パッケージは、製品を棚から取って買い物かごに入れさせるのに非常に重要な要素であるが、それをさせるのに革新的なデザインに勝る方法があるだろうか?私たちは、これまでも様々なクリエイティブな容器を目にしてきたが、ここで紹介する15個のパッケージは創作力を全く新しいレベルへと連れて行く。これらの商品は鮮やかに身を包まれているだけでなく、そのデザインはパッケージと商品自体の境界線をぼやかしている。既成概念にとらわれず考え、アーティスティックな境界線を押し広げることによって、これらのビジネスは、全くユニークなものを生み出したのだ―それがとてつもなく魅力的であることは言うまでもない。
目次
パッケージが素晴らしいという理由だけで、私たちはこの日本製のブラックメロンパンを買ってしまうだろう。このデザインは、そのクリエイティビティとユーモアで客を驚かせると同時に喜ばせる。ユニークなものにすることで注目を集めているのだ。Packaging.comは、消費者の圧倒的多数は店にいる間にその場で特定の商品を購入することを選択すると述べている。ほんの2.6秒で、彼らは製品を手に取るかどうかを決めるのだ。だから、“私を選んで!私を選んで!”と叫ぶパッケージが極めて重要なのだ。
血を吸うことも、このフルーツ味のエナジードリンクのおかげで美味しくなった。このドリンクは血液と同じ色と濃度を持つだけでなく、私たちの血管を流れている赤いものと似たような栄養成分が入っている。Harcos Laboratoriesは、ニッチな市場を見つけて、“ポップカルチャーを現実のものにすること”を可能にする食べ物や飲み物を作っている。点滴バッグに入った鉄分と電解質とプロテインとカフェインでいっぱいの恐ろしいエナジー・ポーションは、バンパイアファンのために作られた。それはハロウィンにもうってつけだ。点滴バッグなしでは、この商品はこれほど魅力的ではなかっただろう。
ドイツの広告代理店Kolle RebbeがThe Deli Grageとチームを組んでパルメザンチーズ・ペンシルを作った。新しく思い付かれたこの書く道具には、チーズを削る鉛筆削りまでついてくる。また、バジルソースかチリかトリュフで作られた黒い中心部分が特徴的だ。デザインの銀獅子賞を獲得したこのペンシルは、すぐに売り切れ完売となった限定版だった。2011年10月、Deli Garageは、いつかもっと広範囲にこのペンシルを売り出したいと思っているという投稿をブログに書いたが、そうするために必要な国際的な食品、流通、包装の規制に対応するにはしばらく時間がかかるだろうと付け加えている。
ティーバッグのラベルは、カップの中に落ちるという苛立たしいクセを持っているが、このクリエイティブなアイディアがその問題を完全に解決する。目新しいことが、このアイディアの主なセールスポイントだが、色分けされたハンガー(フレーバーによって異なる)に付いたTシャツの形をしたバッグが、お茶を飲むという体験に全く新しい側面を追加する。“形は人々の知覚価値にとても強力な影響を与える”と、シカゴを拠点とするDistant Village Packagingのプレジデント、Rich Cohenは言う。これが理由で、あるビジネスオーナーは、自分のメープルシロップをお酒のボトルに入れて販売することにした。それがより洗練されたハイエンドな商品であり、ただパンケーキにかけるだけものではないことを伝えたのだ。
このクリエイティブなパッケージのアイディアは、ウクライナの広告代理店MEXの発案だ。あるジムが常連客を増やしたがっていたため、MEXがパン屋と手を組んでこれらの高プロテインのシックスパック・バンズを作って地元商店で販売したのだ。パッケージの内側は、このワークアウトセンターへの無料クーポンになっていた。発売された最初の月におよそ3,000個のフィット・バンズが売れ、658人の無料トライアルを呼び、217人のメンバーシップ購入をもたらした。今、それは私たちが効果的なビジネスアイディアと呼ぶものだ―それは店にとっても、ジムにとっても、客にとっても良いことだった。
イギリスを拠点とする会社、Chocolate On Chocolateが作ったこの美味しいピルは、“Doctor Indulgence(医者の甘やかし)”と書かれた薬箱に入っている。30粒のピルが入った箱には、このピルは病気の友人や楽しいことが好きなチョコ中毒にぴったりのギフトだと書いてある。最高なのは、一日当たりの推奨服薬量を越えてもいいことだ。ミルクチョコまたはダークチョコ味のこのピルは、どんな人の気分も盛り上げることは間違いない。それに、もしピルだけでは物足りない場合は、チョコレートのバンドエイドやチョコレートの体温計などを備えたこの会社のファースト・エイド・キットを買うことができる。
フィンランド出身でPacklabのデザイナー、Anni Nykanenが、油っぽい電子レンジバッグに手を突っ込む必要性をなくして上品さと洗練さを加えたこのしゃれたポップアップ・ポップコーンを生み出した。パッケージに機能性を加えることが、さらに心を引き付ける役割を果たし、この製品をもっと価値のあるものにしている。Orville RedenbacherのGourmet Popping Cornもポップアップ・ボールのコンセプトを思い付いたが、Nykanenほどには洗練されていない。アイルランドのポテトチップ会社、Boxerchipsも大皿としても使えるポテトチップの袋を提供している。
