新しく作成したコンテンツが素早くインデックスされれば、その分検索からの流入機会も増加するため、SEOのコンテンツ施策としては非常に重要です。
Googleにインデックスされるために必要な施策は複数考えられますが、その中で最も効果的な施策は何でしょうか。
結論から申し上げると、「考えられるあらゆる施策を行うべき」となりますが、個別の施策の効果を検証することで、よりその重要性が理解できると思います。今回の記事はニールパテル氏が実際に行った検証実験の結果という非常に興味深い内容となっています。要注目です。
私が特定のトピックでブログ記事を書くと、何が起きるだろうか?
大抵の場合、コンテンツを公開した日と同じ日にGoogleにインデックスされ、1週間以内で上位表示される。
上記画像で確認いただけるが、私のサイトのドメインスコアは94であり、633,791本の被リンクを獲得している。(自身のサイトのドメインスコアと被リンクの本数に興味があれば、被リンクチェックツールにあなたのサイトのURLを入力して確認してほしい。)
しかし、私のサイトほどドメインスコアが高くなく、被リンク数が少ないサイトの場合、どういったことが起こるだろうか?
インデックスされるまでの期間が長く、思ったほど上位に表示されない可能性もある。
しかし、この状況を変えることもできるはずだ。しかも、時間がかかり多くの労力が必要とされるリンクビルディングを手法として数えることなく。
そこで私は、ドメインスコアが高くなく、被リンク数が少ないサイトにおける、最も理想的な施策を探し出すため、ちょっとした実験を行うことにした。
5ヶ月ほど前、私のメールリストの一部を利用し、私の実験に参加してくれるメンバーを募った。
ご想像の通り、数千ものWebサイトのオーナーが参加してくれることとなった。その中から、効果的な実験を行うため、ドメインスコアが30未満かつ、被リンク数が40本未満というサイトを対象とした。
こうしたサイトで新しく作成したコンテンツの順位を上げることができれば、非常に良い結果が生まれたと言えるだろう。
さらに、「domain.wordpress.com」のような、サブドメインを使用しているサイトも対象外とした。
こうした基準で選考すると、983サイトが対象となった。そのうち、347サイトが返信がなかったり、実験期間の関係上辞退したりして、最終的には636サイトが実験に参加することになった。
目次
実験に参加してくれるすべてのサイトに対し、コンテンツを1つ作成するよう、依頼した。コンテンツの内容や書き方などの注文はしていない。1,800~2,000単語の記事を書くことを依頼しただけだ。
記事の長さについては厳格に規定した。自然にキーワードが含まれる十分な長さを想定したためだ。また、10,000単語以上の非常に長いコンテンツを書いた場合、上位表示されるキーワード数が多くなってしまう可能性が高まることを防ぎたかったためだ。
それぞれのサイトに30日以内にコンテンツを作成し、公開してくれるように依頼した。コンテンツの公開後、30日以内にUbersuggestを使用して、該当の記事のURLを調査している。TOP100、50、10以内に、どのくらいの数のキーワードで順位づけされているかを確認するためだ。
同様の調査を、コンテンツの公開から60日後にも行っている。大きな変化があるかを確認するためだ。
現在、Ubersuggestのデータベースには1,459,103,429キーワードの情報が格納されている。これらのデータは世界中から集められたもの(月間の検索ボリュームが10程度のキーワードも多く含まれている)であるが、今回の実験では、英語サイトのみを対象としている。
全サイトは9つのグループに分けられ、それぞれのグループに大体70サイトを割りあてている。その施策が順位上昇に影響があるかを見極めるため、それぞれのグループに行う施策は1つのみとした。
各グループの内訳は以下のとおりだ。
このグループでは、コンテンツの作成以外の施策は行っていない。その他のグループに行った施策と比較するためだ。
このグループに所属しているすべてのサイトにサイトマップを作成する。サイトマップに公開した記事のURLを記載し、サーチコンソールからの送信も行う。
