SMX West 2011 : SEOのテクニカルな質問にGoogleが答えます

公開日:2011/03/10

最終更新日:2024/03/18

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SMX West2日目最後は(途中1本休みました)、毎度お馴染みのマニアックなSEOセッションを。テクニカル系のSEOの質問にGoogleと大手新聞のサイト運営者が答えます。 — SEO Japan

モデレーターはサーチエンジンランドのバネッサ・フォックス。スピーカーはバネッサも参加し、Googleのマイリー・オーイとデファイン・メディア(ニューヨークタイムズ子会社)のマーシャル・シモンズ。セッション名通り。Q&Aベース。

Canonicalはいつ使うのがベストか?

マーシャル:ニューヨークタイムズ(以下NYT)では何百万というコンテンツを配信しており、また多数のサイトにシンディケーション配信している。Canonicalタグをサイト内で正しく使い重複コンテンツの問題を解決することは、かなり壮大なプロジェクト。時間はかかるが、結果的にはGoogleのサイト内でのクローリング時間も減らし、残りのページの評価も上がる。やる価値はある。

マイリー:重複コンテンツをクロールできないようにする、という形からCanonicalを使ってどのコンテンツがオリジナルかを指定できるようにした方( = 重複コンテンツであってもクロールできるようにする)が良い結果が得られると判断している。ウェブマスターツールズのパラメーター機能を上手く活用することも手だ。

マーシャル:ページネーションを処理する場合、Canonicalタグはどのように設置するのがベストか?例えばCanonicalタグを設置したページには全ページへのリンクを張るべきというが( = 全て表示 と同じ状態)。ページランクの分散率などが気になる。

マイリー:Canonicalの意味としては重複コンテンツをクラスター化して同じコンテンツを特定の情報源に分類する目的がある。例えばページネーションでいうと、10件表示でページ1とページ2があるとする。20件表示で1ページで同じ内容を表示できる。「全て表示」するページがあればCanonicalはそこに向けるべき。同時に向けているページの内容が限りなく(検索結果含め)同じ必要はある。ページネーションの処理の場合は通常問題ない。

バネッサ:検索結果が100万件の場合はどうするのが良いか?全件表示は厳しいのでは。検索結果をさらにカテゴリ化して最終結果まで辿り着るようにする必要もある。

2つのページ内容が違う場合、Canonicalタグを指定しても無視されるのか?

マイリー:その可能性が高い。基本的にページ内容がある程度同じじゃないとCanonicalを適用( = コンテンツをクラスター化)しない。例えば検索結果の2ページ目から1ページ目へCanonicalタグが指定されていたら検索結果が全く違うので適用されない可能性がある。使い方としては間違っている。

ユーザーの目的や意図に合わせて表示順などを変えているので、サイト上に大量の重複コンテンツがある。Canonicalタグをこのような場合でも使うべきか?

マイリー:URLが違いページが同じであれば使うべき。

CSSで文字を表示外に記述する手法はどうなのか?

マイリー:例で説明したい。

CSSで動的画像を使ったナビゲーションをコントロールする場合、その箇所にテキストを置きたい場合がある。例えばグローバルナビゲーションで各カテゴリー画像にカーソルを持っていくとサブカテゴリーの一覧画像が表示される。その一覧コードにH1テキストを挿入し、CSSで

position: absolute;
left: -999px

等のコードを記述し、テキストが表示されないようにする。かなり使われてきたテクニックだがスパム扱いになる可能性がある。

これからは@font-face機能を使ってテキストを使うことで対応することをおススメする。IE6以降で対応している。

障害者へのアクセシビリティの問題に対応できるのか?

バネッサ:どちらかというとポリティカルな話だね。

Display: none;はまだ使えるのか?

マイリー:それ自体は問題ない。

Discusのコメンティングシステム(註:ページにコメントできるサービス、多数のサイトが導入)は便利だが、AJAXベースでコメントが表示されるのでインデックスされない。私の知っている人はAJAXベースで文字を表示する場合、別にコメントのテキストをnoscriptでページ内に表示させてGoogleにインデックスさせている。これは手法としては良いのか?

マイリー:実際にページに表示されるテキストだし、問題ないと思う。

Flashをクロールできると数年前からいっているが、正直余り機能していない気がするがどうなのか?

マイリー:Flashは常に難しいチャレンジだ。GoogleはFlashやFlash経由で外部ファイルも読めるようになったとはいっているが、通常のウェブページのテキストに比べればクローリングの成功率は低い。

バネッサ:BingはFlash対応できていない。それを考えると良いのでは?

