原題:The Periodic Table Of SEO Ranking Factors: 2015 Edition
このセッションは以下の3セッションで構成されています。
Speaker:Cyrus Shepard,Director of Audience,Moz
はじめに
Mozが数年間続けている調査の最新の報告を行う。約15,000キーワードを対象にGoogleのTop50のランキングを調査した。どのような要素がランキングとの相関関係があるかを調べるためだ。
相関関係について
相関関係は因果関係ではない。しかし、ヒントにはなる。マシンラーニングやエンゲージメントの詳細な情報を得ることは不可能であるため、ヒントは非常に重要になる。そして、ヒントを得るためには、複数の要となる要素を組み合わせた調査を行うことが必要だ。
リンク
リンクはさらに重要な要素となっているようだ。”リンクを張っているドメイン数”の相関関係は0.30となっている。2011年は0.24、2013年は0.29という結果だったため、さらに相関関係が高まっていると言える。
みなさんも御存知の通り、Googleはランキングを決定するために200以上の要素を用いている。つまり、何か一つの要素が順位を決定づけているということは考えづらい。そのため、単一の要素の相関関係が0.3ということは、非常に重要な要素と言えよう。逆に、0.1未満(0.00台の数字)は相関関係は薄いと言える。
アンカーテキストとキーワード
“アンカーテキスト”の相関関係も非常に高い。部分一致のアンカーは0.29、完全一致は0.24という数字が出ている。しかし、”タイトルタグ内のキーワード”は0.08しかない(しかし、それでも非常に大事)。タイトルタグ内に完全一致のキーワードが含まれていない場合も、相関関係のあるキーワードがあれば1位になる場合もある。我々が思っている以上に、関連性は大事となっているかもしれない。
ソーシャルシェア
“ソーシャルシェア”の相関関係も高いが、Googleはランキングの要素としては用いていないだろう(Googleの言葉を信じるのであれば)。サービス別に見てみると、FacebookとGoogle+がそれぞれ0.27と高い数字を出している。また、以前と比べ、Google+の相関関係が下がり、Twitter(今回の調査では0.21)が伸びていることは注目すべき箇所かもしれない。
https
相関関係は0.04。低いといえる。MOZのサイトもhttpsに変更したが、大幅なトラフィック増は見られなかった。httpsに対応したURLは、全検索結果の14.3%という数字がでている。Googleはhttpsをテニスで言うタイブレークのポイントのように、”均衡を破る要素”になり得ると、主張している。
Schema.org
相関関係は-0.01。今回の調査でも1.8%しか対応していないことがわかった。スキーマとリッチスニペットはイコールではないが、Googleにサイト内容を的確に伝えることで解決する問題もあることから、個人的には導入を強く勧める。
hreflang
相関関係は0.14であったため、比較的高いと言える。思ったよりも高かったため、少々驚きだ。検索結果の8.2%が対応しているようだ。
スパムフラグ
“内部リンクの少ない大規模サイト”や”小規模のサイトからリンクが被リンクの大部分を占めている”などのスパムフラグの相関関係を調査。個々の要素は大きな相関関係が見られなかったが、より多くのスパムフラグがあればペナルティの可能性が高まる、という事実はあるようだ。
URLの長さ
調査した中では最も相関関係の低い要素であった。しかし、短く、人間が読めるものを使おう。
相関関係の高い要素
最後に最も相関関係の高かった要素と数字を3つまとめておく。
Speaker:Marcus Tober,Founder/CTO,Searchmetrics Inc.
