検索エンジン上で様々なソーシャルメディアに関する検索が行われているが、その大半が広告とマーケティングのニーズに集中していることは想像できる人が多いだろう。併せて300万を少し超える検索が毎月行われている。マーケティング/広告の検索トラフィックは、1000万に達する情報を求める検索と比べると見劣りしてしまう。確かに、情報を求める検索の一部は質問を投げかけるためだが、その大半は曖昧である。
このGoogleアドワーズを元にしたデータ分析は、企業がいまだにソーシャルメディアとは何かを理解し、整理しようとしている現状を示唆している。しかし、ユーザーの意図に注目すると、どの側面が企業ユーザーにとって重要なのかは一目瞭然である。以下の行動のカテゴリにおける意図を考えてもらいたい。
目次
この行動の多くは、企業ユーザーがソーシャルメディアのコンセプトをいまだに理解しきれていないことを示唆している。企業は、完全に理解するまでには至っておらず、また、様々な方法で学ぶための質問を投げかけることで、整理しようと試みている。
ROI (14万5000回の検索)とブランド(56万6000回の検索)の検索カテゴリに注目すると、2つの傾向が見えてくる。まず、ROIにはあまり関心が寄せられているわけではないが、大半の企業がソーシャルメディアが何かをまだ理解していないことが反映しているのだろう。
次に、ブランド関連の検索に関係する慎ましい数字は、この業界がいまだに成長している点を示唆している。以下のマーケットの分野と月間のブランド関連の検索を比較してみてもらいたい。
自己出版、SEO、そして、インタラクティブ・エージェンシーは、まだ若い業界であり、数百万ドル規模のブランド複合企業に独占されていなくても、特に驚くことではない。フェイスブックやツイッター等のメジャーなソーシャルプラットフォームは別として、大半の企業ユーザーは有名なソーシャルメディアサービスのプロバイダーの名を挙げることは出来ないだろう。要するに、コンテンツの面で企業と競合しなくてはならないのだ。
ブランドの認知度が低く、大量の学習志向のクエリが存在するため、このような検索者のニーズを満たす強固なコンテンツ戦略を策定し、情報を構築する機会が生まれている。行動の見所リストの各項目は、ソーシャルメディア入門のメニューの項目と言っても過言ではない。
次のハイレベルのカテゴリでの機会を狙っているなら、情報、コンテンツ、そして、タイプの領域でリサーチを始めることを私は勧める。 この3つの領域は動きが活発だが、それぞれの背景に照らして各カテゴリを時間を割いて精査し、それぞれのカテゴリに関連する固有の用語を詳しく調べていく必要がある。
以下のリストには、調査する価値のあるサブカテゴリが豊富に記載されている。上位のカテゴリには、マーケティング、広告、そして、PRが挙げられている – 想定の範囲内だ。
しかし、残りのサブカテゴリを慎重に見ていくと、教育の情報、具体的なコンテンツのタイプ、そして、業界特有のサービスに消費者がただならぬ関心を寄せていることが分かる。ここではコンテンツのランディングページを試す機会が溢れている。
カテゴリごとにクエリを見ていくと、消費者が初めのソーシャルメディアのフレーズを修飾するために使う用語に一貫性があることに気づくだろう。この一貫性は、ウェブページの分類およびコピーの焦点を絞る役目を果たしている。以下のカテゴリには、多くの例が垣間見れる。
アドバタイジングのカテゴリをさらに詳しく見てみると、予想通りの結果が見えてくる。ソーシャル メディアはこのカテゴリで最も多く用いられる2つの単語のフレーズである。しかし、メディアの部分が落とされた異なるバリエーションの用語もまた見られる:
この2つの用語の検索は毎月3万3000回行われている。
このカテゴリには4つのテーマが存在する:
次にコミュニティに注目してみよう。消費者は、ほとんど同じ意味でグループとフォーラムを使っているが、 若干コミュニティと言う用語を贔屓しているようだ。つまり、コミュニティに関するコンテンツのコピーを作成する際はグループとフォーラムと言う用語を使うべきだと言っているようなものだ。
このカテゴリでは、企業ユーザーは不特定のソーシャルメディアの会社を検索している。50%の確率で、検索者はcompanyの代わりfirm(企業)と言う用語を用いている。この事実を活用する手はある。
