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2015年のコンテンツマーケティングは、成功に向かって順調に前進しているだろうか?
この問いに答える前に、まずはコンテンツのマーケティングにおける成功を定義しておく必要がある。
大半のマーケッターは、この問いに対して答えを出すことが出来ていない。
Content Marketing Institute(CMI)とMarketingProfsによるレポート「2015 B2B コンテンツマーケティングの予算、ベンチマーク、トレンド(北米編)」の結果を見れば一目瞭然だ。2015のコンテンツマーケティング戦略を妨げる事柄、そして、データを、利益をもたらすコンテンツマーケティングに変換する方法をこれから紹介していく。また、「2015 年版コンテンツマーケティングの技」でも関連する情報を提供している。
2014年、B2Bマーケッターの86%はコンテンツマーケティングを利用した。昨年の93%から少し減少している。
コンテンツは増え続けているのに、コンテンツマーケティングの利用が減ったのはなぜだろうか?Contents Marketing Institute(CMI)は、コンテンツマーケティングの定義を変更していた。CMIは、今年の調査でコンテンツマーケティングの成功に影響を与える2点の大事な要素を明確に定義している。
1. 明確に特定したオーディエンスを集め、維持する。事業の目標を達成するには、不特定多数のオーディエンスではなく、特定のオーディエンスに向けてコンテンツを作らなければならない。
不特定多数のオーディエンスに向けてコンテンツを作ると、力のないコンテンツが生まれる。企業が作った文書を読めば、私の言いたいことが分かるはずだ。反対に、良質な記事を作るには、具体的で詳しい情報が必要になる。この具体性によって、真のコンテンツが生まれ、オーディエンスが増えていく。
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
効果的なマーケティングペルソナを各オーディエンスに用意する。時間を割いて、主要なオーディエンスを明確に特定してもらいたい。これは、マーケティング部門だけではく、組織全体にまたがるグループによる取り組みである。つまり、重役、マーケティング、営業、カスタマーサービス、製品、経営が一体となって取り組む必要がある。
マーケティングペルソナを作る際の目的: 従業員に主要な顧客を理解させる必要がある。マーケティングペルソナは、顧客を描写するだけのタスクではない。事業の改善に組織を向かわせる効果がある。マーケティングペルソナの力は、マーケティングの他の取り組みにも行き渡る。
何名のペルソナを作ればいいのか問われることがよくある。特徴のある顧客の区分を網羅し、それぞれに異なるマーケティング戦略を適用することが可能な人数が必要である。
B2Bビジネスには、4つのタイプの顧客のオーディエンスが存在することが、リサーチにより明らかになっている。
2. 利益をもたらす行動を促す。広範なコンテンツの計測基準をチェックしていくことが出来るものの、コンテンツが適切なリードとセールスを生み出し、利益をもたらすパターンを見出す必要がある。要するに、利益がコストを上回る必要がある。
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
事業の目標を特定し、重要な計測基準と関連付ける。特定の行動項目、そして、計測する術のない目標設定は、失敗を自ら望んでいるようなものだ。ドミニカン大学のゲイル・マシューズ博士がこの点を証明している。
目標を記録し、他の誰かと共有し、そして、毎週最新の状況をその人物に伝えると、報告する義務がない状態よりも、書き出した目標を達成を達成する確率は平均で33%高くなる。
コンテンツマーケティングを成功に導く上で、コンテンツマーケティング戦略を策定し、記録する作業は当たり前だと思うかもしれない。しかし、CMIとMarketingProfsの調査では反対の結果が出ていた。
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
毎年マーケティングの計画を立てるプロセスの一環として、コンテンツマーケティング戦略を策定しよう。コンテンツマーケティングは片手間で実施するような取り組みではない。ビジネス全体に組み込む必要がある。これは様々なプレゼンで私が主張しているポイントでもある。
コンテンツはマーケティングの計画において重要なパーツであり、顧客候補と顧客に向かって「買ってくれ!」と叫ぶ行為を回避する上で必要である。
Nielsenによる「広告に対する信頼 2013年版」レポートによると、あらゆる広告の形式よりも、品質の高いコンテンツを消費者は信頼している。この点を忘れないでもらいたい。
コンテンツ作成の取り組みを社内全体に広めよう…と言っているのは私だけではない。コンサルタントのジェイ・ベールとマーカス・シェリダンもこのアプローチを推奨している。
会社全体で取り組むことで、組織の垣根を壊し、顧客と製品を熟知している従業員の力をフル活用することが可能になる。
このアプローチは、リソースの制約を受けるマーケッターにとっては特に重要である。別の部門の予算を使うことが出来るためだ。
マーケッターの42%はコンテンツ戦略がコンテンツの作成をしっかりと導いていると答えた。残りの58%のマーケッターに尋ねたいことがある。コンテンツがビジネスの目標に貢献していることをどのように裏付けているのだろうか?
