つい先日、私は検索業界でちょうど9年間の節目を迎えた。つまり、現在SEMで10年目を過ごしている。
私はマーケティングすら行っていない自分の会社のためにオーバーチュアでキーワードを購入する行為から始め、その結果、eコマースのアクティビティ、そして、代理業者の世界へと進んでいった。
結婚したような気分である…楽しい時期もあれば、辛い時期もある。素晴らしい時期もあれば、心が折れそうな時期もある。私は検索ビジネスを始めた際とは全く別人となり、検索ビジネス自体も全く別物になった。
私達は共に過去の10年間で大幅に進化を遂げた。そして、私達はともにこのビジネスがどこに向かっているのか分かっていない。素晴らしい妻が大きな笑顔で相棒の成功を見守っているような気分だ。
私はこの10年間で – 通常はミスすることで – 多くのことを学んだ。そこで今回の投稿では、10年間で得た見解を挙げていく。検索業界に参入したばかりの人達には、私のように苦労することなく、学んで欲しい。
目次
これは最初の数年間で学んだ最高の取り組みの一つである。有料検索での全ての取り組みは、テストと分析を待つ実験である。不変の戦略は存在しない。ベストと考えられる結果も存在しない。パフォーマンスは賢くなればなるほど改善されていくのだ。
この見解を得たのは、2008年に協力したSearchRevのおかげだ。SearchRevの有料検索管理ツールは、私にとって、各広告またはキーワードに複数のランディングページをローディングさせる初めてのツールであった。
複数の広告をそれぞれのキーワードに対してテストするように、複数のランディングページをそれぞれのキーワード/広告の組み合わせに対してテストするべきである。- そのレベルでコンバージョン率は確実に影響を受け、最適化されるのだろうか?
数年が経過し、有料検索における最小のレベルは: キーワード + マッチタイプ + 入札 + ジオターゲット + 広告 + ランディングページのように変わった。
キーワードを最小の単位として取り扱うなら、無骨なハイレベルの調整をキャンペーンの要素に行うことなり、その結果、アカウント全体にマイナスの影響が広がってしまう可能性がある。
リサーチ、キーワードの構築、広告グループとキャンペーンの分類等、SEMの面倒な作業の一部は、アカウントの成功と管理に多大な影響を及ぼす。リサーチに充分な労力を費やすと、見出した見解がキャンペーンの実施中に見返りとなって返ってくるだろう。
リサーチを過度に行い、確実に十分にリサーチを実行した点を裏付けることがある。始める前に広告グループとキャンペーンを構築した仕組みについて熟慮することで、今後のレポート、分析、そして、最適化の効率が上がる。
数年前、この見解をコラムの中で詳しく説明したが、私の有料検索の管理へのアプローチは今も変わっていない。
ショートヘッドは、資金とコンバージョンの大半を動かす上位のほんの一握りの用語 ? 通常、ブランド用語と製品の用語を指す。ショートヘッドの用語を毎日自分でチェックしよう。アカウントに多大な影響をもたらすからだ。
ロングテール(少なくともクリス・アンダーソン氏のオリジナルバージョンからSEM業界で価値を下げたバージョン)は1ヵ月に最低限の検索が行われる数百(または数千)のキーワードを指す。通常、自動最適化テクロノジーを備えたテクノロジーによるソリューション、または管理ツールが、ロングテールの用語を処理するため規模に合わせて活用される。
ファットミドルの用語は、ショートヘッドとロングテールの中間である。ファットミドルは必ずしも毎日チェックする必要はないが、アカウントにとっては重要であり、定期的に注目する必要がある。
優秀なSEMのプロであっても苦戦するポイントである。数ヶ月を費やし(数年ではないなら)、アカウントが改善され、上司(またはクライアント)の度肝を抜いたと仮定しよう。すると、これ以上利益を絞りだせないと考えてしまう。とりわけ、あまりパフォーマンスが芳しくないその他のアカウントを最適化しなければいけない場合は尚更だ。
私の会社でこの問題を解決するため、キャンペーンの開始時、または継続中のアカウントに定期的に最適化計画を立案するようにしている。最適化チームは、アカウントが当該の週に予定されていた最適化を行う必要がないと感じたら、メニューから外すことが出来るが、さらに優れた取り組みを代わりに行わなければならない。
これも初期に学んだベストプラクティスである…この業界は変化が激しく、何も起きていなくても最新の状況を把握していなければならない。
これは、グーグル、そして、アドワーズの積極的なロードマップのおかげだ。グーグルのイノベーションスケジュールは常軌を逸しており、同社の製品は毎年パワーアップしているように思える。また、デジタルマーケティング業界が成長し、進化するにつれ、検索が活用される方法、そして、検索に対する受け止め方に影響を与えている。
SEMのベンダーの評価を上手に行い、販売されているツールと利用可能なツールを把握する。アドワーズとアドワーズのエディターだけでも有料検索を実施することは可能だが、利用可能な高度なツールを使わない場合、大きく制限を受けてしまうだろう。無料で利用することが可能なサービスもある。昨年私が投稿したキーワードツールの巨大なリストを参考にしてもらいたい。
数年かかってようやく分かった。新しいツールを使い始めると、学ぶことが多く、そして、他にも実施しなければならないことがあり、ツールの搭載プロセスを廃止したくなる。
しかし、私はこの考え方を180度変えた。搭載プロセスに起こる過ちはトレーニングを積めば回避することが出来る点を学んだからだ。また、時は金である。新しいツールを何らかの理由があって導入しようとしているのだろう。理由が何であれ、出来るだけ早くマスターしたいところだ。
エクセルを卒業することに成功した一握りのラッキーな人達には敬意を表する。しかし、私達の大半はスプレッドシートに時間を割かなければいけないだろう。
そのため、組織内の全員(清掃員は別)にエクセルをマスターする義務が生じる。私達はオンデマンドのエクセルのトレーニング動画をOJTに加えて利用している。
今日の同僚が明日にはクライアントになっている可能性がある。ある検索サービスのトップが違う別の検索サービスに来年移籍している可能性がある。これは狭い検索業界ならではの特徴であり、業界誌を読み、業界の動向(雇用/解雇/買収等)を把握し、そして、カンファレンスに参加する価値はある。
最も重要なのは、グーグルには優しく接することである。
私は多くの問題を抱え、数年もの間、問題と格闘してきたが、検索=グーグルの構図は今も、そして、今後しばらくは変わらない。グーグルと歩調を合わせるのは苦しい時もあり、私自身も辛い思いをしたこともあるが、検索マーケティング業界で働きたいなら、ビッグ Gと良好な関係を築く必要がある。幸いにも私とグーグルとの現在の関係は以前よりも良好である。
基本的にはグーグルも人間で組織され、優秀な人物を雇用する1企業に過ぎない。通常、個人ではどうしようもないポリシーに関する問題が多い。そのため、グーグルに助けてもらえない状況では、彼らもまたフラストレーションを抱えているのだ。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「My Top 10 Insights From 10 Years In Search」を翻訳した内容です。
検索業界に絞って書いていますが多くのことは、どんな仕事でも当てはまることも多かったですね。気付いてみれば私も15年近くネット業界におり、検索に主軸を移しても10年近く立っていますが、、、これからも学び続ける日々は続きそうです。 — SEO Japan
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