グーグルの最新のアルゴリズムの変更は、クエリの12%近くに影響を与えている。つまり、大規模なサイトも小規模なサイトも、今週、ウェブの分析レポートに目を通し、トラフィックが大きく右肩下がりになっている様子を目の当たりにしている。このような状況下では、戦略的、そして、客観的にに考えるのは難しく、混乱し、憤りを感じるはずだ。
気持ちは分かる。しかし、サイトのトラフィックを元通りに戻したいなら、評価を行うための実現可能な措置を策定し、変化を起こす必要がある。たとえ巻き添えによる悲劇であったとしても、限られた時間とリソースをトラフィックを戻してくれそうな戦略に用いたいところだ。今実行可能な戦略、そして、避けるべき方法を詳しく知りたいなら是非このエントリを読む進めていってもらいたい。
目次
周りの人達にアピールする行為やグーグルのエンジニアの同情を誘う行為には、トラフィックを戻す効果が見込めない。グーグルは、検索の質を改善するため、アルゴリズムの変更に対して大々的なテストを行っており、内部のデータが著しい改善を示すまでは大規模な変更は行わない。グーグルはデータで動く企業であるため、事例報告が具体的な数字を打ち負かすことはあり得ないのだ。
また、グーグルの立場になって考えてみてもらいたい。ウェブがどれだけ大きいのか考えてみよう。マイナスの影響を受けた多くのサイトのオーナー達からグーグルのミスだと言われる状況を想像してもらいたい。アルゴリズムを使ってランキングを特定する目的は、それぞれのサイトを個別に人間が判断する不可能なタスク、そして、そのために必要とされるであろう検閲を避けることである。グーグルのオーガニック検索製品の土台は、大規模な質のシグナルを使って、ウェブを格付けする仕組みを特定することである。この土台がなければ、すべてが崩壊してしまう。
先日のワイアードのエントリは、グーグルが実際には個別のサイトを調査し、修正したと示唆しているが、グーグルははっきりと否定し、この変更が完全にアルゴリズムを主体としている点、そして、内部のデータが検索の質が全体的に改善されていることを裏付けている点を強調した。つまり、グーグルは改善を継続して行っていくものの、変更を元通りに戻すつもりはさらさらないことになる。
とは言ったものの、このエントリで推薦する評価を一度終え、何も変えるべきところがないなら、ウェブマスターのディスカッションフォーラムにスレッドが用意されているので、状況の詳細を伝えることも出来る。また、このエントリの後半では、このスレッドに投稿する際の最善の方法を伝授する。
ランキングの下落をサイトの質に関するグーグルからの意見書と捉え、個人的な恨みを抱えてしまう人もいるだろう。影響を受けた企業の中にはPRを使って悲痛な憤りを表明するサイトもあった。先週、40%の検索トラフィックを失ったhealthcastle.comを運営するグロリア・ツァン氏はプレスリリースを出し、「質の低いサイトとして名指しされるのは辛いことです。なぜグーグルが私たちのサイトを質の低いサイトと決めた理由を知りたいです。」と述べた。
このような感情がプレスリリース、ブログのエントリ、役員室、そして、掲示板で繰り返し述べられている。気持ちは分かるが、その“なぜ私が犠牲に?”と言う疑問を“サイトの何が原因で影響を受けることになったのか?”と言う疑問に変えてもらいたい。これはアルゴリズムの変更であり、特定のサイトを狙っているわけではない。グーグルのエンジニア達は、ブレッコ式のブラックリストを作ったわけではない。そうではなく、アルゴリズムは特定の質(および質以外)のシグナルを検知する。「なぜ私が?」と言う疑問からサイトを建て直す方法を説明する。
影響を受けたサイトのオーナーの多くが、まずこのようなリアクションを起こす。そのためにグーグルが開いたウェブマスターディスカッションフォラームのスレッドで、「グーグルのスタッフと是非話をしたい。」と堂々と述べている人がいる。
先程述べたウェブのサイズについて思い出してもらいたい。これは現実的ではない。そして、上述したように、グーグルの検索の質を担当するスタッフに直談判し、サイトの素晴らしさ、そして、不運にも巻き添えを食らっただけだと言う点に同意してもらえたところで、グーグル側に出来ることは何もない。グーグルがウェブマスターのディスカッションスレッドの中で指摘しているように、「これはアルゴリズムの変更であり、[そのため]例外を特別に作ることは出来ない」のだ。サイトを用いてアルゴリズムを調整し、その結果、最終的にトラフィックを元に戻すことが出来るかもしれないが、そのサイトを常にランキングを回復するホワイトリストに載せることは不可能であり、また、新しい変更をそのサイトのためだけに実行する可能性は極めて低いと言わざるを得ない。グーグル内部のテストを行った結果、この変更が検索の質を全体的に改善したことが分かっており、大多数のユーザーの満足度を基に決定を下す必要があるのだ。
