ピボットの決断 – すべき時と止める時

公開日:2013/01/10

最終更新日:2024/02/16

ブログ

ピボットという言葉をご存じでしょうか?スタートアップ界隈では一般用語化してきたこの言葉ですが、簡単にいえば当初のビジネスモデルや製品サービスを市場や顧客の反応に応じて転換していくことです。最初に考えたプラン通り、スタートアップや新規事業がスムースに成長することは滅多にないですし、いかに状況を見極め必要に応じてピボットしていけるかどうかはスタートアップにとって生死の分かれ目でもあり小さくまとまるか大きく拡大できるのかの差にもつながるでしょう。とはいえ、なんでも安易にピボットすれば良いというものでもないでしょうし、新しい市場を開拓するには我慢やこだわりも大事です。今回はそんなピボットのタイミングについて考えたスタートアップや新規事業に関わる人に興味深い記事を。 — SEO Japan

起業家は簡単にはあきらめない。成功するためには、回復力があって、神経が図太く、境界線ぎりぎりのクレイジーでなければならない。不条理な勝算にもかかわらず自分に拍車をかけて、自分は成功できると信じるために適切な量の妄想を持つ必要がある。しかし、時には止めなければならないこともある。

その一方、時にはピボットする必要がある。残念ながら、多くの起業家は、ちょっとした挫折の後に、妄想はそのままにほんの一時の注意を他のことにシフトするための言い訳としてピボットを利用する。Alistair Crollはこれを“レイジー・ピボット”と呼ぶ。正直言って、これらの“レイジー・ピボット”の大部分は、実際にはピボットではなく、“やり直し”である。ピボットとやり直しは機能するが、最小の努力と厳しさを持ってなされる時にはそうはいかない。

では、いつピボットをすべきで、いつ止めるべきなのか?

それは回答が難しい質問であり、その答えは個々によって少し異なる。まさに暗黒の日々を突き破って数年後に“一夜の成功”を持ってして現れる起業家の例は存在する。ピボットをしたり、事業を全く変更して成功する起業家もいる。絶対的な答えは存在しないのだ。しかしここでは、昨日このトピックについてある起業家と話をしていて、私が提案したことを紹介しよう:

1. 実用主義的で、知的に自分自身に正直であること

自分の現実歪曲フィールドに穴をあける一番の方法は、実用的で単純なツールを使用して自分の進歩を評価することだ。例としてLean Canvasを挙げよう。Lean Canvasを見て、あなたはやり続けるための十分な回答があると言えるだろうか?あなたは自分が解決しようとしている問題を本当に理解しているだろうか?そのソリューションが正しいかどうか本当に分かっているだろうか?マーケットに対するチャンネルを理解しているだろうか?あなたは不当な優位性を持っているだろうか?

あなたが集められるできるだけ多くの事実と共にそれらの質問に答えれば、パッチはより明確になる。

メトリクスも役に立つ。ここにAlistairと私がLean Analyticsという私たちの本に含めているLean Analytics Cycleの簡単な要約を紹介する:

それは、何が重要であるかに焦点を合わせ、検証をし、結果を測定するための基本的な枠組みを提供する。

ピボットするためには、あなたは、自分の以前の取り組みから何かを学んでいなければならない。それがどこに焦点を合わせるべきかの手掛かりを与える。あなたは、何らかの形の有効な学習と新しい仮定なしにピボットすることはできない。もしあなたが方向性のヒントを与えるような新しい見解を持っていないのなら、それが続ける価値のあるものなのかどうか疑問に持つ必要がある。ピボットすることを目的としてピボットをするのは、答えではない(運良くうまくいくこともあるが…)

さらに、ピボットする前に、物事の感情的な側面に目を向ける必要もある。

2. 情熱を持てるか?

あなたが自分の既存事業からピボットできると思う面白いことを見つけたとしよう。そうする前に、あなたは、自分がその新しいアイディア/問題/マーケットなどについて情熱を持っているかどうか自問自答する必要がある。もし持っていないのなら、成功するのは難しいだろう。たとえそのピボットが正しい動きであるという根拠を持っているとしても。

私は、自分がしていることに没頭しすぎて、あまりにもそれに入れ込みすぎて、そもそもなぜ自分がそのビジネスに足を踏み入れたのかを忘れてしまう人たちにかなりたくさん出会ってきた(それは私にも起こった)。だから、あなたがピボットの可能性を探る時には、“なぜ私はこれをするつもりなのか?私はこの新しいことに情熱を持つだろうか?”と、自問自答しなければならない。

その答えがイエスなら、ピボットをする。もしその答えがノーなら、止めるのだ。

もしかするとあなたは、再評価するために一歩離れて見たり、考える時間を取ったりするかもしれない・・・もしかすると、ここで止めて、負けを認め、傷を癒して、もう一度戦うために他の日に戻ってくるべきなのかもしれない。

現実主義+情熱(もしくは、効率性+勇気)

Lean Startupは、あなたが自分の進歩と次に何をすべきかについて正直で現実的な決断をするのに役立つ枠組みを提供する。あなたは、自分が十分に素早い進歩をしているかどうか知っている。あなたは、それを誰かに教えてもらう必要はない。そして、あなたは自分がもっと突き詰める価値のある見解を得たのか、行き詰まりの状態にあるのかを知っている。ピボットは、極めて明白かそうでないかのどちらかだ。もしあなたがピボットを大幅に組み立てることに足を踏み入れるのなら、戦略を考え直す必要がある。

同時に、起業家は勇気なしでは何もできない。私たちには、パラシュートもなく車で崖から落ちるための勇気と直感と妄想が必要なのだ。勇気は重要だ;あなたはそれを試さねばならない。直感は経験だ。データは証明だ。

もしあなたが、もはや何を試せばいいのか分からないところに来て、目的を失った(そもそもなぜビジネスを始めたのかという点において)のなら、本気でそれを止めることを考える必要がある。もし、実際的に、もう何をすべきか分からないが、自分がするつもりのことに対して熱意はまだあるのなら、少し休んで再スタートを期待しよう。試すことを目的として試すことにしがみつかないこと。自分が何をピボットしているのか分かっている時にピボットをし、そうではない時は止めるのだ。

余談だが、Alistairと私がリーン+アナリティクスについて書いている本がもうすぐ書き終わる!それが人々の手に渡ることを楽しみにしている。発売日は2013年4月だ。それと同時に、ここで事前注文することも可能だ:Lean Analytics: Use Data to Build a Better Startup Faster


この記事は、Instigator Blogに掲載された「When is it Time to Pivot or Quit?」を翻訳した内容です。

記事にもあるように、決して正解はない種類のものとは思いますが、ピボットを考える時に、冷静に現状を分析すると同時に、自分の情熱レベルも同時に考えることは重要なのでしょうね。仕方なしにピボットしても仮にビジネスモデル上は正解に見えても本人の情熱が下がってしまうようなら上手くいくことはなさそうです。時には止めることも(そして新しいことを0からやり直す!)選択肢の一つでしょうし、自分の道を信じられるのであれば、ピボットせずその道を突き進むこともまた一つの選択でしょう。記事にもあるように暗黒の日々を突き破る日が来るかもしれないわけですし。スタートアップ、人生も色々ですが、自分の決断・行動には最終的に成功するにしろ失敗にするにしろ、悔いがないように生きたいものです。 — SEO Japan [G+]

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。