大半の企業は、広告コピーを作成する際、ブランド名を使って企業の名前に言及している – これは一般的な戦略である。この場合、この2つの用語を広告コピーに挿入する価値はありそうだ。social media firmsのキーワードフレーズの検索は毎月1万8000回行われているのだ。
企業ユーザーはソーシャルメディアの専門知識のニーズを満たすため、コンサルトを探している。ブランドや不特定の会社の検索と比べると、割合は2:1であった。このカテゴリで次に一般的だった用語は、コンサルタント、コンサルティングとコンサルタンシーである。
しかし、消費者はコンサルタントを特定するため多数の用語を変わりに用いている。グル、コーチ、プロフェッショナル、アドバイザー、そして、メイバン(専門家)と言う用語でコンサルタントを表現している。
コンテンツのカテゴリは、具体的な情報のニーズを反映する6つのサブカテゴリを持っている。トラフィックの多い順にカテゴリを上げていくと次のようになる:
多くの具体的ではないコンテンツのカテゴリは、具体的なコンテンツのリクエストの寄せ集めだが、それぞれが一つのカテゴリにするほどの量ではない。
例えば、ニュース、アーティクル(記事)、セオリー、ストーリー、クエッショネア(アンケート)、ミュージック、プレゼンテーション、そして、ヒストリー等のリクエストが存在する。
ソーシャルメディアのエデュケーション(学習/教育)に関しては、消費者は5、6個のクエリを使って意図を表現している。最も一般的な用語はトレーニングであり、クエリは2万1000個である。トレーニング以外の用語を挙げていく:
ウェビナーでの爆発的な人気を考慮すると、他にもこの用語に関連するトラフィックが存在すると思いたくなるが、どうやら消費者はトレーニング、コース、そして、ワークショップ等、通常の教育に関する用語を使って意図を表現しているようだ。
ウェビナーのユーザーに伝えておきたいことがある。この検索の行為は、その他のソーシャルメディア以外のビジネスにも当てはまるだろう。
このカテゴリは、学習用の入門書を求める消費者の欲求を反映している。ソーシャルメディア 101等のフレーズ、ベストプラクティス、チェックリスト、そして、ラーン(学ぶ)等の用語が使われている。How Toの次に使われる回数が多かった用語を挙げていく:
やはり、情報を求めるクエリの大半は曖昧である。消費者がソーシャルメディアの一部の局面に興味を示している以外、具体的な意図を絞り込むのは難しい。
例えば、ソーシャルウェブ、ソーシャルメディアを通してと言うキーワードのフレーズから、当該の消費者に関して何が見えてくるだろうか?あまり見えてこない。
しかし、コンテンツに対する優れたランディングページのチャンスを運んでくれる、情報を求めるクエリのサブカテゴリーが幾つかある。その一部を挙げていく:
この点に関して、消費者は、ソーシャルメディアとは何、そして、なぜ、ソーシャルメディアと言う疑問を投げ、何およびなぜを主に尋ねている。定義の検索は、クエッションのカテゴリにピッタリ当てはまり、また、「ソーシャルメディアって何」のランディングページの一部として定義を掲載するのは理に適っていると言える。
ポリシーの情報に対する検索は、情報だけではなく、戦略の面もある。エシックス(倫理)、ガバナンス、コンプライアンス、エチケット、そして、ルール・オブ・エンゲージメント(交流の規則)等の用語が検索文字列に並んでいる。繰り返すが、このカテゴリも良好なランディングページの機会をもたらす。このような用語をランディングページのタイトルやタグラインに組み込むことが出来るだろう。
例えば、「ソーシャルメディア ポリシー: 倫理、エチケット、ガバナンス、コンプライアンス、そして、交流の規則へのガイド」と言うタイトルが考えられる。このシンプルなタイトルおよびタグラインで、ポリシーのカテゴリのすべてのクエリを網羅することが出来るのだ。
3万8600回/月の検索は多く思えるかもしれないが、実はそうでもない。街の名前を含む検索に注目すると、ニューヨークやシカゴのような大都市でも1ヵ月に数千クエリのみであり、街のサイズが小さくなると、トラフィックも大幅に減っていく。
シカゴで営業する業者なら、この2400/月クエリを重要視するだろうが、残念ながら、その他のシカゴの500社のソーシャルメディア業者もまた同じく重要視するはずだ。