質の高い検索結果を生成するのは非常に複雑であり、グーグルの検索エンジニア達は何年間もかけてこの作業に全力で取り組んでいる。グーグルがこの問題に関して意見を聞くために開いたスレッドに投稿された次のようなコメントは、検索エンジニア達が常に追跡している要素のことを全く考慮していないように思える:
私の提案を披露しよう。注文ボタン付きの安全なショッピングカートを用意しているサイトを考慮したアルゴリズムの調整を行うと言うのはどうだろうか。純粋なコンテンツサイトと同じコンテンツの基準を用いるべきではない。eコマースのサイトは、製品を販売している場合、製品を作成して直接販売しているケースを除き、オリジナルのコンテンツを用意しているわけではない。そのため、買い物かごボタンを持つ製品ページには同じ基準を当てはめることを止めて、eコマースのためにアルゴリズムを変更するべきだ。
グーグルにアルゴリズムの作成を指南するために何時間も費やす代わりに、その時間をサイトの改善に投じるべきである。
まずは問題の原因をピンポイントで探り出し、問題の範囲を狭めていこう。このプロセスの最初のステップは時間はかかるが、具体的な数字を分析するだけの容易なステップと言えるだろう。しかし次のステップは難易度が増す。なぜなら主観的な評価が求められるからだ。しかし、このステップでもデータが助けてくれるはずだ。
サイトが2月24日に突然トラフィックをすべて失ったなら、このアルゴリズムの変更のインパクトを受けた可能性はとても高い。しかし、サイトのトラフィックは様々な理由で上下する点を忘れないでもらいたい。そのため、解決策を探すために多くの時間を投じる前に、原因を確認する価値は十分にあるはずだ。
トラフィックの減少がグーグルのオーガニック検索によるものだと特定したなら、パンダアップデート(あるいは同様のアルゴリズムの変更)が原因と考えて問題ないだろう。以下にこのケースが考えられるグーグルのウェブマスターツールの一例を掲載する。
ウェブの分析データおよびグーグルのウェブマスターツールズを確認し、どのクエリが減少傾向にあるのか調べてみよう(データをエクセルにエクスポートするとこのプロセスは容易になるだろう)。トラフィックは全体的に減少しているだろうか?ブランドのトラフィックが減少しているだろうか?影響を受けているのは特定のカテゴリーのみだろうか?
仮想の車に関するサイトについて考慮してみよう。車のレビューに関連するトラフィックは減っていないものの、地域の中古車ディーラーの検索にカレンするクエリのトラフィックが減っているのだろうか?グーグルウェブマスターツールズは、各クエリの平均的なポジションを表示しているため、格付けの下落もチェックすることが出来る。
以下に私の仮想の車のサイトに対するクエリのカテゴリのインプレッション、クリック、そして、平均のポジションを示すウェブマスターツールズのデータを掲載する(このデータはあくまでも例として偽造したものである)。このデータは前月比の変化をエクスポートした過去のデータを使って比較しているが、過去のデータを持っていない場合でも、グーグルウェブマスターツールズが提供する変化の確率の情報を使って同じような分析を実施することが出来る。
この例では、車のレビューに関連するトラフィックと共にブランドのトラフィックが一定していることが分かる。しかし、備品に関連するクエリのトラフィックが半分に減り、車のディーラーに関連するトラフィックはほぼゼロにまで下落している。
ナイン・バイ・ブルーで提供しているレポートパッケージは、このデータを過去に遡って追跡するだけでなく、カテゴリ別にクエリを追跡して、カテゴリごとにインプレッション、クリック、そして、ポジションにおける変化の高い率を計算する。その結果、個別のクエリごとに追跡するよりも情報の解析が大幅に楽になる。
車の備品に関連するクエリをさらに詳しく見ていこう。このデータはインプレッションの最大の下落を基にまとめられているが、クリックおよびランキングのポジションの最大の下落を基準としてデータを閲覧することも可能だ。この例では、ランキングが一部のクエリで大幅に落ちていることが分かる(100個のスポット)。しかし、その他のケースでは数えるほどしかランキングは落ちていない。結果の1ページ目以降に格下げされ、サイトが大幅にトラフィックを減らしているケースを区別すると(大幅なランキングの減少に対して)、ランキングを取り戻すのが容易なページ、そして、より明らかな問題の兆候を探すために注目するべきページを特定する上で役に立つだろう。
