ゲスト投稿: ジェシカ。
SEO業者は、検索エンジンのランキングを上げることが出来るかもしれないが、トラフィックを増やせばオンラインビジネスを成功に導くことが出来るわけではない。SEOは魔法でもなければ、幻でもない。あるフレーズでのNo.1が、たとえそれが競争の激しいフレーズであったとしても、莫大な収益をもたらすとは限らないのだ。
企業が全力を尽くして、リンクを構築し、コンテンツを作成し、そして、サイトを“適切”なキーワードで埋め、大きな収益を夢見る姿を数えきれないほど私は見てきた。どれだけSEO戦略が優れていても、グーグルからの被リンクでさえ治すことが出来ない疾患が存在する。
ランキングは高いものの、収益が一向に増えないなら、理由があるはずである。多くのウェブサイトが直面する問題の一つが、所謂「ユーザーの意図」との相違である。例えば、自分が望む10個のキーワードですべてトップ10入りしているが、そのキーワードが適切ではないなら、苦労するだろう。
例えば、ホームメンテナンス、そして、シニア向けの何でも屋サービスを提供する企業がある。この企業は「シニア向けホームサービス」に関連するキーワードで上位にランクインしたがっていた。何か問題があるだろうか?まず、この検索クエリは、シニア向けの医療サービスや訪問介護サービスに関連している。この企業は、適切な手法を用いることでこのようなフレーズで高いランクを得ることが出来るかもしれないが、決して良い考えとは言えない。サイトがユーザーの意図とマッチしないなら、数字を高めることが出来るのは、直帰率くらいだろう。
ユーザビリティもあらゆるサイトが直面する可能性のある大きな問題の一つと言えるだろう。顧客候補にウェブサイトのナビゲートが困難だと思われてしまうと、そのサイトを理解しようと試みるのではなく、もっと楽に移動可能な別のサイトを探すだろう。ユーザビリティテストを実施していないために、SEOの取り組みが無駄に終わるのは、このためだ。ビジターがサイトに来てくれたものの、ナンバー2のサイトの方が遥かに分かりやすく、そして、使いやすいと思われてしまうなら、すべての時間とリソースを使ってナンバー1を獲得する価値があるとは思えない。そして、サイトに「検索バー」と「サイトマップ」を用意していればそれでユーザビリティが良いと言い切ることは出来ない。
劣悪なユーザーエクスペリエンスを生じさせる様々な要因がある。しかし、自分が探しているものを見つけることが出来ない問題、または、元の場所に戻れない問題の二つはとても困る。ここで大いに活躍するのが、SEOおよびユーザビリティにおけるパン屑と内部リンクのコンビである。
伝統と親しみやすさに訴えるのも一つの手である。ウェブユーザーは、ホームページへリンクバックするヘッダーのリンク、About UsやContctページ等の標準的な要素を含む、特定のアイテムに慣れている。ユーザー達はこの類のアイテムを探している可能性があり、サイトに用意されていない場合、ユーザー達は苛立ち、やがて、サイトを去るだろう。
ユーザビリティテストは、数千ドルかかることがある。また、お望みなら数万ドルを投じることも可能だ。しかし、当然ながらコストを抑えることは出来る。小規模なフォーカスグループに特定のアイテムを探してもらい、目標を達成する難易度に関するコメントをもらうのは、安価であるにも関わらず、多くの情報を得ることが出来る。ユーザビリティのフィードバックを手っ取り早く得るには、顧客に頼もう。顧客によるフィードバックおよび観察は、ユーザビリティの問題を修正する上で必要な見識を得る最良の方法である。誰だって自分の作品には愛着があり、客観的に見ることは出来ないため、自分のサイトをきちんと評価したいなら、他人の目を通してチェックするしかないのだ。
「悪評などというものは存在しない」と言う諺がある。これは自分もしくは自分の事業に関する報道は内容を問わず注目を上げる効果があり、話題に上がる機会が増えると言う考えを反映している。すべてが誤っているわけではないが、インターネットによって状況が大きく変わった。悪評は永遠に残るのだ。
信用と信頼性はオンラインの買い物客にとって主要な懸念になりつつある。買い物客は評判の良い企業のみにクレジットカードの番号を明かしたいはずだ。そのため、買い物客は実際に商品を購入する前に、他の人達の意見を知りたくなるだろう。この時点で、SEOのその他の要素は意味がなくなる。どれだけリンクを持っていても、あるいは、どれだけサイトのアーキテクチャが賢明でも、オンラインの評判が悪ければ、競合者から製品を購入するだろう。
オンラインの評判は、報道、レビュー、インタビュー等で構成されている可能性があるが、実際には自分の名前が含まれているならそれはすべて評判の構築につながり、ウェブのあらゆる場所に存在する。オンラインのイメージに気を配っていないなら、または、積極的に管理していないなら、マイナスなイメージが形成されている可能性がある。オンラインでの悪評は、確実に事業に悪い影響を与えるはずだ。