以前公開された記事から今回公開した記事に対し、内部リンクを3本追加した。
サーチコンソールから特定のURLへのクロールとインデックスをGoogleにリクエストすることができる。「URL検査」と呼ばれる機能であるが、このグループに所属している記事からのリクエストを送信している。
Facebook、Twitter、LinkedIn、Pinterest、Redditでプロモーションを行った。
Chromeブラウザのアドレスバーに直接該当のURLを入力し、そのサイトを検索することを40名の方々に依頼した。デスクトップとモバイルの両方を対象としている。
このグループを追加した目的は、Chromeブラウザからの訪問がランキングに影響を与えるかを調べてみたかったためだ。
このグループに所属しているすべてのサイトに対し、私のチームがタイトルタグとメタディスクリプションを最適化した。それぞれの記事の内容にあわせて最適化を行ったが、キーワードを含めるだけでなく、よりクリックされるような表現に注力している。
キーワードを含めるよう、また、50文字以内の長さにするよう、URLを最適化した。
上記で説明したすべての施策を、このグループに所属しているサイトに対し、行った。
結果データの分析に入る前に、注意事項を伝えておきたい。
我々は特定のグループの施策が、他の施策に影響を受けないよう、最大限の考慮をしている。例えば、サイトマップのグループに所属していないサイトへは、サーチコンソールから既存のサイトマップを削除している。
ドメインスコアが30以下のサイトが1ヶ月、2ヶ月でGoogleにランクインしたキーワード数はどれくらいだろうか?
被リンクがほとんどなく、ドメインスコアも低いサイトが順位づけられるキーワード数はどれくらいあるだろうか。私はその数にショックを受けた。
しかし、時間が経つにつれ順位づけられるキーワード数が増えることについては驚きではなかった。オレンジの線はコンテンツの公開から30日後、また、グリーンの線は60日後の順位付けられたキーワード数を表している。
XMLサイトマップの必要性はご存知だろう。ドメインスコアが低い場合はなおさらだ。少なくとも、データではそう示されている。
被リンク数が少なく、ドメインスコアも低い場合、Googleはあなたが望むほど頻繁にクロールしてくれないかもしれない。
しかし、サイトマップを送信することで、インデックスまでのプロセスを加速させることができる。あなたのサイトが特定のキーワードで順位づけされるまでの期間を短縮することができるのだ。
リンク、リンク、そして、リンク。全てのサイトが高順位を獲得するために必要なものだ。理想を言えば、外部サイトからのリンクが望まれるが、それらを獲得するのは困難だ。そのため、我々は内部リンクが順位に与える影響を調べることにした。
古いコンテンツから新しいコンテンツに内部リンクを追加することで、新しいコンテンツがより早くインデックスされる手助けとなり、順位にも好影響を与える。
特に、新しいコンテンツとの関連性があり、すでに順位づけされているコンテンツからの内部リンクは効果的である。
内部リンクを3本設置した記事は、XMLサイトマップを送信しただけの場合と比べ、1ページ目に表示されるキーワード数が多かった。
サーチコンソールのURL検査ツールは、コンテンツを素早くインデックスさせるための簡単な方法だ。
サーチコンソールにログインし、ページ上部の検索バーに該当の記事のURLを入力する。すると、下記の画面が表示されるだろう。
「インデックス登録をリクエスト」のボタンをクリックすれば完了だ。
URL検査の施策は、サイトマップの施策と似た結果となった。
私のサイトで起こる現象だが、新しいコンテンツを作成し、それがソーシャルでバズった場合、Googleでの順位も急上昇する傾向がある。少なくとも、非常に短い期間においては。
しかし、数週間後、その記事の順位は落ちる傾向にある。
私のサイトの場合、十分なサンプルサイズとは言えず、また、順位が短期間で急上昇する理由は多くある。
それでも、ソーシャルシェアが順位に与える影響を見ることは、非常に興味深い。
コントロールグループと比べ、ソーシャルシェアグループの順位状況は良かった。しかし、私のサイト(NeilPatel.com)と同様、順位が伸び続けるのではなく、2ヶ月目に順位が下降する傾向にあった。
