途上国のスタートアップ事情

最終更新日:2024/02/17

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スタートアップブームが続いている日本ですが、世界各国、特に途上国と呼ばれているような国でもスタートアップ起業が立ち上がりを見せ始めているようです。今回はThe Next Webからフィリピンのスタートアップ事情をご紹介。 — SEO Japan

インターネットはアントレプレナーシップの状況を大きく変えたが、中でも、恐らく最も影響を受けたと思われるのがスタートアップである。スタートアップを経営する取り組みは楽しく、見返りが見込めると思われがちだが、無数の困難に見舞われることもある。

インターネットおよびテクノロジーのスタートアップにとっては、米国のハイテクイノベーションおよび開発の中心地であるシリコンバレーのような場所は他には存在しない。テクノロジー関連のアントレプレナーが集まるネバーランドのような場所であり、強力で活発なアーリーアダプターのコミュニティ、そして、次の目玉となる可能性を秘めた有望な企業にいつでも現金を投じる用意が出来ている投資家の集団が存在する。しかし、残念ながら、全てのスタートアップがシリコンバレーで活動する幸運に恵まれているわけではない。ただし、シリコンバレー以外の出身のスタートアップであっても成功する可能性がないわけではない。

フィリピンのスタートアップシーンに注目

米国や欧州の国々では、成功を収めたスタートアップが続々と誕生している。しかし、途上国のスタートアップのサクセスストーリーは一度も耳にしたことがない。だからと言って、スタートアップが存在しないわけではない。フィリピンは詳しく調査する価値がある国である。名前を聞いたことがない人もいるかもしれない。しかし、フィリピンには、インターネットおよびモバイルに非常に精通したコミュニティが存在する。

それでは、途上国のスタートアップを運営するのは、どのようなものなのだろうか?まず、シード投資、共同ワークスペース、メンバーベースへのアクセス、VC、エンジェル投資機関、そして、専用のビジネストレーニング等、快適な経営生活を保証するアイテム、さらにはネットワーキングや宣伝イベントを介したビジビリティが存在しない点は明白である。

正直に言うと、フィリピンのスタートアップ“シーン”は、そのニッチの規模と範囲を考えると、境界線はほとんど存在しないと言っても過言ではない。適切なリーダーシップ、そして、その他の世界の国々から注目を集めるための露出に欠けている。人材、および、独特なアイデアに溢れた国であるため残念で仕方ないが、フィリピンのスタートアップは、抵抗のある環境で成長させなければならない不利な状況が原因で失敗することがよくある。フィリピンのスタートアップ全体を批判するつもりはない。事実、複数のスタートアップは目立った活躍をしている。その中でも、1つのスタートアップに私は注目している。

私はPicLyfの共同設立者であり、開発者でもあるエリック・スー氏にインタビューを申し込んだ。Piflyfはビジュアルコンテンツ中心の配信プラットフォームである。フォトブログと言い換えることも出来る。同社は、フィリピン在住のインターネットギーク/エントレプレナーの小さな集団であり、たび重なる困難にも負けず、今、成功を手にしようとしている人達である。

フィリピンのスタートアップコミュニティ

まず私はフィリピンのスタートアップコミュニティについてエリック・スー氏に尋ねた。スー氏の答えに私は衝撃を受けた。マニラにはルーフキャンプのような定期的なミートアップやStartupPhilippines.com等のブログを介してコミュニティをまとめようとしている人達が大勢いるようだ。セブ市もまた優れたスタートアップコミュニティが生まれようとしている地であり、ケアシェアリングの共同設立者のマーク・ブエンコンセホ氏と同氏の妻であり、Techboba.comでエディターを務めるローズ・ブエンコンセホ氏が中心となって活動している。実際に、InSyncInfinite.ly、そして、Cashcashpinoy等の素晴らしいスタートアップが設立されている。しかし、フィリピンの設立者の多くが積極的にコミュニティの成長を後押ししていないと言う問題が存在する。

政府は、スタートアップ業界を支援するイニシアチブをまったく用意していない。これは途上国全体に共通することだが、発展途上国には解決しなければならないさらに重要な問題が他にもあるため、特に驚くようなことではない。そのため、スタートアップの支援は後回しにされている。

投資家に関して、エリック・スー氏は、大半の投資家は、最終段階のスタートアップにしか投資しないと教えてくれた – 真新しいアイデアに投資するリスクは背負わないようだ。そのため、大半のスタートアップは、自力で何とかするしかなく、インパクトを残せるような爆発的な成長が妨げられている。

「フィリピンのスタートアップに関連するイニシアチブのほとんど全ては、下心によって提供されている。」とスー氏は述べている。シリコンバレーに存在するような、仲間のエントレプレナーを助ける、個人的且つ誠実な動機は見られない。これは高い価値のイノベーションの拠点を作る上で欠かせない材料だとスー氏は考えているようだ。

「辛い環境」でスタートアップを運営する

私はフィリピンでスタートアップを運営する感想を訊いてみた。スー氏は次のように私の問いに答えてくれた:

フィリピンでのスタートアップの運営は、私が想像するシリコンバレーでのスタートアップの運営と同じだ。ただし、全ての快適なアイテムと利点は除外される。ベンチャーキャピタルやエンジエル投資家等の存在が欠けている点は明らかだが、それ以外にもアーリーアダプターやスタートアップを支えてくれる人達、そして、テクノロジーに知識を備えた重要な重要な人材も少ない。

要するに、フィリピンのように新興国では、スタートアップは非常に経営するのが難しいと言うことだ。エンジェル投資機関が豊富に揃い、スタートアップのエコシステムに早い段階で資金が投じられ、そして、政府が堂々と、そして、明確に助成金や摩擦を減らすイニシアチブを用いてスケーラブルなテクノロジーベンチャーを支援する、シンガポール等の近郊の東南アジアの国々のスタートアップシーンと比べ、大きく不利な環境に晒されているのだ。

ソース: イメージ

ライター紹介

フランシス・タンはTNWのアジア担当エディターであり、フィリピンをベースに活動している。アジアのインターネットスタートアップ、ソーシャルメディア、そして、eコマースにとりわけ強い関心を持つ。フランシス・タンには、ツイッターでは@francistanで、Eメールならfrancis@thenextweb.comで連絡を取ることが出来る。


この記事は、The Next Webに掲載された「Building a startup in a developing country: The pitfalls and opportunities」を翻訳した内容です。

私の会社でもフィリピンに仕事のパートナーがおり(イギリス人ですが)、かなりの仕事を毎月お願いしているので興味深く読みました。途上国とはいえ、フィリピンは英語が日本よりはるかに通じますしインターネットを通じて世界の最新の生の情報に触れることができますから、その辺は日本以上に有利でしょうね。実際、欧米で運営されている英語メディアも、実はフィリピン人のライターが代行執筆・運営していることが多々あるのが実態だったりします(しかもクオリティが低いというわけではありません)。

フィリピン国内でスタートアップ起業をして成功を収めるのはそれとは別次元で難しいかもしれませんけどね。私のパートナーも政府や役人、大企業の癒着・腐敗が余りにひどすぎるしフィリピンで起業することだけは絶対に勧めない、と常日頃話しています 汗 フィリピンでビジネスをするのであれば、アウトソーシングや最近流行りのフィリピンの教師を使ったオンライン英会話など、フィリピンのコスト差を生かした海外とのビジネスなら良いかもしれません。

文化的にも起業する意識まで持てる人はまだまだ少ないのでしょうけど、有能な人材がいるのは間違いないですし、自らの国を自らのスタートアップで発展させてくれるような起業家が生まれてくると頼もしいですね。 — SEO Japan

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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