はじめに
たった一つの真実、というのものはない。業界や状況によって異なるからだ。また、今回のセッションでは“関連性への回帰”を主張したい。様々なデータから、”関連性”は非常に重要になっている。
相関関係と因果関係
相関関係と因果関係はイコールではない。また、0は重要でないことを意味するが、誤解を生む場合もある。例えば、全てのサイトがキーワードをタイトルに入れていると、相関関係は0になる。しかし重要でないということではない。
*上記、サイラスのセッションの補足とも言える
リンク
“被リンク数”の相関関係は2015年は0.28だった。2014年は0.31であったため、相関関係は落ちたと言えるが、サイラスの調査と同じような数字だ。”キーワードを含むリンク”の相関関係は去年とほぼ同じで0.17だ。”ドメイン名を含むリンク”は0.16であり、こちらも去年と変わらず。”ニュースサイトからのリンク”は2014年は0.20で、2015年は0.22。多少伸びたと言える。
キーワード
“外部リンク内のキーワード”の相関関係は2014年は0.11、2015年は0.03。重要性は下がった。”ドメイン内のキーワード”は、2014年は-0.02で2015年も同じ。ランキングとの相関関係はないと言える。キーワードの相関性はかなり下がっていると感じる。
コンテンツの要素
“ファイルサイズ”の相関関係は0.15で変わらず。”文字数”は去年の0.13から0.07へと下がった。”画像数”は0.05から0.04へ。1サイトあたりの”ファイルサイズ”、”文字数”、”画像数”の全てが伸びているが、これは自然な流れと言えよう。
*上記の通り、全体が上がっているため、相関関係が落ちていると言えるかもしれない。
事実を表す単語
2015年のみの調査であるが、関連性は0.03。
*以前Googleが発表した論文の内容を受けてのものと思われる。
セマンティック
“コンシュマーインテント”のためであり、”キーワード”のためではない。ユーザーが求めていることは、あくまでも、”関連性”であり、“検索キーワードがドメインやタイトルに含まれているか”を知りたいのではない。上記にも述べたとおり、”キーワード”を最適化する時代は終わった。”関連性”を求めよう。成功したいのであれば。
モバイルについて
モバイルとデスクトップでは調査結果が異なる。幾つか見てみよう。
最後に
繰り返しになるが、キーワードへの注力はやめよう。そのページからのメッセージを考え、”関連性”を意識しよう。
Speaker:Eric Enge,CEO,Stone Temple Consulting
ダイレクトアンサーについて
Googleのアミット・シンガル氏は、「Googleを完全なアンサーマシンにすることが目標」、と述べている。今回のセッションでは、そのダイレクトアンサーを取り上げるが、まずは簡単なデータを紹介しよう。
トータルクエリ数 | 855,423 | |
---|---|---|
リッチアンサー(Google) | 166,366 | 19.4% |
リッチアンサー(Bing) | 9,569 | 1.1% |
このセッションではGoogleのケースを取り上げるが、上記のリッチアンサーは以下のタイプを含む。
ダイレクトアンサーのソースとなることで、リンク先をクリックする可能性を生む。また、74.7%のダイレクトアンサーがソース(リンク先)を表示していた。
勝者はさらに豊かになったか?
Googleはオーソリティの低いドメインも積極的に利用している。ダイレクトアンサーのソースの57.3%がドメインオーソリティが60以下のサイトだった。
What is a rfp?(rfpとは?)の例
ダイレクトアンサーに使用されているサイトのドメインオーソリティは47である。検索順位では上位に表示されているWikipediaを抑えての採用だ。非常に簡潔で明確な答えを提供している。
さあ、実験してみよう
上記の通り、ダイレクトアンサーに採用されれば大きな恩恵を受けることができる。しかし、どのようにすれば採用されるのだろうか?以下に実験の内容を記載する。
質問内容を決める
どんな質問に対するダイレクトアンサーになろうか?我々は、よくある5つの質問を採用した。内容は以下の通りである。
アンサーの作成
上記の質問に対する答えを提供する5つの動画を作成し、5月20日に公開した。わかりやすいステップの説明と単純な”ハウツー系”の内容以上のコンテンツも作成した。その中の一つをGoogle+でシェアし、サーチコンソールへ提出した。
結果は…
動画の公開からわずか3日後、“NoFollowの実装の仕方”という検索でダイレクトアンサーとして表示されるようになった。
まとめ
今回の実験で得たポイントを以下にまとめる。ダイレクトアンサーを狙う場合の参考にして欲しい。
ランキング要素
最も重要なランキング要素は”ユーザーを満足させる”こと。Googleが考えることを理解することは不可能。しかし、ユーザーを満足させる方法を考えることはできる。
https
現在はランキング上昇などは見られないが、将来はわからない。しかし、全てのURLがhttpsになれば、相関関係は低くなる。これは覚えておくべき。
リッチアンサーとコンバージョンの相関関係は?
はっきりとしたデータはないが、個人的にはあると思う。
ページスピード
毎年見ているが相関関係はある。そんなに大きくはないが。モバイルでは特に大事。遅いと直帰率が高まる。
何に注力すべきか?
ランキングの10位内になるためには、ランキング要素は重要。しかし、No1になりたいのであれば、人々の記憶に残るようなサイトになることが必要。
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