SEOは成長している。SEOの開拓時代が完全に終わったと言い切ることは出来ないが、2011年は、優れたSEOとして、ペテンではなく、魅力的なコンテンツの作成およびオーディエンスの構築が今まで以上に重要視されつつある。
ここ数年間に着目すると、品質のオプティマイザー達は、キーワードのテキストを挿入するためにCSSのイメージを差し替えたり、検索エンジンからリンクを隠してページランクの流れをコントロールする等の技術的なトリックを避ける傾向が見られる。
検索エンジンは、クロールおよびインデックスを常に改善している。ウェブサイトを葬られたくないなら、またはキャリアを失うリスクを負いたくないなら、検索エンジンの利用規約に従うべきである。
2011年、コードに対する保守的な姿勢は、溝を乗り越え、コンテンツに向けて流れつつある。長い間、ウェブサイトは、ロングテールのキーワードの最適化と言う名目で、劣悪な文章で綴られた特徴のない記事を大量に生産してきた。とても効果が高かったため、質の低いコンテンツをスタートアップ化する人まで現れたほどだ。
しかし、大量の粗悪なコンテンツを提供する行為をサイト全体で罰するパンダのおかげで、誰も読みたいとも、共有したいとも、リンクを張りたいとも思わないようなページをわざわざウェブサイトに載せる必要があるのかと疑問視する声が上がっている。過去を振り返ることもなく、この手の記事の多くは未熟であり、時代遅れであった点は明白だ。
メイド・イン・ジャパンは安価な製品から優秀な製品にステップアップした。メイド・フォー・ウェブも成長しつつある。この進化こそが、2012年のSEOのハイライトを導くのだ。それでは、重要なポイントを、コード、デザイン、そして、コンテンツに分けて説明していく。
グーグルは、不完全なコードをクロールして、理解する行為を得意としていると自慢するが、個人的には検索エンジンは賢さに欠けていると仮定し、出来るだけ助けてあげるように心掛けている。シンプルなコードは正直なコードと言い換えることも出来る。また、解析と分析を容易に行えるメリットもある。AJAXを使って様々なテクニックを実行出来るからと言って、そうするべきだとは限らない。ページのコードが増えると、スパイダーのアクセスからブラウザの互換性に至るまで、うまくいかない可能性は高くなるのだ。
スタンダードに従い、無理ない範囲で出来るだけ有効なマークアップに近づけるように心掛けてもらいたい。検索エンジンが容易にサイトをクロールすることが出来るようにしよう。有効なHTMLとCSSを使えばランキングが魔法のように上がるわけではないが、クロールのエラーを防ぐ効果は見込める。
ただし、有効性に拘るのもよくない。一部の完璧な優れたコードは永遠に認証されないからだ。検索エンジンの推奨に従い、AJAX、XML、そして、その他のコードをクロール可能な状態にしておこう。
CSSのクラスとIDネームを、特にsection divタグに対しては、分かりやすくしておく必要がある。繰り返すが、グーグルは、ヘッダー、サイドバー、そして、フッターを識別する自信があると主張するだろう。しかし、広く浸透しているdivの名称はほとんど理解していると言う風にも取れる。
navigationと指定することが出来るにも関わらず、わざわざCSS Classをxbr_001と命名する必要はない。少なくともSEOのチームにかかる負担は大幅に軽減されるはずだ。曖昧な名称の構造を理解する作業の他にも大量の仕事を彼らは抱えているのだ。
h#タグを主要なコンテンツを説明するためにとっておこう。h#タグをいまだにフォントのデザインのために利用している大きなブランドのウェブサイトは驚くほど多い。デザイナーにはh1、h2、h3、h4、h5、そして、h6は利用禁止だと伝え、コンテンツライターとエディターのために残しておいてあげよう。
このルールの唯一の例外は、コンテンツ管理システムが、h1タグを適切なヘッドラインを作るために用いている場合のみだ。h#タグをヘッダー、ナビゲーション、サイドバー、そして、フッターから削除しよう。このような場所はh#タグには値しない。
禅を思わせるほど効率の良いアップル製品について考えてもらいたい。スティーブ・ジョブズ氏は、不要なものを取り去り、無駄を省き、効率性を実現するためには容赦しなかった。
反対に、企業のサイトを筆頭にあまりにも多くのサイトが、全ての人々に何もかも提供しようと試みている。このタイプのサイトの運営者や管理者は、1本のリンクが欠けたためにコンバージョンの機会を失ってしまうのではないかと恐れている。
ウェブサイトは、整理されたなバーティカルな内部リンクの構造を用意する必要がある。全てのページを他の全てのページにリンクさせるべきではない。3階層のサイトワイドのメニューを提供する必要はない。ビジターは、目的地または探している役に立つ情報に向かって進んでいると感じているなら、2、3、または4本程度ならリンクをクリックしてくれる。
ウェブサイトの分析データを確認してみよう。ビジターが最も少ないページはどのページだろうか?ナビゲーションは用意されているだろうか?誰もリンクをクリックしていないにも関わらず、なぜリンクを置いておくのだろうか?
