ウェブスパムと戦い、検索結果を改善することを目指したグーグルの最新の検索アルゴリズムの変更(日本語)が今週展開された。大勢の人々が既にインパクトを実感しているようだ。良くなったのだろうか、それとも悪くなったのだろうか?悪くなった例を見つけるのは容易だが、純粋に改善されたかどうかを断言するのは難しい。 p>
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これから幾つか例を挙げていくが、まずは注意してもらいたい点を指摘させてもらう。フォーラムにアクセスすると、大勢の人々が悲鳴を上げる光景を目にする。アップデートが行われた後、状況が悪化したことを嘆く人々が現れる傾向が見られる。ランキングが下がったためだ。改善されたことを派手に明かす人はほとんどいないため、その例も少ない。つまり、フォーラムだけに頼ると、偏った見解が生まれてしまうのだ。
だからと言って、フォーラムで発見したことを無視しろと私は言っているわけではない。SEOと同じように、検索エンジンの検索結果の質を分かっている人はほとんどいない。他のサイトが自分よりも高いランクを得ると文句を言いたくなるが、自分のページをランクで上回ったページの質が高いか低いかを判断することが重要なのだ。“優れた”ブラックハットの人達にも同じルールが当てはまる。グーグルのガイドラインを“意図的”に違反しているかもしれないが、検索の質について無知であるとは限らない。
それでは例を挙げていこう。これから紹介する結果を得るため、私はグーグルクロームで「インコグニートモード」を使って、場所のターゲティングを除くパーソナライゼーションを打ち消した。場所のターゲティングを阻止することは出来ない。
今回の新しいアルゴリズムのインパクトを確認するため最初に実施したクエリが[viagra]である。この検索は、グーグルが今回のアップデートで一掃することを望むスパムのタイプを自然に引き寄せる効果があるからだ。それが目的だったなら、グーグルは思い切り的を外したことになる:
グーグルは、公式のバイアグラのサイトを上位の結果にリストアップすることに明らかに失敗している。ビングはこのクエリに適切に対処している。
PS: このエントリを投稿した後、公式サイトは10日以上前から姿を消しているとジョン・アンドリューズ氏が指摘してくれた。そのため、今回の変化は新しいスパム対策アルゴリズムとは関係がないように思える。私はこのエントリを投稿する前に、この特定の検索の奇妙な点についてグーグルに質問を投げてみたが、返事はまだ来ていない。
また、良い機会なので、これから挙げる例に見られる問題の原因が、今回のアルゴリズムの変更であると言う保証はどこにもない点を強調しておこう。「ビフォアー & アフター」を実施して、何が変わったのかを探る簡単な方法は存在しない。しかし、現状を確認し、全体的に質が高く見えるかどうかを評価することは可能である。これは今回の、そして、全てのアップデートにおいて掲げる目標の一つである。
なんと、私が赤い矢印で強調した4つのサイトは、サイトに訪問すると、バイアグラをオンラインで販売するサイトにリダイレクトされるようにハッキングされていた。そのうちの3つのサイトにおいては、グーグルはハッキングされていることを把握し、検索ユーザーに警告を発している。警告しておきならがサイトを上位に格付けする行為は、筋が通っていない。
2本の青い矢印は、バイアグラとは全く関係ないものの上位にランクインしている大学のサイトを指している。恐らく、最近ハッキングされたものの、問題の箇所を既に修正しているサイトの可能性が高い。たとえそうであっても、バイアグラとは関係がなく、上位にランクインするべきではない。
比較するため、ビングでバイアグラを検索した結果を以下に掲載する:
先程も申し上げた通り、ビングは、公式のバイアグラのサイトを上位にリストアップしている。これはユーザーが優れた検索結果に期待する点である。また、Drugs.com、How Stuff Works、そして、ウィキペディア等の多くの情報を持つサイトもリストアップしている。しかし、これらのサイトに関してはグーグルも掲載しているため、大きな違いはない。
ビングはハッキングされたサイトを検索結果に並べる代わりに、多くのオンラインストアやアフィリエイトサイトをリストアップしており、この局面においてはグーグルを大幅にリードしている。これは、他人のサイトをハッキングしている会社に見返りを与えるよりも遥かに望ましく、グーグルよりも優れていると言える。しかし、これらのオンラインストアが処方箋を必要とする正規の販売店かどうかは別の問題である。
PS: コメント欄の指摘にあるように、ビングがリストアップしているサイトの1つはハッキングされている可能性がある。
ディスカッションで盛んに取り上げられ、eメール、さらにはコメントで指摘してもらった検索が、[make money online](ネットで金儲け)であった。グーグルはこのクエリで失敗しているのだろうか?
