本日のコラムは私にとって、非常に難しいテーマである。正直、書きたくなった。なぜなら、説教をしていると思われたくないからだ。だから言ったのに – リンクモーゼ 。しかし、既に多くの人にこのようなイメージを持たれているので、書くことにしよう。
ウェブサイトの大半は、まったくウェブに存在する権利がない。
具体的に言うと、トラフィックの主な源を検索エンジンに頼っているビジネスモデルを持つすべてのサイトである。「XYZに関するサイトを立ち上げ、リンクを大量に買い上げ、大量のプレスリリースを配信し、リンク構築をアウトソースし、大勢のコンテンツクリエイターを雇ってアンカーテキスト付きの記事をウェブに投じ、高いランキングを獲得し、有料広告を使って収益化し、そして、買収のオファーを待つ」ような事業計画を持っているなら、ウェブに存在する権利はない。
このようなビジネスモデルを採用していても、しばらくは持つかもしれない。そして、上位にランクインしている間に、その砂上の楼閣のようなウェブサイトを購入する間抜けな人を見つけるまで生き残れたら、おめでとうと言っておこう。しかし、結局は、アルゴリズムを混乱させたり、惑わしたり、もしくは欺いたりすることが出来るかどうかに運命を託しているようなウェブマーケティング戦略やリンク構築戦略は、愚かとしか言いようがない。
私は独特な見解を持っている。16年の間に、私はとても有名なウェブブランドや聞いたことがないであろうサイトに対してリンク構築戦略を考案してきた。アマゾン、ジロウ、アバクロンビー、コミュニケーションアート、アートネクサス、PBS、TVガイド、ナショナルジオグラフィック、そして、ディズニーから、それぞれのニッチで活躍する多数の趣味レベルのサイトにまで私は対応してきた。リンク構築戦略の多くは、グーグルが存在する遥か以前に作られ、実行されたものだ。
リンクが検索のランキングでは重要視されていなかった時代にリンク構築戦略を策定していたとき、グーグルが参入した際に検索エンジンが何を求めていたのかに関して、素晴らしい手掛かりを得ることが出来た。なぜだろうか?クライアントのサイトが上位のポジションを独占していたからだ。 それは私の意図ではなかった。グーグルが参入することさえ知らなかったからだ。
このように私は昼夜問わずリンクを学び始めた。10年前のことだ。私は上位にランクインすることを目標としていない状態で、クライアントのサイトが上位に格付けされるほどグーグルに好かれる原因を知りたかった。
私はプログラマーではないため、助っ人を雇う必要があった。今までこの事実を明かしたことはなかった。しかし、私の過去の仕事を知ってもらうためにお伝えした。
私はテネシー大学の友人に、上位100の結果を多数のエンジンから引っ張るperlのスクリプトを書いてもらい、このような上位のサイトに向かうリンクを引き戻す2つ目のスクリプトを用意してもらった。
3つ目のスクリプトは引用(テキストに含まれているURL、「<a href>」タグで囲まれているURLは対象外)を探すスクリプトであった。私はスクリプトを販売していたわけではなく、プライベートにクライアントのために利用していたため、そして、クライアントはテルネット経由で.eduのコンピュータを利用していたため(そう、あのテルネットだ)、さらに、当時、誰も被リンク分析を行っていなかったため、私は数年間にわたってプライベートなリンク構築データラボで住込み状態で働いていた。
当時私が得た教訓の多くは、今でも役に立っている。そして、そのなかでも最も注目に値するのは、当時、リンク構築サービスを提供する業者がすべて道を誤っていた点であり、今でもこの傾向は続いている。事実、今週だけでも、アーティクルマーケティングやディレクトリの投稿サービス、そして、プレスリリースの配信サービスを宣伝するeメールのスパムがかつてないほど届いており、この問題をさらに痛感させられている。瀕死の業者が最後の悪あがきをしている。死期が近いことを業者は悟っているのであろう。さようなら、これで厄介払いができた。
教訓に話を戻そう。
まず、先程も申し上げた通り、リンク構築キャンペーンを行ってきた16年間で、以下の所謂リンク構築戦略には私はまったく手を出していない:
この手の戦略を使わない理由は、私が集め、調査したデータによると、上位にランクインしているサイトは、このような戦略を利用せず、一方、この戦略を使っているサイトは一気にランクを上げるものの、永久に戻ってこないことが分かっているからだ。
私が追求したリンクはスパムではなく、クライアントのサイトと同じ分野のまともなサイトからのリンクであった。現在、このプロセスは、Qbot2.0の立ち上げをきっかけに、引き続き完璧に行われている。Qbotが発見した事実(註:筆者の会社が開発提供しているウェブページの品質チェック/スパム発見プログラム)に注目してもらいたい。両手で顔を覆いたくなるような事実が垣間見れる。