マイリー:常にチャレンジしているが、Flashが勝手にクロールされることを待つよりはページにテキストを記述することをお勧めする。

Disney.comが使っているテクニックはどうなのか?(註:多少グレーなFlash対策をしているようです)

マイリー:個人的にはおススメしない。

サイト上に低品質のページが大量にある場合は高品質のページまで低くサイト毎低く評価される可能性がある。低品質のページを削除すべき、というが、単純に低品質のコンテンツをブロックすればいいだけでは?本末転倒ではないか。

マイリー:考え方はわからなくもないが、そもそも低品質のコンテンツはユーザーにとっても役に立たない場合も多いだろう。その場合は、サイト側で低品質のコンテンツにnoindexタグをつける手法もあるかもしれない。少なくともGoogleに努力していることは伝わる。noindexの場合はGoogleはまた戻ってくる。品質が上がったらnoindexを外せば良い。

バネッサ:巨大サイトの場合はrobots.txtでクロールによる負荷を避ける意味で排除する場合もありえるだろう。

シンディケーション契約しているコンテンツサイトの場合、シンディケーション先のコンテンツもクローリングさせる方法はあるのか?例えばシンディケーション先でコンテンツに関連する独自のコメントや追加情報があり、ページの30%がオリジナルと違うケースなど。

マイリー:どちらかというと、テクニカルというよりクリエイティブな質問の気もするが。

バネッサ:シンディケーションされたコンテンツをオリジナルより価値があるものにすることはかなりのチャレンジ。明確な答えはない。

マーシャル:オリジナルコンテンツが元のサイトで他の大量のコンテンツと一緒に掲載された状態より、シンディケーション先の大手サイトで情報がより整理された状態で配信されることで、結果的にシンディケーション側のコンテンツが検索結果で高く評価されることもあるだろう。

アグリゲーションサイトが氾濫しているし、それなりの質の高いものもあるが、コンテンツはほぼ全て外部サイトからのものだ。例えばショッピングのアグリゲーションサイトは大手サイトが商品キーワードでかなり上位に表示されているが、オリジナルコンテンツは無い。このまま上位に表示されるのか?

マイリー:サイトのサービスが良ければ価値があるサイトとみなされサイトにリンクが多く集まりGoogleにも評価される。それはそれで上位表示されて良いのでは。

マーシャル:かなり難しい問題だとも思っている。ある意味誰でもできることだし。そういうサービスばかり乱立しかねない。

マイリー:それが生きることでは(That’s life…)。

バネッサ:あなたに人生の教訓を聞くとは思わなかった 笑

モバイルサイトについて教えてほしい。

マイリー:モバイルサイトには専用のインデックスとロボットがある。モバイルサイトに通常のGooglebotが来た時はPCサイトにリダイレクトすべき。逆も同じ。

バネッサ:ユーザーにも同じことをするだろう。それと同じことをすればよい。Canonicalタグはどう処理する?

ファーマー・アップデートについて。幾つかのサイトが壊滅的なダメージを受けた。

バネッサ:テクニカルな質問じゃないけど?

マイリー:明日マット・カッツが来るから彼に聞いてもらった方が良い。私はこのトピックには話す権限がない。

大規模サイトでサイトをリニューアルした。複数なシステム・サーバーで運用しておりURLもバラバラ。仕方ないので古いサイトにGooglebotを飛ばしている。クローキングといえばクローキングだがスパムのつもりはない。このままで大丈夫なのか?

マイリー:Googleはどんな場合でもクローキングは推奨しない。サイトリニューアルは常に難しい。内容を見てみないとわからないが、何らかの対処を徐々にでもしていった方が良い。

バネッサ:例えばロードバランサーを使っているなら、ユーザーの条件・属性によってサーバーやコンテンツを振り分けることもできる。Googlebotもここで利用する。ただこれもクローキングといえばクローキングかもしれない。Googleの正式なコメントがほしいところだけど。

大規模サイトで適切なリダイレクトを導入することはかなり難しいのだが。

マーシャル:エンジニアに重要性を理解してもらってプロジェクトにするしかない。

カフェインアップデートからGoogleのクローリングが劇的に増えた。ただ、もっとクローリングしてほしい 笑 クローリングの頻度をさらに増やすには何をしたら良い?コンテンツの細かい更新をもっと検索結果に反映させたい。

マイリー:クローラーの訪問頻度のシグナルは色々あるが、新しいページはできるだけ早くクローリングしたい。XMLサイトマップは効果的。インデックスされたページは定期的にクローリングし、もしも更新頻度が高い場合は、より多くクローリングする。

マーシャル:ウェブマスターツールで評価されているページからリンクを張ればかなり早くクローリングされる。


以上でした。昨年と比べて余りテクニカルじゃなかったですね。ほとんどCanonicalの話でしたし。。。今回は余り技術系のアップデートで目立ったものがGoogleにも無かったですし(昨年はAjax対応とかありました)、逆に全般的に技術的にやるべきことの基礎知識のレベルは上がってきてもいるのかな、という印象も少しだけ持ちました。ま、このセッションに出る人はそれなりに知識がある人でしょうが。。。 — SEO Japan
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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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