ランキングは落ちたものの、1ページ目の結果に留まっている場合、インプレッションの数は減っていなくても、クリック数およびクリックスルー率は低下しているだろう。以下の表はディーラーのカテゴリで大幅にクリックスルー率が落ちたクエリを示している。この例には、インプレッション自体は増えているものの、1ページ目の結果でのサイトのランキングは下がっているため、クリックスルー率およびサイトへのクリック数が大幅に下落していることが表れている。
大半のトラフィックを失ったページにも注目してもらいたい。この際、グーグルのウェブマスターツールズのサーチクエリ & トップページが便利である。日時の範囲のフィールドの開始日を2月25日に変えると、下落の確率ごとにページを分類することが出来る(インプレッションおよびクリック数の減少でもソートを実施することが可能)。繰り返すが、初めにエクセルにエクスポートしておくと、トラフィックが多かったページごとの絞り込みが容易になる。また、平均のポジションごとに分類して、URLをパスレベルのデータに分けることも可能だ。ただし、このレベルの分析を行う意味があることが条件である。
以下に車の仮想サイトのページレベルのデータを掲載する:
サイトのFAQセクションは、特に大きな影響を受けたようだ。例えば、このデータをパスごとに分類し、ディレクトリごとのランキングの平均の落下を計算することが出来る。しかし、この類の計算には注意する必要がある。あるURLが2位から500位に下落し、別のURLが6位から7位に下落している場合、フォルダーに対する平均の下落率は歪められているように見える。そのため、まずはページレベルで分類することが肝要だ。
以下の表で、私はディレクトリごとにデータを集め、ランキングの低下の平均値を割り出した。FAQのセクションは芳しくないが、最もランキングの低下が激しかったのは、地域のディーラーのディレクトリであった(このデータを過去のデータおよび分析データと組み合わせて、失ったトラフィックの量ごとに優先順位を決めることが出来る)。
サイトがクエリに対してどのように格付けされているかを含め、さらに正確なデータを得るため、ウェブのみ、米国のみでデータを絞り込み、以下に掲載しているように、アルゴリズムの変更の前後でデータの範囲を比較してみよう。
サイト全体が影響を受けているのか、または特定のトピックやページのみが影響を受けているのかのいずれかに該当するのか検討がつけば十分である。このアルゴリズムはサイトにとらわれず、ページレベルベースで特定の質のシグナルに注目するため、サイトが打撃を受けたと思いたくなるが、実際に影響が出ているのはサイトの特定のページである。
この変更の影響を大幅に受けているサイトでさえこの傾向が見られる。mahalo.comを例にとって考えてみよう。マハロは大幅にトラフィックを失ったと見られており、事実、既にスタッフの10%を解雇している(前兆は見えていたにも関わらず)。しかし、マハロは今でも[how to become a travel agent vermont](トラベルエージェントになる方法 バーモント州)等の一部のクエリで上位にランクインしている。
上位に格付けされているページを区別することで、このようなページの要素を影響を受けたサイトのページに適用する方法について多くのことを学べるはずだ。上位にランクインしているページに特徴がないなら、この類のページの改善を優先して、グーグルの次回の変更で影響を受けないように対策を講じておきたいところだ。
さらにこのデータを使って、ページの改善における優先順位をつけ、完全に改良する必要があるセクションと若干改良する必要があるセクションを特定することも可能だ。
このデータを使って次のような複数の作業を実施することが出来る:
上述したプレスリリースを配信したhealthcastle.comを例にとって考えてみよう。私は現在アルゴリズムの変更がいまだ行われていないオーストラリアで暮らしており(このエントリの作成時には)、Google.comのランキングは米国でパンダアップデートが行われる前のランキングと酷似していると思われる。ランキングのポジションはメトリクスとして優れているわけではないが、この例では、私はトラフィックのデータにアクセスすることが出来ないので、ランキングを利用する。
オーストラリアでは、このサイトは[acid reflux diet](胃酸の逆流ダイエット)で1位に格付けされていた。
このサイトが同じクエリで米国でも1位を獲得していたと仮定する。そして、現在、米国では、1位を獲得していたページは6位に格下げされている。
