コンテンツを活用してECサイトの売上を上げるSEOガイド

公開日:2012/09/12

最終更新日:2024/02/27

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コンテンツマーケティングが話題の最近ですが、コンテンツは何も読者に有益なブログの記事を書いたり、インフォグラフィックを作成することだけはありません。今回はECサイトが売上を上げるためにコンテンツをどう活用できるかということをユーザー視点から検証してみた記事をサーチエンジンランドから。「ECサイトでコンテンツマーケティングは難しい!」と諦める前にこの記事を読んでできることをやってみたい。 — SEO Japan

最近、私の地元のワシントン州ウッジンビルで車を運転しているとき、皆さんと分かち合いたくなった2つの対象的なマーケティングの方法に出くわした:

Man holding hand-written sign. Photo used under Creative Commons license courtesy of garryknight of Flickr

シナリオ #1:

2車線のカーブからスーパーの駐車場に入る際、路肩の約90メートル離れた日陰に黒っぽい服を着た男性が立っているのが見えた。

この人物は草むらの傍に立ち、ルースリーフサイズの段ボールのようなもの掲げていた。

この“サイン”は – 少なくとも私の場所からは何も書いているようには見えなかった(もしかしたらボールペンで書かれていたのかもしれない)。また、道路から遠く離れていたため、通り過ぎるまではそこにいることさえ気づかなかった。

スーパーからの帰り道、私は別の方向から再びこの男性の前を通り過ぎ、実際にはこの人が新鮮なビングチェリーを売っていたことに気づいたのであった(車からは草むらの陰に隠れて見えなかった)。

残念ながら、あまりにも気がつくのが遅過ぎた – 私は既にスーパーで夏のフルーツを買っていたのだ。私に買う気があった段階で何を売っているのか教えてくれなかった彼が悪い。

シナリオ #2:

家に変える途中、私はウッジンビルにある有名なワイナリーを通り過ぎた。このワイナリーは、夏の午後にその美しい敷地内でコンサートを行うことがある。

私がワイナリーに向かって運転している時、道路のすぐ隣の歩道に立っている人がいた。この人物は賢明な選択をしており、目立つ色の服を身にまとっていた。また、ネオンの緑色のシートを掲げ、そのシートには、大きな黒い字で次のような簡潔なメッセージが書かれていた:

チケットを譲って下さい

残念ながら私はコンサートのチケットを持っていなかった(もしかしたら私に売ろうとしていたのかもしれない)。

とりあえずこの人物がチケットを求めていたと仮定しよう。もし、私が実際に余分にチケットを持っていたとしたら、私は反応していたはずだ。事実、かなり前からこの人物が視界に入っており、通り過ぎる前にメッセージを読むことが出来た。また、この人は巧みにドライバーが車を停車させ、簡単に売買が出来る場所に立っていた。

私がこの2つのケースで感じたのは、意図したオーディエンス(この場合、車に乗って通り過ぎる人達)に売り込む方法を心得ている人、そして、分かっていない人の差であった。

SEOはウェブマーケティングの一部に過ぎない

製品やサービスをウェブサイトで宣伝している際、顧客候補がどのように見ているのかに関して本気で考えている人達はどれぐらいいるのだろうか?この点は、先程挙げた2人のストリートマーケッターによく現れている。

私達SEOは、上のシナリオ 1のデジタル版としてウェブサイトを見ていることが多い。こういったサイトのウェブマスター達は、販売ページをサイトの奥深くに埋めてしまい、見つけづらくしている。

また、たとえ販売ページを見つけてもらえても、販売するアイテムに関する有益な情報がほとんど提供されていない。ウェブコントロール、ボタン、または、リンクによって隠され、買うためにはクリックしなければいけないサイトは最もひどい。

このようなページでは、記述的なメタデータの価値を無視する、実際にはコンテンツが存在しない、ヘッドラインが短い(または省略されている)、そして、検索におけるマーケティングの取り組みの役に立たないイメージが使われている等の問題がよく見られる。

このタイプのページを持つサイトのウェブマスターは、オーディエンスは「何が欲しいのか」を知っており、適切なページに辿りついたら「何をするべき」分かっていると確信しているように思える。この顧客への信頼は尊敬に値し、また、常連に対しては当たっているのかもしれないが、これでは事業を拡大し、新たな顧客を獲得することは不可能である。

代わりに“自分が何を提供しているのか”を伝える必要がある。その際は、サイトに実際に訪れるビジター、そして、サイトをクロールする検索エンジンの双方に分かってもらわなければならない。

それでは、通り過ぎる顧客候補に素通りされて他の場所で買い物をされるのではなく、自分のサイトに立ち寄ってもらい、製品を購入してもらう確率を上げる方法について、幾つかアイデアを提供していく。

ページのメタデータにはSERPでブレーキを踏んでもらえる効果がある

保守派のSEOにとって、ページのメタデータは腕の見せ所である。検索エンジンのユーザーを製品ページに送るには、何を売っているのかを説明しなければならない。そして、人間のユーザーとは異なり、検索エンジンはメタデータのタグに注目する。

ページを検索クエリに関連付けるためには、固有の<title> タグ、<meta> デスクリプションテキスト、そして、刺激的な<h1>ヘッドラインを記述的且つターゲットの絞られたキーワードを使って加える必要がある。

しかし、SERPの青いリンクのテキスト(<title>タグ)、そして、青いリンクのデスクリプションスニペット(<meta>デスクリプションタグのテキスト)として表示される魅力的なメタデータのテキストを作成する必要があり、これはSERP内でリンクをクリックしてもらうことと同じぐらい重要である。クリックスルーされないなら、コンバージョンも得られないのだ。