範囲がとても広く、インターネットを使って収益を上げる方法を提示する様々な大量のスキーム(写真を古く見せる、利益を上げないオンライン共有サービスを作り、その後、10億ドルで売却するが答えである)で埋め尽くされている点を考慮すると、このタイプのクエリでは、どのサイトが上位にランクインするべきかを判断するのは難しい。
それでも、挑戦してみる価値はある。今回は、グーグルとビングを並べて比較する(グーグルは左、ビングは右)。私はビングのリスティングから関連する検索を削除し、グーグルとバランスを取るためにリスティングのサイズを調整したが、順番は変えていない:
グーグルの悪い点は、全くコンテンツが掲載されていないBlogger(グーグルが提供するブログプラットフォーム)上のサイトがなぜか上位にランクインしている点である。これは問題である。ビングでも全く同じ現象が起きているが、ビングはグーグルよりも低く格付けしている(グーグルが低く格付けすることもある)。グーグルにとっては、当然ながら、ランキングアルゴリズムが役に立つサイトのみを返す方が都合は良い。しかし、アップデートを行う検索エンジンならどんな検索エンジンにも異常値は幾つか存在する。
また、グーグルが2本の古い記事を上位にランクインさせている点が気になった。同じことがビングでも起きている(2本の記事のうち1本がランクイン)。記事の日付を提供しているため、グーグルの方がこの問題には気づきやすい。ビングは一部の廃れた情報を掲載しているが、日付は提供していない。
グーグルは、お金儲けに関するブログを数多くリストアップしているが、その多くはブログに関するブログにしか見えない。ビングは、[お金儲け]のコースを過剰に宣伝する傾向が見られる。どちらかを選ばなければいけないなら、コースを薦めるサイトよりもブログをリストアップするグーグルを私なら選ぶだろう。
このクエリにおいては、グーグルの方がビングより若干優れていると言う評価を与える。どちらの結果も素晴らしいわけではないが、「インターネットで金儲け」タイプのコンテンツが大量に存在する点を考えると、このような結果になることは想定内である。
オリジナルのエントリに投稿された「how many pills does it take to overdose」(何粒飲むと過剰摂取になるのか?)に関するコメントから例を一つ挙げさせてもらう。このクエリでは、グーグルは、エキスパートではなくてもアドバイスを与えることが可能なヤフー!アンサーズ等のQ&Aサイトを紹介すると言う失敗を犯している。
以下にグーグルを左に、ビングを右に並べたイメージを掲載する。再びサイズを若干いじっているが、ランキングの順番は変えていない:
ご覧の通り、グーグルもビングもQ&Aサイトを優遇している。私もこのタイプの検索にとっては、この方針が最適だとは思えない。信頼されている医療関係のウェブサイトから情報を得たいはずだ。また、過剰摂取を試みる方法ではなく、誤って過剰に摂取してしまったと思える場合の措置を知りたいはずだ。この点についてはグーグルもビングも触れていない。
この失敗の最大の理由は、医療系のウェブサイトが、コンテンツの中でこのような砕けた表現を利用していないためだと思われる。ゴミのようなページしか存在しないなら、ユーザーはこれらのページを嫌でも目にすることになる。
しかし、グーグルは検索のトピックとは全く関係のないページで関連しない答えを3つ提供しているため、ビングがやや優勢である。また、グーグルが一部の検索で提供している自殺を阻止するための特別な情報を表示していないのは残念である。
ペイデイローンに対する検索においても、グーグルの怠慢が示唆されている。Check N Go – 有数のペイデイローンのプロバイダーだと私は考えている – が1ページ目および2ページ目にも掲載されていなかった。ビングと比較してみよう。先程も触れたように、簡単に比較することが出来るように若干スペースをいじっている。ただし、順位は変えていない:
ビングは私の居場所をカリフォルニア週のエルセグンドと検知していた – 私が実際に住んでいる場所から40マイル離れている – また、多くのサンディエゴのリスティングを投入している。的を大きく外しており、この時点でストライクワンだが、適切に比較を行うため、双方の検索エンジンで自分で場所をカリフォルニア州のコスタメサに設定した。
