グーグルが送信している新たなリンク警告によって、何が何だか分からなくなってしまっただろうか?事実、以前もレポートしたように(日本語)、混乱が生じている。そのため、グーグルは心配している人達を安心させるため、さらに情報を提供した。しかし、パニックを起こす人達は今後も後を絶たないだろう。
目次
このグーグルの投稿は、冒頭で過去の警告を説明しており、私達と同じように(日本語)、今年の早い段階でリンクの警告の通知を始めたと伝えている:
数ヶ月間に渡って送信した初めのリンク警告について説明しましょう。
サイトに向かう不自然なリンクを発見した際に、グーグルは幾つかの方法で対応します。多くの重大なケースでは、サイト全体の信用度を下げています。例えば、サイトが長期間にわたって広範なパターンのリンクスパムを実施していることが判明したケースです。
こういった不自然なリンクの通知を受けたら、スパムまたは質の低いリンクを出来るだけ削除し、次にサイトに対する再審査リクエストを投稿することを薦めます。
このように、過去にこういったメッセージを受けたなら、サイト全体の信用度が落とされる可能性がある。しかし、このグーグルの投稿は次のように述べている:
ディレクトリやブログネットワークがリンクの削除に応じないと言う状況が若干発生しているようです。ウェブサイトがリンクの掲載および削除に対して料金を請求しようとしているなら、再審査リクエストで説明するか、もしくは、ウェブマスターフォーラムで言及するか、あるいは、別のスパムレポートで触れるかのいずれかの方法で、グーグルに連絡を取って下さい。グーグルはこのようなサイトに対して対策を講じています。リンクスパムを行っていることがあるためです。
この投稿では、リンクを削除することが出来なかったらどうすればいいのかと言う懸念に対する、若干新しい工夫が見られる。グーグルは一部のケースでは、ディレクトリやリンクネットワークをスパムと判断し、ブロックすることがあると述べている。その結果、リンクが有害とはカウントされなくなる。
私はこの点をネガティブSEO(日本語)の絡みで触れたことがある。リンクネットワークに参加していることで通知を受け、誰でも害を与える手段としてこういったリンクネットワークからリンクを与えることが出来ると考えている人達がいる。リンクネットワークが今後も有害なリンククレジットをもたらすことが出来ると仮定した場合のみ、この方法は有効である。
次に新しい警告を記載する:
少し重大性が落ちるケースでは、グーグルはリンクスキームの一環として作られたスパムなリンクまたは人為的なリンクを狙い、サイト全体のランキングに対してアクションを起こすのではなく、当該のリンクのみの信用度を下げることがあります。
グーグルが“サイト全体ではなく、不自然なリンクに焦点を絞ったアクションを起こしている”点を新しいメッセージは明確に説明しています。
また、新しいメッセージには、その他のメッセージに記載されている黄色の感嘆符が欠けており、前回の“サイト全体の信用度が落ちている”点を示すメッセージほど深刻ではない点を伝えようと試みています。
念のために言っておくが、以前の警告と全く同じ内容の“新しい”警告を最近受けていた人達がいた。この懸念がきっかけとなり、以前私達もお伝えしたように(日本語)、グーグルはメッセージ内の変更を行い、次のような黄色い警告の印の例を提供した:
新しい警告を受けた人達に関しては、グーグルはペナルティを与えているわけではないようだ。そうではなく、グーグルはサイトに向かうリンクに対して“アクションを起こす”、要するに当該のリンクを信用しない方針を取っている。この点をグーグルは次のように説明している:
こういった新しいメッセージには注目してもらいたいです。基本的に、サイトへ向かう一部のリンクの信用度を下げていることを意味するのです。
グーグルは、基本的には問題ないものの、幾つかスパムリンクまたは人為的なリンク(ウィジェットベイト、有料リンク、ブログスパム、ゲストブックスパム、アーティクルディレクトリへの過剰な投稿、その他のタイプのリンクスパム等)を持っている可能性のあるサイトを見つけた場合、このアクションを起こすことがあります。
このサイトの全体的なランキングは直接落ちないこともあり得ますが、一部のフレーズに対して上位にランクインすることが出来なくなる可能性もあります。
グーグルは、このようなメッセージが忠告なのか、または、無視していいものなのか、あるいは罪のないサイトのためのものなのか分類するつもりはありません。
グーグルは、上の説明を安心させるために行っていると考えているのだろう。事実、サイト全体のランキングは落ちないと明言している。しかし、一部のランキングが落ちる可能性があると述べ、また、こういった新しい通知を受けた人はアクションを起こすべきだと薦めれば、懸念が生じるのは避けられない。
実際に、グーグルの投稿の次のパートには、まったく落ち着かせる意図が全く見られない:
