拝啓 バナー広告は健在です

公開日:2013/01/14

最終更新日:2024/02/16

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2012年は、様々なアドテクノロジーの発展と共にディスプレイ広告が改めて注目を浴びた年でもありました。検索広告の天井も見えた広告業界的にもそうしたかったという話はさておき、まだまだ完全復権には至っていませんし、現状の懐疑的な方も多いでしょう。そんなあなたにアドテク情報サイトAdExchangerが贈る、バナー広告の価値について。 — SEO Japan

ザ・セルサイダー」はデジタルメディアコミュニティにおける販売側が綴るコラムである。

今回のコラムを担当したのは、新時代のメディア企業 スパンフェラー・メディアグループでCEOを務めるジム・スパンフェラー氏である。

効果的なコミュニケーションツールとして、バナーが役に立たなくなったと言う話をよく耳にする。このような主張は、身勝手で、無意味で、そして、認識が甘いことがある。バナー広告は確実に有効である。バナー広告がブランドにプラスに働くことを評価および認めるリサーチ結果は巷に溢れており、また、コスト・パー・__のデータを見れば一目瞭然である。

広告をテストする人達が、傍観して、ブランドに対する調査の結果(ダイナミックロジック、インサイトエクスプレス、Vizu)が、その多くがバナーの効果を認めていると言う理由で、正確ではないと指摘するのは笑える。何を期待していたのだろうか?広告は効果がある。効果がないなら、この投稿を読んでいる人達は職探しに奔走しているはずである。

その一方で、このタイプの調査は、効果はキャンペーンによって異なる点を強調している。実にストレートな意見である。一部のクリエイティブは質が高く、一部のキャンペーンは綿密に計画が練られており、そして、一部のコアの製品は、しっかりとした土台を基にローンチされている。全体的にバナー広告はマーケッターのメッセージを届ける上で十分に効果がある。メッセージの有効性を特定するためには、メッセージの質、メッセージが提供される環境のハロー効果、ユニットの頻度、そして、ターゲティングの精度を調べる必要がある。

バナーの時代が終わった、そして、バナー広告は消滅する運命にあると指摘する人達には、現実を見ろと言ってやりたい。ただし「ネイティブ広告」を否定しているわけではない。ネイティブ広告は、マーケッターにとって新たな武器の一つである。しかし、あらゆる調和のとれたブランドキャンペーンの基礎を作るのはバナー広告である。

このように、過去は現在につながり…未来にもつながっていく可能性がある。初期のテレビ広告はメロドラマによって独占されていた。これもネイティブ広告の一つの形である。また、Mutual of Omaha(保険会社)のワイルドキングダム(註:米国で60年代に放送されていた保険会社の冠付きの自然・動物番組)は、私達の世代なら誰でも記憶に残っているはずである。現在、テレビネットワークは、多くの「スペシャルセクション」を持つインフォマーシャル、雑誌、そして、新聞を抱え、ラジオには「コンテンツ」を提供する機会が満ち溢れている。しかし、このようなユニットによって「アーンドメディア」は作られていただろうか?確実に作られていた。控えめに言うのが難しい。デジタルエコシステムが補強するその他の様々なアイテムにも共通することだが、「アーンドメディア」も今に始まったことではない。インターネットで相互に接続されたメディアの方が実現しやすいだけである。

その他の多くのコミュニケーションデバイスと同じくバナーは健在である。うまく利用しなければならないだけだ。大きなユニットは小さなユニットよりも効果が高いだろうか?大部分においてはその通りだ。消費者の許容範囲を理解し、エンドユーザーを巨大な広告や大量の広告で困らせるべきではないのだろうか?当然だ。ただし、これはあらゆるタイプのユニットに言えることである。一部のネイテxブ広告は、過度に消費者を「騙す」試みを行っている – これは現代では難しい取り組みであり、気づかれると、マーケッターに対して大きな反動が寄せられる可能性がある。

「何とかうまく付き合うことは出来ないのか」と言いたくなる時がある。あるアイテムを高く評価するためには、別のアテイムを非難しなければならないだろうか? このような大げさな主張は、くだらないだけでなく、混乱をもたらし、広告予算でデジタルがトップになる日を遠ざけてしまう。

バナー広告は今でも十分に効果がある。ネイティブ広告も素晴らしい。検索も優れている。リターゲティングも健在である。一つの領域だけでは、あらゆるマーケッターのニーズに応えられない点は明白である。検索は消費者の需要を作る取り組みには向いていない。リターゲティングは範囲を拡大する上で効果が見込めない。「猿をパンチする」広告は…この文章を結ぶ作業は皆さんにお任せしよう。

ツイッターでジム・スパンフェラー氏(@JimSpanfeller)とアドエクスチェンジャー(@adexchanger)をフォローしよう。


この記事は、AdExchangerに掲載された「The News Of My Death Has Been Greatly Exaggerated! -The Banner」を翻訳した内容です。

バナー広告懐疑派の人を改心させられたかはわかりませんが、キャンペーン・クリエイティブ次第であることは至極当然の結論ではありました。ターゲット性の高いキーワードに入札するだけの(極論ですが)検索マーケティングに比べればアイディアとクリエイティビティを求められることは間違いありませんが、それをいえば大半の広告はそうですしね。アーンドメディアもネット以前からあった、という話にしても、それこそ最近話題のコンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングにしてもどれもネット普及以前から考え方としてはありましたし、実際に実践している企業も多くあったわけです(一例)。

様々なメディアやデバイス、各種マーケティング手法がより境界線を越えて相互に関連しあう・することで相乗効果が達成できる可能性が拡がった今日の多様化・かつ連動したコミュニケーションチャンネルを、頭を柔らかくして、活用していきたいものですね。言うは易く行うは難しではありますが、最初から完全否定してしまうような固い頭ではこれからの時代を切り抜けていくことは難しい気もまたします。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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