グーグルとビングはともに同じ有名なサービスプロバイダーのPayDay Oneを1位に指名していた。グーグルとは異なり、ビングはCheck N Goを掲載していた。しかし、グーグルは、私が実際に足を運べそうな多くの地域のサービスプロバイダーを多くリストアップしていた。ビングではこれらのプロバイダーが掲載されておらず、また、英国の会社を含む、関連性の低い地域のプロバイダーを提供していた。
あまりにもビングがひどかったので、私はこのクエリにおいてはグーグルに軍配を上げたくなった。しかし、この業界に詳しくないものの、Check N Goは掲載されているべきだと言う印象を拭いきれない。さらに、ユーザーの評価をねつ造していると思われるアフィリエイトサイトをリストアップしているため、グーグルからポイントを差し引く必要がある。その結果、このクエリに関しては引き分けとする。
SEOのエキスパートの中にはそれぞれの分野を極めている人が多いと先程私は述べた。この変更に関するコメントを寄せてくれたダニエル・デシュースター氏もその一人のようだ。同氏はトレッドミルのレビューに関するウェブサイトを運営している。デシュースター氏が残したコメントには、エキスパートではない人なら気づかない詳細な見解で溢れていた:
私はこれらのランキングを1年以上毎日観察している。今が一番ひどい。 #4には2008年から8台のマシンしかレビューしていないサイトがリストアップされており、しかも、実際に購入することが出来るマシンは1台もない。#3までのサイトで何か見つけることが出来ればラッキーだ。そして、#5と#6はお互いにリンクで結ばれており、どちらも明らかに大きな内部リンクスキームのメンバーである。 #7は一つもレビューを提供せず、“ディスカウントコード”を用意しているだけだが、実際にはコードではなく、割引を行わないアフィリエイトのリンクでしかない。 #9は、適当なマシンのスタッツと評価であり、買うことが出来ないマシンも幾つけ取り上げている。レビューは一つもなく、また、レビューをさらに見るために用意されたリンクをクリックすると、404エラーが返される。
私は自分で詳しく確認することにした。グーグルとビングを比較する:
トレッドミルのレビューについては私は素人であり、デシュースター氏が気づくであろう点を見逃がしている可能性はある。しかし、同氏が嫌っていたサイトの一部はビングにも掲載されていた。同氏は廃れた記事に注目していた。確かに迷惑である。ビングにおいては見られなかった。しかし、その他の検索ではビングでも同じ現象が起きている可能性は否定できない。
全体的に見ると、ビングは、トレッドミルの良質なレビューを提供していると思われるサイトをグーグルよりも多く上位にリストアップしていると言えるだろう。素人として私が一番気に入ったサイトは、ビングでは上位に格付けされていたものの、グーグルには掲載されていなかった。
グーグルの結果が悪化したクエリとして良く目にするクエリが、[new shoes](新しい靴)に関する検索である。以下にグーグルとビングを並べた結果を掲載する(グーグルは左、ビングは右)。ビングの関連する検索とニュースは削除したが、順位は変えていない:
批判が集中しているのは、2つ目のリスティングであり、全く関係のない奇妙なシミュレーションに関するページが掲載されている。ただし、実際にはこのページはクエリに関連している。これは「NewShoes」と言う名のマーケティングのコースである。
グーグルにとって、このページがリストアップするページとして検索に最も関連していると言えるのだろうか?言えないはずだ。[new shoes]で検索を実行している人の多くは、恐らく、このコースではなく、実際の靴を思い描いているだろう。しかし、「New Shoes」と言う曲を検索している人も大勢おり、実際にユーチューブで公式の動画は500万回以上視聴されている。グーグルは、この曲、そして、曲をアマゾンで購入する方法をリストアップしている。一方のビングは全く触れていない。