しかし、サイトのオーナーの方々にはパニックを起こしてもらいたくありません。グーグルはハッキングされたアンカーテキストをサイトに向けて、[buy viagra]等のクエリのランキングを改善しようとしている無実のサイトのためにこのメッセージを活用していることもあります。
ここで考えてもらいたいことがある。サイトにパニックを起こしてもらいたくないなら、“無実のサイト”に対して、無実であり、アクションを起こす必要がない点を明確に説明するメッセージを送るべきである。さもなければ、本当に自分が無実かどうかを把握する術はない。これでは、ドライバーに無視しても良い忠告である点を記載せずに、交通違反切符のようなものを渡すのと変わりはない。
この投稿は、ウィジェットリンクや有料リンク等、避けるべき行動の例を挙げている。そして、3つ目の例は次のように指摘している:
一部のケースでは、サイト自体はグーグルのガイドラインを違反していない場合であっても、リンクを無視することがあります。その典型的な例が評判管理です。
グーグルは、ある2つのグループから連絡を受けました。一つは大規模なニュースサイトで、もう一つは非営利のパブリッシャーです。どちらのサイトにもグーグルは新しいリンクの警告メッセージを送信しました。
あるケースでは、“評判管理”会社がスパムリンクを使って、ニュースサイトでポジティブな記事を押し上げようとしていました。そのため、グーグルはニュースサイトへのこのリンクを無視しました。
もう一方のケースでは、有名な有料テキストリンク広告ネットワークでリンクを買うことで、ある人物名に対する検索結果を操作しようとしていることにグーグルは気がつきました。このケースでも同じようにグーグルは特定のリンクを無視し、非営利のパブリッシャーは何もアクションを起こさなくても済んだのです。
要するに、どちらのサイトもグーグルが無視するべきではないと伝えていた新しいメッセージを受けていたのだ。また、メッセージを受けたパブリッシャーが動揺してグーグルに連絡を取ると、リンク自体を無視しているので、このメッセージを気にすることはないと言われたようだ。基本的に、全ての関係者が時間を大幅に無駄にしていたと言うことだ。
このような新しい警告の通知を受けたらどうすればいいのだろうか?グーグルの最新のアドバイスを以下に掲載する:
グーグルは先日日付ごとにサイトへの被リンクをダウンロードする機能を導入しました。今回の新しいリンクメッセージが送られてきたなら、最も新しいリンクをチェックして、何か不自然な行為が行われていないか確認することが出来ます。
会社のスタッフがウィジェットリンク、有料リンク、または重大なリンクスパムを実施していることに気づいたら、全て削除し、再審査リクエストを投稿する価値はあります。
また、グーグルは、このようなメッセージがアクションにつながるように、また、実際に通知を受けた際にどこを見ればいいのかを絞り込めるように具体的な例を探しています。
グーグルは、さらに、2万弱のドメインにリンク警告メッセージを既に送信しているものの、今後は1日につき約10サイトのみに通知を行うと述べている。そして、次のように最後に再び安心させようと試みている:
このような新しいメッセージを受けたなら、パニックを起こす必要はありませんが、完全に無視するべきでもありません。今回の件はウェブサイト全体の評価に影響を与えていませんが、ウェブサイトに向かう一部のリンクに対する評価には影響を与えており、その結果として、サイトは一部のフレーズで上位にランクインすることが出来なくなっている可能性があります。
通知を受けた人達が、このような新しいメッセージを読むことによって、安心するようにはるとは私には思えない。一部の用語で上位にランクインすることが出来ないと指摘するのは、それだけでパニックを誘導する効果がある。 最悪の場合、何もする必要がないサイトをパニックに陥れている。
前回この件を取り上げた際(日本語)、私はもっと整理してから警告を通知するべきだと指摘した。本日の投稿を読んでも、私の意見は変わっていない。それどころか、状況はさらに悪化しているように思える。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Explains New Link Warnings, Says Don’t Panic But Don’t Ignore」を翻訳した内容です。
日本でも今回のメッセージを受け取ったサイトも多いと思いますが、静観しつつもリンクプロフィールは精査という緩やかなスタンスが多いとも聞きます。ある種Googleのやりすぎたスタンドプレーにも見えた今回の騒ぎですが、有料リンク、不自然リンクに対するかつてないレベルでの注意喚起はできたと思いますし、数年後にはあの時この事件を起こしてGoogle的には結果良かったなんて話にもなっているのかもしれません。 — SEO Japan [G+]
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