この格下げにより確かにトラフィックは減少しているはずだが、それでもトラフィックをいくらかもたらしているだろう。1ページ目を脱落するのではなく、6位へ降格した事実は、このページが少しの作業でこれ以上のダメージを避けることが可能な点を示唆している。
一方、クエリ [bill paying system](請求書支払システム)を見てみよう。アルゴリズムの変更が行われていないオーストラリアでは、このアソシエイティド・コンテンツのページは5位にランクインしている(ランキングがシフトする以前は、米国ではさらにランクが高かった可能性がある。なぜならこのページよりも上位にランクインしているページの一つは.com.auだからだ)。
米国では、このページは現在17位に格付けされている。このページをさらに詳しく見ていこう。
どのようなアドバイスが提供されているのだろうか:
このエントリの作者は、この“請求書支払システム”を作ってからは一度も請求書の支払いが遅れたことはないと結んでいる。このような知識を無料で教えてくれるとはなんて優しい人なんだろう。
サイトのオーナーに対するアドバイスをグーグルに求めると、次のような答えが返ってきた:
グーグルは常にオリジナルのコンテンツ、オリジナルのリサーチ、信頼できる情報、または、ユーザーのために価値を加えるその他の優れた手段を提供することがサイトにとってベストプラクティスだと伝えています。ユーザーが好むサイトまたは友達に教えるサイトは、グーグルが通常検索結果に反映したいサイトと一致します。「他のサイトが提供していない、どのような固有または魅力的な価値を自分のサイトが提供しているのか」を自問することが試金石となるでしょう。
グーグルは、以前サーチエンジンランドに次のように述べていた:
今回の変更によってマイナスの影響が出たと考えているサイトは、サイトの質を十分に評価するべきです。とりわけサイトの一部の質の低いページがサイト全体のランキングに影響を与えると言う点を肝に銘じておいてもらいたいです。
情報が多過ぎると思う人がいるかもしれないが、事実私たちは多くの教訓を得ることが出来る。この変更のニュースが初めて告知された際、検索に対する最適化を行う方法に関するアドバイスにどのような変更を加えようとしているのかメールで尋ねられた。私は以前とまったく同じアドバイスを送ると答えた。アルゴリズムのために最適化するのではなく、検索エンジンがアルゴリズムを介して達成しようとしている目標に対して最適化して、ページが検索者にとって最高の結果になるように心掛けるのだ。
先日のワイアードのインタビューの中で、マット・カッツ氏とアミット・シンガル氏がさらに詳細な情報を提供していた。両氏はカフェインインデックスの導入により、さらにウェブをクロールし、格納することが出来るようになったと述べていた。
問題が、スパムチームが巧みに対処してきたランダムな戯言から、散文作品のようなアイテムに移り変わった。しかし、コンテンツは浅はかである。「スパムより少しだけましな最低限のコンテンツ」と言っても過言ではない。
質の高いコンテンツと質の低いコンテンツを特定する問題を解決したとは明言していないが、利用することが可能な手掛かりを与える具体的なシグナルを策定している。
これは、とても難しい問題であり、まだ解決には至っていない。また、この問題を解決するには継続的な進化が必要である。私たちは出来るだけ科学的な解決策を望んでいたため、既に開発した標準的な評価システムを用いた。このシステムでは、基本的にグーグルは外部のテスターに文書を送信し、評価者に次のような質問を投げかけた: このサイトに快くクレジットカードの情報を登録することは出来ますか?このサイトが指摘する薬品を子供に与えようと思いますか? …このサイトは信頼に値すると思いますか?これが雑誌に載っていても許容出来ますか?このサイトは許容範囲を超える量の広告を掲載していますか?[グーグル]の仕事は、この場所のこの面の大半のアイテムは赤で、あの面の大半のアイテムは赤の反対だと言う点を指摘する基準を見つけることである。
グーグルの主張を噛み砕いて表現すると、この(およびその他の)アップデートによって悪い影響を受けないようにするためには、次のようなアイテムを持つサイトを構築するべきだと言い換えることが出来る:
引き続き好調のページ、そして、もはやランクインしていないクエリで現在高いポジションを得ていたページに注目してみよう。共通するパターンはあるだろうか?一部のクエリでは価値を提供しているとは思えないページが上位にランクインしているかもしれないが、好調のページに共通する点を幾つか見つけることが出来るはずである。
また、大きくトラフィックを減らしたサイトに注目してみると有益な情報を得ることが出来る。このようなサイトは、どのような要素を共通して持っているのだろうか?自分のサイトと似ているところはあるだろうか?