ウェブビジネスを始め、収益を得る権利は誰にでもある。競争に勝ち、成功を収めるために必要だと感じた戦略を利用する権利もある。問題は、大量のサイトが、その他のサイトがリンクを張りたくなるような理由がない状態で、この戦略を行っていることだ。その結果、この問題を解決することが出来ると主張する多数のサービスが生まれる。しかし、根本的な問題は今でも残っている。
トピックがゴルフクラブであれ、ステーキハウスであれ、プロザックであれ、ユニークなコンテンツを作る方法は多数ある。そして、また振り出しに戻る。まったく同じことをするその他の400のサイトと区別できない程度の若干質の高いコンテンツを持っているに過ぎないからだ。
サンドウェッジに関するコンテンツを作る方法に、どれほど多くのバリエーションがあるのだろうか?動画を加える?それなら私にも出来る。それでは直面している基本的なコンテンツの問題を解決しているとは言えない。検索エンジンは、同じことをしている他の400のサイトと比べて、そのサイトが大差がない点、もしくは秀でいているわけではない点を把握している。そのため、自分のサイトの方が優れていることを示すための努力は、実を結ぶ見込みがない。
表面上はまったく意味がないように思えるが、さらに詳しく調べていくと、実は利にかなっていることが判明した複数の戦略を紹介していこう。
はっきり言っておくが、これは大量のURLを調査した結果に基づいており、私が正しいことを具体的に証明する公式を使っているわけではない。そもそも、そんなものは存在しない(マイケル・マルティネス氏は喜んでいるに違いない:)。
小規模なサイトの方が有利な可能性あり
オーガニックな検索のランキングを上げるポテンシャルが最も高いサイトは、大抵、直接的なリファラーのトラフィックをほとんど送らないサイトである。つまり、ビジターを全く送らないサイトが、自分のサイトのランキングを大幅に改善する可能性があるのだ。それはなぜだろうか?この件については次回のコラムで明かすつもりだ。とりあえずヒントは出しておこう:
なぜこのサイトは中古車の価格に対する検索結果で1位を獲得しているのだろうか?ケープコッド・クラシックス・カークラブを含む、SEOのためではなく、具体的で関心が高いオーディエンスに情報を提供するためにウェブサイトを運営する、小規模でトピックに沿う合法的な組織から多くのリンクが寄せられているためだ。ケープコッドのウェブサイトのkkb.comのリンクは一ヶ月に多くても数回しかクリックされていないはずだ。クリックの回数が重要なのではなく、リンクを張るサイトの信頼性と意図、そして、被リンク自体の信頼性が重要なのだ。
グーグルから距離を置く
グーグルのSERPのトラフィックを増やすためにリンク構築戦略を練れば練るほど、成功していても失敗していても、時間の経過とともにリスクは高まる。リソース、時間、そして、資金をうまくいくかどうか、または、どれだけ長く効果が続くのかを示す具体的な証拠がない状態で単一のトラフィックソースにつぎ込んでいるからだ。
グーグルを無視しろと言っているのではなく、グーグルがシグナルを重要視する仕組みについてさらに積極的に関与するようになっている現状では、グーグルにトラフィックを依存しないような対照的なリンク構築戦略を考案するべきである。グーグル中心の世界では、この考えを理解するのは難しいかもしれないが、成功を特定のエンジンに依存する度合いが減れば、成功する確率は高まるだろう。
私はこの質問を前にも投げかけたことがあるが、もう一度尋ねる価値はあると思うので聞かせてもらおう: すべての検索エンジンが明日閉鎖されたら、生き残れるだろうか?そのためにリンク構築戦略をどのように変えるだろうか?
グーグルについてあまり考えないこと。それが今回の逆の発想の教訓だ。その結果、私は最も重要視している用語でグーグルに上位に格付けされている。custom link strategies、そして、当然ながら、link building expertもその中に含まれている。ご自分の目で確かめてみてもらいたい。私はこのような用語で上位にランクインしたいがためにその他のサイトでリンクを求めたことは一度もない。 しかし、それよりも重要なことは、いずれせよグーグルから寄せられるトラフィックは全体の15%に満たない点である。そして、私はこの傾向を気に入っている。
多くのSEOの専門家や業者はランキングが上がると大喜びするが、個人的には、サイトのトラフィクとリードが増えつつ、検索エンジン経由のトラフィックの割合が減っている状態が最も理想的なトラフィックのシナリオだと考えている。
皆さんの意見を是非聞かせてもらいたい。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Contrarian Perspectives On Link Building」を翻訳した内容です。
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