Facebookがずっと存在することはない。Facebookという名の会社は存在していくし、そしてもちろんそれはFacebook.comをホストとしたソーシャルネットワークを持っているだろう。しかし、主力のソーシャルネットワークとしてのFacebookは寿命が限られている。
GoogleやYahoo、そしてAmazonのように、Facebookは、インターネットのランドスケープが変化するにつれてそれ自体を作り直さなければならないだろう。Googleはより良い検索エンジンとしてスタートした。インターネットが成長して使用量が爆発的に増えると、Googleは、Google Documents、Gmai、Google Mapsのようなアプリを通してあなたの中核となるインターネット体験のプロバイダーになろうとして、数々のクラウドサービスを提供することにシフトした。今、Googleは、Google Glassesやストリートビューや自動運転自動車を使ってオフラインを動かすことによって再びギアをシフトしている。
あるいは、インターネットディレクトリとしてスタートしたが検索およびホームページサービスへと手を広げたYahooがいる。今日Yahooは、毎月7億人のユニークビジターにホームページを提供し、かつてないほどに縮小しているマーケットシェアにもかかわらず利益を出し続けている。
最後に、Amazonはeコマース書籍販売業者として始めたが、Jeff Bezosが会社を固定観念の範囲外に押し出した。今日Amazonは、即日発送を保証する都市倉庫のネットワークの構想を練っている。そして、Amazon Web Servicesによって卓越したクラウドコンピューティングサービスへと変わった。
Facebookは今、自身がどのように成長するかを形作ることになる2つの外力に直面している:モバイルと、他のソーシャル製品から忍び寄る縄張りの脅威だ。Facebookは常にモバイルと困難な関係を持ってきた。FacebookがiPad用のアプリをリリースするのには、iPadが登場してから1年以上かかった。それに加え、Facebookのモバイルアプリはナマケモノのような速度に対する不満と広く迫力に欠けるユーザー体験に悩まされてきた。同時に、プラットフォームとしてのモバイルの幅(毎月4億8800万人以上のFacebookユーザー)は、モバイルスペースで人々を縫い合わせる大きなチャンスがあることを意味する。
モバイルの急速な成長が理由で、写真共有やビデオ共有のような新しいチャンスが急速に登場している。モバイルパラダイムの新しいピースが作られるたびに、Facebookは新しいリスクに直面する。例えば、Instagramは3000万以上のユーザーをFacebookが獲得するよりも前に、素早く蓄えた。Facebbokがモバイルスペースを十分な速さで満たすことができないことに起因するコンシューマーモバイルにおけるギャップが、Facebookを邪魔してそこからソーシャル訪問者数を奪う明確なチャンスを与えるのだ。Instagramの場合、それは10億ドルの代償を伴った。
そのプラットフォームのギャップのリスクを緩和するという厳しい経済は、Facebookがモバイル製品をリリースすることにより積極的に取り組むことを意味する。あなたはすでにこの結果をFacebookのスタンドアローン・アプリケーション―Messenger、Camera、そしてもちろんInstagram―で目にしている。
モバイルがFacebookにとってのリスクの機会を増やすと、それは収益の問題も引き起こす。Facebookはモバイル広告費を獲得することに苦戦してきた。モバイル広告は様々な実用上の問題を抱えている。まず、小さな広告エリアが顧客の注意を引くのを難しくしている。次に、モバイルは、短い時間に一気に使われることが多いため、人々がファネルを完了するのに理想的なプラットフォームではない。
その結果、モバイル広告はクリックを獲得するのに苦戦し、低いCPM率に苦しむ。モバイルユーザーの割合が増えているため、同時にFacebookも苦しむ(そしてモバイルプラットフォームの弱さによって阻まれる)。今後10年のFacebookは、モバイル問題を解決することによって定義されるだろう。あなたならどうやってモバイルの脅威(InstagramやViddy式の)から身を守り、同時にモバイルの収益問題を解決するだろうか?
