かつて、Web集客と言えば自然検索か広告、どちらかといった時代もありました。
ソーシャルの台頭に代表されるように、Webサイトへの流入経路として重視すべきものは、SEO担当者として注力していきたいところです。
近年の代表格で言えば、Google Discoverではないでしょうか。全てのWebサイトが対象というわけではありませんが、無視できないWebサイトの数も増えていると思われます。
そこで、今回はニール・パテル氏によるGoogle Discoverに関する記事を紹介いたします。
Googleからトラフィックを得たいのであれば、どうすべきだろうか。
真っ先にSEOの強化や広告出稿という手が浮かぶはずだ。
しかし、その他の方法があるとしたらどうだろうか。
SEOほど時間がかからず、広告ほど費用も発生しない。私はGoogle Newsの話をしているわけではない。より簡単な方法が実在する。
私のサイトへ3ヶ月で18,800もの訪問客を運んでくれる、効果的な方法だ。上記のスクリーンショットを見てほしい。
そして、その方法とは何なのか。
目次
Facebook、Instagram、Twitterのようなフィード機能をGoogleが提供していることをご存知だろうか。
Googleの場合、そのフィード機能は、Google Discoverと呼ばれている。
ノートパソコンやデスクトップ型のパソコンをメインに使用しているのであれば、普段はお目にかからないかもしれない。しかし、GoogleやChromeのモバイルアプリを使用しているのであれば、あなたはきっと目撃したことがあるはずだ。
iPhoneでは下記のように表示される。
これは、Google版のソーシャルフィードなのである。
Google Discoverの仕組みを説明しよう。
GoogleとChromeのモバイルアプリの検索ボックスの下記に表示されるGoogle Discoverでは、Webページのサマリがカード形式で表示される。
これらのカードは、ちょうどソーシャルフィードのように、スクロール可能なトピックであり、モバイルデバイスでブラウジングすることができる。
Google検索のホーム画面から、いずれかのカードをタップすると、そのページへ直接遷移する。
他の人には表示されないページがあなたには表示されているかもしれない。それは、あなたの検索履歴、Googleプロダクトの使用法、Google Discover経由でフォローを選んだ人、などによって決定されるからだ。
しかし、さらに興味深い事実がある。
Google Discoverはいたるところにある
Discoverでの結果は、通常の検索結果の下部に、「Interesting finds」というラベルで表示されている。
いずれかをクリックすると、そのページに直接遷移する。また、「Interesting finds」の下部にある「more stories」をクリックすると、新たなGoogle Discoverのインターフェースに遷移し、そのトピックのフォロー、関連トピックのフォロー、関連するDiscoverの結果の探索、などが行える。
Pixel Phoneを使用しているのであれば、さらに多くのDiscoverを発見するだろう。しかし、あなたはそれに気がついていないかもしれない。
Pixel Phoneのホーム画面で右にスワイプすれば、カスタムされ、パーソナル化された上記の画像のようなフィードを閲覧できる。
「Google Newsとどう違うのか」と思う方もいるだろう。なぜなら、Google Newsにはトップストーリーがあり、それはフィードのようなものだからだ。
トップストーリーと異なり、Discoverは、直近に公開されたページという順位における制限はない。
ユーザーが以前に興味を持ったコンテンツであるとGoogleが判断した場合、それらはDiscoverに表示される。
また、Discoverは動画、スポーツのスコア、映画のようなエンターテイメントの最新情報、株価、ミュージックフェスティバルのようなイベント情報、なども表示させる。
ちょうどFacebookがフィードに対してそれを行っているように、GoogleもDiscoverをあなたが興味のある全てのコンテンツのハブとして位置づけている。
言い換えれば、DiscoverはGoogle版のFacebookフィードなのだ。
Instagramでハッシュタグをフォローするのと同様に、Discoverでも興味のあるトピックをフォローできる。
また、Instagramの「発見」ページのように、あなたが好きなコンテンツを得るために何かをフォローする必要はない。Discoverは、あなたがそれを見たいと思う前に、あなたの興味のあるコンテンツを提供することを目指している。
キーワードは、「あなたがそれについて知る前に」である。これは、FacebookもInstagramも試みていることである。
なぜなら、Google Discoverは多くのトラフィックをあなたにもたらすからだ。
私が経営する広告エージェントのNeil Patel Digitalのクライアントの例を見てみよう。下記はそのクライアントのDiscoverのトラフィックである。
28日間で364万のインプレッション、7万9千のクリックが発生している。
非常に多くのトラフィックだ。加えて、インプレッションの全てが彼らのブランディングに貢献している。
あなたはブランディングを気にしていないかもしれないが、あなたのブランドが大きくなればなるほど、Googleで上位表示しやすくなる。ブランド名での検索ボリュームは、リンク数やドメインオーソリティ以上に、ランキングと相関関係がある。
