登録される新しいドメインの数、そして、更新される既存のドメインの数が伸び悩む中、.comと.netのドメイン登録サービスを運営するベリサインは、グーグルが主な原因だと指摘している。
昨日行われた同社の第3四半期の収支報告会で、ベリサインはドメインの登録および更新に関する次のデータを発表した:
ベリサインは、登録と更新の低下の理由として、ヨーロッパで「マクロ経済に逆風」が吹いている点、そして、検索エンジンのアルゴリズム – 具体的に言うと、グーグルが継続的な変更を行っている点を挙げている。
D. ジェームズ・ビゾスCEO兼会長は、報告会でグーグルのインパクトを時間をかけて説明していた。また、最近実施された質の低いコンテンツを持つ完全一致のドメインを狙ったEMD アップデートだけではなく、2009年まで遡ってグーグルの変更を伝えていた。
まず、2009年に、検索エンジンのアルゴリズムを悪用して、上位にランクインすることで、トラフィックをもたらし、トラフィックを収益化しようと試み人達をターゲットにした大きな変更が、検索アルゴリズムに対して初めて行われた。
このような変更が行われた後、一定の期間を経て一部の人達は復活を遂げ、収益化を狙うコミュニティは変化に適応するようになった。そして、2012年、グーグルによる変更が、先程も話した通り、ベリサインの第2四半期に影響を与えたのだ。
先程パットも言っていたように、収益化コミュニティの一部にさらにダメージを与えるために、検索結果を整理し、質を改善する検索アルゴリズムの取り組みが強化されているのだと私も思う。例えば、前回の収支報告会で取り上げたパンダプログラムおよびペンギンプログラムは、それぞれ、コンテンツファームを狙い撃ちするため、そして、キーワードスタッフィングを狙い撃ちするためにグーグルによって導入されたものだ。そして、今度は、収益化を行うことを目的とした完全一致のドメインをグーグルは狙っている。
例えば、[purple blue widgets]で検索を行う場合、purplebluewidgets.comと言うドメイン名を持つサイトは、このアップデートが行われるまでは、検索結果で高く格付けされていた。しかし、収益化するためだけに作られたページではなく、検索エンジンのユーザーが興味を持つような実際に質の高いページを表示させる可能性を高めるため、検索エンジンに対する調整が行われ、ドメインの年齢、ページ数、コンテンツの新鮮さ等のその他の要素を考慮するようになっており、私は検索エンジンのアルゴリズムが、事実上、このタイプのトラフィックに狙いをつけて、追い出そうとしているのだと考えている。
Domain Name Wireは、ベリサインの収支報告会を取り上げた記事で、興味深いデータを提供している。このデータを見る限り、.com/.netの新規登録は、2007-2008には四半期ごとに400万減り、そして、現在は100-200万減っているようだ(下の「Net」のカラムを確認してもらいたい)。また、新規登録数の年間の増加率は、以前は20-30%であったものの、最近は10%弱まで減少している。
グーグルのパンダアップデートとペンギンアップデートが、ここ数年間のドメインの新規登録および更新に影響を与えている可能性はゼロではない – 実際に、ペンギンは今年の4月に、そして、パンダは2011年の2月にローンチされている。
しかし、グーグルと検索エンジンの変更が同社の収益に影響を与えるようになったとベリサインが主張する2009年についてはどうだろうか?確かに2009年の2月にヴィンスアップデートが行われていた。当時、グーグルは、信頼および品質のシグナリに依存する“マイナーな変更”と位置づけていた。しかし、検索エンジンマーケティング業界では、ヴィンスは、ブランドを贔屓し、検索結果で上位に押し上げるアップデートだと言われていた。そして、これは新しいドメイン、パークドメイン、そして、グーグルの信頼および品質に対する基準を満たしていないあらゆるドメインのウェブマスターに影響を与えるアップデートである。
昨日の収支報告会で、アナリスト達に向けて、ベリサインは、90万から130万の.comおよび.netの新規登録が2012年の第4四半期に行われると推測を述べていた。これは第3四半期に加わった140万を下回る水準である。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Verisign Blames Google For Drop In Domain Registration & Renewal Rates」を翻訳した内容です。
日本ではここまでのドメインビジネスは日本語の問題もあり無かったと思いますし、パンダやペンギンに比べると余り話題にならなかったEMDですが、海外では、もしかするとパンダ・ペンギン以上に一部の業界?に大きな影響を与えていたのかもしれません。 — SEO Japan [G+]
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