The Deli Garageから生まれたもう一つのクリエイティブなパッケージのアイディアが、この完璧なパスタ・ツールボックスだ。オーストラリアの家族経営企業によって作られた、セモリナとオーガニック卵でできたこれらのパスタは、美味しいソースがたっぷりかけられるのをただ待っている。この面白いとっぴな商品が魅力的なのは、それが他とは異なるからだ。そして、それこそがまさにThe Deli Garageが目指していることだ。オイル交換のようなオリーブオイルや、塗装スプレーのようなフードスプレーや、チョコレートのりなどのDIYにインスパイアされた目新しい食品を提供することによって、The Deli Garageは料理を楽しいものに(もしかするとより男性っぽいものに)する。
広告代理店Envisionが、オランダの一流パン製造会社のKohbergのために、この革新的なパッケージを作った。Kohbergは、ライ麦パンの収益の1パーセントをオランダがん学会の乳がんイベントに寄付する。これらの“胸をサポートする”パンは、乳がんの認知と製品の売上を増やすためにデザインされた。このアイディアは、クリエイティブなパッケージが企業と大義のためになるということを示す。同様に、商品を包装する地球にやさしい素材は、ブランドイメージと認知を向上し、あなたの商品を購入することに関して人々を良い感情にさせることができる。
台湾のHow Sweet Bakeryは、卵の殻を使うことによって、パッケージをクリエイティブで環境に優しくエッグプリンに完璧にフィットするものにした。その結果は、見た目にも可愛らしくて楽しい。この会社が、卵の殻のパッケージのコンセプトを現実にするのはそれなりに大変だった。卵を潰さずに上の部分だけを切り取る特別な機械を手に入れなければならなかったし、生後350~500日のニワトリが生んだ卵しか使えなかった。それ以外のニワトリの卵は品質と厚みに一貫性がなかったためだ。2012年にこの工場を見学したブロガーによると、生産から最初の3年間でHow Sweet Bakeryは4200万個以上のプリンを販売した。
子どもはアルファベットのスープが大好きなのだから、大人はアルファベット・トウフに惚れないわけがないでしょう?学生のJean-Maxime Landryが、授業の中でこのクリエイティブな豆腐パッケージのアイディアを思い付いた。このアイディアは、豆腐は味が薄くてつまらないけれど、それを文字にすると急に親しみやすくなるしもっとそれを使いたくなる気がするという、Landryの物思いから生まれた。広告世界でも、大胆でユニークなパッケージが人々の注意を引くのにとても役立つと信じている。結局のところ、豆腐の退屈な塊か、QやOの形を食べることになると、自分達がどちらを選ぶことになるのか私たちには分かっているのだ。
このチャーミングなノーム・ブレッドはシンプルだが効果的で、クリエイティブなパッケージのアイディアが必ずしも複雑もしくは高価である必要はないことを示している。秘訣は大胆になること。しかし、うまく目立つことは、私たちの多くが想像する以上にデリケートで微妙な課題だ。ボルチモアにあるプライベートリサーチ大学のビジネスプロフェッサー、John Hopkinsによる2011年の調査では、一部の消費者は大胆に包装された商品を、退屈なライバルよりもずっと効果的だと感じたことが分かった。それ故に、彼らはより節約してそれらを用いた。そのことが長期的な売上に影響した。この結果は食料品には当てはまらないかもしれないが、これは企業が気が付くべき目立つパッケージの1つの結果である。
トイレ用洗剤や虫除けスプレーとは違って、一般的には、食べ物と飲み物は、効果があると宣伝される必要はない。銃の形をしたテキーラは、客を酔わせるのに成功すると豪語する必要はないのだ。セールスポイントは、テキーラを人に(自分に)向けて撃って楽しむことだ。この限定版テキーラピストルは、メキシコの名高い酒造会社Licores Veracruzを所有するVillanueva-Barraganファミリーに対する敬意を表して作られた。
最終的には、食べ物と飲み物の価値は、味と栄養と楽しみの中にある。その他の企業に対しては、John Hopkins調査団は、商品の効果を誇大宣伝しすぎずに販売を促進する広告を使用することを勧めている。そのような方法なら、消費者はその製品を購入したい気になり、自分がそれを使うことを抑制することもない。
この賢い製品デザインは、言葉遊びをしているだけでなく、デザイナー経験とユーモアのあふれる方法でペパーミントを提示する。恐らく、商品をお金と比較することは、消費者にとってミントをもっと価値のあるものに思わせることを目的としているのだろう。オンラインビジネスコミュニティMeylah.comは、パッケージは第一印象として重要で、製品そのものと同じくらいに楽しいものであるべきだと言っている。デザイナーのCory Etzkornは、このユニークなペパーミントのデザインを手がけ、これらの“連邦準備金ミントには、2種類の味があり、あなたの内なる資本主義者を満足させること間違いない”と述べている。
ボトルを手でつかんでゴールまで走るのはかなり大変なことがある。そのことを踏まえて、ロンドン在住のデザイナー、Cadu Gomesは、ゲータレードのためにこの便利な解決策を思い付いた。このボトルは簡単に握れるようにデザインされていて、ゲータレードにあるパワーとブランディングを伝える。その結果は、説得力があり、人目を引き、奇抜である。
この事例は、他の全ての例と同じように、もしビジネスが大勢の中から目立つことを求めていて、過密した商品棚で注目を得ようと画策しているのなら、パッケージが必要不可欠であることを示している。
この記事は、Business Punditに掲載された「15 Most Creative Food Packaging Designs」を翻訳した内容です。
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。