一部のマーケッターは「コンテンツは王様」を真に受けている。しかし、大半の会社においては、(ケースバイケースだが)「収益が王様」であり、「注目が女王様」であり、コンテンツは、この2つを得るために用いられる手段でしかない。
問題は、コンテンツを簡単に作ることが出来てしまう点である。コンピュータもコンテンツを作成することが可能だ。コンピュータなら休むことなく長文のコンテンツを次々に生産することが出来る。コンピュータが用いられていないとしても、インターネットでは、大勢の人達が、ペースを落とすことなく、コンテンツの山に次々と作品を投じている。
コンテンツの作成および配信に対する消耗が少なくなると、インターネット上の大量のコンテンツは価値のない商品になる。そのため、注目を集め、維持することは難しいものの、一度、この取り組みを成功させると、収益にプラスの影響がもたらされる。
当然、一部のコンテンツは有益である。有益なコンテンツを作ると、注目を勝ち取ることが出来る。最も多くのコンテンツを獲得するコンテンツは、オーディエンスのニーズが強い作品であり、他の場所ではなかなか見つからず、オーディエンスが見る可能性がある場所、あるいは、オーディエンスの知り合いが見る可能性がある場所に掲載されている。タイトルタグを持つだけの記事は、埋もれてしまう確率が高い。一方、グーグルのハミングバードアルゴリズムを突破する秘密のコードを備えた記事は、大勢のビジターをもたらすはずだ。
ただし、多くのウェブサイトがこのアルゴリズムを突破した時点で、アドバンテージは失われる。
オーディエンスに気に入られると、コンテンツは、王様になることが出来る。コンテンツプロデューサーは、オーディエンスが求めているコンテンツを見つけ出す必要がある。 グーグルは、意地を張って、キーワードのデータを伏せ、このタスクの難易度を上げる決断を下している。グーグルの所謂「プライバシー」戦略の下、ハミングバードは、セマンティック分析を使い、ペンギン/パンダは、エンゲージメント(参加を介した交流)のスタッツを利用していると見られており、ページレベルおよびパスレベルの最適化は、今度において、力を入れる価値がある分野だと言えるだろう。
しばらく、この取り組みから遠ざかっているなら、今のうちに、コンテンツを吟味し、評価しておくと良いだろう。
過去のキーワードのデータを持っているなら、保存しておこう。今から同じことをするライバルに大きく差をつけることが出来るためだ。今後、このデータを取得するコストは大幅に高くなる。
まずは、既存のコンテンツを評価しよう。どのタイプのコンテンツが最も有効だろうか?動画だろうか?テキストだろうか?コンテンツの内容にも注目してもらいたい。以前、どのようなキーワードを使って、ビジターはコンテンツを見つけていたのだろうか?過去のキーワードのデータとコンテンツを比較してみよう。
このサイト、そして、コンテンツの評価ツールと参照情報を参考にしてもらいたい。
キーワードからコンテンツの需要を把握することが出来ないなら、ビジターがコンテンツに対して、求めているものを、どうすれば知ることがで出来るのだろうか?もっと深いレベルでオーディエンスを理解する取り組みを行う必要がある。さらに曖昧なアプローチを採用していく。
分析は病みつきになりやすく、多くのツールは、リアルタイムでビジターの行動を報告してくれる。ページのエンゲージメントレベルを確認してもらいたい。ページでユーザーはどんな行動を起こしているのだろうか?読んでいるのだろうか?寄稿しているのだろうか?「戻る」をクリックして、別のアイテムを探しているのだろうか?