当然だが、このカテゴリの中心は、コミュニティのマネージメント(管理)である。このカテゴリで最も一般的な用語は、モニタリングで、その次に若干の差で続くのはマネージメントである。他にもコーディネーター、リレーションズ、そして、サポート等、コピーの本文に加えることが出来そうな用語もある。
このカテゴリでは、すべてのキーワードの用語で用語マーケティングが現れている。240万のクエリの中には、多くの充実したサブカテゴリが存在するはずだと思うかもしれないが、そういうわけではない。マーケティングにおいてユーザーが求める広範にわたる様々な局面を描く用語が見られる。例えば、コンサルタント、エージェンシー、ブック、ソフトウェア、ストラテジー、エデュケーション、コンテンツ、そして、スタティスティックス(統計)だ。
しかし、マーケティングのカテゴリの用語は、サブカテゴリを作る上で十分な量には満たない。それでも一つだけ例外がある。それはソーシャル マーケティングと言う2つの単語で構成されるフレーズである – 検索トラフィックの25%を占めている。このフレーズはマーケッター達の心をとられているのだろう。
企業ユーザーがサービスを検索する際には、パブリックリレーションズよりもPRと言う用語を使って検索する傾向が見られる。その割合は1:3である。コミュニケーションと言う用語が、PRの類義語として1万3000回以上/月用いられており、リリースと言う用語は、例えば、ソーシャルメディア リリースに見られるように、約1万7000回/月登場する。
ここでは、ソーシャルメディアのPR業者として自分自身を位置付けているなら、ウェブページのコピーやPPC広告を策定する際は、この4つの用語を集中して用いる必要がある点を抑えておきたい。
検索クエリで用いられている形容詞に注目すると必ず興味深い傾向が見られる。このカテゴリでは、クオリティ(質)の指標として形容詞が用いられている。消費者がクオリティ、または、バリューを検索で特定する際、専門用語に焦点を絞っている。このカテゴリも例外ではない。ユーザーは2つの用語のみを利用している。それはトップとベストである。
注記: 形容詞は検索クエリの用語の7%に過ぎず、つまり稀であり、関連性の計算をする際により価値が高くなることがある。
検索者はソーシャルメディアの最適化を行うサービスを探す際、2:1の比率でオプティマイゼーションをSEOよりも多く使っている。同じ行動が数ヶ月前に投稿したSEO 検索行動モデルでも見られた。SEOは素晴らしい頭字語だが、頭字語を利用するときは、企業ユーザーがサービスを検索する上で、頭字語の利用を好んでいる点を確認する必要がある – このカテゴリには該当しない。
ソフトウェアツールに対する検索は3つの特徴のあるカテゴリに分類される。
ソーシャルプラットフォームのソフトウェアに対する検索で最も多く用いられている用語は、ツールであり、その次にプラットフォーム、そして、ソリューションが続いている。「ツール」と言う用語は、ソフトウェアのカテゴリでは好まれている。
ソーシャルメディア アプリは、ソフトウェアのカテゴリで唯一の有望なサブカテゴリである。ユーザーは、ボタン、ウィジェット、そして、シェア(ボタン)を求めている。他にも用語はあるが、この3つの用語がカテゴリの大部分を示している。
レポーティングのカテゴリでは、アナリティクスとトラッキングが群を抜いて多い。レポーティングツールはニーズに応じて3つの異なる方法で手に入れることが出来るため、複雑な領域と言えるだろう。
例を挙げていく:
企業が持つレポーティングツールの多くの選択肢のバリエーションを考慮すると、このカテゴリでコンテンツを作成するなら、レポーティングツールの現状を理解してもらうためのホワイトペーパーのポテンシャルが高い。
ストラテジーのカテゴリは、ランディングページのチャンスが大きく、複数の面でコンテンツやサービスを作成することが可能である。企業ユーザーは明らかに最高のレベルでソーシャルメディアの戦略を探しており、タクティック(戦術)、キャンペーン、プログラム、そして、プレイブック(計画)等の用語を使い、多数の異なる言い方で表現している。このような検索は若干一般化している。
