原題「Ratings, Reviews & Reputation: Their Growing Impact On Search」。
モデレーターはサーチエンジンランドのマット・マッギー。スピーカーはOutspoken Mediaのレア・ドライズデール、KeyRelevanceのクリス・シルバー・スミス、15milesのグレッグ・スチュワート。
まずは15milesのグレッグ・スチュワート。名前の通り、主にローカル検索に強いサーチマーケ会社。
PC – 5回の検索中、1回がローカル関連。
モバイル – 3回の検索中、1回がローカル関連。
2009年と2010年を比較した場合、地域情報をネットで探す人が増えているという統計を紹介。
レビューサイトを探す割合:
32% – 全検索
40% – ソーシャル検索
45% – 音ばいる検索
4人の1人が検索の際、レビューサイトを参考にする。つまり25%。
ソーシャル検索の場合、40%、モバイル検索の場合、50%に増える。
消費者のうち、実際のレビューを投稿する人は23%。」
マーケッターがすべきこと:
1. 既存顧客にレビューサイトに投稿するよう依頼する。
2. 地域情報サイト(citysearch、yelp)に登録する。Googleの検索結果上でも連動して表示される。
3. ネガティブなレビューに反応する時はきちんとプランニングする。文句や言い訳は逆効果。対応する時はできるだけ早く行い、自分を正当化しないこと。できるだけオフラインで問題解決するよう促す(例えば謝った上で電話番号を記載し電話してもらう)。
4. 量より質。自作自演はばれる可能性がかなり高い。
5. ネガティブレビューを隠そうとしない。多少はネガティブレビューがある方が自然。50%の消費者は良いレビューと悪いレビューの両方がある方を信頼する。良いレビューだけより20%実際に利用する可能性が高い。ネガティブレビューはまた貴重なフィードバックでもある。改善できることは改善する。
6. 知識は重要。レビューサイトは多数ある。いわゆる「評価型」サイトだけではない。facebook、YouTube、Google Maps、yelp、Twitter、Citysearch、foursquareなど。
次はOutspoken Mediaのレア・ドライズデール。レビューのシグナルとテクニックについて。
Googleのレビューシグナルについて。
– レビューアーのロケーション。
– レビューの投稿頻度。
– レピュテーションスコア。
– ユーザーのソーシャルネットワーク。
– コンテンツの内容(感情分析)。
(全部Google Mapsのレビューを元にした話)
Googleのレピュテーションスコアはレビューアーとレビューを元にしている。
ユーザーの友達のレピュテーションスコアも重要。
パーソナライゼーション。レビュー頻度、過去の履歴も考慮。
レビューコンテンツの内容。感情分析。
新しいレビューがある方が評価が高い。
ユーザー毎のソーシャルネットワーク。
Googleが参考にするサイト:
– Gmail(&Googleプロフィール)
– Twitter
– Flicker
– Quora
– Yelp
– 友達のウェブサイト
など。
ソーシャルサーチのベータ版は &tbs=frim%3a1 のパラメータをつけると検索可能。
GoogleはGoogle関連サイトもだが、それ以外の外部サイトからデータを取得し、レビューの傾向を探ろうとしている。
感情分析はまだまだ。
DecorMyEyes事件の後、Googleは「ユーザー体験の悪いサイトは検索結果で下げた」といっているが、手動で下げられたDecorMyEyesを別にすると正直実際の事例を見たことはない。
今後考慮されるかもしれないシグナル:
・より高度な感情分析。
・実際に利用したかどうかの確認(mint.com等のファイナンス管理サイトと連携し)。
ローカル検索で上位表示するためにレビューは必要か?
現状、絶対に必要ではないが、一緒に表示されることで実際の利用率は上がるだろう。リッチスニペットを活用することも重要になってくる。
最後はKeyRelevanceのクリス・シルバー・スミス。
Decor My Eyesの話。ニューヨークタイムズが、Googleの順位をネガティブレビューを投稿させることでリンクを集めて上げていると誇らしげに語る悪徳Eコマース業者を取り上げた件。
Googleはすぐにアルゴリズムを調整したと発表し、サイトの順位を落とした。
Googleは品質の低いリンクはそもそも順位改善に貢献しないと言っていた。
また多くのレビューサイトはDecor My Eyesにリンクさえ張っていなかった。
ではリンクが無いのに何故順位が上がっていた?
↓
「Citation / サイテーション / 引用」のおかげ。
Googleは特定のビジネスについて書かれているコンテンツがあれば、それをサイテーションとしてリンクのように評価する。ビジネス名や名前、電話番号など。
Googleのアルゴリズム変更が本当であれば、リンクが無くともサイテーション+ネガティブレビューはランキングに悪影響を与えるかもしれない。
Googleは、レビューサイトの点数自体を評価対象にしないと過去に何度も言っている。しかし検索結果を見ていると何らかの関連性があると思われる場合がローカル検索の結果に多い。レビューコンテンツを感情分析して検索結果に反映させている可能性がある。またレビュー数が多いサイトや最近レビューが投稿されたサイトをより評価している可能性は高い。
レビューのコンテンツに含まれるキーワードもGoogle Maps上のローカル検索では検索対象になる場合がある。
ちなみにGoogleはローカル検索以外のバーティカル検索でもレビュー情報を統合してきている。
レビューサイト対策:
・まずはカスタマーサービスのレベルを上げること。
・レビューがGoogleプレイスページに連動していない場合。住所の情報を再確認!
・ネガティブレビューがある場合、可能であれば対応する。
・hCard/hReviewマイクロフォーマットを導入する。
・リッチスニペット対応をする。
ネガティブレビューが出てしまう場合、レビューサイトの登録情報を変更して、検索結果で連動させない(= 表示されない)という裏技もある。余り勧めないが。
以下、Q&A少しだけ。
マット:既に多数の顧客の感想・テスティモニアルがあるが、これを上手くレビューサイトに使えないか?
パネリスト:自社サイトに掲載する方が無難だとは思う。レビューサイトで投稿すると意図的に見えてしまい逆効果になる可能性がある。少し位なら良いかもしれないが。
マット:レビューを上手に書くとはどういうことか?自作自演は勧めないのでは?
パネリスト:場合によってはすることもある。基本勧めないが。
パネリスト:Googleはレビューアーの質を徐々に考慮するようになってきている。自作自演は効果がないか、最悪ばれてしまう可能性もある。中長期的に取り組む方が良い。
マット:一人の悪質なユーザーに匿名で多数のネガティブレビューを投稿された場合、どう対処したら良いのか?
パネリスト:きちんとしたカスタマーサービスを行っていれば他にある程度良いレビューが投稿されており、それでバランスが取れるとも思うが。
パネリスト:レビューサイトも匿名ユーザーや連続投稿に対しては評価を低くしたり個別の対応をしてくれることもある。
もう少しレビューが検索結果に与える影響を知りたかった気もしますが、それなりに参考にはなりました。Googleがかなり力を入れている分野なのは間違いない印象です。特に店舗ビジネスの場合はレビュー対策がネットマーケティングにおいてかなり重要になってくる気もします。もちろん、きちんとしたカスタマーサービスや商品サービスを提供していれば、それ程特別に対策することはないのかもしれませんが。とはいっても、ほんの些細なことで不当に評価されたり、場合によっては炎上騒ぎが起きないとも限らないネットの世界、ある程度の情報武装はしておきたいですよね。 — SEO Japan
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。