どちらの検索エンジンも各種の有名なオンライン販売サイトを掲載している。グーグルはShoe Buyを、そして、ビングはFoot Lockerを掲載していない。グーグルとビングは共にZappos(個人的には双方の検索エンジンで上位にランクインされていると期待していた)を掲載している。ビングは見返りを与えるには奇妙としか思えない非常に専門的な販売業者を幾つか上位に格付けしていた。しかし、貴重なサイトと思えるサイトも掲載しており、最新の靴の発売日を記載しているサイトもあった。これは意外であった。
このクエリに対しては、ビングが若干ではあるがグーグルを上回っていると思える。関連性がないわけではないものの、マーケティングコースのリスティングは高く格付けするには場違いだと感じるからだ。しかし、全体的にはこの検索結果を見ただけで、グーグルのアルゴリズムの変更が全て失敗していると非難することは出来ない。先程も申し上げたように、グーグルであれ、ビングであれ、検索結果で異常値を見つけるのは容易である。
「autism resources」(自閉症のリソース)の検索に関する懸念を、オーネスティ・レイコフスキ氏がコメントで共有している。私もこのコメントには同意する。この検索で最高の結果以外を求める人はいるのだろうか?
レイコフスキ氏は次のように指摘している:
私は「SEOの専門家」ではなく、「母親」として意見を言わせてもらう。
「autism resources」で検索を実施したところ、#1には2006年以来まったくアップデートされていない海外のサイトが掲載されていた。完全なリンクディレクトリであり、全国的な機関は全て低く格付けされている。
それではグーグル(左)とビング(右)を並べて比較していこう。比較しやすいようにビングは若干省略している項目があるが、順位は変えていない:
レイコフスキ氏を最も苛立たせていた1位に格付けされていたサイトは、数年前から全く手が加えられていなかったが、(レイコフスキ氏がグーグルからビングをこれからは利用すると宣言していた)ビングでも同じように1位を獲得していた。事実、ビングはこのサイトから2つのページを掲載していたのに対し、グーグルは1つしか掲載していない。正確に言うと、グーグルはこのサイトに1つのリスティングを与え、複数の小さな“サイトリンク”を与えていた。サイトリンクには、その他のページが上位にランクインするのを阻止する効果はない。ビングではこの現象が起きていた。また、グーグルは、全国的な協会を、少なくとも私の知る限り、ビングよりも高く格付けしている。
PS: レイコフスキ氏がコメントの中でビングに切り換える理由を詳しく説明してくれた。ビングがグーグルよりも関連性が高いからではなく、グーグルが思っていたよりも関連性が低いことが理由のようだ。
グーグルは2010年を最後にアップデートが行われていないページを1つリストアップしていたが、ビングも廃れており、アドセンスで埋め尽くされた類のページを検索結果にランクインさせている。グーグルは、多くの一般的な検索にとっては有効とは思えない2つの地域の機関を上位に格付けしていた。一方のビングは1つのみであった。グーグルはビングには見当たらない素晴らしい情報サイトを2つ取り上げている。ビングは、グーグルに欠けているNPOの団体とウィキペディアのページをリストアップしている。
このケースにおいては、グーグルがビングよりも遥かに優れている、もしくは、質が落ちると判断するのは難しい。
次にSEO等、私が専門的な知識を持っている分野を見ていこう。私はこの検索の結果がどれだけひどいかを以前も取り上げたことがある。多くのクライアントのリンクを掲載すると、もしくはブログのテンプレートにリンクを挿入すると、上位に格付けしてもらえるのだ。がっかりしているのは私だけではない。このような競争の激しい分野で、それだけで上位にランクインすることが出来るなら、ホワイトハットSEOのベストプラクティスについて必死に説明しているのがバカバカしくなる。
グーグルを左にビングを右に並べて比較してみよう。今回も同じようにビングの関連するリンクとニュースボックスを削除している。比較しやすくするためだ。ただし、順位は変えていない:
