コンバージョン改善に関するイベントが2日間もあるということ自体、アメリカのウェブマーケティングのレベルの高さを感じますが(最も去年から始まったばかりみたいですが)、さてどんな内容になるのか。
キーノートのスピーカーはイベントの主催者でもあるティム・アッシュ。SiteTuners.comというコンバージョン改善に特化したマーケティング会社のCEOです。
まず最初の会場にアンケート。「コンバージョン改善に特化したポジションの人はいる?」数十人挙手。「去年は同じ質問で一人もいなかった。すごい進歩だ!」
以下、内容。
ソーシャルメディアランドスケープ。様々なプラットフォームをユーザーが行き来している。複雑。
「ソーシャルメディアの専門家」はたくさんいるが。。
ソーシャルメディアは本当に新しい存在なのか?
ソーシャルメディアは People 、我々自身に関することだ。
テクノロジーでは無い。
オランウータンから未開地の部族まで常にソーシャルだった。
「ソーシャルネス」に限界はあるか?
150のルール。150前後に人の集団までは、人々がダイレクトな関係やロイヤリティをお互いに感じることができる。それを超えると不可能。
実際に、軍隊のユニットやクローズドな社会で生きている宗教グループも150人以下になっている場合が多い。
ソーシャルの交流で人々は何を価値を見出すか?
人々が望まないこと。
・信じていることや言葉、行動が合わない。
・混乱。
「Consitency」、一環していることが重要。
コミットメント。
人々は一度考え方や意見を決めると、例えばプレッシャーになったとしても、それに基づいて行動しようというコミットメントをする。 – Dr. Robert Cialdni
コミットメントについて。
・毎日の生活をシンプルに生きやすくする。
・覆すことが難しい。
・より大きなコミットメントにつながることが多い。
ディズニーの最大のコミットメントは「ゲストの安全」。
最も価値のあるコミットメントは?
・ボランティア(自発的)
・パブリック(公共性)
・小規模
人々はコミットメントに自発性、公共性を持たせることで価値を見出す。
———
上記から導き出される、ソーシャルメディアのコンバージョンにつながる手法は?
1. 共有を簡単に
興味がある人々の前にトリガーを置くことが重要。
人々が行動を起こすには、モーティべーション、アビリティ(行動の実現性)、そしてトリガーの3つが同時にあることが重要。行動が起きない時はそのいずれかが欠けている。 – スタンフォード大学パースエージョン研究所
例えばラジオで募金を募集しても車を運転している最中なら募金したくでもできない。
ウェブの例。アウトドア通販のREI。商品ページに、FacebookのLikeボタン。5段階の評価ボタン。メール送信。ソーシャルの共有ツールを全て提供。
5つのマイクロコンバージョン
・Facebookのいいね!ボタン
・ツイート
・レビューを書く
・商品サービスの評価
・別のサイト内ページに移動
2. オンラインビデオでPC体験に人間性を
インターアクティブメディアの市場は急成長している。ビデオゲーム、オンラインビデオ広告。特にオンラインビデオ広告の市場は急成長中。
新しいツールも登場。ビデオをウェブに統合することで、新たなインターアクション。通常の企業サイトでビデオによる商品サービス紹介。バーチャルキャラクターによりインターアクティブなサイトナビゲーション。
コンピューター上の体験を「ヒューマナイズ / Humanize」する。うまく使えばコンバージョン改善に大きく貢献する。
3. ソーシャルプルーフを示す
Social Proof、、ソーシャル上での証明。証拠。
インターネットラジオのPandora。Facebookのユーザー情報をパーソナライズ化に利用し、おススメと思われる曲を流してくれる。ソーシャル上のデータを利用。
Firefox。ダウンロードしたユーザー数を表示。圧倒的なダウンロード数を表示することで、信頼性をアップ。ホームページの世界地図で現在ダウンロード中のユーザーがいるエリアを表示。
4. 幅広く、深く測定する
リーチ&エンゲージメント。
下記のスニーカーブランドでどこが一番Facebookのファンが多いか?
Converse
Nike
adidas
puma
newbalance
Converseが圧倒的。ただしエンゲージメント率はnewbalanceが高い。一つの数値だけで評価することは危険。
バージンレコードがFacebookとTwitteで写真コンテスト。コンテスト後、エンゲージメント率が3倍になった。
様々なデータを取って分析することが重要。
5. 大量コンテンツの効果的なフィルタリング
Facebookは全てのウォールイベント中、全体の0.8%しか表示いない。つまり大半をフィルタリングしている。
Googleは検索結果の順位で情報をフィルタリングしている。1ページ目に表示されなければクリック率は圧倒的に下がる。
大量のコンテンツをいかに効果的にフィルタリングするかが重要。
ソーシャルメディアの意味を理解しようという前半の話と具体的な手法を紹介した後半の話がありました。個人的には前半の話が特に印象に残りました。今回の震災とあわせて色々と考えさせられることが多かったです。コンバージョン改善のためにソーシャルメディアを理解する、という話でしたが、逆にソーシャルメディアの可能性を強く感じたスピーチでした。後半の具体的な話も一つ一つは基本的なことでが、こうしてまとめてくれると体系的に理解できますね。 — SEO Japan
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