質が低いと考えているものの、今でも好調のサイトに注目したくなるものである。しかし、グーグルはこのアルゴリズムの変更は現在も進行中である点を明言しており、このようなサイトが今後も引き続き高いランクを保つことが出来るとは限らないのだ。
そのページはオリジナルのコンテンツで構成されているだろうか?それともその他のソースから集めたコンテンツまたは同時配信したコンテンツで主に構成されているのだろうか?私の偽の車のサイトでは、ディーラーに関するページは、多数の地域のディレクトリーサイトで複製されている事業の情報で主に構成されている。
healthcastle.comの場合、同じコンテンツがサイトの複数のページに掲載されている。
halthcastle.comの場合、このコンテンツは別のサイトにも存在する点に注意してもらいたい。プレスリリース(および「グーグルへの公開質問書」)では、その他のサイトが盗んでおり、自分達こそがオリジナルのソースだと主張している。グーグルはこの問題を解決するためのアルゴリズムのアップデートを先日実施しており、盗んだサイトがオリジナルのサイトよりも高く格付けされないことになっている(私がこのサイトをチェックした際、実際に上位にはランクインしていなかった)。しかし、グーグルの最新のアップデートがこの問題を完璧に解決しているわけではない。コンテンツ泥棒のサイトが自分のサイトよりも上位にランクインしていることを何よりも問題視しているなら、グーグルのウェブマスターディスカッションフォーラムに投稿してみる価値はあるだろう。この点については後ほど詳しく説明する。
自分のコンテンツを同時配信しているなら、もしくはライターがライター自身のサイトでも配信しているなら、rel=canonical属性の求められる利用方法を確認しよう。
オリジナルのコンテンツを用意するだけで満足するべきではない。十分な価値を提供する必要がある。そのページは、当該のトピックに対する最高の情報を提供しているだろうか?コンテンツよりも広告の方が多いだろうか?healthcastle.comのページは広告が非常に多く、これがランキングの下落に影響しているかどうかについては確証はないが、信頼に値する、有益なコンテンツよりも広告が遥かに多いことは疑いようもない。私は広告をサイトに掲載するべきではないと主張しているわけでも、広告を持つページは広告のないページよりもランクが低いと言っているわけでもない。ただ単にページがコンテンツではなく主に広告で構成されているなら、グーグルが規定する信頼に値する価値および魅力的な価値の基準には到底当てはまらないと言っているだけである。
ページ上のコンテンツについては、それほど悪くはない。しかし、2006年から一度も更新されていないため、情報が時代遅れになっている可能性がある。このトピックに関する新しいリサーチは存在するだろうか?この記事には2つの作り話と6つの推薦が掲載されているが、包括的と呼べるかどうかは判断が難しい。
このページよりもランキングが高いページとこのページを比較するにはどうすればいいのだろうか?一つ目の結果はabout.comのページである。about.comはコンテンツファームの可能性があるとして非難を受けている。
このサイトも広告を掲載しているが、コンテンツの方が量は多い。前回の更新は2010年の年末に行っているため、healthcastle.comのページよりも新しい医療の情報が掲載されていると考えられる。食べ物のリストは遥かに充実しており、多種多様な関連する情報源へのリンクも提供されている。ほぼ間違いなく検索者にとっては良質な結果と言えるだろう。
サイトのランキングが落ちたクエリについては、現在上位にランクインしているサイトに注目してみよう。サイトの部外者に見てもらえるなら、それに越したことはない。検索結果はどのように映るのだろうか?自分のサイトよりも上位に格付けされているサイトは自分のサイトと何が違うのだろうか?検索者に自分のサイトが提供する価値よりも高い価値を与えているのだろうか?
