私が多くの法人顧客に対して抱えてきた1つの課題は、従業員にブログを書かせることだ。大部分の従業員はそんな時間もスキルもないと感じている。そのため、サウスウェスト航空に、自社ブログ「Nuts about Southwest」を書いている従業員が多数いることを知った時には、私の興味をかき立てた。私は、このブログのエネルギーと気迫に引き込まれた。
好奇心に駆られた私は、サウスウェストの企業ソーシャルメディア戦略を管理するChristi McNeillと膝を交え(コンピューター上で)、そのブログとソーシャルメディアプログラムについて議論した。彼らが多くを徹底的にダラス内でやっていることが判明した。2006年に開始したソーシャルメディアプログラムは、素晴らしい結果を見せている:ウェブサイトへの訪問者数が毎月1200万、Twitterのフォロワーが100万人、Facebookの「いいね!」の数が1300万だ。
彼らのプログラムのゴールは、サウスウェストに関するニュースを伝えること、そのカルチャーを強調すること、“ファン”(つまり顧客)と関与することを組み合わせたものだと、Christiは言う。
以下は、ブログとソーシャルメディアに対するサウスウェストのアプローチで私が最も気に入った5つのキーポイントである:
Christiが言うには、会社は、“ほんの少しの特権とごちそう”で従業員ブロガーをやる気にさせている。“しかし、主にこれらの人々は自分達の仕事を愛し、それについて話すのが好きな人達なのだ。” 教訓:従業員の興味関心と情熱を活用すること。
しかし私が言えることは、サウスウェストは、TwitterとFacebookを介して話を聞き、関連ツイートや記事―例えば、厳しい天候状況がフライトスケジュールに影響を与える―やディスカウントなどを提供して、かなりうまくやってのけたのである。今私は彼らのTwitterアカウントを見ているが、彼らは、タイムリミット寸前の夏旅セールを扱うウェブサイトの不具合に関する火を消そうとしている。教訓:耳を傾け、いつでも素早く対応できるようにしておく。
企業のソーシャルメディアプログラムについて孤立して話すのは簡単だ。これが誤解を招いているのかもしれない。ソーシャルメディアの取り組みには、その企業の文化と態度が広く現れる。
私の個人的体験が何かを暗示するとしたら、サウスウェストはこの分野の最先端にいる。恐らく、サウスウェストのカスタマーサービスがパーフェクトなのではなく、彼らのライバルの多くが脆弱なのだ(私は20年以上もサウスウェストを利用している)。ユナイテッド航空がいい例だ。私が、謝礼の2枚のチケットを口座に払い戻しする際に彼らが妻と私に対して各自150ドルをチャージしたことに対して文句を言うと(私達はそのチケットを元々のフライトに使うことができなかった)、その回答は一貫してネガティブで、“私達は規則に従ってやっています”というものだった。
私はそのことについて何度かつぶやいたが、ユナイテッドからの反応はない。(恐らく、問題は“規則”だ。サウスウェストのアカウントならマイルを出し入れできる。)
古い諺にあるように、ブタに口紅をつけることはできるが、ブタはブタだ。企業の文化とビジネスアプローチにソーシャルメディアプログラムをかぶせてうまく取り繕うことができるとは考えないことだ。
最後の教訓:一にも二にも、三にも、顧客のことを考えること(利益はそれについてくる)。
この記事は、Social Media Explorerに掲載された「Southwest Airlines and Social Media Strategy: 5 Lessons for Marketers」を翻訳した内容です。
この記事を読んで実は始めてサウスウェスト航空のブログを読んでみましたが確かにこれはスゴイ内容です。ブログを活用した企業ブランディングとしては最強ではないでしょうか。これを実現しようとするには企業のソーシャル戦略がきちんと構築されていることが大前提にはなりますが、だからこそツイッターも成功しているんでしょうね。同時に、そんなソーシャル大活用のサウスウェスト航空でさえ、B2Cビジネスが強く企業規模が大きいこともありますが、定期的にソーシャルで炎上騒ぎが巻きおこっているんですよね。それを自らのソーシャル活動を通じて火消しし、企業活動の改善にもつなげていくというのが、いかにも今的な企業の在り方ですね。隠蔽体質とは180%反対のやり方ですが、さてさていつの日か日本でもこのレベルでソーシャル活用ができる大企業が登場してくる日はあるのでしょうか。 — SEO Japan
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