サーチ広告とディスプレイ広告の融合の中で基本かつ効果的に活用できる手法は検索リターゲティング。SEO Japanでも何度か関連記事を紹介してきましたが、今回は改めて検索リターゲティングの基本を学んでみようという記事をサーチリターゲティング専業大手Changoのスタッフから。最低限の知識はある人向けなのでその前提でどうぞ。 — SEO Japan
検索リターゲティングは、誕生してからの2年間で、調整が行われ、そして、大半の真剣なマーケッター達がメディアプランに組み込む、もしくは2012年にテストを行うことを検討するほどのレベルに成熟している。
手短に説明すると、検索リターゲティングとは、ビジネスにとって重要な用語を検索しているものの、実際にウェブサイトを訪問したことがない人達を探すテクノロジーである。サイトリターゲティングとは対照的に、検索リターゲティングは調査ツールであり、新しい顧客を探す上で最高の効力を発揮する。
弊社(Chango)等の企業が提供する検索リターゲティングは、小売りのブランド、資産管理の顧客、旅行会社等によって用いられることが多く、基本的に収益の創出やあらゆるタイプのダイレクトレスポンスに利用されている。検索リターゲティングは、一貫して効果のあるディスプレイメディアバイイングであり、コンバートする可能性の高い興味を持つ人達にのみ接触することがその理由だと考えられる。
キャンペーンに関して顧客候補に話しをする際、成功した場合キャンペーンをどこまで拡大することが出来るのかを問うことが多い。毎回小規模で実施するなら、テストする価値があるとは思えないからだ。
一部の分野では、オーディエンスが限られているため、確かに規模は制限されてしまうものの、50万ドルを1ヶ月間で投資し、大胆なROIの目標を実現しており、規模が問題にならない顧客もいる(検索リターゲティングの高値と低値: バージョン3.0が既に登場に目を通しておいてほしい)。
また、マーケッター達は、グーグルのSSLの方針やファイヤーフォックスの安全な閲覧に関する発表に、データがどの程度影響を受けるのかを気にしている。この疑問に答えるためには、検索リターゲターがデータを生成する仕組みを理解する必要がある。
メソッドや質は様々だが、基本的に検索から第三者のサイトに寄せられるトラフィックを見て、契約は結ばれることが多い。その場合、ビジターがサイトに到達すると、検索リターゲターによってユーザーはクッキーによる処理を受け、検索クエリは匿名のクッキーIDとマッチされる。
その後、もしクライアントが当該の用語を検索したユーザーをターゲットにする要請を行うと、メディアエクスチェンジを介して(グーグルディスプレイネットワーク、アドブライト、アドメルド、RMX等)ディスプレイ広告のマッチングが行われる。
現実には、グーグルのSSLに関する方針は現在まで検索リターゲティングにはほとんど影響を与えていない – 利用可能なデータは無数にあり、また、実施可能なキャンペーンに関する制限もない。さらに、ページを保護して、全てのリファラーデータを再び確認するためのデータパートナーが取れる対策も存在する。
その上、検索リターゲターに対して大量のデータを生成するデータ収集のメソッドもある。この件に関しては、今後の記事で取り上げていく予定である。
メディアバイイングのキャンペーンをメディアエクスチェンジ全体で実施する場合、ただ単に欲しい物を手に入れ、マーケッターに詳細を調査させないケースがよくある。この問題を容易に解決することが出来る策はないものの、まずは詳細を求めるべきである。また、その際は選んだパートナーがキャンペーンでアドセイフ等の認証パートナーを利用していることを確認してもらいたい。
最近の2つのケースで、私達はサイトリターゲティングを用いてキャンペーンを“埋める”ことで見せ掛けの規模を加えていた検索リターゲティングのベンダーを見つけた。当該のベンダーにはそれなりの理由があったのだろう。そして、何も分かっていないクライアントに適当に説明していたのかもしれない。いずれにせよ、この件によって、次の重要なポイントが導き出された – 買っているつもりのアイテムを実際に買っていることを確認する必要がある。
検索リターゲティングは単体の戦略であり、そのつもりで取り掛かるべきである – 検索リターゲティングの目的は、新しい顧客を見つけることであり、従って、サイトリターゲティングプログラムの予算を含むキャンペーンは、単純に既存のサイトリターゲティングプログラムと重なり、総コストは上がってしまうだろう(詳細は2012年はリターゲティングの予算を削る一年にしよう(日本語)を参考にしてもらいたい)。
より詳しい情報を求める方針は確かに役に立つものの、選択したベンダーをよく知り、関係を介して十分な信頼を築けるように努力しなければならない。
