングをトラフィック/収益/コンバージョンを同意語として考えるようになっているためだ。これは正しい考え方ではなく、以前から誤っていた — そして、優秀なマーケッターはこの誤りに既に気づいている。
それでは、2014年の計画に留意して、構造化データについて考える際に、考慮してもらいたい3点の疑問を挙げていく:
1. 構造化マークアップは、ユーザー体験とブランドとの交流を改善するのか?
答えは、確実に「YES」である。構造化データによるマークアップは、ビジターには見えないものの、マークアップがSERPに提供するリッチスニペットは、ユーザーに魅力的な体験をもたらす効果がある。
次の2つのリスティングを比較してもらいたい:
vs
下の結果では、より優れたユーザー体験を提供するために、マークアップが用いられている。クリックする必要もなければ、長い文章を読む必要もなく画像、評価、そして、レビューを一目で見ることが出来る点は、ユーザーにとって大きなメリットである。SERPでのランキングに関わらず、このリッチなリスティングが、上位のランキング競争において、どれだけ目立つか考えてもらいたい。
2. 検索エンジンが今後検索と検索結果を処理する方法と一致しているか?
ここでは推測する必要があるが、答えはYESである。
検索結果の過去の形式 — 関連性の高い順番にサイトを並べていくリスト — は、根本的に欠陥がある。これは、10年間に渡って、検索エンジンが解決を試みてきた課題である。グーグルは、キーワードとの一致を基にしたリストから、様々な意見と感情、新鮮さ、パーソナライゼーション、地域、そして、その他の要因を考慮したリストへと切り換える取り組みを大幅に進歩させている。
セマンティック検索は、クエリの裏側にある意味に応じて、間接的なクエリと直接的なクエリの双方に対応するための取り組みである — つまり、クリックと検索の数を減らし、また、多くのケースでは、クリックを必要としない状態で、ユーザーを質問から答えに導くための挑戦である。
グーグルのナレッジグラフ、インスタトアンサー、そして、グーグルナウから検索愛家の未来を垣間見ることが出来る。このようなテクノロジーを用いることで、間接的なクエリ(行動や環境に応じるクエリ)、そして、直接的なクエリ(入力、または、音声による検索)に応じて、関連する情報を提供することが可能になる。検索エンジンは、リンクのリストではなく、適切な答えを提供する。構造化マークアップの利用によって、検索エンジンは、コンテンツが、現在、そして、今後進化する中で、クエリに対するソリューションをどのように提供しているのか、より正確に理解することが出来るようになる。
3. 収益の改善にプラスに働くのか?
この質問に対しては、「ケースバイケース」と答えておこう。ビジターのコンバージョンに対して適切な取り組みを行い、上位にランクインしているなら(つまり、1ページ目から2ページ目のランキングを確保するための基盤を確立しているなら)、構造化マークアップは、クリックスルー率 — 検索結果ページからのクリックのシェア — を改善する上で確実に有効に働くはずだ。
リッチスニペット(構造化データのマークアップで動く)は、SERPでのクリックスルー率に大きな影響をもたらす。ちなみに、私がSMX Advancedカンファレンスで発表した、グーグル+のオーサーシップのテストでは、作者のマークアップを用いたブログの記事が、マークアップを利用しないブログの記事に比べて、クリック数が2倍以上多かった。
サイトで技術的な問題、または、コンテンツの問題(ページタイトルが欠けている、リンク切れ、コンテンツの重複)を抱えているなら、まずはこの問題を解決することに力を入れるべきである。検索体験を効果的に変える取り組みに参加する前に、まずはサイトを正常な状態に整理しなければならない。
今すぐに行動を起こしてもらいたい。既存のデジタルなアセット — 動画、レビュー、製品、イベント、地域の店舗の情報 — は、ウェブマスターの代わりに一生懸命働いてくれる。そのためには、検索エンジンに理解してもらえるように、少し手を貸す必要がある。競争に負けたくないなら、2014年のSEO計画には、絶対にセマンティックマークアップを盛り込むべきである。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014 SEO Roadmap: Adopting Semantic Markup」を翻訳した内容です。
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