新世代のデジタル分析ツールが次々に登場している。この世代のツールは、スピードを重視し、顧客のデータを統合する機能に秀でている。典型的なツールを使った結果、レポートや分析データが混乱を生じさせているなら、中断し、これから紹介する新しい6つの分析ツールをチェックしてもらいたい。
「何もかも手に入れる」がHeap Analyticsが掲げているテーマである。タグの管理と同様に、サイトに少量のコードのスニペットが加えられる。すると、多くのデータがなだれ込んでくる。このデータは、イベントフィードとして、未加工の状態でもたらされる。全てのクリック、タップ、スワイプ、ページが記録される。このようなアクションは、「Facebook いいね!」や「Twitter フォロー」等に分類される。そして、イベントが組み合わされ、スーパーイベントが生成されることもある。例えば「Facebook いいね!」と「Twitter フォロー」を含む「ソーシャルアクション」はスーパーイベントに該当する。
データが「適切」に取得されなかった場合、再び分類が行われる。分析のQAを待つことなく、新しいページもその都度送られてくる。しかし、Heaps Analyticsの本当の実力が発揮されるのは、イベントが特定された後である。
ページビューでデータを分類するその他の分析ツールとは異なり、Heapは、まず、ビジターによる整理を行う。ビジター IDが指定されていない場合は、独自のビジター IDを用いる。続いて、「フォームの一部を入力したユーザー」等の区分が特定され、区分に該当する個人がリストアップされる。さらに、それぞれの顧客に関連するイベントストリームが、IDに加えられ、決定した区分に該当する場合、それぞれの顧客が辿ったルートを簡単に確認することが可能になる。
Heapは、ユニークビジターの人数に応じて、価格が変わるシステムを採用している。50万人のユニークビジターを調査する場合、約2000ドル/月が必要になる。heapanalytics.com/
Lytics.ioは、全ての顧客データを結びつけ、区分を厳格に絞り込み、その他のマーケティングツールに力を与える。Lyticsは、Eメールアドレスやウェブログ等の少量のデータから着手し、その後、独自のマッチングテクノロジーを用いて、Rapleaf、Facebook、そして、キーワードの検索データを、外部データソースとして使い、顧客の記録に色を塗っていく。最終的に、明確な顧客像を用いた「黄金の顧客記録」が作成される。
一連のルールを介して、Lyticsは、Eメールの送信、メッセージの投稿、さらに、顧客への接触を誘発する細かい区分を生成する。顧客記録には、インターネットを頻繁に利用する時間、位置、頻繁に利用するデバイス、関心、年齢層、そして、心理学的属性のデータが含まれる。
Lyticsの価格は、初期のモデルにおいて約5000ドル/月に設定されている。lytics.io
Nectar Online Mediaは、ソーシャルメディアのストリームを統一することでもたらされる「ハイパーパーソナライゼーション」に特化している。また、Nectarは、データを一体化して顧客を総合的に見るだけでなく、顧客を最高のタイミングで行動してもらうことを意図した、スピーディーなトリガーの実施を目標に掲げている。
例えば、販売しているカメラの様々なモデルを展示するページをAさんが閲覧しているとする。Aさんは、特定のモデルを入念にチェックした後、購入せずにサイトを去った。
AさんのFacebookのストリームからデータを確認したところ、イベントが近づいていることが判明した…カリブ海にバカンスに行くようだ。そこで、AさんのFacebookのニュースフィードに100ドルを値引くクーポンを投稿した。次にリマーケティングの手法を使って、Aさんがウェブを利用する際に、カメラと付属品の広告を表示させる。これが、ハイパーパーソナライゼーションである。
Nectarの価格は公表されていない。nectarom.com
良いか悪いかは別として、見やすさを意識してデータを表示すると、読む量、そして、取り込む量を管理することが出来る。しかし、分析の知識を持つデザイナー、そして、反対に、デザインスキルを持つ分析のエキスパートは少ない。ここで、Infogr.amが役に立つ。
Infogr.amは、既製のインフォグラフィックのテンプレート、そして、カスタマイズ可能なグラフィック、ワードクラウド、そして、アイコンを持つオンラインシステムである。自分のグラフィックと動画をアップロードし、エンベッドすることも出来る。