私が良質なSEOの情報を提供していると考える複数のサイトがグーグルとビングの双方で掲載されていた。サーチエンジランドもこの用語で上位にランクインしていた。私達は優れたサイトのようだ。これは改善された点である。
どのページが消えたのかは定かではない。今でも関係のない無益なページがたくさん存在することは確かである。私の家の近くのSEO業者がリストアップされている。それがどうしたと思うかもしれないが、地域を意識してSEOのサービスを注文する人はいるのだろうか?また、聞いたことがない全国規模のSEO業者も結果に含まれていた。そして、この検索を実行する人は、オーストラリアのSEO業者を利用するのだろうか。ドメインネームの力のおかげでアメリカのあるSEO業者が上位にランクインしている – この企業はビングでも上位に格付けされている。
このクエリにおいては、グーグルに軍配を上げる。私達のサイトがランクインしていたからではない。ビングが、全く情報が掲載されていなければ、活発に活動しているわけでもない“秘密”のサイト、そして、私の近くのSEO業者を幾つかリストアップしていたことが要因だ。この秘密のサイトは、クエリ[make money online]の結果と同じように、グーグルの最新の変更が見返りを与えるとして一部の人達が嘲笑っているタイプのサイトである。ビングも同じ批判を受けるべきだが、ビングであるため、誰も気づかない。
当然だが、グーグルがビングと同じぐらい優れているのかどうか、もしくは、ビングもまた同じ問題を抱えているかどうかが重要なわけではない。グーグルの結果を比較する対象が必要であるため、ビングを採用しているだけである。さもなければ判断力を失ってしまうだろう。しかし、比較の対象として完璧な検索結果があるなら、それが理想である。知っている人がいるなら教えてもらいたい。
グーグル自身が希望しているように、最高の結果を提供しているかどうかが肝要である。バイアグラに対する結果で公式のサイトがリストアップされない等の一部の問題は、とても恥ずべき問題である。[make money online]でコンテンツのないサイトが上位にランクインしている点に関しては、たとえビングでも同じ現象が起きているとしても、多くの人々が最高の検索エンジンと考えているグーグルへの反動は大きい。
また、最近、グーグルでもビングでも結果がパーソナライズされつつある点を思い出してもらいたい。今回紹介した結果にはこの点は反映されていないが、私がログインして同じ検索を行った場合、一部の結果は大きく変わるはずだ。もちろん、今回指摘した目立った問題は、ログイン後の結果にも現れる可能性は十分にある。
最後に、誤解を解きつつ、結論、そして、もう少し見解を提供していきたいと思う。
冒頭でも申し上げた通り、今回のアルゴリズムの変更がグーグルの結果を良くしたのか、悪くしたのか分からない。現状のひどさを伝える人は大勢いる。しかし、先程も言ったように、どんな変更の後にも同じような傾向が見られる。
知識を持つ経験豊かなSEOならこの点を心得ているはずだ。オリジナルのエントリにコメントを残してくれたスザンナ・マイルズ氏はその一人のように思える:
ペナルティを受けなかった人達、もしくはプラスの影響を受けた人達にもこのフォーラムで意見を出してもらいたい…それが私の願いだ。被害を受けた人達ばかりが声を上げるため、最終的に必ず絶望的で不快な議論ばかりが目立ってしまうのだ。
一部の人達は、プラスの影響を受け、喜んでいる。非難する人がいれば、得をした人もいるはずだが、声を上げるインセンティブがないのが現状だ。
また、ショーン・ポール氏が投稿したこのコメントは注目する価値があると思った:
いつも通り、大企業が勝ち組にまわり、小規模なビジネスは負け組に入った。
上の例を参考にする限りでは、この現象が起きているとは思えない。実際に多くの小規模なサイトが活躍しており、一方で一部の大きなサイトは明らかに敗者に成り下がっている。今回のアップデートは全てのタイプのビジネスに影響を与えているようだ。
