コンテンツファームによる、コンテンツSEOで一世を風靡、日本に比べればはるかに基準の高い米国市場で上場したDemand Media、Googleの度重なるSEO対策で一時は順位、トラフィックはもちろん売り上げ&利益も激減し、大丈夫か?!という感じだったのですが、ウェブマーケ&収益化手法も多面化したことで最近また復活しつつあるようです。今回はそんなDemand Mediaが語る最新のウェブマーケティング手法とその効果について。SEOマニアからメディア運営者、広告代理店まで誰もが気になる(べき)内容かもしれません?!– SEO Japan
今週、ディマンドメディアが第2四半期でウォールストリートの予測を上回る収益を上げていることが判明した。コンテンツアグリゲータ(“コンテンツファーム”と呼ぶのは止めよう)であり、eHow、リヴストロング、そして、クラックトを所有するディマンドメディアは、一年前にIPOを行って以来、初めて若干ではあるものの利益を計上したことになる。同社は、その成長を多くを、従来型のメディア企業が今でも消費者および広告スポンサーを巡る競争相手と考えているソーシャルメディアのおかげだと指摘している。アドエクスチェンジャーは、ディマンドメディアのチーフレベニューオフィサー(CRO)のジョアン・ブラッドフォード氏、そして、同僚の広告ソリューション & ブランドマネージメント部門のシニアバイスプレジデントを務めるピーター・ルトレル氏に話を聞いた。因みにルトレル氏はディマンドメディアが昨年約1400万ドルで買収したインディークリック・メディアグループでCEOを務めていた。
アドエクスチェンジャー:何が ディマンドメディアの第2四半期の収益を改善に導いたのですか?
ジョアン・ブラッドフォード: 私達は昨年複数の分野に特に力を入れました。まず、消費者への品質の高いコンテンツおよびユーザーエクスペリエンスの提供、そして、広告スポンサーへの優れた環境の提供です。ディマンドメディアのミッションはとても単純であり、消費者が実際の生活で何をしているのかを理解する上で力を貸すことです。私達は、生活を改善するためのインスピレーションを見つけ、望んでいた事を実現し、個性および日常生活を反映する情報を共有するスペースを作る取り組みを行っています。
eHow、リヴストロング、そして、クラックト等のディマンドメディアのサイトだけでなく、USA トゥデイやL’Oreal等の協力する外部のサイトでも、消費者のエンゲージメント(参加/交流)は大幅に改善されました。また、ディマンドメディアは、コンテンツを提示する方法にも変更を加えています。例えば、私達はeHow テック、そして、有名な母親ブロガー、つまり私達がつながりを持つ人達と動画のシリーズを作りました。同様に、利用可能なテックガジェットを全て使って“人が生活できる洞穴”を作りたがっている男性とも動画シリーズを作成しました。私達は昔からソーシャルメディアを用いていますが、特定の専門知識を持つ人を採用することで、そして、動画を増やすことで、広告の取り組みを拡大することに成功したのです。
さらに複数の広告のフォーマットも加えていますが、何を提供するべきかに関してどのように決断を下したのでしょうか?
ピーター・ルトレル: 私達がインディークリックからディマンドメディアに持ち込んだものの一つが広告プラットフォームと広告のフォーマットです。インディークリックは、ディマンドメディアに9つの広告フォーマットをもたらし、eHow、リヴストロング、、そして、クラックトでこれらのユニットを採用することを望みました。モバイルや動画を含む、全てのディスプレイのフォーマットに対応したかったのです。インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロでは、ライジングスターズの広告ユニットに関して大きな動きがあり、ディマンドメディアでは、ディスプレイにおいて こういったユニットの全て対応したかったのです。
前四半期では、私達は13個の新たな広告フォーマットをディマンドメディアの人気のあるサイトで立ち上げました。その中でも特に勢いがあるのがソーシャルイニシアチブです。私達はシーシャルを広告内に搭載可能な機能と見ています。ディマンドメディアは、ブランドが市場で提供しているフェイスブック、ツイッター、そして、ピンタレストのフィードを集めて、リッチメディアの広告ユニットとして配信することが可能な“ソーシャルフィード”を含む3つのソーシャル統合製品を用意しています。
まだトライアル版の提供を始めたばかりですが、徐々にデータを入手しつつあります。例えば、ファンダンゴは、全ての人気の高い映画を広告に掲載し、郵便番号にユニットを入力するよう呼び掛け、ファンダンゴのサイトに送り、チケットを購入してもらうシステムを採用しています。この広告では、クリックスルーおよびエンゲージメントが通常よりも10倍高くなっています。 ちなみにエンゲージメントに関しては、アクションが起こされ、広告への接触が行われた時点で計測を行っています。私達はこのようなライジングスターズのフォーマットに対応するだけでなく、独自のイノベーションを加えることを目指しました。
ソーシャルメディアと広告を統合するメリットに加え、ターゲティングおよびリアルタイムビッディングのオーディエンスが増加したことは、ディマンドメディアのパフォーマンスにどのように貢献したのでしょうか?