Infogr.amのシステムは、とても分かりやすい。データを既に用意しているなら、5-10分もあればインフォグラフィックを作ることが可能だ。しかも、その大半は、各種のカスタイゼーションの選択肢を調べることに費やされる。Infogr.amは、静的なシステムであり、インフォグラフィックを投稿したら、数字に手を加えることは出来ない。また、大量のデータを掲載するケースには向いていない。しかし、注目を集めることを目指した有益なサマリーを提供するなら、うってつけのサービスとなる。
Infogr.amは無料版を提供しているものの、テンプレートの選択肢を増やしたいなら、12ドル/月のプロ版の購入を検討しよう。infogr.am
Insight Rocketは、自動のマルチチャンネルでのストーリーテリングを可能にする。これは、Tableauのレポートの長所と柔軟性に、主張する力を組み合わせたツールである。Insight Rocketは、スタッツを異なる経緯で解釈する、例えば、ブランドやコマース等の複数のチームを擁する大きな企業に向いている。同じ計測基準を全チームが用いる状況が理想だが、これは稀なケースである。管理するデータを「真実」として表に出す前に、社内で連絡を取り、合意を得る必要がある。
さらに、Insight Rocketには、データの分類を支援する強力なデータ統合チームが控えている。つまり、データが組み合わされ、Tableauのレポートが実施された後、分析スタッフは、自由にデータを研究することが出来る。有益な情報が見つかると、ストーリーのように配信され、Eメールやイントラネットシステムに送り込むことが可能である。その上、ストーリーを踏まえた質問および回答を提供する機能も用意されている。
Insight Rocketの価格は、2000ドル – 10,000ドル/月に設定されており、データのソース、および、必須のサポートに応じて変動する。insightrocket.com
Beyond Coreは、データ分析の新しい領域を切り開くツールである。真のデータサイエンスの方法、機械学習、そして、自動作成動画を組み合わせている。Beyond Coreは、分析のビギナー、そして、一流の分析のエキスパートに対して、多くの機能を用意している。
ビギナー、または、分析を専門としていないユーザーに対しては、分かりやすいアドバイス機能を提供している。データがシステムに読み込まれると、ユーザーに代わって、マシンが、特に興味深いデータで表を作成する作業を担当し、*その後*、要点を2分間で説明する自動のインテリジェントな動画ナレーションを提供する。分析データを解釈することが出来る人材はほんの一握りしかいないため、このツールは非常に有益である。データの意味を同じ関係者に何度も説明したことがある分析家なら、情報を自動的に送るこの機能を大歓迎するはずだ。
また、Beyond Coreは、高度な分析の取り組みにも対応している。このシステムはHadoopをベースとしており、サンプリングを行うことなく、(数週間ではなく)たった数時間で大量のデータ列を処理することが出来る。データがロードされると、分析担当者は、システムが最適化する列を選択する。その後、計算が始まり、数字を増やす要因が表れる。明らかな答えが表れたら(例えば、保険に加入していない大勢の患者が、病院の費用を上昇させているケース)、当該のグループを排除し、再び分析を行おう。2度目の分析では、より深い相関関係が浮上してくる(分析のやり直しには、通常、数週間を要する)。さらに、多数の変数を加えることが可能であり、初期の変数の選択に対する偏りを取り除くことが可能である。
Beyond Coreはセルフサービス形式のツールであり、価格は500ドル/月~に設定されている。beyondcore.com
ビッグデータ革命は、デジタル分析のスピードとツールに多くの変化をもたらしている。企業の重役陣は、分析スタッフが明らかにするソリューションをまだ知らない。この活躍により、分析の担当者はヒーロー扱いされるだろう。
編集者記: サムネイルで利用した画像は、強力な視覚化ツールのCircosから借りた。
この記事は、Online Behaviorに掲載された「The New Generation Of Digital Analysis Tools」を翻訳した内容です。
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