ソーシャルシェアによる順位への直接的な影響はないかもしれない。
しかし、より多くのユーザーにコンテンツを見てもらうことで、被リンクを獲得するチャンス、ブランド名検索の増加、ロイヤリティの上昇機会、などが増加する可能性がある。
Googleは、Google AnalyticsとChromeのデータを順位付けに使用している、と主張する者は多くいる。
しかし、今回の実験では、それを証明することはできなかった。
ランダムで選んだ40人のユーザーへ、該当の記事をChromeで直接検索することを依頼した。ユーザーには、該当の記事以外の記事をクリックをし、少なくとも2分間滞在することを依頼し、この施策を1週間続けた。
順位状況はコントロールグループとほぼ一緒だった。
内部リンクのグループと非常に似た結果となった。そして、2ヶ月後の順位は他のグループよりも良かった。
ユーザー行動に関連する指標はGoogleのアルゴリズムの重要な箇所である。競争力のあるタイトルとディスクリプションを作成できれば、クリック率の上昇が見られ、最終的には順位上昇も期待できるだろう。
メタタグの改善によって順位を上昇させたいのであれば、正しいキーワードを含めるだけでは不十分である。
クリック率を増加させる内容にする必要があるが、それについては、「新規コンテンツの作成とリンクビルディング以外で上位表示を加速させる方法(英語記事)」を参照してほしい。
こちらのグループは、URLの長さがGoogleの順位に影響を与えるかを調べることを目的としている。
上記のデータを見る限り、URLの最適化も順位に影響を与えていそうだ。内部リンクやメタタグの施策ほどではないが、影響自体はあることがうかがえる。
SEOフレンドリーなURL(https://neilpatel.com/blog/seo-urls/)を作成するコツは、1つか2つのキーワードを含め、短いURLにすることだ。
下記のような、長く、説明しすぎなURLにするべきでない。
「neilpatel.com/blog/how-to-optimize-your-meta-tags-for-search-engines」
*検索エンジンのためにメタタグを最適化する方法
こうしたURLは、超ロングテールでの順位が良くなるが、よりビッグなキーワード(上記の例では「メタタグ」など)の順位状況は芳しくない傾向がある。ビッグキーワードで上位表示を狙うのであれば、下記のようなシンプルなURLが好ましい。
「neilpatel.com/blog/meta-tags/」
短いURLの利点は、ビッグキーワードでもロングテールでも上位表示しやすいことだ。
今回の調査でわかったことは、メタタグ、URL内部リンク、ソーシャルシェア、サイトマップなど、小さな施策でも順位への影響は確認できるということだ。
しかし、特に新しいコンテンツでの上位表示を狙うのであれば、今回の施策のうちの1つを行えばよいというわけではなく、全ての施策を行うことが重要になる。
上記のグラフで示されている通り、全ての施策を行ったグループの順位状況が一番良かった。もちろん、XMLサイトマップとURL検査のように、効果が重複してしまう施策もあるが。
また、全ての施策を行ったとしても、劇的に順位状況を改善できるものでもない。SEOは非常に競合性が高く、あらゆる小さな施策を積み重ねていくものなのだ。
新しいコンテンツと古いコンテンツの両方で順位を改善させたいのであれば、あらゆる施策を行うことが必要だ。
今回の調査で行った施策の中に、画期的な施策は含まれていない。
しかし、それぞれのデータを見て、どの施策が順位に与える影響を確認することは非常に興味深い。
今回の調査について、あなたはどう思うだろうか?
記事で言及されている「SEOは非常に競合性が高く、あらゆる小さな施策を積み重ねていくものなのだ。」という箇所が全てを物語っていると感じます。
かつては、SEO施策の中でも明らかに効果があるものが存在し、そちらに注力する傾向がありましたが、今はそうはいきません。考えつく限りの、あらゆる施策を行う重要性を改めて実感できる記事でした。
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。