オンラインの評判の管理(ORM)は、大規模な取り組みになり得るが、まずは現状を把握することからすべてが始まる。大半のインターネットのユーザーは、トップ10の検索エンジンの結果しか閲覧しないため、会社の名前、主要な製品、そして、重要なスタッフの上位10位の結果を精査して、細かく分類していこう。
目にするであろう結果は、ない、良い、悪くない、最悪の4つのカテゴリーのうちの1つに当てはまるだろう。“ない”はグーグルで検索しても、関連性のない言及ばかりが目立つケースである。“良い”は好ましいレビュー、好意的な報道、前向きな報道、または、その他の推奨する言及を指す。“悪くない”は中立な立場を取ることが多い。例えば、ソーシャルメディアのプロフィールが自分のイメージアップにあまり役立っていないものの、自分のことを嫌っている人達から暴言が寄せられるよりは好まれる。そして、当然ながら自分のことを嫌う人々からの暴言もオンラインには存在する。頭に血が上った顧客にフラストレーションを発散させる場所を提供することに焦点を絞っているサイトは非常に多い。このような罵倒は、地域の動物のシェルターに寄付したことを発表するプレスリリースと同様に難なく上位にランクインするはずだ。
現在、企業の名前で何が上位にランクインしているのかを確かめ、修正するため、もしくはポジティブな結果を維持するため、全力で取り組む必要がある。グーグルアラートまたはヤフー!アラートに登録して、ブランドの言及の最新情報を常に把握しよう。オンラインの評判が“ない”なら、ソーシャルメディアのプロフィール、そして、ディレクトリのリスティングは、自分のビジネスに関する新しいウェブページを作成する上で多いに役立つはずだ。そして、この新しいウェブページにはネットワークを構築する効果もある。評判で苦戦しているなら、非難を一掃するにはそれなりと時間と労力を費やす必要があり、困難な状況にも我慢し、プロの協力を求めなければならないかもしれない。
「どれだけSEOまたはORMを行っても、劣悪な製品、高額、質の悪いカスマーサービスを直すことは出来ない」。これは私が作った格言である。内部の問題を抱えているなら、検索エンジンのランキング、そして、自社の名称に対して表示される結果はほとんど意味がない。と言うよりも、検索結果に表示されないと言うことは、オンラインの評判が全く存在しないと言うことであり、これも良い傾向とは言えず、つまり問題を2つ抱えていることになる。
ランキングに値する事業を策定する取り組みよりも、ランキングを上げる取り組みに多くの資金を投資する企業には驚かされる。狙うキーワードのすべてで1位に格付けされるのは不可能ではない。しかし、製品を購入した顧客が全員怒るようなら、あるいはがっかりするようなら、悪評が高まり、再び訪問してくれる人は減っていくだろう。業界を問わず、あらゆる企業がリピーターおよびカスタマー・ロイヤルティに依存している。そのため、リンクベイトのバイラルな動画を作成することを悩む前に、新しい顧客を助け、顧客のニーズを満たすストラクチャーを配置している点を確認する方が先決である。
オンラインの評判を管理する取り組みには、フィードバック、そして、自分の企業に関する言及に関する見識を得る目的もある。自分のブランドに関するすべての会話を監視することが可能なツールやプラットフォームが数多く存在する。この取り組みを無視するのは、あるいは、機会への投資に失敗するのは、残念としか言いようがない。自分の弱点を見て見ぬふりをすることも可能だが、それでは、自ら赤字化を望むようなものだ。上位へのランクインがもたらすトラフィックの大半を活用することが出来る自信を持てるまでは、資金をランクアップする取り組みに投じて、無駄に使う過ちを犯さないように気をつけよう。
近代の事業は、検索エンジンおよび検索結果で上位にランクインすることで発生する力を無視することは不可能である。そのため、SEO業者はウェブサイトのマーケティングの戦略策定に加わるべきである。お膳立てをすることが出来ていないなら、その努力は水の泡と化す可能性がある。資金およびランキングを最大限に活用するには、使いやすいサイトに適切なキーワードを配置する取り組みが最も効果がある。そして、この取り組みに、強力なビジネスモデルが後押しするオンラインの素晴らしい評判を組み合わせれば、事実上、敵はいなくなるはずだ。
ゲストライターのジェシカは、ドイツベースのオンライン評判管理プラットフォームのReputation Observer(レピュテーション・オブザーバー)で頻繁に寄稿している。ジェシカはマーケティングおよびSEOの分野で数年間活躍した経験を持ち、ORM、リンク構築、そして、ブログを専門としている。皆さんも、ゲスト投稿に興味があるなら、ここから応募してもらいたい。
この記事は、Quick Online Tipsに掲載された「4 Issues That Can Counteract SEO」を翻訳した内容です。
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