すべての形式のディスプレイにそれぞれ相応しい場所があり、検索リターゲティングも例外ではない。多くのマーケッター達は、高いROIに興奮し、ダイレクトレスポンスツールとして扱おうとする。検索リターゲティングは、ファネルの上部を埋めて、個々の顧客候補が検討プロセスを介して動く際に認知度を高め続ける手段としても効果的である。
電化製品を販売する小売店に関しては、「TV」、「new TV」、もしくはターゲットのオーディエンスを示唆する「xbox 3d」のような用語の検索は、関連性の指標としてはうってつけであり、一般的な広告を表示させることで、知名度を築き上げ、ファネルに新たに顧客候補を加えることが出来るだろう。また、「compare TVs」(テレビ 比較)の検索には、「best buy coupon LG TV」が、取引成立を得るための動的な広告に対して理想的ではないだろうか。
そのためには、マーケッターはこのような戦略を構成要素に振り分け、それぞれの要素に目標を割り当てる権限を持っていなければならない。ファネルの上部および中部に対しては、トラフィック、クリック、そして、ツイート、フェイスブックのいいね!等の二次的なメリットに注目し、そして、底部に対してはROIに注目するのが理想である。
検索リターゲティングがサイトリターゲティングと併用され、ダブルクリック等の広告ツールで双方を計測している場合、この点は尚更重要になる。アドサーバーの役割は、結果の重複を回避することであり、それぞれのベンダーによって報告されるコンバージョンの数が合計で100%を超えないようにしなければならない。
サイトリターゲティングが功を奏する仕組みが原因で、サイトリターゲティングが最後のクリックまたはインプレッションを獲得することがよくあるため、功績を独り占めしがちだが、現実には検索リターゲティング等の調査ツールがない状態では、そもそもビジターがサイトを訪問することはなかったはずだ。
個人的には、サイトリターゲティングをアドサーバーのアカウントから外し、別々に追跡を行い、その後、すべての調査戦略の重複を省く方法を推薦する。アトリビューション調査はある程度のレベルの答えを出すかもしれないが、さらっと行えるような容易なものではないので、より単純な代案(アトリビューションモデルの3つのシンプルな代案 – 検索マーケッターに贈るアドバイスを参照しよう)を検討するべきかもしれない。
検索マーケッターは未来のメディアプランナー
Chango(チャンゴ)を始めた時、関心を持つのはセルフサービス型の検索マーケッターだと考えていた。
また、私は検索のみの代理店の出身であり、同社でディスプレイの取り組みを確立した経験を持つ。そのため、検索をディスプレイの購入に動かすにはどうすればいいのか私は分かっていた – 検索リターゲティングが当時存在したら、検索のクライアントにディスプレイの価値を見出してもらえたはずだ。
実際に検索マーケッター達が関心を示していたが、様々な理由で距離を縮めようとはせず、検索リターゲティングをディスプレイバイイングに任せる構造は変わっていない。事実、どちらかと言うとこれはディスプレイ寄りの戦略であり、今のところ…このグループは検索リターゲティングを担当することに不快感を示しているわけではない。
いずれ、この構図は変わり、この2つの戦略に橋を渡すために検索リターゲティングを利用する検索マーケッターは増え(詳しくはSEMはディスプレイ広告と連動させて相乗効果を狙え(日本語)を参照)、気取ったディスプレイプランナー(私もそんな感じだった)からより多くの予算を獲得するようになるのではないだろうか。
検索リターゲティングは効果があり、また、規模の問題も解決されている。あらゆる情報を隠すことなく、適切に計測を行うべきである。また、検索マーケッターには、ディスプレイの戦略に怖がらずにチャレンジしてもらいたい – 検索リターゲティングは、参加する価値のある取り組みである。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Four Things You Need To Know About Search Retargeting」を翻訳した内容です。
基本というには、少し高度な内容も含まれていましたし、サーチリターゲティングサービスで既に溢れかえっている米国ならではのアドバイスもありましたが、日本でサーチリターゲティングに取り組んでいく上で気にすべき先人の知恵として参考になる点もあったのではないでしょうか?
しかしこの筆者の人、肩書がChief Revenue Officerというのですね。初めて聞きましたが、ROIにこだわる会社としてのブランディング的にはありかもです? — SEO Japan [G+]
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。