先週から、「ネガティブSEO」は潜在的な脅威であり、パニックに陥るべきだと言う考えが急激に注目を集めており、今回のアップデートがさらに状況を悪化させたとして騒ぎになっている。この点に関しては今後のエントリで取り上げたいと思うが、それまで待てないという人には、まずはSEOブックのエントリに目を通しておいてもらいたい。
簡潔に答えを提供する。確かに、その他のサイトのランキングに打撃を与えるために出来る取り組みは幾つかある。昨年のこの動画でも言及しているように、グーグルもこの点には数年前から気づいている。ただし、ほとんどの人達は、先日発せられた不自然なリンクの警告を考慮したとしても、この問題を気にする必要はない。繰り返すが、この件については、今後もっと詳しく説明していくつもりだ。
先日、ランド・フィッシュキン氏が、同氏のサイトで実際にネガティブSEOを試して、ネガティブSEOの効果がないことを証明するよう呼び掛けていた。これとは別に別の人物が、SEOmozでフィッシュキン氏の会社のウェブサイトを「snuggie dog bed」(ニット製の犬用ベッド)で上位にランクインさせていた。この結果をネガティブSEOがうまくいく証拠として混乱しているようだ。
後者の実験は、短期間ページを グーグル爆弾することが出来ることを証明している。前から分かっていたことだ。また、あるサイトを別のサイトにリダイレクトして、ランキングを引き継ぐことが出来る点の証明でもある。この点も分かっていた。つまり、ネガティブSEOが成功することを証明しているわけではない。そもそも証明する必要がない。先程も申し上げた通り、一部の特定のケースで起きる可能性がある点は既に把握しているのだ。
最新のアルゴリズムの変更について心配している人達にとって最も重要なことは、ランキングを忘れて、トラフィックを確認し、1日、2日、もしくは3日猶予を与えることだ。グーグル検索からの全体的なトラフィックは、2日以上前よりも増えているだろうか?それなら得をしたのだろう。変化がなかったなら、このアップデートは何もそのサイトに影響を与えていないことになる。大幅に落ちているなら、ペナルティの対象になったのだ。
被害が出たらどうすればいいのだろうか?この点、再審査リクエストが役に立つかどうか、その他に試すべきことがあるかどうかについては今後取り上げていくつもりだ。グーグルを故意にスパムしているなら、スパムを止めて、スパムを修正する必要がある。スパムをしていないにも関わらず、検索結果にはガラクタのようなページしか表示されていないなら、グーグルの結果がユーザーの役に立っていない点を説明する良質なエントリを投稿しよう。
この点が常に鍵を握っている。検索エンジンのユーザーに優れた結果を提供することがグーグルの仕事である。パブリッシャー達が被害を受けたことを非難しても、あまり重要視されない。先程申し上げたように、誰かが必ず被害を受けている。従って、ユーザーが最高の結果を得ていないことを証明する取り組みこそが、最善の対策と言えるだろう。
関連性を大幅に高めつつ、スパムには見返りを与えないと言うグーグルの2つの目標は、今回のアップデートで実現されているとは私には思えない。あまりにも奇妙な点が多過ぎる。そのため、間もなく再びアルゴリズムの変更が行われる気がしてならない。しかし、これはあくまでも推測である。この点、そして、その他の問題に関して、出来るだけ早くグーグルの公式の反応を得られるよう努力していく。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Did Penguin Make Google’s Search Results Better Or Worse?」を翻訳した内容です。
後半に「ネガティブSEO」の話題が出ていましたが日本のSEO業界でもたまに話題になってはいたことですが、特に有料リンクに対するペナルティが多発している現在、特定の条件が合えばかつてない以上に十分にできそうなのが怖いです。いつかネガティブSEOによる競合つぶし、なんてブラックハットSEOが密かに出てくるのかもしれません。。。 — SEO Japan [G+]
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