(参考:「SEOは死んだのか?」、データから考えるSEOの滅亡論)
また、かつてのGoogleのCEOはこう述べている。
ブランドはソリューションであり、課題ではない。ブランドは不潔な場所を整理する手段だ。(ソース)
Discoverから発生したインプレッションは、あなたのブランドを露出させるため、非常に効果的だ。
7のルールと呼ばれるコンセプトがある。誰かがあなたのブランドを7回見たり、接触したりすると、ロイヤルカスタマーになる可能性が大きく高まるのだ。
また、GoogleのE-A-Tアルゴリズムの助けにもなるだろう。コンテンツの著者として、専門性と信頼性を高めたいのであれば、Discoverはうってつけの方法となる。
では、Discoverからより多くのトラフィックを獲得するためには、どうすればよいだろうか。
幸運にも、Discoverへの最適化はSEOほど複雑ではなく、結果が出るのも早い。
もちろん、即時というわけにはいかないが、時間が経つにつれ、Discoverからのトラフィックが上昇していくだろう。
そのための方法を3つ紹介しよう。
画像は全てのDiscoverの結果に表示される。そのため、あなたのコンテンツと関連性があり、高品質な画像を使用することはとても重要だ。
見出しやタイトルと同様、よりクリックを促しそうな画像を選んでみよう。驚きを与える画像や好奇心を引き起こす画像は、非常に効果的だろう。
そのトピックがあなたのWebサイトの内容に沿っているかどうか判断するため、どのようなトピックをGoogleがDiscoverで選んでいるか、確認しよう。
人々が興味を持っているトピックを考える参考材料として、そうしたサジェストを使用し、同様のコンテンツを作成しよう。
もちろん、他サイトのコピーは厳禁である。他サイトのコンテンツを凌駕する内容にし、抜きん出た存在となろう。ブライアン・ディーン氏のスカイスクレイパーテクニックは有用だ。
(参考:スカイスクレイパー・テクニック。14日間で検索トラフィックを110%増加させた、リンクビルディングのケーススタディ。)
コンテンツの最大化とは、あなたのWebサイトをそのコンテンツのためのAPIとして考えるということである。
つまり、そのコンテンツをWebサイト上にただ存在させるのではなく、他の関連性のあるチャネルにて、被リンクやソーシャルシグナルをひきつけるために、どのようなプロモーションやコンテンツの配置が効果的かを考えることである。そのためには、トピックの共有性を考えることだ。
トレンドのトピックや関心が高まっているトピックと選び、クリックを促すタイトルや見出しを考えることである。Google Discoverはソーシャルフィードのようなものだ。Webサイトのことだけを考えてしまうと、十分な効果は期待できないだろう。
Discoverに対する十分な努力を行った後は、その効果を測定しよう。
「Discoverの分析にはGoogle Analyticsを使用する」と考えてしまうかもしれないが、Google Search Consoleを使用するほうがずっと簡単だ。
Search Consoleにアクセスし、ログインしよう。
画面左側にナビゲーションメニューがある。
メニュー内の「Discover」をクリックしよう(Discoverからのトラフィックが一定量なければ、これは表示されていない)。
すると、下記のレポートが表示される。
前述のスクリーンショットと比べると、Discoverからのトラフィックは僅かだ。
なぜだろうか。
このチャートにはとある傾向がある。私は大体木曜日にコンテンツを公開しており、その日にDiscoverからのトラフィックを得ている。
他のソーシャルネットワークと同様(そして、通常のSEOとは異なり)、Discoverからのトラフィックは主に新しい記事を投稿した時に発生している。長期間継続して発生するトラフィックではないが、即時的なトラフィックの急増を得続けることができる。
私は、週に1回しかブログ記事を投稿しない。しかし、複数の記事をその日に投稿すれば、Discoverからのトラフィックは急増する。
あなたがDiscoverを好んでいるかどうかは問題ではない。マーケター観点から、1つのチャネルとして認識すべきだ。
Discoverの人気ぶりはデータが示している。また、GoogleがDiscoverを注力し続ければ、より多くの人が利用するようになるだろう。
そのため、あなたのWebサイトへのトラフィックと売上を伸ばすために、このアドバンテージを利用しない手はないのだ。
加えて、たった1つのチャネルに依存するべきではない。アルゴリズムの変更が起こった際、トラフィック全体が影響を受けてしまうからだ。
これが、オムニチャネルのアプローチを選択すべき理由であり、関連するチャネルへの注力が必要となる理由だ。
Discoverについて、あなたはどのような考えを持つだろうか。自身で使用しているだろうか。
あなたのWebサイトへのトラフィックを伸ばす手段として考えたことはあるだろうか。
SEOとは異なり、Discoverの最適化は対応箇所が少なく、逆にそれが難しさとなっていると思います。本質的には、「高品質なコンテンツを正しいユーザーに届ける」になるため、SEOが目指すところと差異はないかもしれません。
記事内にもありましたが、チャネルの依存を解消するという目的でも、Discoverには積極的にチャレンジしていきたいですね。
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