2番目のレベルはさらに焦点が絞られており、ソーシャルメディアキャンペーンのプラニングに集中している。3番目のレベルは、テンプレートを重要視している – ソーシャルメディアの戦略を策定するため、空所を埋めるアプローチを探している。
ソーシャルメディア戦略策定の「How To」のホワイトペーパーは、リンクベイトの良い機会をもたらすだろう。
タイプのカテゴリでは、企業ユーザーは業界、部門、組織、またはマーケットの分野のタイプでソーシャルメディアのサービスを探している。グリーンソーシャルメディア、ソーシャルメディア HR、オートモーティブ ソーシャルメディア、そして、ソーシャルメディア ノンプロフィット(非営利)等のフレーズで表現されている。この検索クエリで十分な量に達する用語は限られているが、貴重なロングテールの機会をもたらしている。
少なくとも6つのタイプで十分な量の検索が行われており、ソーシャルメディアが企業のコミュニティの中でよりユビキタスな存在になるにつれ、この量はさらに時間の経過とともに増えるだろう。次に挙げるタイプはトラフィックが多く、ソーシャルメディア業者には注目してもらいたい。
上に挙げたサブカテゴリは、カンパニーのカテゴリ以外はすべて単純である。このカテゴリでは、業界は指定されていない。大勢の人々が、social media for businesses(企業向けのソーシャルメディア)を検索しているのだ。
この類のクエリでは若干のバリエーションが見られる。検索者はビジネスの代わりにコーポレート、カンパニー、そして、ワークプレースを用いている。
タイプ-カンパニーのカテゴリのデータをもっと詳しく見てみよう(以下の表に注目してもらいたい)。クエリに注目すると、ビジネスと言う用語が十分な量に達している点に気づくだろう。次にforとsmallが頻繁に利用されている点も目立つ。この2つの用語は重要なのだろうか?ポテンシャルはある。その理由を説明していく。
用語forはストップワードであり、重要度も関連性の価値もない。しかし、完全な一致の計算においては価値はある。統計では、消費者はクエリを作成する際にinよりもforを多く使う傾向が見られる。そのため、ウェブページのコピーを作成する上で、たとえ関連性の価値はなくともこの用語の重要度は高い(完全な一致において)。
統計的な観点でこの表を見ているなら、どのキーワードフレーズが最も重要だと思うだろうか?私なら次のフレーズを選ぶだろう:
その理由を挙げていく。
2つ目のキーワードフレーズでは、ソーシャルメディアと言う用語とビジネスと言う用語は、2つの単語で構成されるフレーズfor スモールで分けられている 。つまり、ソーシャルメディアとビジネスがお互いに近い位置に配置されていることになる。
消費者がソーシャルメディア ビジネスと言うフレーズで検索を行っているなら、この二つのフレーズでは、お互いに近い距離で用語が現れているため、検索結果に理論的に表示されるのだ。
最期に、用語スモールもユーザーに頻繁に利用されている。この用語はロングテールの機会をもたらすため、詳しく調べる価値はある。また、補助的なタグラインに利用する用語の候補でもある。
消費者の意図を理解したいなら、既に私が例を記したように、包括的なキーワードのリサーチを行うことを勧める。キーワードのフレーズを、テーマ、ソース、または、タイプごとに集めると、興味深く、また、専門用語が一貫性を持って利用されている点に気づくだろう。
例えば、マーケティングのカテゴリは非常に複雑であり、より多くの手掛かりが眠っている。そのため、このカテゴリでは、より多くの時間を割いてスプレッドシートのデータ調べる必要がある。
この記事の冒頭の行動の見所で挙げた特徴を見直してみよう – 詳しく調べる価値のあるコンテンツ/ランディングページのチャンスが転がっているはずだ。企業ユーザーはソーシャルメディアをあまりよく理解しているわけではなく、情報と答えを模索している – 皆さんがこの情報を提供しないなら、他の誰かが提供してしまうだろう。
注記: 原文ではクエリはすべて英語です。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Social Media Is Still A Mystery To Many Businesses」を翻訳した内容です。
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