少し前に新しいフレーズがスタートアップボキャブラリに加わった:“Ramen Profitable(ラーメン代分の稼ぎ)” である。このフレーズは、創業者がラーメンを主食にして生活するだけのお金を稼いでいるスタートアップを引き合いに出す時に使われる。[インドにいる友人のために説明すると、ラーメンとは、私達が地元で“マギー”として知っているものと似ている。私はそれを食べて育った。私のお気に入りはマサラ味だ。]
そこで、今回はこの“Ramen Profitable”という言葉に関する問題を取り上げる。多くの場合、それは現実に収益のない会社について言及する際に使われている。理由?起業家/創業者が、(給料があるとしたら)自分自身に取るに足りない給料を払っているからだ。これが実際に生み出されている価値を歪める。読者の中には、創業者は、給料の代わりに自分の時間とエネルギーを投資しているのだと主張する人もいるかもしれない。それは素晴らしいことだが、会計の視点から見ると、あなたが経費をきちんと計算していないからといって、それが利益であるということにはならないのだ。公正でより正確にするために、創業者は、自分達の適正市価に目を向けて実際の収益性を測定するべきなのだ。
例えば、あなたがサンフランシスコのダウンタウンにある高級不動産を相続することになったとしよう。あなたはそれをタダで手に入れた。そこであなたは、Python開発者のために超オシャレなジェラート屋をオープンする。もしあなたがそのスペースの賃料を自分に課さず、自分に一銭も支払わず、そのビジネスが1日100ドルを稼ぐとしたら、あなたは本当にそれが利益を出していると考えるだろうか?あなたは、それ以上の金額の適性市価でそのスペースを借りていたかもしれないのだ。あなたはお金を失っていると、私は反論するだろう。そして、私は正しいのだ。
つまり私が言いたいことはこうだ:スタートアップが、生き残るために外部の資金源に依存しない所にまで達するのは素晴らしいことだ。Paul Grahamはこれを“Ramen Profitable”の中で上手く説明している。素晴らしい記事だし、私は彼の主張に賛成だ—特に士気の鼓舞の所が。しかし、私ならこのスタートアップのステージを“Ramen Sustainable(ラーメン代で持続可能)”と呼ぶだろう。このステージはスタートアップを“無限の滑走路”にする。これは、とても良いことだとも言える。なぜなら、起業家はここで思う存分、ひねったり、繰り返したり、旋回することができるからだ。しかし、それはRamen Sustainableスタートアップの問題でもある。起業家は、次の大きなアイディアに移らず、正当だとされる以上に長く進み続けるかもしれないのだ。
“ボストンはあまりに多くのスタートアップを生み過ぎていて、成長企業は人材に飢えているのか?”という記事の結論(Boston GlobeのScott Kirsnerの記事によって話題に上がった)における、私の考えはこうだ:
スタートアップが多すぎることは決してないが、活動を停止する企業が少なすぎることはある。
Ramen Sustainable とRamen Profitableの特徴付けについて、あなたは私の考えを正しいと思うだろうか?スタートアップがこのステージに達することへの良い点と悪い点について何か意見があるだろうか?あなたが次の大きなことに移ることができるように、自分のRamen Sustainableスタートアップを停止した方が良い時をどうやってあなたは知るのだろうか?
この記事は、OnStartupsに掲載された「Startups: You’re Not Really Ramen Profitable, You’re Ramen Sustainable」を翻訳した内容です。
最近はアメリカでも日本のグルメラーメンが進出して人気を博しているようですが、ここでいうラーメンとはスーパーで6パック1ドルとかで売っている最安値(日清製なのに何故か日本より安かったりする)のインスタントラーメンのことです。Ramen Profitableを知っていることが前提の記事で、そのままでSustainable(維持)の状態を続けすぎればスタートアップは永遠に成長できないリスクもある、という論点ですが、それはそれで中々に考えさせられますね。日本でもベンチャー、スタートアップであっても最初に多少成功したとしてもそこで停滞してしまい次のステージに進まないまま何年も「零細企業」(自分たちはベンチャーのつもりのまま)、もっといえばSEO Japanでも以前紹介したゾンビ企業としてとして居座り続ける企業って多いですよね(どきっ)。リーンスタートアップが簡単にできるようになったのは喜ばしいことですが、その分起業の野望までリーンになりすぎないように心がけたいものです。 — SEO Japan
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