先日、Digg買収に関する記事をアップした所、予想以上の反響で驚きました。Diggって日本でもそこまで愛されていたのか(というか買収額が注目されただけかもですが)と改めて感心したSEO Japan、今回は実際に米国でDiggを活用しDiggと共に歩んできた人気ブログメディアが語るDiggの想い出話を。 — SEO Japan]
ソーシャルメディアシーンへの登場、ドラマチックな台頭、変幻自在のアルゴリズム、そしてそれに挑み新しい革命を起こした新しいソーシャルメディアの登場まで、Diggには様々な驚くべき物語がある。
私たちのサイトは2004年後半の誕生から今日まで、Diggのメディアパワー、ソーシャルブックマークサービス、ソーシャルネットワーキングサービス、絶え間なく進化するソーシャルメディアとの相互作用を体験する多くのチャンスがあった。本記事では、Diggの歴史における重要な出来事を関連する記事へのリンクと共にいくつか取り上げてみたい。
Diggがほんの数千万円でBetaworksに売られたことはあなたも耳にしただろう。創設者のケビン・ローズはかつて、Diggをスタートしてからたったの18か月でどうやってこの青年は50億円を稼いだのかというタイトルで雑誌の表紙になったというのに!
私たちは2005年にDiggに加わった。当時からDiggは、フロントページに記事が掲載されると急激なトラフィックの増加と時にサーバーのクラッシュを起こすことで有名で、フロントページ掲載は素晴らしい体験だった。自分の記事がDiggのフロントページに載り大量の無料トラフィックを得ることを期待して、全てのブロガーが、自分の最高の記事を積極的にDiggに登録していた日々を思い出す。時には実際にフロントページに掲載され、多くのトラフィックを得ることができた。Digg掲載直後のDiggコミュニティへのサイトの露出はとにかく巨大だった。始めて1か月の新米ブロガーだろうと巨大メディア企業だろうと関係なかった。
素晴らしいDiggツールのコレクションに関する私たちのリスト記事は、いくつかのブックマークサイトのランキングでも1位になった。(多くのウェブサイトが閉鎖したため、今このコレクションはもっと小さくなっている。)記事がDiggのフロントページに掲載されると、delicious.comやStumbleUponその他のソーシャルブックマークサイトでも人気が出る可能性が高かった。トラフィックの拡大効果は驚くべきおのだったのだ。
最初の頃は、Diggのフロントページに記事を掲載させるのはそれほど難しいことではなかった。いくつかの私たちのブログ記事がフロントページに掲載されて、共有ホスティングサーバーをクラッシュさせそうなほどに圧倒的なトラフィックを得た時は興奮したものだ。
実際、流動的なDigg経由のトラフィック上昇は、サイトオーナーがVPSホスティング/専用ホスティング(クラスターホスティング/クラウドホスティングのような新しいコンセプトと共に)に乗り換える重要な理由になった。共有ホスティングサーバーは膨大なトラフィックに耐えることができず、サーバーが定期的にクラッシュしたり、ホスティングの帯域幅を超えてウェブマスターがこの追加トラフィックの恩恵を受けることを邪魔した。またそれは多くのWordPress運営サイトがDiggに耐えるようにするのにキャッシングプラグインを導入した理由でもある。
実際、この現象はこんなDiggの歌まで生み出した。Diggの全盛期を思い出させる最高傑作だ!