私達はオーディエンスバイイングおよびRTB(リアルタイムビッディング)に関連するチャンネルに参加しています。ディマンドメディアは、消費者の注目に対して強力な見解を持っており、オーディエンスバイイングを得意としています。例えば、ディマンドメディアは、母親層の支持を集めています。母親を対象にしている大半のサイトは普通のブログであり、「ソリューション」とは対象的なストーリーを提供しています。ディマンドメディアが行った調査によると、母親層はストーリーの共有を望むものの、子供を寝かせる方法や日焼けを避ける方法等に関する直接的な情報を求めていることが判明しました。これは私達が容易に売り込むことが可能なオーディエンスです。
また、ビジネスにおける季節性も痛感しており、現在、「back to school」(新学期)およびハロウィンに関連するパッケージの販売に力を入れています。ビジターがディマンドメディアのサイトをアクセスする際には、「今すぐに何かを解決したい」モードであり、RTBおよびオーディエンスバイイングには最高のタイミングなのです。私達はオーディエンスバイイングの環境では好調なパフォーマンスを見せていますが、広告スポンサーとの直接的な関係の構築も視野に入れています。 この領域にも価値は残されているのです。
競合者に関してですが、About.com等のウェブサイトは最近のグーグルの検索アルゴリズムの変更によって、ダメージを受けています。このサイトは親会社のNYTCo,によって売却が進められていますが、デイマンドメディアは同じような失敗を回避するため、どのような対策を行ったのでしょうか?
ジョアン・ブラッドフォード: 私達はフェイスブック、グーグル、そして、モバイルデバイスの検索アルゴリズム、そして、ディストリビューションは毎日変わっていると考えています。また、この変更を歓迎しています。なぜなら、機会と見ているからです。ディマンドメディアは多くのコンテンツ、そして、コンテンツを配信することに熱意を持つ創造力豊かなクリエイター達を多く抱えています。今月のcomScoreのトラフィックのランキングで17位から16位に順位を上げ、ニューヨークタイムズのサイトを追い抜きました。とても喜ばしいことです。これは様々なデジタルエコシステムで何が起きているのかを私達が把握している証拠であり、コンテンツを作る方法、料金を支払う方法、そして、適切なオーディエンスに提供する方法を知っている証拠でもあります。
変化が自分達にとって有利に働くとは限らないことは織り込み済みです。しかし、フェイスブックで消費者のニーズを満たすために、検索で発見してもらうため、そして、ユーチューブおよびツイッターでコンテンツを掲載するために何をすればいいのかを解明することが出来る点を私達は心得ているのです。
この記事は、ad exchangerに掲載された「Demand Media’s Bradford: RTB Helps, But Ad Revenues Mostly Driven By Social」を翻訳した内容です。
質の低いコンテンツの代表格と揶揄されたコンテンツファームの筆頭だったDemand Media、今日のGoogleに対応すべくコンテンツの質を上げた、という話はSEO的には納得なんですが、SEO以外のウェブマーケ手法の話は「SEOに依存しないトラフィック獲得」を目指す人(SEOはやりまくりつつ私もその一人)には中々に興味深かったのではないでしょうか?大体、この記事はSEO関連のサイトではなく最新アドテクノロジー情報サイトのad exchangerに掲載されたものですし。
そもそもDemand Mediaはゴミコンテンツの集積所とバカにされながらも(言い過ぎかも)、やっていることは超一流の解析技術を元にユーザーニーズにマッチしたコンテンツを製造するコンテンツファームでした。RTBの活用を既に始めていることは普通に納得いくものなのですね。ブロガーを活用してユーザーに有益なコンテンツを共同で作り、ソーシャルで拡散させるというアイデアも、検索エンジンに頼らない集客手法としては確実な方法ではないでしょうか。
しかしDemand Mediaのサイト、ニューヨークタイムズよりアクセスがあるとは、インターネットの世界もブランドに頼らずにまだまだここまでできる、ということを、アンチというかブランドレスな私としては素直に感銘を受けました。
なお、宣伝になりますが、弊社アイオイクスでも [コンテンツSEOサービス]をご提供しておりますので是非ご活用ください。
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