大きな影響を受けたサイトの一つ、ezinearticles.comは、最低ワード数を現在の250から400ワードに引き上げる計画を立てている。しかし、長さだけでは、価値の善し悪しを測定する基準としては不十分である。グーグルは、ウェブ全体から特定のクエリに関する最高の情報を提供しているサイトを識別しようと試みている。
集めたデータをページに用意して、上位にランクインすることは不可能ではない。しかし、オリジナルのソースに十分な付加価値を加える必要がある。クエリ[best cell phone rate plan](最高の携帯電話の料金プラン)を例に挙げてみよう。
変更の前後の1位の結果は、myrateplan.comのページである。このページは、大量にコンテンツを用意しているわけではなく、サイトの大部分は携帯電話会社から集めたコンテンツで占められている。しかし、このページで取り上げられているガイド機能はとても価値が高い。なぜなら、すべての料金プランの詳細をまとめ、有益な比較表および推奨を提供していためだ。
個別のページへのリンクの本数に注目すると、潜在的な価値を計測することが出来る。多くの人々がリンクを張っているなら、そのページの価値を認めている可能性が高い。
グーグルのウェブマスターツールズは、サイトで多くのリンクを集めたページのレポートを提供している(実態を把握するには、データをエクスポートして、単一のサイトからの複数のリンクを取り除く必要がある)。重要な情報を得るには、サイトに最も多くのトラフィックをもたらしているリンクに関するウェブ分析の情報とこのデータを組み合わせる必要がある。外部のリンクからのトラフィックが欠けているページには詳細な調査を行い、質を評価する必要がある。
ヤフー!のサイトエクスプローラによると、このhealthcastle.comのページには224本の外部リンクが寄せられているようだ(ただし単一のサイトからの複数のリンクを統合すると、本数は大きく減少する)。そのうちのどのリンクがユーザーがサイトを有益だと認めている指標なのかを判断するには、“本物”のサイトからの人間が実際に投じたリンクのみに絞り込むのが最も効果的である。そして、このリストを作るには、 – リンクがトラフィックをもたらしているかどうかに関わらず – このデータを用いることを勧める。
しかし、この情報を持っていないので、推測を交えて考えてみよう。suite101.com経由のリンクはどうだろうか?このページが検索トラフィックの94%を失った件に関するマット・カッツ氏の反応「suite 101には何年も前から注目している。suite 101に対するアルゴリズムの影響に関しては確固たる自信がある」を考慮すると、ほとんど価値があるとは思われていないだろう。
次のリンクはどうだろうか?: https://awccanadianpharmacy.com/blog/page/2/
(ブログのエントリの中間に配置されているバイアグラのリンクはなかなか面白い)
1杯用のコーヒーメーカーに関するページがなぜ胃酸の逆流に関するページにリンクを張っているのだろうか?外部リンクのプロフィールがこのページのリンクプロフィールと似ているなら、入念な調査が必要だ。このようなリンクはどこから寄せられているのだろうか?そして、なぜ、評判の高いサイトからのリンクはあまり寄せられていないのだろうか?
交流についてはどうだろうか?サイトがコメントを許可している場合、オーディエンスはサイトで活発に議論を行っているだろうか?ソーシャルメディアサイトでコンテンツを共有しているだろうか?
リンクが少なく、交流がない状態で、コンテンツの質が高い場合、従来型のマーケティングの経路(プレスリリース、ブログのゲスト投稿等)およびソーシャルメディアの経路(例えば、当該のトピックに関するディスカッションが行われているフォーラムを探し出し、質問に答える)を通して、認知度を上げる努力を行おう。
ウェブの分析データを見てみよう。検索からの直帰率は高いだろうか?高いなら、検索者のサイトの第一印象は悪く、検索結果に戻って別のリスティングをクリックしている可能性がある。サイトに世界で一番有益で魅力的なコンテンツが掲載されていても、広告が多過ぎて、デザインが悪くて、または、その他の要素が原因で、ビジターにその点が伝わらないなら、ビジターはサイトをすぐ去ってしまうだろう。
トピックのクエリに対する検索結果のクリックスルー率は変動しているだろうか?グーグルのウェブマスターツールズが提供する、上位にランクインしていたクエリの2月24日以前のデータを調べてみよう。クリックスルー率はどうだっただろうか?検索者がリスティングをクリックしていなかったのなら、その理由、そして、クリックを誘うタイトルおよびページのメタデスクリプションで改善する方法を調査してみよう。
ビジターは平均でどのぐらいのページを閲覧しているだろうか?関連するコンテンツを確認したり、サイトの構造および内容を理解したりすることが可能なナビゲーションを提供しているだろうか?