多くのDiggクローンが、ユーザーとトラフィックを獲得することを期待してこのコンセプトを真似した。かつて、ウェブサイトがオフィシャルのDiggポリシーを投稿していたなんて信じられるだろうか!Diggは、膨大なトラフィックを無料でもたらす最も力のあるソーシャルメディアツールだったのだ。
Diggがより多くの人気を得ると共に、人々はDiggのフロントページの巨大なパワーに気が付いた。多くのアクティブなDiggユーザーが有名になり、広範囲に及ぶネットワークを作り、Diggのフロントページに登場する多くの記事をコントロールするようになった。それは以前よりも記事をフロントページに掲載させることを難しくした。同時にDiggのアルゴリズムは進化し続け、Diggをごまかすのはさらに難しくなった。Diggのフロントページからの大きなトラフィック増加を体験することの純粋な驚きと喜びは、大部分のブロガーにとってはめったに起きないことになってしまった。
私は、トップDiggユーザーがとても力を持っていて、多くの人がdeliciousやNetscape Propellerなどの異なるソーシャルネットワークにわたって毎月数千ドルで彼らをソーシャルブックマーカーとして雇用しようとしたことを思い出す。実際、最初の10人のNetscape Navigatorは、12人のトップDiggユーザーのうちの3人から選ばれた。
“DIGGのトップ10ユーザーはDIGG上のフロントページ記事の30%を占める。それは、それぞれがフロントページ記事の合計の3%を占めることを意味する。そのことについて少し考えてみるのだ…”
トップDiggユーザーのリストは、ウェブサイト上に出たり消えたりしてきた。そして、Diggは誕生から2年が経って700,000以上のユーザーを持ち、さらに進化し続け、いくつかの人気サイトを禁止したり禁止を解除したりし続け、すぐに100万ユーザーを超え、Diggパーティーを発表した。
Diggのアルゴリズムは進化し続け、フロントページにより多様性をもたらしたが、フロントページへの掲載は、あの滅多にないトラフィック上昇を楽しみにしている平均的なブロガーにとってはますます難しいものになっていた。新しいDiggレコメンデーション・エンジンが、プロフィールに基づいて記事を提案するためにローンチされた。
しかし同時に、批判が多かった一連のデザイン変更とサイト乱用者を阻止しようとする難しい試みが、多くのユーザーをも不満にし続けた。さらにFacebookとTwitterの台頭が、Diggにとって競争を難しくした。Diggのボタンがブログの中で消え、TwitterやFacebookのいいね!ボタンに置き換わったという事実は、ブロガーがDiggへの信頼を無くしたという確かなサインだった。それでも彼らはあのつかみどころトラフィック上昇を待ち続けたままだった。そしてDiggは、ページソースコードの中の隠された顔という普通では考えられないことまで経験した。
Digg v4.0はユーザーのために全く新しいソーシャル体験を約束したが、それは刺激的ではなかった。
ある日、彼らは全ての新規登録を中止し、‘新しいDigg’がもうすぐやって来ることを発表し、新しい招待システムを開発した。
それは5つの招待で始まり、システムがオープンすると、私たちは、読者に贈るための1000の招待を手にした。
新規登録が消え、友達を招待して新しいDiggプロフィールを作ることをユーザーに強制すると、Diggはすでに少なくなっているトラフィックにさらなる困難を作り出し、その減少するユーザー基盤の忍耐力を試していた。Diggは何度も車軸を壊した。(今日もだ!)
そして、彼らはブロゴスフィア中から数千もの記事を埋める自動投稿フィードをブロガーに許可し、それがDiggユーザーのニュースフィードを彼らのネットワークからのたくさんの自動登録されたコンテンツで溢れさせたため、優れたコンテンツをさらに希薄にした。
Digg Toolbarのような新しいツールは、人々により早くDiggさせるように試みたにもかかわらず、新しい手段がDigbarを取り除くために推奨された。創設者のケビン・ローズは、ある日Diggを去り、このサイトの所有者は変わった。
では、それはDiggの終わりを意味するのか?いいや。Diggは、以前ほどではないが、今も人気のウェブサイトであり、何百万もの登録ユーザーを持っている。それはRedditやStumebleUponのような挑戦者によって取って代わられてきた。もちろん、TwitterとFacebookはそれをはるかに追い越した。実際、リンクのブックマーク現象は長い間に変化し、今では人々はもはやリンクリストを作りたいとは思わない。彼らは、友達やソーシャルネットワークとこれらの優れたリンクを即座に共有して、Facebookのいいね!やTwitterのリツイートのような形でポジティブなフィードバックを獲得したいのだ。
幸運にも、新しいサイトオーナーの下で、Diggは進化し続け、期待に応えて忠実なDiggユーザーを取り戻すという難題に立ち向かうだろう。それは簡単なことではないが、そのトラフィック上昇ツールが私たちのところに戻ってくるのならば、私たちはDiggのシェアボタンが人気のウェブサイトに戻って来るのを目にするようになるだろう。そしてあの頃のDiggが帰ってくる…
この記事は、Quick Online Tipsに掲載された「The Incredible Digg Story: 2005-2012」を翻訳した内容です。
確かにDigg&ソーシャルブックマークが全盛だった頃は、米国でも人気ソーシャルブックマーカーへのマーケティングや彼らとコネがあることがネットプロモーションの重要な鍵である時代もありました。人気絶頂の階段から転落し、ユーザーの心を掴み切れず最終的には新興ソーシャルメディアのツイッターはフェイスブックに主役の座を譲り渡してしまった顛末が詳しく読めますが、後から「あの時こうすべきべきだった」と外野がいうのは簡単ですが、色々努力はしたんだとは思います。元々、ランキング操作されやすい仕組みであり、余りに人気が出すぎてバランス調整を試みたのでしょうが、ランキング操作のしやすさに人気の理由があった側面もあっただけに、従来のコアユーザーとの両立が難しかったのは想像できます。
日本でもどこかで聞いたような話ですが、またいつか新たなDigg的存在がネットの世界で誕生し、新しい物語が生まれるのでしょう。 — SEO Japan [G+]
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