エンゲージメントレベルの高いページを、インフォメーションアーキテクチャにおいて、目立つ場所に配置してもらいたい。反対に、エンゲージメントレベルの低いページは、格下げするか、修正する必要がある。コンテンツを分類して、訪問数に関して、人気の高いページを識別し、この情報をランキングレポートに反映させると良い。こうすることで、キーワードを推測し、ユーザーが適切だと見なす、そして、魅力的に感じるコンテンツに焦点を絞ることが出来るようになる。オーディエンスも分類するべきである。ビジターによって、反応するコンテンツは異なる。どのグループがどんなコンテンツを贔屓するのか、理解しているだろうか?年齢の高いオーディエンスは、どのようなコンテンツを求めているのだろうか?若いオーディエンスは、どのようなコンテンツを楽しんでいるのだろうか?ユーザーを分類する方法に関して、幾つか参考になるアイデアが掲載されているので、このページに目を通しておこう。
ユーザーの行動は、ますます複雑化している。複数のチャンネルで、複数名の影響を受け、複数回訪問して、購入に至る。そのため、ユーザーの分類を行うことで、「人」に焦点を当てることが可能になる(全く同じ理由で、複数のチャンネルのファンネルを分析、そして、アトリビューションのモデル化が重要視されている)。
現時点では、ウェブ分析は、ブラウザに格納された第一者のクッキーによって、人物を特定する。理想とは言い難いものの、以前と比べると、遥かに優れている。時間の経過と共に、ユニバーサルアナリティクスに拡大してい中で、明確に許可を得た上で、様々なブラウザ、チャンネル、そして、デバイスで、人物を計測する選択肢は増えていくだろう。
グーグルが、キーワードを与えてくれないなら、自らキーワードのデータベースを作れば良い。サイト内の検索を使ってもらう手段を考えてみよう。ビジターが、最も検索しており、目を通しているコンテンツに注目すると良いだろう。 各種のキーワードの用語を強調するナビゲーション用のリンクを用意する手もある。例えば、ページの上部に、それぞれのキーワードに対して、関連するキーワードに関する選択肢を与えた状態で、リンクを配置することも可能である。それぞれのユーザーが、優遇しているキーワードの用語を特定してもらいたい。
昔は、ビジター達は、ウェブサイトの左、右、または、上部のサイトナビゲーションを忠実に利用していた。しかし、2つのサイトが、ウェブサイトを移動する仕組みを大幅に変えた — その1つがアマゾンだ。アマゾンは、とても規模が大きく、多くの製品を販売しており、また、複雑であるため、ユーザーの多くは、サイトにアクセスすると、すぐにサイト内検索を行う。そして、もう1つのサイトはグーグルである。グーグルは、グーグルにアクセスし、求めている情報を入力し、検索ボタンをクリックする行為を習慣化させた。その結果、大勢のインターネットユーザーは、ウェブサイトを訪問すると、愛情を込めて作成したナビゲーションの要素を無視し、サイトの検索ボックスを利用する。ナビゲーションの中心的なメソッドとして、サイト検索が活用される回数が増えると、サイト検索で得たデータを理解することが、重要になる。
どこから注目は寄せられるのだろうか?言及されているのは嬉しいが、コンテンツへ向かうリンクに注目が流れていないなら、基準として誤解を招く可能性がある。コンテンツをシェアしてもらっているだろうか?それなら、どのトピック、そして、どのコンテンツが、シェアされている回数は多いだろうか?
繰り返すが、何を話題にしているのかに関して、そして、その結果、どのような行動を取っているのかに関して、オーディエンスを理解することに帰着する。「デジタルマーケティング分析: 消費者のデータの意味を解明する」の中で、作者は、「学ぶ課題」を作る方針を薦めている。 言及、そして、言及の回数のみに注目するのではなく、具体的なブランド、もしくは、サービスの特徴に焦点を絞るべきである。ビジターが目の前にいると仮定して、ビジターに答えてもらいたい具体的な問いについて考えてもらいたい。
例えば、当該の分野の製品の価格に、消費者はどのような反応を示しているのだろうか?どのような不満を持っているのだろうか?何が起きると喜ぶのだろうか?否定的な話をしているだろうか?反対に、何か前向きな話をしているだろうか?新たなライバルはどのサイトだろうか?
この問いに対する答えは、豊富な手掛かりをもたらす。その後、このデータをコンテンツに反映させ、問題をコンテンツの中で解決することが出来るようになる。
この記事は、SEO Bookに掲載された「Time For A Content Audit」を翻訳した内容です。
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