Facebookは他のソーシャル製品の拡大範囲によっても脅かされている。もしTwitterがもっと徹底的なプロフィールを構築し始めたら?もしInstagramが独立したままで頑強なウェブプラットフォームを作っていたとしたら?Facebookに取って代わる次の企業は、既存製品の一機能としてスタートするかもしれない。ソーシャルネットワークにゆっくりと拡大する写真共有アプリケーションや、注目を集め始めているグループテキストメッセージアプリケーションなどだ。Facebookは、この脅威を自覚していて、買収によってそれを軽減しようとしている。
2022年のFacebookは、Mark Zuckerbergの手中でしっかりと横たわっているが、今とは少し異なるだろう。デスクトップに焦点を合わせたソーシャルネットワークというよりは、Facebookは、ソーシャルウェブと様々なモバイルアプリケーションとGoogleのパブリッシャーネットワークに打ち勝った強力な外部広告ネットワークのためのユニバーサルなサインイン・ソリューションになるだろう。
Facebookはソーシャルウェブのためのサインイン・ソリューションになることを目指して進化を続けてきた。Spotifyのような頻繁に使われるアプリケーションは、主要なサインインプロバイダーとしてFacebookを頼っている。Facebookは、ユーザー登録フォームを要求することなくアプリケーション開発者に提供することができる幅広いデータと同様にワンクリック・サインオンの魅力を活用することによってこれを成し遂げてきた。次の10年間で、Facebookはこのアドバンテージを固めることに取り組むだろう。Facebookプラットフォームと共に、報奨金を提供するFacebook Fundのような構想に注目していこう。
加えて、Facebookは確かなモバイル体験を提供する自らの戦略を追求し続けるだろう。それがInstagramにしろMessengerにしろ、Facebookのモバイル戦略は、ユニークな体験を提供しつつ自分たちのデータとネットワークを活用するデスクトップとは異なる一連のアプリケーションになるだろう。これが、コアネットワークの機能性から生じるレガシーの制限からモバイルを解放しつつ、Facebookにより多くのことを挑戦させてくれる。
最後に、Facebookは、Googleアドワーズやディスプレイビジネスに打ち勝って外部広告のメインプロバイダーとなるだろう。Facebookの長い間噂されていた外部広告ネットワークは、文脈的にページ内をターゲットにするだけでなく、Facebookがすでにより深いターゲッティングに到達した大量の情報も使用する力を持つ。ここ数か月間で私たちは、Zynga.comでのFacebook“スポンサー広告”のローンチで、この外部広告ネットワークにおけるFacebookの初めての試みを目にしてきた。今後数年間は、Facebookが真のデモグラフィックターゲッティングの可能性を基にした大きなパブリッシャーネットワークを築くのを見守ろう。
2022年のFacebookは、ますますデータ倉庫のように見えるだろう。つまり、ユーザーとウェブ開発者に個人情報を保管してアクセスする簡単な方法を提供するユーティリティである。Facebookは、モバイルアプリケーションのラインアップやGoogleのパブリッシャーネットワークに勝る先天的な利点を持つ大量の外部広告ネットワークのように、このデータを使って経験し操作する新しい方法を作り出すだろう。これらの変化は、Zuckerburgが強く握りしめる豊富なデータによって提示される機会から、そしてモバイルの着実に成長する脅威によってやって来る。2022年のFacebookは、より実用的で、それでもなお影響力が大きいように見える。
画像クレジット: Trey Ratcliff
この記事は、The Next Webに掲載された「What will Facebook look like in 2022?」を翻訳した内容です。
Facebookが10年後にも生き残っていくには、現状のSNSを超えて進化していかないといけないという話でした。余りに圧倒的すぎるユーザー数にFacebookが衰退することなんてあるかな?と思わなくもないですが、記事にもあるようにあのAmazonやGoogleも多様な進化を遂げて今の成功があり、最初の成功体験に依存しすぎたYahoo!やマイスペースは苦戦(特に後者)しているのもまた事実。さらにSNSの場合は、例えばGoogleのような圧倒的な技術優位性で検索サービスを牛耳るようなことができないところが難しいですよね(ま、今はBingもそれ程利用者の満足度は変わらないようですが)。もしくはマイクロソフトのWindowsのように普及したことでサードパーティのデベロッパーのプログラムがそこでしか供給されない、など。現に日本ではユーザー数に関していえばFacebookはmixiとは好勝負を繰り広げたもののLineに抜かれてしまったわけですし、今後SNS化を表明しているLineとは真っ向勝負になりそうですし。
記事に書かれているFacebookの進化した姿については皆さんどう思われたでしょうか。最後にあった「ユーザーとウェブ開発者に個人情報を保管してアクセスする簡単な方法を提供するデータ倉庫/ユーティリティ」という考え方はシンプルながら最大の可能性かもしれません。それが仮にグローバルレベルで成功したとすれば、SF映画の観すぎのせいか、とても危うい世界にも感じますが。。。
いずれにせよ、まだまだ一波乱二波瀾それ以上ありそうなインターネットの世界、その歴史は始まったばかりです。 — SEO Japan [G+]
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。