自分の初めてのビジネスローンを覚えているだろうか?もしくは、もしあなたが多くの起業家と同じなら、最初は、自分のクレジットカードで物を買うことによってスタートアップをブートストラップしていたかもしれない。あなたはワクワクしていたし、恐れてもいた。ワクワクしていたのは、自分のビジネスに投資するキャッシュを手にしたから、恐れていたのは、返済しなければならない借金を背負ってしまったから。
しかし、あなたは自分が支払う利息よりも多くの価値を作ることができることに自信があったため、それは構わなかった。ゆくゆくは金銭的な負債を返済しなければならないとしても、今適切なリソースへのアクセスを獲得することが、しばしば成功と失敗の違いを生むのだ。
それが金銭的な負債に言えることだ―しかし、それは文化的な負債にはほぼ当てはまらない。
文化的な負債は、企業が近道をして“適切な”スキルもしくは経験を持つが文化にフィットしない従業員を雇う時に起こる。たった一度の間違った雇用が、他の全ての従業員に打ち寄せるネガティブな波を―現在と未来に、そして結果としてあなたのビジネス全体に―生み出すことがあるのだ。
残念なことに、文化的な負債の利子は非常に高い:文化不適応者を解雇したり、彼らが自ら辞めた時にさえ、あなたは自分が被った負債を返済できない場合もあるのだ。
ここでは、あなたが自分のスタートアップの可能性を実現するのを妨げる文化的な負債を生み出すあまりにもありふれた方法を紹介する:
優れたコードを書く花形のデベロッパー…しかし、どんな指示を受けることも拒否し、他人を助けることを断る人が、あなたが彼を採用するからという理由で、すぐに気持ちを入れ替えることはない。
短期的にはいつも同僚よりも優れているように見えるスキルのあるセールスパーソン…しかし、うまく立ち回ってコントロールし、焼け落ちることを望んで灯油に浸った橋を架ける人が、あなたが彼女を採用するからという理由で、長期的な関係構築に焦点を合わせた会社のための大使に変化することはない。
面接の過程は少しハネムーンに似ている。あなたは、候補者が持つ一番良いところを見る。もし、従業員候補者が、採用される前にあなたの文化にぴったりフィットするように見えなければ、その人物は絶対に採用された後もフィットしないのだ。
文化的適合の悪魔と取引をするリスクは決して冒さないこと。会社の魂が危機に瀕する。本当に。
スキルと経験は、使用されなければ価値がない。知識は、他の人に共有されなければ役に立たない。
あなたの会社が小さければ小さいほど、あなたが自分の分野でエキスパートである可能性が高いため、それらのスキルを新しい従業員に伝えることは比較的簡単だ。しかし、あなたは、熱意や良識ある労働倫理や優れた人間関係スキルを訓練することはできない―そして、それらの特性は候補者がもたらすどんなスキルよりもはるかに重要なのだ。
調査によると、技術的なスキルの欠如が原因で最初の18か月で失敗した新しい雇用はたったの11%だけだった。大部分が、モチベーションや、教えられる気がないことや、気性および感情的知性の問題が原因で失敗していた。
こんな風に考えるのだ:特定の難しいスキルが欠けた候補者は心配の種になるかもしれないが、あなたが必要とする信念と価値が欠けた候補者は文化的負債の巨大な危険信号である。
候補者に対しては自分の会社を過剰に売り込みたくなるものだ。特に、あなたが是が非でも空いたポジションを埋める必要がある時や、とても長い間求人募集をしている時には。
あまり一生懸命売り込まないこと。優れた候補者は、準備をしてやって来る。彼らは下準備をしているのだ。あなたについてオンラインで読んだことを基に、あなたの会社が自分にぴったりとフィットするかどうかすでに知っている。本当に優れた新入社員は、何週間もしくは何か月もあなたの会社を追跡していたかもしれない―この会社がどんな感じなのかを見るために。
ポジションについて説明し、会社について説明し、全ての質問に回答し、率直で正直になり、あなたの自然な熱意を示すのだ…そして、候補者に詳細な情報を得た上での決断をさせるのだ。しかし、過剰に売り込まないこと。
適切な候補者は、適切なチャンスを認識する―そして適切な文化的フィットも。もしあなたがあまりにも誰かを説得しようとしすぎると、その愛は一方方向で、それは長期的な成功には向いていない。
組織的で、最初から最後まで包括的な雇用プロセスに勝るものはないが…時に、例外として、直感と第六感がある。
私の会社HubSpot(6年で0から500人の従業員に成長した)には、高く評価する5つの属性がある:
・謙虚である(Humble)。最高でありながら腰が低い。自覚を持ち、礼儀正しい。
・効果的である(Effective)。物事を終わらせる。適度に針を動かし、計り知れないほどの価値を追加する。
・順応性がある(Adaptable)。継続して変化し、生涯学習者である。
・卓越している(Remarkable)。際立った並外れた能力を持つ。非常に賢く、非常にクリエイティブで、非常に才覚がある・・・
・何も隠さない(Transparent)。オープンで他人および自分自身に正直である。
つまり、私たちはH-E-A-R-T(ハート)のある人を求めているのだ。そういう人が、私たちの愛する会社を作るのを助けるからだ。だから私たちはいつも、より質的な検討事項と自分たちの印象を天秤にかける。あなたもそうするべきだ。こんな風に考えるのだ:あなたに経験があればあるほど―酷くやっつけられたことがあればあるほど、ひどい困難に打ちのめされたことがあればあるほど、間違いを犯したことがあればあるほど―、あなたの“第六感”はより多くのことを“学んでいる”。決して直感だけで進むべきではないが、候補者に対して悪い予感がするならば…それはもっとよく見る必要があるというサインである。
そして、さらにもっとよく見るのだ。
HubSpotにおいて私たちが文化についてどのように考えるかを詳しく知りたい人は、文化コードに関するスライドをチェックしよう(あなたの手間を省くために、以下に埋め込んである)。
結論:自分が従業員に求める無形のものを定義し、それらの資質に欠けた候補者を採用することによって決して妥協しないこと。
あなたが従業員候補に負うリスクは2種類ある。
最初は価値のあるリスク:以前の従業員よりも可能性があるように感じる候補者を試してみること、いくつかのスキルには欠けるが態度がものすごく良い候補者を試してみること、チームが喉から手が出るほど必要としている熱意とやる気と魂をもたらすように感じる候補者に賭けてみること。それらは、良いチャンスである。
もう一つはバカなリスク:業績問題の経歴があり、あなたがどうにか強い労働倫理を持つことを願う候補者を試すこと、“ダメ上司だった”ことが理由で過去2つの仕事を辞めている候補者に賭けること、何の経験もないのにどれくらいすぐにどれくらいの頻度で昇進するかについてだけ話したがる候補者を試すこと。
なぜあなたはバカなリスクを負うことを正当化するのか?自暴自棄になっているか、怠けているかだ。もしくは、集中すべき他の問題を抱えているか。もしくは、自分の文化は、一人の不適合従業員の影響に耐えるほど強いものだと思っているか。
バカなリスクを負わないこと。それらはいつだって悪い結果になる。時には、価値のあるリスクを負うこと。なぜなら、それらはあなたにとって最高に素晴らしい雇用になり、次第に最高の従業員になることがあるからだ。
そして、決して、高利の文化的な負債を生み出すようなことに賭けないこと。
あなたの組織にとってそのコストはあまりにも高すぎる。そして、命は短い。
この記事は、OnStartupsに掲載された「5 Startup Hiring Mistakes That Can Crush Your Culture」を翻訳した内容です。
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