先日、私は「Algorithms in a Nutshell」と言う本に綴られた名言を再び読んだ。簡単に言うと、この本の著者は次のように指摘している:
「… 問題を解決するには、まずは全体像から手を付けるべきである… [なぜなら、全体像を理解していない状況では誤った問題を解決する、もしくは、その他の – より適切である可能性がある – 答えを見逃してしまう可能性があるためだ。.”
この考え方は、「新しい」SEOと「従来型」SEOの戦いを見事に表していると私は感じた。SEOのエキスパートは、「新しい」SEOを定義し、宣伝する前に、全体像を把握し、理解する必要がある。
流行りの戦略ではなく、SEOのプロが常に考慮するべき全体像に焦点を絞るべきではないのだろうか?その流行りの戦略は、全体像に一致するだろうか、あるいは、重要視する必要も、考慮に入れる必要もないだろうか?
今回は、私が感じたSEOの新旧対決について、私の見解を聞いてもらいたい。
開けても暮れてもキーワード – キーワードは、SEO担当者の呪文と化している。私自身、この呪文を何度も口ずさんできたため、他人のことをとやかく言える立場ではない。
しかし、SEOのエキスパートは何について繰り返し口ずさんでいるのだろうか?キーワードだろうか?実は、そうとは限らない。
私達は次のような様々なタイプのラベルについて、この呪文を繰り返している。この点こそが、見過ごしている全体像なのかもしれない:
一つ前のパラグラフを読み直した際、関連と言うワードが、私には際立って見えた。
本当の全体像は、関連性なのかもしれない。キーワードは、人間と機械に関連性を伝える上で重要なのかもしれない。
従って、「過去」の概念がキーワードであり、(常に存在する)「全体像」が関連性なのではないだろうか。
サイトの構造、ページのレイアウト、そして、デザインは、以下の要素を伝える上で今でも重要である:
サイトの構造には、インフォメーションアーキテクチャ(IA)とテクニカルアーキテクチャの双方が含まれる点を忘れてほしくない。時間の経過とともに強化され、コンテンツの自然な発展を可能にする構造を用いる必要がある。
このようなコンセプトは“新しい”SEOなのだろうか?エリック・ワード氏や私のようなSEOの草分け的存在は、このような全体像のコンセプトを随分昔から理解しており、テクノロジーの進化に合わせて、メソッドを調整してきた。
ここで、別のホットな話題に触れる必要がある…
セレナ・ナラヤサミは、記事「自動車産業から得た教訓: ソーシャルを活用して、自然なトラフィックの勢いを得る」の中で次のように指摘していた:
「リンクは、優れたソーシャルキャンペーンの副産物だと考えられることは少ない。ブランドのソーシャルメディアキャンペーンは、「フォロワーとオーディエンスを増やす」と言う単純な目標を掲げていることが多い。広報の手段を構築する以外にもソーシャルメディアには、メリットが存在する。ファンやフォロワーを適切に活用することで、ソーシャルメディアは、リンクおよびブランドに関する言及を自然に増やす上で中心的な役割を果たすのだ。」
私は後者の指摘を行うことがよくあるため、この記事の見解には大いに同意している。ソーシャルメディアを認証および信頼の一つの形式と私は見ている。
エリック・ワードは、リンク構築を – グーグルの知名度が上がり、人気が出る前 – 1990年代から行っている(ジョン・アウデッテ氏のマルチメディアマーケティンググループ等)。
ソーシャルメディアは、随分前から存在する。現在、ニュースグループやフォーラムの代わりに、フェイスブック、ツイッター、グーグル+等のサービスが利用されることが多い。このようなサービスが、永遠に続くとは限らない。
しかし、認証および信頼は、検索エンジンのユーザーの経験において重要な要素の一つであるため、姿を消すことはない。
(フルサイズのイメージを見たい方、そして、モーヴィル氏の「ユーザーエクスペリエンスのハチの巣: 検索ユーザー版」の見解が気になる方は、フリッカーにアクセスしてもらいたい)。
検索/発見の行動は今でも重要であり、ナレッジグラフ、そして、進化を続けるセマンティック検索の台頭により、情報を提供する目標が注目を集めつつある。
フリーサイズのレスポンシブデザインを推奨する人達は多いが、ユーザーが、大きなスクリーンとは異なるアプローチで、モバイルデバイスで求めるコンテンツを探し、見つけている点をいまだに理解していない。
例えば、手っ取り早く事実を把握するための検索(インフォメーショナルタイプの検索)は、大きなスクリーンを持つコンピュータと比べ、モバイルデバイスで一般的に行われることが多い。
ナビゲーショナルクエリ、そして、トランザクショナルクエリは、デスクトップ/ノートブックで実施されることが多く、今も重要度は高い。しかし、ユーザーエクスペリエンスのエキスパートは、全体像にも注意する必要がある – 検索ユーザーの経験において、ファンダビリティは重要な役目を担っている。
上のユーザーエクスペリエンスの蜂の巣をもう一度よく見てもらいたい。「Findable」(ファインダブル)が含まれている。インフォメーションアーキテクチャの重鎮、ピーター・モーヴィル氏が、著書「Ambient Findability」の中で指摘しているように、「見つけることが出来ないものは、利用することが出来ない」のだ。
それでは「新しい」SEOは、「過去」のSEOと大幅に異なるのだろうか?確かに細かい部分は異なるかもしれないが、全体像は変わっていない。冒頭の引用は、SEOを深く理解する上で重要である。全体像を理解しなければ、恐らく、誤った問題を解決してしまうだろう。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「SEO Smackdown Round 2: Old Vs. New Search Engine Optimization」を翻訳した内容です。
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