HTML5は今後も拡大し、ウェブ上でさらに採用されていく傾向が見られる。多くのマーケッターがHTML5の利点を見出し、動画を広範なプラットフォームに拡大していくためだ(「iPadとHTML5の時代を迎える準備を整えよ」の中で説明済み)。テッククランチによると、ウェブの動画の3分の2近くがHTML5に対応済みのようだ。HTML5が進化を続けていくにつれ、制約が減っていく。マーケッターに対するHTMLの最大のメリットは、何といってもネイティブの動画のサポートである。HTML5の動画はサポートするブラウザに直接構築することが出来る。そのため、パブリッシャーはフルモーションの高品質の動画を素早く提供することが出来るのだ。また、動画SEOによる直接的なメリットも存在する。
HTML5により、動画の構造および内容を検索エンジンがより深く理解することが出来るようになり、また、アクセシビリティも改善される。マーケッターがページのセクションのトピックを説明することが可能な「section」タグ、そして、モバイル機器のブラウザがリンクを作成することが出来る「nav」のようなHTMLのタグのおかげで、検索エンジンはより正確にコンテンツおよびリンクを分類することが出来る。
同様に、単純なブラウザのコーディングにより、HTML5の動画は見つかりやすくなり、また、インデックスされやすくなる。5月19日のグーグルのI/Oカンファレンスで、グーグルは、オープン・ウェブメディア・フォーマット・プロジェクトのwebMを立ち上げる企業に加わり、高品質のウェブに最適化されたビデオコーデック、オープンソースのVP8を同プロジェクトにロイヤリティーフリーで提供すると発表した。
webMによると、VP8は高品質の動画を提供しつつ、現在のウェブに接続する様々なデバイスで見受けられる異なるプロセス、そして、帯域幅のコンディションに適応する。VP8の効果的な帯域幅の利用は、コンテンツパブリッシャーの運用コストを引き下げ、エンドユーザーには高品質の動画を提供することを目的としている。このコーデックは比較的シンプルであり、既存の環境に容易に統合することが可能であり、質の高い結果を生み出すために手作業による調整を最小限に抑えることが出来る。これらの既存の属性、そして、オープンな開発プロセスを介した迅速なイノベーションにより、VP8はウェブの動画の固有の要件に巧みに合わせることが出来る。VP8、そして、HTML5のプレイヤーに対応するその他のコーデックを利用することで、マーケッター達はそれぞれのコンテンツがiPadから、スマートフォン、そして、ウェブブラウザまで、あらゆるプラットフォームで確実に視聴可能にすることが可能になる。
それでは、なぜマーケッター達はHTML5を取り入れるべきなのだろうか?と言うよりも、このテクノロジーを採用することで得られる数多くのメリットを考慮すると、取り入れるべきではない理由はあるのだろうか?グーグルのI/Oカンファレンスでスポーツ・イラストレイティドの編集者、テリー・マクドネル氏が実際に示した利点について考えてみよう。
マクドネル氏は、現在開発中の、テキストのフレーム内でHTML5の動画を実行する機能を雑誌へ応用していた。ビジュアル面での性能だけでも十分素晴らしいが、スポーツ・イラストレイティドのプロジェクトは、HTML5がよりウェブフレンドリーなグラフィックを実現し、双方向性のレベルをアップさせる仕組みを実証していた。さらに、この動画はHTML5の動画の広告が動的なユーザーエクスペリエンスを提供する仕組みを説明している。
マクドネル氏も述べているように、“広告は背景にピッタリと合うため、まるで広告自体がコンテンツのようである。製品を評価する上でも役に立ち、決心した人には購入する場所を探し出す手伝いもする”。ワンダーフレックス L300の例を見れば一目瞭然だ。鮮やかな動画がテキストと共にシームレスに再生されていき、オンラインメディアが詳しく説明することで、“印刷版”の広告を作成することが出来る。HTML5のフォーマットは、誰でもアクセスすることが可能な動画を瞬時に再生し、動力を最低限に抑えつつ、一方、ユーザーはドラッグ & ドロップ機能を用いることで視聴経験を好きなように調節することが出来る。スポーツ・イラストレイティドの動画内で紹介されていた検索の機能もまたユーザーに複数のソースから動画にアクセスすることが出来る手段を与えている。
HTML5を実装する取り組みに効果的に移行するためには、マーケッターはそれぞれの動画がプラットフォームに対応しているかどうかを特定し、適切なコーデックを選択する必要がある。グーグルは大半のブラウザおよび企業のサポートを同時に告知することで、VP8に十分な勢いをもたらし、このフォーマットを無視することは出来ない状況を作りだした。また、マーケッター達は、コンテンツを強化する点を心に描きながら動画をデザインするべきである。適切なタグを用いることで、適切にインデックされ、検索可能な状況を維持することが出来る。関連する記事や写真など、すべての関連するコンテンツを動画のテーマに結び付ければ、スポーツ・イラストレイティドの動画に見られるように、動画コンテンツをよりインタラクティブに、そして、カスタマイズ可能にすることが出来る。ソーシャルメディアの機能を有効にすることで、コンテンツをユーザーが共有することが出来るようになり、さらに多くのユーザーにコンテンツを見てもらい、さらに多くのスクリーンで動画を再生してもらえるようになるのだ。当然ながら、HTML5の動画コンテンツ内のテキスト、ページのタイトル、デスクリプションを最適化することを含め、標準的な動画SEOのベストプラクティスを肝に銘じておこう。
HTML5の広がり、そして、HTML5がもたらすアクセシビリティを考慮すると、競合者に後れを取らずに、オーディエンスの注目を維持するためには、この進化する動画フォーマットに適応し、新たな機能を活用する必要がある。HTML5の採用を通して、出来るだけ多くの接点で消費者にサービスを提供することで、マーケッターはアクセシビリティを確保し、出回っているすべてのスクリーンで消費者と交流することが出来るようになるのだ。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Why You Should Adopt HTML5?Now」を翻訳した内容です。
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正直なところ、テクニカルな部分はまだ理解しきれていませんが、上記のスポーツ・イラストレイティドを見てもHTML5がウェブの可能性を一段と拡げてくれることだけは間違いなさそうですね。しかしSEOもですがそれ以上にデザイナーやコーダーの人は次々に登場する新技術にキャッチアップしていくのが大変そうですね。。。もっともさらに自由な表現が可能になるわけで、喜んでいる方も多くいるのでしょうけど。数年後のウェブがどうなっているのか楽しみです。 — SEO Japan
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