サイトはリターンビジターを多く抱えているだろうか?サイトがオーディエンスの関心を引くことも、喜ばせることも出来ていないなら、何が足りないのだろうか、そして、この点を変えるためにどのような対策を講じることが出来るだろうか?
このエントリの冒頭で述べたように、サイトのデータを確認する際に、他のページよりも大きな影響を受けているページは存在するだろうか(先程例として紹介した平均で600のランキングを失ったページは有力な候補である)?このようなページをチェックして、簡単な変更で改善することが可能かどうかを評価しよう。
改善できる可能性が低いなら、質を改善するためにリソースを集中して費やす準備が出来るまでは、ページを削除する、またはrobots.txtを使ってブロックすることも考慮しよう。robots.txtを使ってブロックする手法は、ページが他の経路からトラフィックを獲得し、収益を上げている場合に役に立つ。一方、ページを削除する手法は、サイト全体の信頼性に害を与えている場合に推奨する。
アソシエイティド・コンテンツの請求書支払システムの記事のような一部のページは、完全に削除した方が良い結果をもたらすだろう。
この時点で、取り組みに対する戦略的な決定を行うためのデータを既に十分に蓄積しており、次の点を把握しているはずである:
また、ランキングの低下を引き起こしているであろう問題を大体把握しているのではないだろうか。もっとオリジナルのコンテンツを必要としているだろうか?もっと有益なコンテンツが必要だろうか?交流を活発化し、リンクを集めるためにコンテンツの知名度を上げる必要があるだろうか?
若干トラフィックが落ちたセクションおよび改善可能なセクションから始めよう。一貫したパターンが見られるなら、コンテンツの作成、サイトのデザイン、そして、ビジターとの交流に対するプロセス全体をどうすれば変えることが出来るのか考えてみる必要がある。
大きくトラフィックが減ったコンテンツを特定した後でさえも、目立った質の問題を見つけることが出来ないと言うのが、この見直しに対する最初のリアクションになる可能性がある。この場合、客観的な視点を持つ第三者からのフィードバックを得よう。グーグルが策定した疑問と同じ疑問に答えてもらうのだ:
オーディエンスに価値を与え、検索トラフィックだけでなく、リターンビジター、コンバージョン、そして、ロイヤルティを高める方法を学ぶ良い機会かもしれない。
ディスカッションのスレッドの多くで、サイトのオーナー達は、サイトに変更を加えた後に再審査リクエストを投稿するべきかどうか悩んでいた。今回のアップデートは検索の質に対するアルゴリズムの変更であり、ウェブマスターのガイドラインの違反に対して特定のサイトがペナルティーを受けているのではないため、再審査要求は基本的には相応しくない。しかし、サイトの評価を行っている際に、ウェブマスターガイドラインの違反を見つけ、修正を行ったなら、再審査リクエストを行う権利がある。
上述した分析をすべて行い、コンテンツに対する質の問題が見出せなかった場合はどうすればいいのだろうか?泥棒サイトが自分が作ったコンテンツの検索結果で自分よりも上位に格付けされている場合はどうすればいいのだろうか?先程も申し上げた通り、グーグルはウェブマスターディスカッションフォーラム内でスレッドを用意しているので、詳しい情報を提供しよう。
このルートを辿る前に、たとえグーグルが巻き添えであり、この変更の影響を受けるべきではなかったと認めたとしても、すぐに元通りになるとは思わない方が良いだろう。これはアルゴリズムの変更であり、全体的な検索の質は改善されたとグーグルは明言している。特定のサイトをターゲットにしているわけではなく、ウェブに存在するシグナルに依存しているため、グーグルはサイトのランキングを個別に元に戻すことは出来ない。また、変更を元通りにすることもない。そうではなく、今後も継続的に改善を続ける上で、このスレッドの例を参考にしていくだろう。
事実、グーグルは次のようなメッセージを送っている:
これはあくまでもアルゴリズムの変更であり、例外を作ることは出来ません。しかし、質の高いコンテンツに関しては、例としてエンジニアに渡すことが出来ます。その後、エンジニアは今後の繰り返しおよびアルゴリズムの改善を行う上で、この事例を参考にするでしょう。
これは特別なケースであり、パンダアップデートは元々考えられたほど大きな変更ではないと理解している人もいる。残念ながらこれは的を射ているとは言えない。グーグルは1年間に数百回アルゴリズムを調整しており、その度にユーザーの行動とフィードバックに基づいて改善を継続して行っている。事実、主にこの類のフィードバックを得るために、私がグーグルで働いていた際にウェブマスターのディスカッションフォーラムとウェブマスターのトレンド分析の役職を作ったのだ。検索エンジニアはこの情報を使って特定の例に注目し、改善を行っている。