ウェブサイトで最もビジター数が多いページは、ホームページに近いページである傾向が見られる。そこで、カテゴリーとサブカテゴリーを見直してもらいたい。コンテンツを併合するか、あるいは場所を変えることで、カテゴリーを削除することは可能だろうか?例えば、管理チームは、管理チームのセクションを本当に必要としているだろうか?それとも、Aboutセクションに移すことは出来るだろうか?
これは邪魔なアイテムを取り除く以外にも、SEOのハブページへの内部のオーソリティの流れ(ページランク、リンクジュース等)を増やす効果が見込める。
コミュニティと会話を強調しよう。インターネットに依存するビジネスを運営しており、さらにスタッフを1人増やせる予算があるなら、コミュニティのエキスパートを雇用する案を検討してもらいたい。上位にランクインするためには、オーソリティが必要になる。そのオーソリティは、オフサイトのリンク、そして、ある程度においては、ブランドの言及の数によってもたらされるのだ。
十分な量のリンクを手に入れ、SEOの取り組みに活かすためには、リンクに値するコンテンツを継続的に提供し、リンクを作成する人々やオンラインの会話を通して大勢の人達に影響を与える人々との関係を構築し、育む必要がある。そのためには、ライターおよびデザイナー、そして、ネットワークとの協力に専念する時間を多く取らなければならない。分散化したとしても、強力な権限を持ったリーダーがいなければ、まず成功を収めることは出来ないだろう。
販売中心の考え方から脱却しよう。製品やサービスを買いたいと望む人達は、その会社をブログで紹介したり、ツイッターで言及したりはしない。このような取り組みを行うのは、実際には仲間の可能性が高い。
それぞれの従業員に対して、参加する業界のカンファレンスを一つ選ぶことが出来るなら、どのイベントを選ぶか問いかける手がお勧めだ。次に、ツイッター、リンクトイン、そして、フェイスブックでセッションの講演者を探そう。オンラインでアクティブに活動している人を特定し、その人物の影響力を計測してもらいたい。皆さんの会社には、このようなトピックに関して専門的な文章を綴れるスタッフ、もしくはカンファレンスでプレゼンを行えるスタッフがいるだろうか?
これこそが、パンダ後のウェブで、会話に取り上げ、リンクを張りたいと思ってもらえるコンテンツのトピックを探す方法だ。例えば、優秀なAPIチームを抱えているなら、ドメインのオーソリティを高める上で、APIの開発に関するブログは重要な役割を果たすだろう。
ソーシャルテクノグラフを理解しておきたいところだ。インフルエンサーを探す際に、そして、リンクを張り、話題にしたいと思うようなコンテンツを作成する際に役に立つためだ。
アジリティを受け入れる
ほぼ毎日ウェブコンテンツを作成し、そして、必要に応じて1時間以内にレスポンスを公開することが出来るように、コンテンツ生成と承認プロセスを再編成しよう。
Query Deserves Freshness(新鮮さに値するクエリ)、トレンドのトピック、ニュース検索、そして、ソーシャルメディアの会話が交わされ、過ぎさる仕組みを考慮すると、アジリティ(敏しょう性)は、気づいてもらう上で、そして、リンクを得る上で重要なキーワードになる。
コンテンツを更新する
ウィキペディアやハードカバーの百科事典のような古い記事を提供しているなら、新しい記事と取り替えておこう。今後、パンダはスリム化するのではなく、巨大化するだろう。心配しなければならない理由があるなら、今のうちに修正作業を始めておくべきである。待って、パンダに質の低いコンテンツが見つからないように祈るのは得策ではない。強調しておきたい点を挙げていく:
これは私の2012年度版のSEO戦略のハイライトである。今まで、コンテンツの作成とリンク構築は別物として考えられていた。ライター達にありったけのロングテールのキーフレーズを網羅させ、その一方では、リンク忍者が個別のリンクを求めてeメールや電話攻勢をかけていた。
このモデルの持続性はますます低下している。ウェブはあまりにも大きい。そして、あまりにも多くの人々がコンテンツを投稿している。ソーシャルメディアは、全く新しい背景の世界を提示している。現在、SEOは、つながりを持つことが出来るオーディエンスを探し、コミュニティの一部となり、オーディエンスに最高のコンテンツを提供して、見返りをもらう取り組みを意味する。これこそが新たなSEOの戦いである。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「An SEO Playbook For 2012」を翻訳した内容です。
最後の「SEOは、つながりを持つことが出来るオーディエンスを探し、コミュニティの一部となり、オーディエンスに最高のコンテンツを提供して、見返りをもらう取り組みを意味する。」というセリフはある意味真実も思えますが、これを言ってしまうとそれこそ視点の違いだけで「ソーシャル=SEO」という図式が成り立ってしまう世界です。
さて来年のSEOはどうなるのでしょうか?皆さま、良いお年を。 — SEO Japan
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