それでは今回のオフラインの例をオンライン版として引き合いに出し、検索エンジンのユーザーとして、どのSERPのリスティングが最も目立つか考えてみよう。

SEOとして、メタデータを加え、オンページのテキストと<h1>タグを作る際はこの点を考慮する必要がある。

<h1>タグはページ上で表示されるためメ、タデータではないと言う罵声が聞こえてきそうだ。その通りだが、<h1>はページのテーマを決定する記述的なテキストでであり、従って、このタグを「ページのコンテンツに関するデータ」 – すなわちメタデータのカテゴリに加える決断を私はしたのだ。

キーワードで最適化された効果的なメタデータは、検索エンジンがページに何が記載されているのかを理解し、検索に対する関連性を構築し、検索結果でユーザーが見つけやすいように改善し、そして、SERPでのクリックスルー率を引き上げる上でプラスに働く。 まさに伝統的なSEOの基本である。

ページ上に記述的な情報を加える

これで検索エンジンのユーザーをページに誘導することに成功したことになる。幸先の良いスタートだ。それでは、ページにアクセスしたビジターは、その製品について何を知りたがっているのだろうか?

アイデアをかき集めてみよう。彼らの立場になって考えてみるのだ(あるいはオンラインで何かを探している際にウェブページで自分が何を見たいのかを想像する)。

成功を収めているeコマースサイトは、製品ページの本文で次のような情報を提供している:

  • 製品の正式なメーカーおよび型名(これはキーワードの素材として理想的である)
  • サイズや寸法
  • 重さ
  • 素材のタイプ
  • 製造日(鮮度が重要な製品の場合)
  • その他の関連する製品の仕様および機能
  • 保証の情報
  • 価格(配送費や消費税を含む、価格を掲載してもらいたい。私なら価格を探さなければならないサイトは避ける)
  • 詳細な製品の説明(少なくとも1段落以上)

このような情報を提供することなく、ビジターのニーズや疑問を考慮していないサイトは、ビジターをカスタマーにコンバートすることに苦戦するだろう。

さらに情報を加える

ページ上の基本的な情報に加え、優れたeコマースサイトは、マルチメディアコンテンツを多用し、製品情報を補強している。これには、複数の製品のイメージを提示する取り組み(詳細を確認するための拡大写真等)、How To 動画、インストールや設定の情報等が含まれる。

MozCon 2012で、私はMyBinding.comのジェフ・マクリッチー氏による15分間のプレゼンに大いに魅了され、刺激を受けた。 マクリッチー氏は、ペーパーバインダー、シュレッダー、ラミネーター等 – 正直言って派手さに欠ける製品に対して大量の短い、魅力的な動画を加えた。

同氏は大量の動画を早く且つ安く作成する方法を編み出し、また、サイトのビジターが動画を視聴すると、当該の製品に対するコンバージョン率がなんと5倍に上がることに気づいたのであった。

支持

他に顧客候補の人達は何を見たがっているのだろうか?もちろん製品のレビューである。

製品ページの魅力をさらにアップするため、顧客にページ上でレビューを提供してもらおう。また、顧客による推薦、そして、オンラインマガジンやレビューサイト等の第三者のレビューへのリンクを加えることも可能である。

製品ページの顧客のレビューを利用する方法について、MozCon 2012で私は素晴らしいアドバイスを学んだ。それは、デフォルトで表示したい製品レビューを積極的に選択することだ。強力なキーワードを利用し、詳細に渡って情報が提供され、そして、ポジティブに説得するレビューを選ぶ必要がある。顧客に後押ししてもらうのだ。

製品の購入をとことん簡単にする

これでサイトのビジターに対して、購入を行うために必要な情報を全て提供したことになる。次はどのように購入すればいいのかを分かりやすく伝える段階だ。

「今すぐ購入する」等のコントロールにはページの他の部分とは対照的な色を選ぼう – ボタンのイメージやその他の分かりやすく、非常に目立つコントロール等が理想的んである。このコントロールは確実に上半分に掲載するべきである(ページが記述的なコンテンツによって長くなっているなら、ページの底にもボタンを加えよう)。

顧客に足を止めてもらう

コンバージョンを上げるためにページを最適化する方法を語っていたら、日が暮れてしまう。しかし、基本的には路肩でドライバーに何かを売ろうとしていた2人に全てが濃縮されている。

ウェブサイトで行っている活動は、一目で気づいてもらえるだろうか?メッセージを隠しているだろうか?それとも、ページに(そしてメタデータに)で分かりやすく、見やすく提示されているだろうか?製品の買い方を含め、顧客候補の人達が知りたがっていることを伝えているだろうか?

そうではないなら、顧客は目の前を通り過ぎ、別の人から製品を購入してしまうだろう。「何を売っているのか」を伝えることが出来れば、足を止めてもらえるはずである。

写真はクリエイティブコモンズのライセンス契約の下、フリッカーユーザーのgarryknightの作品を利用させてもらった。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The SEO’s Guide To Adding Content For SERPs & Sales」を翻訳した内容です。

冒頭のストリートマーケッター(?)のくだりは面白かったですし、検索エンジンの検索結果ページの順位や表示内容を考える上で、改めて気づきがあるのではないでしょうか。それ以降の各アドバイスも1つ1つは基本といえばそれまでですが、実際にサイト上で実践できているかどうか、中途半端に終わっていないか、再確認して必要あれば取り組み直すだけでも、ECサイトのコンテンツ活用レベルはかなり上がってくるのではないでしょうか? — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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