自分のサイトが純粋に巻き添えを食らったと考えているなら、恐らく憤りを感じているだろう。しかし、怒りにまかせて綴ったエントリよりも、合理的で客観的なエントリの方が役に立つ。ランキングを失ったクエリやURL等、具体的な情報を含める必要がある。コンテンツが盗まれているなら、例を指摘しよう。このエントリで紹介されている分析および評価の中で実施したものを挙げ、例のクエリに対して現在上位にランクインしているページで、自分のページがどのように価値を与えているのかを論理的に説明しよう。
感情的な言葉や過剰に自分を守ろうとするのは良くない。グーグルにアルゴリズムを変更する方法を伝えるのではなく、事実を伝えること。例えば、スレッドの1本目の投稿には、「今回の取り組みはインターネットの民主主義に違反している」と言う意見が含まれている。これは主観的な意見であり、グーグルに有益な情報を与えるものではない。
単純にグーグルにサイトの評価や再審査を要求したり、自分のサイトは質が高いと主張しても埒が明かない。具体的な例を挙げよう。例えば、次の投稿はグーグルに何ももたらさない:
「上位(1位-2位)の検索エンジンのランキングが数段階もしくは数ページ落ちているケースが多発している。これは私たちのウェブサイトの収益に破壊的な打撃を与えている。見直してもらいたい。」
そして、次の投稿にも目を通してもらいたい。気持ちはよく分かるが、スレッドの意図を無視している:
「私のサイトを調べて、何が悪いのか教えて欲しい。」
一方、次の投稿は、現実的で詳細な情報を提供している:
例えば、私たちはCBSの番組「ザ・グッド・ワイフ」の最新のエピソードのレビューを綴っていました。
https://www.daemonstv.com/2011/03/02/the-good-wife-great-firewall-review/
以下のキーワードで3ページ目にランクインしています:
“THE GOOD WIFE “Great Firewall” Review”
しかし、私たちのフィードを盗んでいるサイトが同じキーワードで1ページ目に掲載されています
https://earlytopnews.com/entertainment/the-good-wife-%E2%80%9Cgreat-firewall%E2%80%9D-review.html
また、アドワーズにいくら投じたのか、またはアドセンスで取り上げられたことに言及しても意味はない。グーグルのオーガニック検索の結果は、アドワーズやアドセンスとの関係の影響を受けないからだ。
サイトの改善するセクションを特定し、改善を行ったら、検索結果で変化が見られるだろう。グーグルはサイトを再びクロールし、再び分析しており、改善を基にしたページに関連する新しいシグナルが、今後の格付けに利用される。
サイトが巻き添えを食らったと感じ、グーグルが同意している場合でも、いつ変化が現れるのかを推測するのは難しい。グーグルは、“数週以内”に変更を行うと述べているが、現実として、検索エンジニア達は常にアルゴリズムを調整しており、この取り組みは長期間に渡って繰り返し行われる。グーグルは、フィードバックに目を通し、大規模なパターンを特定し、その後このような課題を優先的に対処する。
サイトを改善する際には、その他の経路を最大限に活用し、既存のカスタマーベースでロイヤルティを創り出す努力を怠らないようにしてもらいたい。顧客にサイトに何度も戻って来るべき理由を与えるのだ。そして、“他のサイト、ソーシャルメディア、そして、オフライン”のオーディエンス候補に接触しよう。検索に左右されない包括的な戦略を実行すれば、ウェブが持つ常に変化する特徴には付きものの“山あり谷あり”を切り抜けることが出来るだろう。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Your Site’s Traffic Has Plummeted Since Google’s Farmer/Panda Update. Now What?」を翻訳した内容です。
私がこれ以上ぐだぐだ言う必要もない、流石サーチエンジンランドといえる気合いの入ったスペシャルな記事でした。パンダアップデートが導入される前でもこれを読んで自分のサイトのリスク度はある程度計算できそうです。その上でまさかの時の対処法も事前に考えておきたいところです。 — SEO Japan
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。