マーケッターは、ブランドアウェアネスをコンテンツマーケティングで最も優先する目標として挙げている。「もっと予算を貰う理由が必要だが、他に思いつかない」ため、この目標が使われることがある。セールスと利益に貢献しなければ、効果的なコンテンツマーケティングとは呼べない。そのため、次のような目標を主に設定するべきである:
大半のマーケッターは、新しい顧客の獲得に力を入れている。しかし、セールス後のマーケティングを用いて、コスト効率よくセールスと顧客の生涯価値を高める機会を見逃している。
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
マーケッターは、簡単に入手可能なデータ、つまりトラフィックを計測する傾向がある。これは一歩目としては申し分ないものの、トラフィックが、セールスや利益をもたらす原動力だとは限らない。
4つの重要なコンテンツマーケティングの計測基準をチェックしているマーケッターは5割に満たない:
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
大勢のマーケッターは、コンテンツマーケティングのROIを理解することに苦戦しているようだ。
しかし、Hubspotのインバウンドの現状調査 2014年版によると、コンテンツマーケティングのROIを計測する行為は、計測する対象と同じぐらいROIを高める上で重要度が高いようだ。
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
要素、とりわけコンテンツマーケティングの利益を左右するセールスとコストの計測を始める。手が込んだ追跡システムは不要だ。製品種目別にセールスの合計と売れた数を算出し、コンテンツの製作費とアイテムを販売するコストを特定しよう。スタッフの時間も考慮する必要がある。
品質の高いコンテンツを一貫して作成するには、人材および予算において、専用のコンテンツのリソースを用意しなければならない。
マーケッターの47%はコンテンツマーケティング専用のチームを編成している。このリソースを用意するメリットは、コンテンツの量を増やすことが出来るだけではない。その他の社内のコンテンツの作成を支援し、既存のコンテンツを最適化することも出来る。
5つの会社のうち2つ弱の会社がコンテンツマーケティング専用のリソースを用意していない。このリソースの欠如により、コンテンツの作成、収集、そして、配信において、常に他社に後れを取っていると感じるようになる。
実用的なコンテンツマーケティングの手法:
人事部と連携し、組織全体でコンテンツの作成を促進する。コンテンツに対するマーケティング、および、コピーライティングの先を見据えるべきだ。
会社の規模によっては、経営陣、そして、マーケティング部門が、コンテンツの作成において中心的な役割を果たす傾向があるものの、社内の全従業員に参加させることも出来る。仕事の内容にコンテンツの作成を盛り込むには、人事部の助けが必要になる可能性がある。
コンテンツマーケティングの重役への報告が行われている企業は、たった3%である。これは、コンテンツマーケティングが、事業単位で統合されている点が要因になっていることが多い。マーケッターの5%はコンテンツがどこで作られているのか把握していない。これはどうにかする必要がありそうだ。
コンテンツマーケティングの成果を改善するため、2015年のコンテンツマーケティングのトレンドに基づいた強固な戦略のコアを形成する次の3つのシンプルな手法に従ってもらいたい:
2015年のコンテンツマーケティングにおいて、何が最も大きな障害になると思うだろうか?
この記事は、Heidi Cohenに掲載された「How To Succeed At Content Marketing In 2015」を翻訳した内容です。
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